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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

よき指導者に出会うこと 

 一昨日のバレエ・アソシエイションは、プリンシパルのマリアネラ・ヌニェスによるものでした。
 
 ここに内容を書くことはできませんが、前回彼女がバレエ・アソシエイションに来た4年前から現在までを振り返りました。 色々な作品のリハーサル、思い出などについて話をしていきましたが、その中で、指導者についての話がありました。
 簡単に言うと、彼女は指導者の大切さ、その作品を振付家自身と作り上げた人にその作品を習うことの意義、などについての話をしました。
 
 話の中でも触れましたが、昨年5月にロイヤルバレエが初めて取り入れた、ジョージ・バランシンの『王妃の舞踏会』のプリンシパル・ガールを初演した、メリル・アシュレイ。 彼女がマリアネラを指導するのは、昨年、今年、2度ほどオペラハウスの一般公開のスタジオのリハーサルで見せていただきました。 よって、より鮮明にマリアネラの話を聞くことができました。

 ここで何度か書いたように、私は今年久々にサマーコースに参加して、9人の先生方の指導を受けてきました。
 あう先生、そうでない先生、色々といます。
 私は何度も参加していて、どの先生がどのような作品が強いのかを知っているので、それを考慮して曲を持っていきましたが、それを知らないと、とっても苦労した参加者も多かったのが事実です。

 師匠には、モーツアルトのソナタを見て頂きましたが、次の段階に進む為のタッチ、フレーズの作り方を教えていただきました。 常に、次のレヴェルに進める先生、というのは全員ではありません。 

さすがに、今の状況だと、師匠のご都合も私のスケジュールでも、週に1度レッスン、というのは不可能です。 でも、本当はもっと学びたいことがある。 私は師匠と続けて勉強したのは6年間。 でも、普通の人で言うと、6歳から15歳くらいで学ぶものを21歳から学んだのです。 だから、本当にもっと先生と勉強しなくてはいけない。
 
 私の怪我、師匠がふてくされたり(これは、私が王立音楽大学でゴードンと習ったことが原因。 これは最初からわかっていたことなのです)。 師匠としてみれば、私が王立音楽大学を卒業してから4年間、師匠のところに行ったのは数えるほど。 絶対に、ゴードンと続けてレッスンをしている、と思っていたようです。 まあ、わかりやすくいえば(?)カップルが片方の不倫を疑っているようなものですね。 経験がないので、なんとも言えませんが。 今回その誤解は解けたので、良かったです。 

 私は、定期的にレッスンを受けなかったこの4年間を無駄な時間だった、とは思いません。
 2008年のサマーコースで全ての先生をがっかりさせて、自分でもがっかりして、考えました。
 ゴードンと学んだ2年間は決して無駄ではない。 私に欠けていたものを与えてくださったのがゴードン。
 だから、とりあえず、自分でできるところまでがんばってみよう。 それまでに師匠をはじめ、モスクワのイリーナ先生などから学んだものとゴードンから学んだものをつなげてみよう、と思っていました。
 指の靭帯損傷で、ほとんどピアノを弾くことができなかった期間もあったのですが、自分なりに色々と消化していきました。 表現面では、言う必要がありませんね。 ロイヤルバレエ、という素晴らしい師匠がいたのですから。

 何度も書いているように、サマーコースでは、イスラエルのイリーナ先生に出会ってしまいました。 今までにマスタークラスを含めると、かなりの先生方の指導を受けています。 中にはそれなりに有名な先生もいらっしゃいます。 でも、今回ほどの衝撃を受けたことはなかった。 舞台に50回以上あげているであろう、ショパンの幻想ポロネーズが心地よく変わって行く瞬間。 物凄い衝撃が体の中を走りました。 冒頭を、先生が私の反対側に立って音楽を運んでくださったのですが、弾きながら、先生と私の目が離れないのです。 その瞬間、今まで弾いていたのは何だったのだろう?と思うほど、音楽が変わりました。

 正直、大きなコンクールはもう年齢制限で受けられないし、世の中がほしいのは、10代の若手。
 私なんて本当にどうにもならない存在で、細々と演奏を続けている身。 それでも、演奏した先々でまた聴きたい、と思っていただけたらそれが嬉しい、と思う状態でした。
 でも、あの厳しくて、絶対にほめてなんてくれない師匠が、今回、4年間の上達を評価して下さり、プロとして成長した、といわれたこと、私にとってこれ以上ない喜びです。 反対に、これから先、絶対に先生を再びがっかりさせたくない、と思いましたが。
 もう一度、がんばってみようかな、と思えました。 今の私を伸ばしてくれる先生に出会えたのだから、絶対にそれを失ってはいけない。 というよりも、まだまだ伸びる余地があることがわかって、ほっとしました。 
 テクニックを身につけられるのは遅くても18歳、というこのピアノの世界において、私は、この1年間が非常に大きく伸びた年だと思っています。


 指導にしたって、どんなにがんばったところで、私は一人の個人レッスンの先生でしかない。 趣味でやる子達を、私自身がくいの残らぬ指導をする。 少しずつ、グレードをとったり、フェスティヴァルで入賞する子達が出てくるのが嬉しい。
 この夏、日本人で、ピアノをかなりまじめにやっている子と、そのお母様から私の指導を高く評価して頂くことがあり、そして、日本の現状を知るにつれて、色々と考えさせられました。
 専門的にピアノをやろうとしている子で、私に習いたい、と言ってくれる子を断ってイギリスにいることにしたのだから、という思いがあるのでしょう。 今週は、私の生徒たちはしごかれてかわいそう。 いやいや、夏休みボケしている子供たちを引き締めていかないと、この冬のグレード試験で苦労します。

 あのマリアネラでさえも、いや、狭き門をくぐったロイヤルバレエのダンサーたちだって、よき指導者に指導してもらっている。 私がレッスンを受けない理由は無い。
 というわけで、マリアネラの話を聴きながら、頭に浮かんだのは、私が習いたい先生方の顔でした。
 

Posted on 2012/09/07 Fri. 22:41 [edit]

category: 音楽

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