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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ『オネーギン』終了 

 再び冷え込んでいるロンドンです。

 3週間ほど前に初日を迎えた、ロイヤルバレエの『オネーギン』、今夜が最終日でした。
 衣装も、舞台装置も、音楽も、振付も非常に美しい作品。
 休憩中には、友達と(皆さん、70歳くらいの方ですが)、タチアーナのあの赤いドレス、それともあの最後の茶色のドレスが着てみたいわね。 とおしゃべりするほど。 バレエで使われている衣装を着てみたい、という話は滅多にならないので、皆さんわたしと同じなのだな、と思いました。
 
 ちょうどオペラハウスで今週から上演されている、オペラの『エフゲニー・オネーギン』はチャイコフスキーがこのオペラの為に作曲したものですが、バレエのものは、チャイコフスキーの色々な曲からの寄せ集め。
 四季の2月『謝肉祭』で幕開けし、1月『炉辺にて』、6月『舟歌』、10月『秋の歌』、8月『狩』、そしてその他のピアノ曲が多数使われています。

 私自身は、ロイヤルバレエで上演される、文学作品が元になったバレエは、ほとんど原文を読むようにしています。
 さすがに英語翻訳でなくては読めませんが、ツルゲーネフの『田園でのひと月』、チェーホフの『三人姉妹(Winter Dreams)』、マノンあたりは読んでいるのですが、プーシキンの『エフゲニー・オネーギン』は、大学生の時に読みかけて、途中挫折。 その後も何度かトライしたものの、最後まで辿り着くことができません。
 やはり、原文を知りたいと思い、Reading Groupにも参加しているような友人に伺ったのですが、彼女も、途中挫折組み。 色々な人に聞いたのですが、やはり、皆さんあのせりふによって成り立っている本(台本のような感じ)は読みにくいようです。 私の英語の問題だけではないようで、少々ホッとしました。
 英訳によってやはり読みやすさは変わるから、本屋さんでじっくりと中身を比べると良い、とアドヴァイスを頂いたので、今度こそ、最後まで到達してみたいですが。

 よって、私たちは休憩時間になると、特に昨日、今日は皆さん4キャストを1、2回以上観ていますから、意見の言い合い。
 原文を読んでいないと、各々のオネーギン、タチアーナ像を作り上げています。
 話していると、「そういう見方もあるのか!」と気が付き、本当に奥が深いです。

 先日も書きましたが、同じ衣装、同じ振り、同じ音楽。 でも、バレエの場合は言葉を発しませんから、その分、観る者にも、踊る(演じる)者にも、自由なキャパシティーが増えるのでしょう。

 お互いに、誰のが好き?という話もしましたが、私は、オネーギン+タチアーナだったらあのキャストだけれど、オネーギン、タチアーナ、レンスキー、オルガの4人で考えると、このキャスト。 という答え。
 いやいや、そんなに単純ではなくて、他にも個人的に好きだった人もいるので、おしゃべりをしながら、自分が選ぶのなら、どの4人でやりたい?という話になると、お互いに妄想がとまりません。

 
 オネーギン役に関しては、非常に難しい。 嫌なやつ(私にとっては、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』の最初のミスター・ダーシーとかぶる)だけれど、でも、タチアーナが一瞬のうちに恋に落ちる男でなくてはいけない。 でも、最後の部分では、自分の過ちに気が付き、人妻となった彼女に夢中になる。
 私自身は、ティアゴ・ソアレスが一番でした。 フェデリコ・ボネッリもコントラストがある、素晴らしいオネーギンでしたが。
 ティアゴは、特に第2、3幕でのコントラストが大きい。 
 彼は、作品によってはがっかりさせられることも多いのですが、このようなものは、非常にうまい。 私の周りの方々は、「駄目男、悪人をやらせたら、光る」とのこと。 私に異論はありません。

 レンスキーは、キャストが発表された時に、非常に楽しみだった人と、大丈夫かしら?と思った人がいます。
 ですが、最終的には、私だけではなく、友人たちも色々な意味で予想をひっくり返されました。
 だからこそ、おもしろいのです。

  特にこの作品では、ソロの踊りでも、振りに言葉の要素が強く入っているように思います。
 だから、手の出し方一つでも、それがきちんとした意味がないと、無駄な動きに見えてしまうのです。
 私にとっては、ジャンプが高く飛べるよりも、このようなことの方がこの作品に求めていること。

 何度も目の前を霞ませながら、ドキドキしながら観た舞台でした。

 多くを勉強させてもらうことができた作品です。
 大学生の時、表現、ということがまるっきりできない私に、師匠Dr.Sは、「ピアノなんかいいから、演劇科へ行って勉強してきなさい」と言ったこともあります。 私が通っていたカーディフの音大には、演劇科もあったのです(むしろ、演劇の方が有名)。
 あの時にこの舞台を観ていたら、ずいぶんと違ったのだろうな、と思います。
 小学生の頃から、日本舞踊でも、よく注意されていたことですが・・・

 
 しばらく、この『オネーギン』の余韻が続きそうです。
 これが、私自身のピアノ演奏の肥やしになってくれたら、最高なのですが!
 
  

 

Posted on 2013/02/08 Fri. 23:42 [edit]

category: バレエ

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