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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

フェスティヴァルを終えて 

11月14,15、21,22日の2つの週末にわたって行われたフェスティヴァル。
この日程のフェスティヴァルは、ロンドン近郊でいくつかあって、どこに出るのか迷いましたが、私は一番距離的に行きやすいところ、受けるクラスが興味を持てるところ、生徒を出すにも場所的に一番良い、と思えた西ロンドンのピアノに特化したフェスティヴァルに参加しました。
 ここでいうフェスティヴァルというのは、コンクールと発表会の中間のようなもの。
 順位はつきます。 が、人前で演奏し、審査員の先生にコメントを頂けるのが勉強。

 15日の夜に、バロッククラス(Open)
 バッハ: 平均律クラヴィーア曲集 第1巻第8番 変ホ短調
 
 審査員はおひとり。 一人で、朝の9時から私たちのこのクラスがこの日の最終で、始まりが夜7時20分(結局は7時45分始まりの、8時20分終わり)。
 とてもお疲れのことと思います。
 しかも、西ロンドンの私立の中、高校をお借りして、非常に大きな音が鳴る、ブルットナーのピアノのあるホールで、一番前で様々なレベルの人たちを聴き続け、コメントを書き、そして講評をしていくのは非常に大変なことと思います。

 バロックの時代に書かれたもの、制限時間は8分。
 ということで、非常にぎりぎりの時間でしたが、私は、昨年12月のコンクールで大破壊、今年2月のフェスティヴァルで破壊させて、今年はコンクールでは弾いていない、バッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻第8番、 変ホ短調を演奏。

 とにかく心掛けたのは、審査員も、隣で演奏を聴いて雑用をしていらっしゃる主催者の方も、とにかく疲れていらっしゃるだろう、ということ。 だから、通常私がこの曲を弾く時に比べて、重い十字架を引きずるのではなく、聖母マリアのような、淡い光のある教会のステンドグラスのような、透明感のある音、いつもよりも緊張感を緩めたストラクチャーでの演奏をする、ということ。

 事前に一切触れていないピアノ。 ただ、大きい音がでる、ということはわかっていたピアノ。
 プレリュードで1音目を出したとき、コントロールがきかない、今まで弾いてきたブルットナーとは全く違うタッチに戸惑いました。
 が、すぐに、2本のペダルを駆使して、タッチを変えて、対処。
 
 音の出し方に気を取られてしまった感もありましたが、今までにないこのプレリュードとフーガだったことも確かです。
 きっと、パリのテロのことを思っていたからでしょうか、1月に訪れた、パリのマドレーヌ寺院の中が目の前に広がってきたのは素敵な経験でした。

 言葉悪く言うと、狙った演奏かもしれません(審査員の耳にやさしく、ということを考えた演奏)。
 ですが、バロックは人によって解釈が違うから、とても難しいところでもあります。
 特に、この私の平均律は、今までにも個性が強い、と言われていたものに、さらに今回は手を加えているのです。

 結果、かなりの高得点で、1位を頂きました。
 そして、バロッククラス全体の最高点で、そのうち、カップを頂けるそうです。
 プレリュードに関しては、べた褒めして頂き、恐縮するばかりでした。
 特に、やはり、音の美しさ、和声の理解力、フレージング、音楽性を評価していただき、伝わる演奏だったそうです。
 
 帰り際、主催者の女性(たぶん、ピアノの先生ではないかと・・・)にもペダリングによる音の調節を評価していただいて、うれしいばかりでした。 きっと、あの時間のあの演奏だったから、という評価だと私は思います。

 
 21日の夕方には、西ロンドンにある、小さな教会で、エキシビション(他のフェスティヴァルだとリサイタルクラスということが多い)クラス。 15分以内で2曲

 ベートーヴェン: ピアノソナタ ニ短調 17番(テンペスト) 第1楽章
 ショパン: 4つのマズルカ 作品67

 あえてこれらの曲目での参加。
 テンペストは、12年ぶりくらいに弾いたはず。
 こういう機会でないと、なかなか解凍をしないので、良い機会だと思って。
 
 案の定、この曲を弾くたびに問題になる、ペダリングに対する注意。
 ただ、私は、3年前にベートーヴェンの時代に作られた楽器を弾いて、この部分に関しては今の楽器との違いを身をもって経験し、私なりの意見もあります。
 あとは、テンポの問題。 これは、私のとても弱点。
 それでも、こうして、きちんと舞台に戻すことができて、良い機会でした。
 
 そして、ショパンのマズルカは、本番では何度も弾いているものの、やはり審査される場所では弾くのを躊躇して弾いたことがありませんでした。 今回はあえて、これを知りたくて、マズルカを弾くことに。
 
 結局、講評で言われたのは、私の演奏は、「ミニリサイタルを聴いているよう」ということでした。
 上位になったのは、私は好きではないけれど、難曲を軽々と。 怖いものなしの演奏でした。

 このクラスは、10代の子達から、定年後くらいに見えるアマチュアの方まで色々と混ざるクラスでした。
 全22曲が演奏されましたが、1曲も重なりませんでした。
 これが、ピアノ曲の幅の広さだな、と思わずにはいられません。
 
 終了後、1人の男の子(参加者)に声をかけられ、私が修士を終えた、王立音楽大学で同時期にピアノ科に在学していた子でした。 彼は当時学部生だったようですが。
 私はああいう雰囲気のピアノ科のイギリス人は結構多いから、と思っていたのですが、あちらは私のことがわかったそうで・・・
 帰り途中までおしゃべりしながら帰りましたが、こうして、卒業後フェスティヴァルに参加している人に出会えるのは本当に刺激を受けました。
 そして、この時の演奏に対して、嬉しいことを言ってもらったので、わかってくれた人がいたことに、Happyでした。

 
 最終日、22日の夕方には、コンチェルト。
 今回、昨年のサマーコースで出会って、今は私の母校で伴奏を勉強している後輩に伴奏をお願いしました。
 
 グリーグ: ピアノ協奏曲 第1楽章

 11年振りにこの曲を人前で弾きました。
 残念なことに、私自身が色々と悔いの残る演奏になってしまいました。
 
 やはり、ソロとは違います。
 初めて協奏曲を勉強した時とは違い、2,3度本番(全てピアノ伴奏ですが)にかけている曲なので、また違う難しさがあることをいやというほど知りました。
 それでも、講評では、「コンチェルトの演奏スタイルを非常に身に着けている」というのが意外なこと。

 11年前よりもメカが良くなっていますので、あれ?と思うところも何度か。
 
 審査員の先生からは、今回のフェスティヴァルで私が弾いた曲、時代の弾き分けがしっかりとしていた、ということをおっしゃって頂いて、気を付けていることを評価して頂いたのは嬉しいです。 が、もちろん、弱点も多く言われましたので、これらを磨かなければいけません。

 決して得意曲だけで勝負したわけではない今回のフェスティヴァル。
 それでも、どうにか受けたクラス全てで賞を頂けたことは大きな進歩だと思います(今更ですが)。

 次に向けて、まためげずに頑張りたいと思います。



 
 

Posted on 2015/11/24 Tue. 23:38 [edit]

category: 自分のコンサート

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