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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

サマーコース、 先生方のコンサート 

 サマーコースの3日目、8月13日に行われた、先生方のコンサートです。

 このコースは、2,3日だけ教えにいらっしゃる先生と、1週間続けて教える先生の2通りがいらっしゃいます。
 大抵、全日程教える先生方が演奏なさいます。

 マイケル・シュレイダー、オルガ・マリソヴァ
  チャイコフスキー: セレナーデ ハ長調 第2、3、4楽章(作曲家自身の連弾編曲版)

 イリーナ・ベルコヴィチ
  ラヴェル: 優雅で感傷的なワルツ

 イリーナ・オシポヴァ
  シューベルト: ピアノ小品 遺作より第2番
  メトネル: 忘れられた調べ 第1集 より、夕べの歌
  ラフマニノフ: ひなぎく
          練習曲『音の絵』作品39より、第2番、 第1番


 今年は、3組のみ。
 
 師匠、Dr.Sと奥様のオルガの連弾は、今回初めて、上下のパートが入れ替わって、奥様が下のパートでした。
 バランシン振付のバレエ、『セレナーデ』の方が慣れている私には、第3,4楽章が入れ替わっているのが、変な感じ。 いや、元は今回の演奏の方なのですけれどね。

 この2,3年、オルガの音が変わり、深みのある音になったので、今回はパートを入れ替えてもそれほど、違和感無しでした。 が、ペダリングは、シュレイダーの方が繊細なように思います。
 シュレイダーのメロディー的なものを演奏するのを久々に聴きましたが、見事。 非常に細かいニュアンスで、音の抑揚をつけていきます。決して、計算しつくしたものではないのですが、自由気まま、というものでもありません。
 彼らの連弾を聴くと、いつものことながら、これぞ、連弾。 連弾って難しいな、と思わずにはいられません。
 それにしても、第2楽章のワルツのチャーミングさ。 これが、先生方の魅力。
 そして、第3楽章最後の緊張感。 
 音色も豊かで、まさに、ピアノで奏でるオーケストラでした。


 
 続いて、ベルコヴィチ先生。
 深い音の、師匠、しかも連弾を聴いた後に彼女が弾くと、最初は、音が乏しい。
 それでも、曲が進むにすれ、それは、気にならなくなります。
 彼女の演奏は、派手さはなく、非常に誠実。 だからといって、無機質、という意味ではありません。
 とっても暖かく、師匠と似ている、フレーズ作り。
 一音一音に意味があるのです。

 後日、ベルコヴィチ先生と喋っていてわかったのですが、私の師匠、Dr.Sと彼女は、モスクワ音楽院予備科(要するに、18,19歳で音楽院に入学する前)で同じ先生についていらしたそうです。年はちょっと違いますが、その頃からの仲だったそうです。
 その後、ベルコヴィチ先生は、モスクワ音楽院で、名教師、ヤコブ・フリエールに師事。 Dr.Sは、サンクトペテルブルグ音楽院へ。
 
 元々、昨年のサマーコースで、ベルコヴィチ先生は、私がDr.Sの門下であることもご存知無いまま、私の演奏を気に入って、イスラエルで彼女との勉強を進めて下さいました。
 結局のところ、師匠と、ベルコヴィチ先生の、基本的な部分は同じ。 今回のお話を伺って、それが、とてもわかりました。

 ラヴェルの優雅で感傷的なワルツ。 以前、大学生の頃、師匠からやってみなさい、といわれたことがあります。
 でも、捕らえどころがないように感じ、私には無理。 今回、先生の演奏を聴きながら、素敵だな、と思ったものの、今の私には、この曲はまだ無理、という考えをぬぐうことはできませんでした。
 

 そして、今回の演奏者の中で、一番演奏家、として活躍もしている、モスクワ音楽院のイリーナ先生。
 彼女は、マリーニン門下。 マリーニンのアシスタントをしていた時期もある方です。

 オーラがあり、一番、演奏の魅せ方をご存知。
 師匠や、ベルコヴィチ先生とは、ずいぶん違う演奏です。 ですが、彼女の演奏が、一番、特に日本では、『ロシア系』とわかりやすい演奏だと思います。

 シューベルトは、初めて。 ちょっとやりすぎかな、と思うところが無くも無い(前日、彼女のリハーサルをちょっと聴いていたのですが、私の師匠が、かなり口を出していました・・・)。
 メトネルは、彼女の演奏で、『忘れられた調べ』の第1、2集のCDを、何度も聴いています。 この曲は、生で聴くのは初めてのはず。
 イリーナの演奏については、迫力ある演奏、曲、について評価が高いのですが、私も師匠も違う意見を持っています。
 数年前のサマーコースで、何だったか忘れましたが、イリーナがど迫力な曲を弾いた後、高校生の男の子たちが、イリーナに弾いてもらいたい曲のリストを作ったことがありました。 そこには、迫力ある曲のオンパレード(リストのメフィスト、ダンテソナタ、プロコのソナタに、ラフマなどなど)。 でも、私は、イリーナから受けた、ショパンのノクターン、チャイコフスキーのロマンスなど、忘れられないレッスンが山ほどあります。 そして、彼女のノクターンなどの演奏も、もっと有名なピアニストのそれよりも何倍も良かったものがたくさん。

 今回のメトネルは、美しい演奏。 彼女の演奏は、全体的にキラキラしているので、歌いまわしの一つ一つが、感情に任せた部分もありますが、息を呑む瞬間が多いのです。

 そして、十八番のラフマニノフ。
 『ひなぎく』での、一音一音の輝かしさ。
 『音の絵』では、多少やりすぎかな、と思う部分もなくはなかったのですが。 特に第1番は、弾いてみたい曲なので、興味を持って聴いていました。左手が完治したら、やりたいです。 今やると、再び痛めるのが、目にみえているので。

 
 午前中、4時間のレッスンをなさって、夜のコンサート。 しかも、生徒たちの前で。
 先生方には、プレッシャーがあるようです。 でも、生徒たちは、だからこそ、自分が習う先生方の演奏を聴きたい。
 世界の第一線で活躍するピアニストたちではありません。
 60歳前後の、指導が素晴らしい先生方の演奏。 あれを聴くと、いつまでも、あのように演奏ができる人でいたい、と思えてなりません。
 

Posted on 2013/08/20 Tue. 21:15 [edit]

category: サマーコース 2013年

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