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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

 

今日は多少涼しかったものの、10月がもうすぐ終わろうとしているのに、未だにコートを着ていないロンドンです。
 在英17年目、こんなことは初めてです。
 明日は、最高気温が18℃だか19℃だか、いずれにしても、驚く気温。
 暖房も入れていませんし、寝る時は夏のような格好で寝られるほど。

 ありえないといわれる遅い年齢でこの世界に飛び込んで、がむしゃらに前を見て走ってきて、念願だった音大の修士号に進学した頃、鬼門だったロイヤルバレエの舞台を観に行くようになりました。 オペラハウス通いをし始めて、もうすぐ7年が終わります。
 4週間前にオペラハウスのメインハウスの舞台を観た後、腰を痛めたりした為、シーズン中だというのに、既に4週間メインハウスへ行っていません。
 現在行われているアシュトン・ビルは大好きな作品ばかりで本当は行きたいのに、ピアノソロが含まれる作品が3つ。 気持ちの問題で、なかなか足を向けられません。

 オペラハウスへ通うようになって、高校1年生の時、ロイヤルバレエのビデオを観て渡英を決めたことについて、私の眼は確かだったのだ、と思えましたし(詳しくは、HPのPiano参照)、どんなに素敵な衣装を観ても、衣装をやめてピアノの道に進んだことを後悔することはありませんでしたし、やってみたかったのかな、とも思ったことはありませんでした。
 それだけ、ピアノが私の人生になっているからなのだと思います。

 先日、某所で、ピアノを聴きました。
 私は2度就活して落ちた場所。
 曲が1小節も進まないうちに、そのピアニストが出す音に耐えられなくて、頭痛と気持ち悪さ。
 でも、私はこの人以下なのだ、という現実。
 
 そして、他のピアニストたちでの音色の乏しさ、というか、私は今こういう音をここで求められている、というのを感じて、それをピアノのところに飛んで行って出したいのに、示したいのにできないもどかしさ。

 そのちょっと後に、目の前でロイヤルバレエの衣装を至近距離で目にして、そのあまりの美しさ、精巧さに目を奪われ、これを私はやりたかったのだ、と思ってしまったこと。
 一瞬でも、私はどうしてピアノにしたのだろうか?と後悔はしていませんが、衣装をやめてピアノの道へ進んだことに対して、揺らいでしまったこと。
 今まで、どんなにピアノで嫌な思いをしても、納得がいかなくても、それは次への活動原になるばかりでした。
 今回、自分の気持ちが一瞬でも揺らいだことにショックだったのが事実。
 そして、皆、どんな仕事でも自分の思い通りになんていかないし、悔しい思いをするものですが、社会的にも地位的にも、どうにもならない気持ちの持っていきようのないことに、ずいぶんと沈む数日でした。
 
 あのピアノの音の後、偏頭痛が酷くて、久々に薬を服用。
 私は生徒のレッスンでも、どんなに弾ける子でも音が悪ければ、まずは打鍵から直す人です。
 打鍵を直させてもらえなければ、レッスンをお引き受けしません。
 達者に弾くのに、1ページも進まずに私に最初のレッスンで止められた子達もゼロではありません。 
 
 渡英前、日本でスイミングスクールのコーチのバイトをしていた時には、水中だから、子供の命を預かっているのだ、という自覚と緊張のもとに仕事をしていました。
 ピアノは、人の命を奪うことはない、と思っていました。
 でも、音によって、具合が悪くなることもある。 以前、某有名国際ピアノコンクールの最高位のピアニストの演奏を数回聴いた時、音で吐き気を起こし、途中で退席することもありました。
 今回のことで、生徒たちにも、嫌な音を出させてはいけない。 
私自身も、絶対にそのような演奏をしてはいけないのだ、と自分自身に喝を入れられました。
 
 情けないことに、2日間、ピアノを弾く気にもなれないほどでしたが、口先だけの先生にはなりたくありません。
 ちゃんとピアノに向かいます。 
 結局は、ピアノが好きで、この道に進んだことは後悔していないのですから。
 後悔しているのは、どうにもならない、年齢のことだけですね。
 先月もブルガリアのコンクールで、先生方から、私の外見はヨーロッパ人には、実年齢よりもいくつか下に見えるから、コンクールで年齢が審査員に見えなければ、審査の結果が変わってくる、と言われたばかり。
 でも、パスポート偽造だけはできません。
 この年でコンクールに出ること、世間的にはあきれられているようなこと。
 でも、元々が遅いのだから、仕方がありません。
 今できることをやるしかありませんね。

 
 

Posted on 2014/10/29 Wed. 23:55 [edit]

category: 音楽

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