10 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 12

WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

バレエで広がった音楽 

 数年のギャップを経て、バレエを再び観るようになって、ちょうど来月で7年経ちます。
 今日も、本当は、どうしようか迷ったのですが、お昼頃になってオペラハウスのページをチェックしたら、まだ当日券が残っている、ということで、結局10月19日から始まっていたロミオとジュリエット(といっても、今回が6回目くらいの公演)を観てきました。 練習しないと、と思っていたのですが、久々にこの作品を観て、そして、プロコフィエフの音楽に触れて、練習では得られないものを得てきたので、やはり行ってよかったと思います。
 

 バレエを観て、もちろん、表現力、総合芸術としての美しさも得ているのですが、と同時に、私の場合は、接する音楽の幅が広がったこと、これがある意味で、一番大きな収穫の一つだと思います。

 昨夜のミックスビルでの、ストラヴィンスキーの『春の祭典』前回上演時までは、いまいち、音楽を掴めていませんでした。
 それが、確か前回の上演後だと思いますが、ちょうど2年ほど前、私はこの曲の最後の部分を学ぶ機会があり、暗譜するまで、あの変拍子、臨時記号ばかりの楽譜を覚えました。
 道を歩いていても、常にストラヴィンスキーが鳴っている状態。 元々、現代音楽が苦手で、変拍子は私の手に負えないものだと思っていました。 でも、やる時はやる。
 今回、舞台を観ていて、私が練習していた部分以外も、ありえないほどすんなりと音楽が身体の中に入ってきました。
 帰りに寄ったスーパーマーケットの棚の前で、頭の中に音楽が鳴り響き、踊りだしそうになるのを、必死で抑えるほど。
 
 あの群舞を踊ってみたい。 そうしたら、もっと音楽も理解できそう!と自分でも驚くことを考えてしまいました。

 
 先日のコンクール、ファイナルの課題曲のひとつが、リゲティ、武満、オハナ、ベリオから任意の曲。
 今までだったら、この課題曲を見て、出場をあきらめていました。
 日本人だから、武満は?とはよく言われますが、武満氏は、メシアンと勉強しているわけで、とってもフランスよりの作風。 そして、私はこれが苦手。
 昨年ロイヤルバレエで初めてみた、ウィールドン振付の『ポリフォニア』。 リゲティのピアノソロ(1曲は、デュオ)で踊るもの。 このバレエを観たから、リゲティに対しての壁が低くなりました。
 さすがに、時間的にも、手の怪我的にも、エチュードに手を出すことはできませんでしたが、この私が、初めてリゲティの楽譜を買い、ムジカ・リチェルカータから3曲弾く予定でした。
 リゲティの初期の作品、ということもあり、譜読みも大変ではありませんでしたし、変拍子も、バレエでしっかりと身体に入っていたので、楽でした。
 
 
 今夜の、ロミジュリは、大好きな曲です。 いつも通り、オケはとんでもなく酷く(隣の常連の紳士は、ブーを出していました・・・)、悲しくなるような演奏ですが、それでも、魔法のような曲。 

 和声感など、私のレパートリーのソナタ第6番にも通じるところがあるわけで、色々とヒントを頂いてきました。
 それにしても、最後の、ジュリエットが目覚めてから、息を引き取ったばかりのロミオを見つけてそして、短剣で自分を刺す。 この部分に対して、プロコフィエフは、短調ではなくて、基本的にピュアなハ長調を元に書いています。
 短調=悲しい。 長調=明るい。 では、決して無い世界。
 
 あの部分に差し掛かると、誰が踊っていても、涙が止まりません。 それは、踊り手と、あの美しい音楽とあのストーリーの見事なまでの総合芸術だからなのかな、と思えるのです。 あそこが、もし、短調で書かれていたら、あれほどの感動、胸の締め付けを味わうことはないのかも・・・
 とてつもなく美しい長調のメロディーで、悲しさをあらわす。 第6番ソナタの第3楽章に通じるところがあって、色々と考えてしまいました。

 そして、マクミラン版のロミジュリの音楽の使い方は、巧みです。 先日、音楽的に、ちょっと・・・と思う短編作品を観ていたので、よけいに感じてしまいました。 他の版のロミジュリを観ても、マクミランは、音楽に語らせる、という意味で、抜き出ているように思います。
  
 
 

 
 

Posted on 2013/11/14 Thu. 23:21 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

14

Comments

Comment
list

Post a comment

Secret

Comment
form

Trackbacks

TrackbacksURL
→http://miyukikato.blog.fc2.com/tb.php/2160-25b99892
Use trackback on this entry.

Trackback
list