06 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 08

WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

『眠りの森の美女』 マリアネラ、ワディム 

 珍しく、最初から買うことができていた立ち見のチケットで、1週間ぶりのオペラハウスでした。

 今年度は本当に行く回数が少なくて、今日は途中でバレエアソシエイションの会長さんと顔を合わせた時に、
「珍しい人が来ている! 君は、もう常連ではなくて、Strangerだよ。 バレエアソシエイションにもきていないではないか。」 と言われてきました。 


 バレエの記事を書かなくなって2年経ちます。 今回は、私にとって、一度足を洗ったバレエの世界に再び足をつっこむきっかけとなった舞台。 率直な気持ちを書き残しておきたいと思います。
 あくまでも、私個人の感想です。 
 そこのところをご理解いただけたら、と思います。
 2年前に問題になったことのひとつ、キャスティングに名前をのせておきながら、その人の感想は書いていない、ということがあります。 全員の感想はかけません。 あえて、キャスティングは書きません。

 

140328-1


 傾いた写真ですが、今夜のオーロラ姫とフロリムンド王子の、マリアネラと、2月にENBから移籍してきた、ワディム。

 元々は、王子は、マリアネラのだんな様のティアゴの予定でしたが、怪我により、直前になって、ワディムに変更。
 ENBからの移籍、といっても、ロイヤルバレエスクール出身で、2009年からENBで5年半踊っていたワディム(スピード昇進)は、ロイヤルバレエに入っても、全く違和感は感じません。 

 
 
140328-2



 私はピアノを始めて、それまで大好きだったバレエからは、足を洗いました。
 自分の心がバレエに向いたら、私のピアノはそれまでだ、と思っていました。
 カーディフには幸いバレエを観る習慣はありませんでしたし、ピアノが本当に遅れていたので、その余裕も全くありませんでした。

 それなのに、念願だった王立音楽大学の修士に進学して、ちょっと重荷もなくなったのでしょう。 2006年12月、鬼門のロイヤルバレエを観に行きました。
 思い立って行った日は、チケットが完売。 翌週の土曜日の夜のチケットを、誰が踊るかも知らないで買ったら、それが、マリアネラのオーロラ姫。
 黄金時代のロイヤルバレエの日本公演も観ています。 でも、あの夜のマリアネラは輝いていて、足裁きも見事、豊かな表現力に、高い技術。 今から考えると、あれからだいぶ進化しているのですが、それでも、私は彼女の虜になりました。
 たくさんの幸せを緞帳が降りた後に残してくれたダンサーだからです。

 彼女の翌週の『眠れる森の美女』も観に行って、最初に観た時とは、また違うオーロラ姫だったことに、当時大学院で演奏表現などのエッセイを書きまくっていた私は、非常に興味を覚えました。


 正直、あの時、最初にマリアネラを観なかったら、私はここまでバレエに再びはまったのだろうか?とわかりません。 今まで、コンサートで、ふと彼女の舞台が出てきて、新しい表現を与えてくれたことが何度もあります。
 

 
 マリアネラよりも人気があったダンサーたちも観に行きましたが、私の考えとは違うことも多くて、マリアネラの追っかけをすることになりました。
 もちろん、この年月の間には、がっかりする舞台もいくつもありました。 一時、スタイルが変わって、というか、変に女性っぽさが出てしまって、こちらからすると、空回り、という時もありました。 それを超えて、ここ2,3年の彼女の進化は、毎回驚きでした。

 私がマリアネラを見始めたころは、日本人観客は彼女の日にはほとんどみかけたことがありませんでした。
 今日は、日本が春休み、ということもあるとは思いますが、日本人がかなり多く、このところ、彼女の主役の日には、日本人が増えていると思います。


 今日は、いつもの彼女に比べると、バランスが危なかったのですが、第1幕のヴァリアシオンは、白眉でしょう。
 曲が短調に変わるところから、ステップで後ろに下がって、パッセ、4番、ピルエット。 を繰り返す部分の、ステップのきれいさ。 そして、今夜は、3回転のピルエットを全てきれいに決めました。 3回転をした、という感覚はあまり感じず、ふらふら、っと回っています。 相変わらず。 そしてそこからの、4人の王子に対しての笑顔。
 途中には、座っている王様とお后に目を向ける余裕。 

 
 今回の眠りは、やっとやっと、待望の、ヴァレリ・オフシャニコフが振って下さっているのです!! 彼は、日本、ロシアでお忙しくて、なかなかロイヤルへ来て下さらないのですが、この方は、特別です。
 このヴァリアシオンも、ゆっくり目のテンポで、確実にあわせてきてました。 この当たり前のことができていない指揮者がどれだけ、今までロイヤルバレエを振ってきているのか・・・・


しいて言えば、今日のマリアネラは、初々しさがあまりなくて、王様に、「この4人の誰かと結婚するのです」といわれる部分、いつもなら、驚いたりしていたのに、当たり前のようにうなづいて、最初の王子を、自分から引っ張っていました・・・ これはどうかと思いましたが・・・


 マリアネラは素敵なダンサーですが、相手の男性ダンサーを振り回します。 いや、きっと本人に振り回している自覚はないと思いますが、振り回す、というよりも、その時その時の舞台で新しいものが自然と湧き上がるダンサーです。
 彼女と比べてはいけませんが、足元にも及びませんが、私がこのタイプのピアニストです。 このことで、ピアノトリオをしていた時には、ヴァイオリンの友達と怒鳴りあいの大喧嘩をして、そこにいらした、指導の先生までが引いてしまった、ということもありました。

 若いワディムとの共演でどうなることやら、と思っていたのですが、彼の性格もあるかと思いますが、そんな心配は全く必要ありませんでした。

 ワディムは、エレガントなダンサー。 非常にクラシックなマリアネラとも、この作品では、ティアゴとよりも、よっぽどお似合いでした。 ティアゴも素敵なダンサーです。 ですが、彼は、やはり王子よりも、レスコーとか、ティボルトの方がずっと向いているわけでして・・・


 昔のワディムは、ただただ踊っているダンサーでしたが、今年1月のENBの『海賊』で、凄く良いものをみせてくれて、今回、王子は、まだまだ良くなることがあると思いましたが、数年前の心配はずいぶん消えました。 

 技術も高いですし、あの身のこなし。 これから、ロイヤルバレエでどのように変化していくのか、楽しみにしています。
 

 特筆すべきは、第3幕のフロレスタン兄妹(一般的な版での、宝石の踊り)の最初の踊り(銀の精)を踊ったヤズミンでしょう。 彼女は今シーズンがこの役のデビューですが、持っている高い音楽性で、最後の部分をしっかりと、あわせてきました。 まだまだ足りないことはありますが、彼女が2010年に入団直後から楽しみにしていたダンサーなので、また楽しみに観て行きたいと思います。
 そして、このトリオの男性のヴァレンティーノが、やりすぎではない、良い踊りをしていたのが印象的。

 
 マリアネラの『眠り』を観る時、私は、あの何年もの年月を経て、覚悟してロイヤルオペラハウスへ向かい、マリアネラのオーロラ姫を観た、あの最初のエクスペリエンスを鮮明に思い出すのです。
 
 

Posted on 2014/03/28 Fri. 23:27 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

28

Comments

Comment
list

Post a comment

Secret

Comment
form

Trackbacks

TrackbacksURL
→http://miyukikato.blog.fc2.com/tb.php/2233-e4ae6f64
Use trackback on this entry.

Trackback
list