09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

色々ズタズタになって・・・ 

本当は、今頃まだイタリアにいる予定だったのですが、数日早く、一昨日帰国。
5月2日にロンドンを出発して、ローマ近郊に3泊、そこから飛行機で南イタリアのプーリア州に飛んで、アドリア海沿いの街に結局3泊して、8日にロンドンに戻ってきました。

 いつものことで、コンクールです。
 奮闘記ならぬ、勝負に負けた記ばかり書いていて、情け無いのですが、これも私。
 3月、4月の低迷からは抜け出したものの、今回は、2つのコンクールで、正直、音楽、というものが何なのか、わからなくなりました。 精神的にもズタズタ。
 何を信じればよいのか、何を目指せばよいのか、自分の落ち度は認めた上で、本当にわからなくなりました。 

 もう、ピアニストなんて、人間ではなくて、コンピューターが、いや、自動演奏ピアノが演奏すればよいのでは?と思わざるおえません。

 たくさん傷ついていますが、師匠がおっしゃる、「コンクールは好きにしていい。 でも、誰になんと言われても、みゆきの音楽だけは絶対にまもれ。絶対に失わないで欲しい」 という言葉だけを信じて、それだけを糧に私は次に目を向けます。
 絶対に褒めてくれない、他の人の何倍もできていなかったらすぐに落とす師匠の言葉だけは、私がピアノを弾く上で本当に信じることができる言葉。

 とはいうものの、2つのコンクールで、コンテスタントたちに恵まれ、南イタリアでは太陽の光も浴びて、次への活力をもらってきました!!

 日本のコンクールとは違って、勝負の前、後は、コンテスタント同士、すぐに仲良くなって、ギスギスした雰囲気はありません。 審査員に対しての感情だけです。

 

140510-1


 まずは、5月3日に、ローマ郊外の山の中腹にある街(村?)にて、モーツアルトのコンクール。
 子供の部門もあり、大人の部門は、一人30分の審査時間で、今年は、モーツアルトのロンドのニ長調か、イ短調を入れる、というもの。 あとは自由曲。
もちろん、本番ではなくて、リハーサル中、というか、遅い出番の人が審査員を待ちながらちょっとずつ弾いていた時の写真ですので、あしからず。

 私のプログラムは、

 モーツアルト: パイジェッロの歌劇『哲学者気取り』の「主に幸あれ」による6つの変奏曲 K.398
 モーツアルト: ロンド ニ長調 K.485
 スクリャービン: エチュード 作品65-3
 ショパン: 幻想ポロネーズ 作品61

 
 折角モーツアルトのコンクールなのだから、モーツアルトを弾こう、と思ったのですが、ソナタとロンドを弾くと、残り時間が厳しい。 よって、今まで弾いたことがなかった、変奏曲をこの機会にやってみたら勉強になるだろう、とまたバカなことを考えました。
 デュポールとか、皆が弾くものは避けたいな、と思って、楽譜を一通り弾いてみて、Youtubeを漁って出てきたのが、この長い名前の変奏曲。 ギレリスの演奏する動画にとりこになってしまったのです。

 写真でわかるように、とっても小さなホール。 審査員が非常に近い。
 
 アルファベットのEからスタートで、私は一番。 何十回も弾いているショパンで、ありえないことに2小節左手の暗譜落ち。
 他でもちょちょことミスタッチ。
 
 他の人も、一人を除いては、全員暗譜落ちとか、ミスタッチが目立つコンクール。 一人は完全に止まって2ページ戻って弾きなおし。 私の中では、一番やってはいけないこと。 でも、彼女は結局2位に入りましたし、私は講評を伺ったら、ミス、暗譜落ちしか書かれていないし、それしか言われませんでした。 一人の審査員はそれでも良い評価をして下さって、2、3位はもめたんだよね・・と教えて下さいましたが。
 結局、私以上のミスがあっても、後の方の順番だと、他の人たちもミスが目立っているから、他の部分も考慮してもらえたようです。 一番はその点本当に不利、と思いました。

 審査委員長には、
「これはコンクール。 コンサート、試験とは違う。 だから、ミスが最重要視される」と言われました。

  全員の演奏を聴いてきましたが、日本のピアノ教室の発表会でも定番であろう、ロンドニ長調を大人が弾く事の難しさをとても感じました。
 モーツアルトもメシアンも、ショパンも同じタッチで弾く人がほとんどで、これも驚き。
 

140510-2


 そして、5月6日からは、南イタリアでのコンクール。
 今日がファイナルです。


 立派な外観の劇場。
 
 参加予定者の3分の2しか実際は来なかったのですが、半分が日本人。 
 本当は、集合して、アルファベットを一つくじでひいて、そのアルファベットからアルファベット順、という話だったのが、人数が少なかったからか、全員くじ。 
 といっても、「くじをひきたい人!」といわれ、一人が舞台に上がって、その人が全員分のくじをひく、というみなで笑ってしまうような感じのくじびき。

 私は5番目。 参加者の3分の2が男性で、女性はたまたま固まった出場順でした。

 

140510-3


 リハーサルの時、前の人を待ちながら、舞台に一番近いボックス(ROHだと、ストールサークルの舞台より)からの客席!

