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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

プロムス: ベルリン・フィルハーモニー 

昨日よりは暖かかった8月最終日です。

 7月13日に初日を迎え、来週末に閉幕する、ロンドンの夏の風物詩、BBCプロムスへ行ってきました。
 来週行きたいものがいくつかありますが、教えが通常になると時間的に厳しいので、きっとこれが今年の最初で最後の私のプロムスです。

120831-1


 母校、王立音楽大学の真正面にある、ロイヤル・アルバート・ホール。
 巨大なホールです。

 毎日、平土間と一番上のギャラリーは、一人5ポンドの立ち見で当日売りされます。
 今の換算だと、日本円にして、700円弱でしょうか。
 今日は、私は7時開演のコンサートの為に、3時45分から並びました。
 

120831-2


 暗いですが、こんな感じ。
 今日は遅めに並び始めたので、ちょっと後ろの方に立ちました。

 今日のプログラムは

 ベルリン・フィルハーモニー
 サー・サイモン・ラトル指揮
 
 ブラームス: ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調
         ピアノ: イェフィム・ブロンフマン

 ルトスワフスキ: 交響曲 第3番

 アンコール: ドヴォルジャーク: ポルカ(?)


 音楽を仕事にしているのでお恥ずかしいのですが、実は、ベルリンフィルを聴くのは初めてのはずです。
 ラトルも実は初めて。
 もちろん、ずっと聴きたいとは思っていましたが、今になってしまいました。

 今回は、プログラムが見事に私のつぼにはまるものでした。
 ブラームスの2番のコンチェルトは、大好きな曲。
 師匠にいわれて、実は、ちょっと勉強したことがあったことを思い出しました。

 そして、ポーランドの作曲家のルトスワフスキ。
 彼の曲といえば、2台ピアノの為の、パガニーニの主題による変奏曲が好きな曲です。

 この第3番の交響曲は、大編成。 打楽器はティンパニー+4人。
 ピアノは連弾。 プラス、チェレスタ。

 確か2003年だと思いますが、カーディフの音大時代に、この曲のピアノパートを弾きました。
 ですが、生で聴いたことはありません。
 天下のベルリンフィル、しかもラトルで聴ける、となれば、見逃すわけにはいきません。

 
 まず1曲目のブラームス。
 ブロンフマンは、プロコフィエフのピアノソナタ全集でよく聴いているのですが、多分生で聴くのは初めてだと思います。
 あくまでも、私個人の感想、として読んでください。 
 演奏者に何を求めるか、どういうのがすきか、というのは各々違いますので。

 良くも悪くも普通。
 もちろん、うまいです。
 大きなホール、しかも、決して音響が良いという場所ではないので、なんともいえないのですが、結構叩き気味(私はたたくピアノが大嫌いなので。 でも、日本の人はこういうのが好きな人が多いようなのでなんともいえません)。
 音色の変化はあまりありません。
 
 どちらかというと、お手本の演奏でした。
 オケと掛け合う部分など、歌い回しが足りないな、と思う部分があったのが私が気になったところです。

 ピアノ協奏曲ですが、私としてみれば、オーケストラの方にすっかり気をとられていました。

 冒頭のホルンのソロ。
 このホルンが、非常に素晴らしい響きでした。
 比べては失礼ですが、普段、ロイヤルオペラハウス・オーケストラのバレエでの演奏ばかり聴いているので、あまりの差に唖然としました。
 このホルンだけで、私は大満足でした。

 私はあまりドイツのオーケストラを生で聴いていないのですが、一番感じたことは、オーケストラの重なり、合わせが見事(特に弦)。
 イギリスのオーケストラは、合わせていても、個別の聴こえ方がするのです。 よく言えば、一人ひとりが個性的。 他の言い方をすれば、あっていない。

 今回のベルリンフィル、機械的ではなく、素晴らしい合わさり方でした。
 そして、フレーズの豊かさ。
 このフレーズについては、ちょうど2週間前のサマーコースで、師匠から次の段階に来た、といわれて、散々細かいフレーズについてレッスンを受けてきました。 楽器が違っても、やっていることは同じ。 なるほど、と思いながら聴いていました。

 50分ほどの大曲ですが、あっという間でした。

 
 そして、楽しみにしていた、ルトスワフスキ。
 正直、あれだけオーケストラのリハーサルで弾いたし、本番でも弾いたはずなのに、全くと言ってよいほどどんな曲か、どんな譜面だったか忘れていました。
 ですが、冒頭のミミミミ、というのを聴いたら鮮明に蘇ってきました。
 ラトルの指揮が非常にわかりやすい。
 この曲は拍がとりにくくて、散々な目にあいました。
 ラトルと比べては失礼ですが、大学の指揮者がわかりにくくて、私は最後の策として、とりあえず、CDを毎日何度も聴きまくって、耳でタイミングを覚える、という本当はやるべきではないことをして、本番に臨みました。
  
 現代曲が苦手な私にとって、全体として耳に残る曲ではありません。
 ですが、こういう曲だったんだ、あの良くわからなくて、必死になってあわせた部分はこういう風になるべきだったのだ、と10年近くの年月を経て、やっとわかりました。
 
 このオーケストラ、弱音がきれい。 
 芯のある弱音。 ピアノでも難しい部分です。

 素晴らしい音のオーケストラの音が頭の上から降ってくる感覚。
 ぐいぐいと引き込まれていく音楽。
 久々にとても良い時間をすごしました。

 平土間の立ち見では、オペラハウスの常連さんたちの姿もちらほら見かけました。
 
 アンコールの前に、ラトルが、
「普段は、ルトスワフスキの後にアンコールの曲を弾くことはないのですが、今日は、世界で一番素晴らしい観客の前です。 だから特別に」
ということで、とっても軽快なポルカを演奏してくださいました。
 
 人間的に素敵な方なのだろうな、というような音楽があふれ出ていたのが、印象的です。
 
 
   

Posted on 2012/08/31 Fri. 23:46 [edit]

category: エンターテイメント

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