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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

良くも悪くも 

 イギリスでは、日本ほど、早いうちから、ピアノを習うことに対して、趣味、プロを目指す、という壁がないと思います。
 
 ですが、王立音楽検定(ABRSM)、トリニティ、ギルド、といういくつかのグレードシステムが存在します。
 一番広く使われているのが、ABRSMでしょう。 内容は他よりも多少大変ですが、一番勉強になるので、これを取り入れる先生が多い。 私も同じくです。

 グレード、といっても、日本のヤマハ、カワイなどよりも、もっと広く認知されており、中学での音楽奨学生(別に、音大へ進む人、というわけではありません)、大学の願書には、このグレードを書く欄もあり、現在は、グレードの級に応じて、点数がもらえたりするようです。

 よって、趣味、プロを目指す関係なく、多くの子供たちはグレードを目指すことになります。
 たまに、グレードとは関係なく楽しくレッスンを、という方もいらっしゃいますが、私の経験上、こうおっしゃっていても、9割以上が結局はグレード受験を希望することになるので、私は、最初からグレード対応できるようにしています。
 というよりも、何度もここで書いていますが、私にとって、楽しく、というのは、『後々、自分でしっかりと楽譜を読み込んで弾く力をつける』ということなので、グレードで必要な基礎は、私には絶対条件です。
 

 現在、ABRSMについては、ピアノは2年に一度課題曲が変わります。
 3つのカテゴリーに6曲ほどずつ用意され(一番上のグレード8以外)、基本的に、A: バロック、古典 B: ロマン C: 近・現代および、ジャズなどというのが基本。

 数年前に大きな変化があったな、と思うのは、グレード3、4以下の近・現代。
 プロコフィエフ、バルトークなどのスタンダードな作曲家が含まれることもありますが、それまでは、ジャズ系だと、マイク・コルニックが幅を利かせていました。 マイク・コルニックは、こちらの子供の教本ではメイジャーな作曲家。 ジャズですが、弾きやすく、クラシックの基本を使っていたので、その後の近・現代にも応用がきいていました。

 それが、現在では、課題曲集にのっている3曲の近・現代のうち、1曲は、リズムの取り方が通常とは違うものになってしまいました。

8分音符2つを、三連音符のとり方で、2対1という長さでとるのです(わかりにくい説明ですみません)。
私もこのようなものは、それまで弾いたことがなく、最初は困りました。

 もっと困るのは、こういう曲はこちらの子たちに人気があり、誰かがこれを練習し始める、学校で弾く、そうすると、そのグレードを受ける子は、親も子も、この曲を希望することが非常に多くなる。

 イギリスのピアノ教育を見ていて、曖昧なことも多くある国(指導において)。 学校で披露した子が、正しいリズムで弾いているとは限りません。
 ですが、子供たちは、耳障りがよく、格好が良いこれらの曲を、雰囲気で覚えてしまいます。

 実際に、レッスンをする時、私は徹底的に、数えながら、リズムをたたいてもらいます。
 以前、これを拒否し、何週間も自己流でやってきた子がいました。
 リズムの間違いは、音以上に直すのが大変。 彼女は最後まで間違えを直せず、結局グレード試験の結果も、リズムのことをこっぴどく指摘されてしまいました。

 これ以降私は、泣かれても、徹底的にリズムうち。 これしか方法がありません。 耳障りがよくて、知っている曲だからこそ。

 
 早く弾きたいのを我慢して、ゆっくり数えながら弾く。 回り道のようで、結局はこれが一番の近道。
 
 先日も、上級グレードの中学生の生徒が、リズムが複雑な曲(シンコペーションが多用)で、毎週同じ箇所を直され、毎週私に数えながら練習することを言われていました。 隣で私が数えていればできるのです。
 お母様も厳しい方ですし、レッスン中、口出しはなさらないけれど、お部屋で(ピアノがある部分も、キッチンも、1階部分はすべてつながっているお宅)他のことをなさりながら、レッスンを聞いていらっしゃるので、ついに、先週、レッスン後に、お母様から雷が落とされました。 それまでにも、私とお母様から注意はされていたのですが。

 半年以上経って、初めて彼女は、声に出して数えながら弾いてきました。 最初から最後まで、あれほど注意ばかりされていたリズム間違いが、全くありませんでした。 しかも、早くなってしまうので、メトロノームに合わせて数えてもらっていました。

 もし、最初から声に出して数えていたら、自分でも間違いに気がつくから、半年前に、この曲のリズムはできあがっていた。 そうしたら、もっと違うことに進めていた。
 
 私と最初から勉強する生徒は、一番最初のレッスンから、数えることが当たり前、となります。
 もちろん、途中で拒否する子もいますが、結局のところ、声に出して数えないとリズムを間違えてばかりになるので、「声に出して数えてよいですか?」と聞くようになります。
「あら、私が、いつ声に出して数えてはだめと言ったかしら?」と私に言われ、それからは、大抵この問題は少なくなります。
 
 心、頭で数えている、という子はたくさんいます。 今回問題があった中学生もそう。でも、自分の耳で数える数を聞くということ。 これが、一番確かなのです。

 私自身も、少々リズムが複雑になると、噛み砕いて、数えながら練習してます。

 私が受けてきた教育ではこれが大切。
 最初は難しくても、だんだんとどんな小さな子でも、自分の間違いに気がつくようになってきます。 そうしたら、上達は目の前。

 練習時間を増やしなさい、とは言わない。(よほど問題が無い限りは)同じ時間内で、どうやったら上手になるか。 リズムが間違っていたら、曲がまるっきり変わってしまう、ということを知ってもらいたいです。
 そして、あの、変則的な拍子のとり方は、初級グレードのうちは、他の曲に影響してしまうので、やめてもらいたいばかりなのですが・・・

Posted on 2014/01/27 Mon. 23:18 [edit]

category: 音楽

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