 コンサートホールではなくて、劇場なので、音響はピアノには厳しいのですが、それでも、私は今までこんな素敵なところで弾いた事がないので(いやいや、いつも大聖堂とか教会とかの雰囲気は味合わせて頂いていますが)、それだけで、幸せ! 
 ロンドンのロイヤルオペラハウスと色使いも似ていて、舞台に立った瞬間、あまりにも幸せで、ロイヤルバレエのダンサーはいつもこれ以上に素敵な劇場で踊れて、とても幸せなのだろうな、と思うばかりでした。


140510-4


 舞台は恐怖のかなりの傾斜。
 ピアノにも、ピアノの椅子にも、高さを調節して、かなり水平にはなっていましたが、傾斜は感じました。

 予選の私のプログラムは(平均律、スカルラッティーのソナタ+自由曲)

 バッハ: 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第8番 変ホ短調
 スカルラッティー: ソナタ ハ短調 K.22
 リスト: メフィストワルツ 第1番

 昨年10月のコンクールでは、時間制限があったので、バッハは他のものを弾きましたが、今回は、時間制限が特になかったので、コンクールで弾くのは7年ぶりになる、一番好きな変ホ短調の平均律を。
 暗譜が怖い(現に、4月24日のコンサートでは、暗譜を一部落としました・・・)バッハですが、それもなく。 久々にバッハでやりたいことができました。 他の人とも話していたのですが、会場に響く音が聴こえない。 特に、普段教会で弾くことが多い私にとって、こうした劇場では音がどう響いているのか、自分の音が全くといってよいほど、わからないのです。

 スカルラッティーは、実は弾いた事がなくて、今回の為に用意。
 定番のものを選ぶのは嫌ですし、左手の骨折が完治していない為、手の交差が多かったり、左手に細かい動きが要求されるスカルラッティーは、私には鬼門。
 持っている楽譜を片っ端から弾いて、今の私の手の状態で弾けるものを選びました。
 やはり、親指の付け根の骨が動いて折れたので、親指の動きが鈍いのが本当に参ります。

 自由曲は、本当は時間的にも問題が無い、ショパンの幻想ポロネーズを弾きたかったのですが、11月のコンクールで、この曲を予選で弾くのは・・・と散々言われて、今回は、時間的にも、メフィストを弾くことに。
 メフィストは、9年前に一応勉強したものの、あくまでも、勉強のため。 コンクールで弾くとは思ってもいませんでした。
 が、やはり、私の一番の問題点である、ミスタッチをいくつか出してしまいました。
 
 私以外にもメフィストは3人(全て男性)弾きましたが、私は、ミスタッチが問題で落ちたものの、テンポを非常にゆっくりにして、問題の跳躍も、ありえないテンポで弾いて、眠くなるメフィストだけれど、ミスタッチをしなければ次に進んでいたので、本当に音楽、が分からなくなってしまったのです。

 落ちた人が少なくて、落ちた人が発表される、という、なんとも情けない気持ちになるコンクールでした。

 講評も伺ってきましたが、音の質はずば抜けていたし、バッハも非常に良かった。
 でも、ミスタッチが問題。
 
 「コンクールの賞には、コンサートを与えることが入っている。
 その際に、聴衆は、ミスタッチが無い演奏を求めている。 だから、ミスタッチがある人を次には進めさせられない」

 と言われてきました。
 
 ミスタッチをしない為に、音楽的なことを殺してまで、他の人みたいに、ミスタッチをしやすい場所で、伴奏を大きくして、右手の細かい動きを聴こえなくさせるのか、テンポを落としてまで確実にするのか、本当にわからなくなりました。
 もちろん、自分のミスタッチは認めた上、でです。

 
 コンクールによっても、本当にそれぞれ。 審査員の質もそれぞれ。
 一番上に書いたように、もちろん、ミスタッチを減らす練習をする上で、師匠がおっしゃるように、私自身の音楽は失いたくない。 ミスタッチが無くても、もう一度聴きたい、と思えない演奏はしたくない、というのが、私の結論。
 今は落ち着いていますが、結果が出た夜は、久々に泣いてホテルの部屋で暴れていました。
 
 この数年、日本への一時帰国以外、生徒のレッスンを長期でお休みすることはありませんでした。
 が、このところ続いてしまい、とても申し訳なく思います。
 でも、私自身が生きて行くため、生活していく為には、コンクールを受けないと仕事もなくなります。
 もっとも、今のところ結果がついてこないので、意味がありませんが。

 ちっとも練習をしてこないのに、レッスンを私がお休みすることを怒鳴った(本人は怒鳴っていないという)お母様もいらっしゃいます(もちろん、日本人もイギリス人でもありません)。
 レッスンできる時には全力で。 レッスンで譜読みを一緒にするのではなくて、私がお休みする時には、譜読みを自分で進められる力をつける。 
 ご理解頂いているご父兄には、非常に感謝した上で、ピアノが弾けるピアノ教師でいたい、というのが私の考えなので、今年は迷惑をおかけ致しますが、私自身も挑戦させて頂きたい、と思っています。

 

Posted on 2014/05/10 Sat. 23:39 [edit]

category: イタリア

TB: 0    CM: 0

10

Comments

Comment
list

Post a comment

Secret

Comment
form

Trackbacks

TrackbacksURL
→http://miyukikato.blog.fc2.com/tb.php/2258-6720219c
Use trackback on this entry.

Trackback
list