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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ 『リーズの結婚』 5月11日 ロベルタ、スティーヴン 

遅くなりましたが、先週金曜日の『リーズの結婚』です。

私自身は、この公演が最後の鑑賞でしたが、一番最後は、5月16日に英国、ヨーロッパの映画館にライブ放送されたものです。 この時と同じキャスト(主要)のはずです。



『リーズの結婚』 アシュトン振付、 エロルド作曲(ランチベリー編曲)


 リーズ: ロベルタ・マルケス

 コーラス: スティーヴン・マクレー


 未亡人シモーヌ(リーズのママ): フィリップ・モスレー

 トーマス(富裕なブドウ畑所有者): ギャリー・エイヴィス

 アレイン(トーマスの息子): ルドヴィック・オンディヴィエーラ


 雄鶏/公証人の書記: ポール・ケイ

 めんどり: リヤーン・コープ、 エリザベス・ハロッド、 ロマニー・パジャック、 サビーナ・ウエストカム

 

 公証人: アラスター・マリオット

 フルート: ジェームズ・ヘイ


 リーズの友人: メリッサ・ハミルトン、 金子扶生、 ナタリー・ハリッソン、 クリスティーナ・アレスティス、

           ローラ・マックロック、 エマ・マグワイヤ、 ターラ・ブリジット・バフナーニ、 ピエトラ・メロ・ピットマン


 コーラスの友人: ダーウィッド・トルツェンシミエック、 アンドレイ・ウスペンスキ、 平野亮一、

            ジョナサン・ワトキンズ、 蔵健太、 エリック・アンダーウッド



  ポニーちゃんを含め、色々と失敗が起こりやすい作品です。

 が、この時は、危ない箇所は、パーフェクトでした(これが、放送されてほしい、と思うほど)。


 まずは、何といっても、スティーヴン・マクレーのことを書かなければいけません。

 彼は優れたダンサーです。

 プリンシパルになった頃の彼の踊りは好きでした。

 が、踊り自体は物凄いのですが、それ以外の部分が、私にはナチュラルに見えず、無理に年を上にみせよう、というか、自然にしようと思いすぎているのか、というように映っていました。

 いわば、良い意味ではなくて、30代の中堅ダンサーのような感じでした(もちろん、踊りは20代です)。

 

 本当の中堅ダンサーの魅力は私は大好きですが、スティーヴンの場合は、もちろん20代半ばなのですから、そのようなよさはでず。

 ですから、この2、3年は、私は彼のアブストラクトは大好きで心の底から楽しみながら堪能していましたが、ロミオも、デ・グリューも王子も、どこか痛々しさを感じながら観ていました。


 2月の『真夏の夜の夢』で久々に彼のよさを感じ、心奪われました。

 そして、今回。

 2年前にスティーヴンはコーラス・デビューをしながらも、男性ダンサーの怪我により、3人のリーズと踊る、という状態になりました。

 この役は、スティーヴンにぴったりだろう!と思って観たものの、若々しさが見えてこなくて、どこか抑え気味。 演技が造ったものだったのです。


 今回はどうかな、と思ったら、私がこのようなことを言うのはおこがましいですが、彼は高い壁を越えたと思います。 思わず、それが嬉しくて、赤の他人の私が、舞台を観ながら涙するほど。


 溝に入る前の彼と、この2、3年で得てきたことが、すべて重なった。

 スティーヴン自身がどう思っているかは知りません。

 でも、何度も観ている私には、それを感じました。

 元々のテクニックの強さと、細かい表情。 その表情も、造ったものではなくて、自然なもの。

 

 4年前、マリアネラにもこれがありました。

 それまでの彼女の奔放さが失われ、変に女性っぽい踊り。

 それを乗り越えたら、すばらしいものを創り上げるようになっていました。


 私は彼らと比べるのはおこがましいですが、3、4年前頃は、がんばっても、色々と考えても、自分自身を失ったような、演奏していても私ではないような演奏が続きました。

 とても心配したし、落ち込みましたが、それを抜けたら、演奏が一回り大きくなったように思います。

 だからこそ、スティーヴンのことは、私にとっては少し長めな彼の低迷が続いていたので、心配していました。

 

 

  これからの彼が創り上げる役を楽しみにしています。


 

 ロベルタは、愛嬌があり、愛らしい。

 バターを内緒で味見した後、その指をエプロンでぬぐうのも、彼女だけ。


 普段は、セクシーな雰囲気をかもし出しますが、この役では、魅力的な女の子です。

 ただ、私には、彼女の足捌きが甘すぎる。

 特にアシュトンのぴったりと音楽にはまっている振付では、もっと機敏にしてもらいたいな、と思う箇所もいくつかあります。


 ルドのアレインは、自分をしっかりと持っているアレイン。 ただ、非常にシャイ。

 自分の世界に浸っている時には笑顔で、自信があるようにみえるけれど、人とかかわると、たちまち自分を失ってしまう。

 おもしろいキャラクター設定でした。

 

 今回、全5キャストを観ましたが、どれも違ったキャラクター設定をしているので、誰が良い、悪い、というのはなくて、非常に興味深いものでした。

 アレイン、という役を創り上げた、亡きアレクサンダー・グラント氏のこの役を観てみたかったな、と思ってなりません。

 今回の一連の公演は、彼にささげられたものでした。

 2年前のこの作品の上演時には、何度かグラント氏のお姿をオペラハウスでお見かけしたものです。


 もしかしたら、他のキャラクターについても書き足すかもしれませんが、遅くなってしまったので、とりあえず。

 とにかく、この公演は、スティーヴンの変貌に心が奪われてしまいました。

 

 

 

 

 

Posted on 2012/05/17 Thu. 22:39 [edit]

category: バレエ

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Comments

1. 無題 

みゆきさん、読んでいて鳥肌がたってきました。
スティーヴンが大好きなので彼がひとつ上のステージにいったならこんなに嬉しいことはありません。
私もこの二年くらいかな?スティーヴンはまだピチピチの20代なのだから今しかできないその若さやフレッシュさをもっと出して欲しいのに妙に落ち着き払っちゃって…と思っていたのです。
将来のために大学にいったり結婚したりと色々あって生き急ぎ過ぎ…と勝手に心配したりして。
すべてのバランスがうまくいくようになったのかしら?
まだ20代半ばだしこれからが本当に楽しみですね!
8月の日本でのガラ公演が待ち遠しいです。
しかしこのリーズ、日本で観られないのが残念…。

URL | asaco #79D/WHSg | 2012/05/19 10:46 | edit

2. asacoさんへ 

非常に遅くなりました・・・

 スティーヴン、先週の『ラ・シルフィード』ではちょっと後退してしまったので、完全に落ち着くには少々時間がかかるかもしれませんが、それを見守らせて頂きたいな、と思っています。
 もちろん、踊りは見事でしたよ(かなり音楽のテンポをあげてもらっていましたが)

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2012/06/01 04:00 | edit

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