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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

箱がある日本。 箱が無いイギリス。 

 ウェールズで主催者の方と色々とお話をさせて頂いて、色々なことを感じ、考えさせられました。
 
 元々クラシック音楽が盛ん、というわけではないこの地域。
 ですが、今は私が演奏させて頂いた教会で、子供たちの40人からなるオーケストラがあったり、少しずつ寄付などによって、教会にピアノを備え付けているそうです。

 この地域には、コンサートホールも、劇場もありません。
 
 日本には、田舎であっても、立派な市民会館/ホールがあり、その多くにスタインウェイやヤマハ、カワイのフルコンサートグランドが備え付けられている。 
 私の出身地には、大、小、中3つの立派なホールに数台のフルコン。 そして10近い公民館にもフルコンでは無いけれど、グランドピアノがある、と言ったら、とても驚かれました。
 そして、それらの多くが、ピアノ教室の発表会以外で使われることがほとんどない、ということをお話して、ピアノの手配に苦労なさっているこの方にはショックだったようです。

 今回、私はここで弾くのは初めてですし、もちろん名前も知られていませんが、それでも、100人前後の方々がいらしたそうです。
 車で来る範囲の方も多く、その理由は、この地域(ペンブロークシャー)では、生のクラシック音楽を聴けることが少ないから。
 私がお話させて頂いた方々も、ここで生まれ育った、というよりも、ロンドンや大都市の生活に疲れて、ここに移ってきた、という方々も結構いらして、もちろん、環境は良いけれど、芸術に飢えて、こうして、聴きにいらっしゃるそうです。

 これをカルチャーの違い、というのかどうか。
 
 ある日本の市民会館(昔ながらのです)のホームページを見ていたところ、10年近く振りにプロの方(歌)のクラシックの音楽会を開いた。 集客が不安だったけれど、どうにか、恥ずかしくないくらいの集客ができた、というのを読んで、とても複雑に感じたのは私がここ(イギリス)で生活しているからなのでしょうか?
 この会館にも、ご多分に漏れず、フルコンサートグランドが備え付けられています。
 あの大きさの会館では、普通のピアノ教室の発表会だって難しいのでは?
 ということは、何年もフルコンはプロのピアニストによって弾かれていなかった、ということ?

 これは、この会館だけの問題ではないと思います。
 
 既に8年ほど前になりますが、出身地の市の文化祭開会式というものにお声をかけて頂いて、30分の演奏をさせて頂いたことがあります。 ほとんど演奏会では使われることのない中ホール(どちらかというと、バレエの発表会などで使われる)。
 ここに、スタインウェイとヤマハのフルコンが入っていました。
 予め市の方がスタインウェイを用意下さり、本番前日に調律を入れて下さり、夕方からリハーサル。
 当時はまだ王立音楽大学の学生を終わった頃でしたので、スタインウェイのフルコンは弾き慣れていたはず。
 それなのに、ピアノが目を覚ましてくれない。
 要は、開館から10年近く、ほとんど使われたことがない楽器だったようです。

 どうにもならなくて、まだ使われていると思われるヤマハを倉庫で弾いたら、そちらの方が翌日弾くには使い物になる、ということで、急遽動かして頂きました。
 私は与えられたピアノを弾く、というスタンスですが、あの時だけはどうにもなりませんでした。

 きっとこういう問題は他の所でもあると思います。
 よほど、コンクール、プロの演奏会が行われているホール以外では。

 だからといって、この頃多く見かける、ホールの舞台でフルコンを一般開放、というのもどうなのかな?と思ってはいますが。

 かたや、使われていないピアノがたくさんある日本。
 ピアノが無くて奔走しているイギリス。
 出身地に関係なく、行政からの補助もあるコンサートであっても、私のような外国人もよんでくださるイギリス。
 まずは出身地を問われることも多い日本。 

 短期間で戦後、ほとんどの市町村にホールを備え、フルコンを置ける日本人のすごさ、とも言えますが、主催者の方といっしょに私も再び色々と考えさせられた時間でした。

 あの場所で演奏させて頂いたことにも感謝ですが、この主催者の方との出会いにも感謝です。
 
 

 

Posted on 2016/04/28 Thu. 23:11 [edit]

category: 音楽

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