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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ、『マノン』 ローレン、セルゲイ(11月8日) 

遅くなりましたが、11月8日にダブル・デビューをした、ローレンとセルゲイの『マノン』です。

彼らが最終ドレスリハーサルを行っていますので、写真は、http://www.ballet.co.uk/gallery/dm_royal_ballet_manon_roh_1111  より。


『マノン』 ケネス・マクミラン振付、 マスネ作曲


 マノン: ローレン・カスバートソン

 デ・グリュー: セルゲイ・ポルーニン


 レスコー: ホセ・マーティン

 レスコーのミストレス: イッツィアー・メンディザバル


 ムッシューGM: ギャリー・エイヴィス

 マダム: クリスティーナ・アレスティス


 看守: ベネット・ガートサイド


 高級娼婦: メリッサ・ハミルトン、 ローラ・マックロック、

         フランチェスカ・フィルピ、 ラーラ・ターク


 踊る紳士: ジョナサン・ワトキンズ、 ヨハネス・ステパネク、 蔵健太


 顧客: トーマス・ホワイトヘッド、 ジョナサン・ハウエルズ、 ジェームズ・ウィルキー、

      エリーコ・モンテス、 アンドレイ・ウスペンスキ


 乞食のかしら: ジェームズ・ヘイ

 乞食たち: ヴァレンティーノ・ズチェッティ、 ルドヴィック・オンディヴィエーラ、 トリスタン・ダイラー、

        ケヴィン・エマートン、 フェルナンド・モンターニョ、 ダーウィッド・トルチェンスミエック


 

 久々の英国人バレリーナのマノン・デビューではないでしょうか?

 そういう話がチラチラと聞こえてきました。

 オペラハウスでは英国人の友人(私よりもずっと年上の)が多いのですが、私の周りでは、英国人だろうと、外国人であろうと、関係ない、という方が多いですが。

 

 彼らの最後の沼地のパ・ドゥ・ドゥは、既にリハーサルで拝見してありました。

 

  

 まずはローレンのマノンから。

 マノン、というキャラクターは観る人も自分の理想、考えがあると思います。

 私ももちろんあります。 自分にしっくりとくるキャラクターが。


 今回のローレンのマノンは、だいぶ違いました。


 結論から書くと、彼女はGMの財産だけではなくて、彼自身を愛してしまったのです。

 私自身は、GMの富に惹かれるけれど、彼自身を愛するべきではない、という考えでいます。 あくまでも、彼女が愛するのはデ・グリューであって、でも、その為には、GMの富が必要。

 今回のローレンは、第1幕のベッドルームのシーンで、デ・グリューが出かけて、GMが入ってくると、迷いも無く彼に心を奪われる。

 

 第2幕のマダムの館ではそれが如実で、あまりにもGMと楽しみすぎ。 まあ、相手がギャリーだったのもありますが、それでも、あそこまでflirtするのは少々やりすぎ感が。

 あの二人、どれだけキスしているのか・・・ あの時代、娼婦は口だけは本当に愛している人にしか許さなかったはずです。 まあ、マノンは、”娼婦”という肩書きではないのでよいのかもしれませんが

 
 デ・グリューが接近した時も、本当に嫌な顔をして払いのけてしまったのです。


 だから、その後のベッドルームのシーンも、デ・グリューに対する気持ち、というものがうわべのものにしか見えてきませんでした。

 どちらかというと、最後の沼地までその考えが拭えませんでした。


 ローレンの、レスコーのミストレスは結構好きでしたし、茶目っ気たっぷりの彼女がどのようなマノンを創り上げるのか楽しみにしていましたが、ちょっと違いました。

 もちろん、デビューですから、これだけで判断してはいけませんが、それでも、基本的なマノン像というのは彼女が作ったものだと思います。

 私は2度目の舞台は観に行きませんが、次にこれを取り上げる時に期待です。


 

 こちらも表現、パートナリングの面で不安だった、セルゲイのデ・グリュー。 パートナリングは、昨年と比べ、まだまだ危なっかしいところもあるものの、ずいぶん安定してきました。


 言うまでも無く、踊りはすばらしいです。 が、踊る、パートナリングの部分になると、デ・グリューから一気に”セルゲイ・ポルーニン”になってしまいます。 いきなり現実に引き戻されます。 まあ、彼はまだまだ若いですから、これからに期待ですが。


第2幕のマダムの館の場面も、どうすればよいのか分からなかった感じ。

一番最後のマノンの死の部分も、もてあましてしまった感じが。  

知っている人の言葉を借りれば、「彼は、3回くらい女に振られないとだめだよ」 とのこと。

 

 

 改めてこの演目の難しさを感じました。

 マノン、デ・グリューの両方から発するものがないと空回りしてしまうし、お互いに答えていけないとこれも空回りしてしまう。

 ただ、これは舞台の数をこなせばこなすほど、色々とよくなる作品だと思うので、この後を楽しみにしています。


 ちなみに、この翌日にオペラハウスへ行った時、色々な方々の意見を伺ったり、聞いたりしましたが、あれほど意見が割れるのも珍しい。

 ある人は、今までで最高のマノン。 セルゲイは良かったけれど、ローレンは良くなかった。 この逆の意見もあり。 両方ともよくなかった、という人も。

 私と同じように、ローレンがGMを愛してしまった、というのもありましたし、二人の愛が見えてこない、というものも。

 とにかく、色々。 だからこそ、おもしろいのです。 そして、考えが違っても、それを話すことができるイギリス人。 

 

 

 さて、周りがおもしろかったのがこの夜でした。

 まずは、この人が舞台に立つと舞台を奪ってしまう、ギャリー。 ギャリーのGMはとにかくいやらしい。 どれほど高級娼婦のスカートを杖でめくっているのだか。

 そして、それを挑発していくイッツィアーのミストレス。 彼女はもちろんレスコーのミストレスですが、でも、やはりお金を持っているGMにどうにか気に入ってもらいたいのですよね。


 ホセのレスコーはいつもに比べてよく踊っていましたが、ずるさとか、たくらみとかはあまりありません。


 マダムの館での高級娼婦二人の踊り(メリッサとローラ)は、その前にユフィちゃんとひかるさんで観た時のようなやり取り、競い合いが見えてきませんでした。

 

 

 マダムの館で、マノンが踊る紳士、顧客たち、GMの頭上を舞う場面で、マノンの手をとる人が変わる時、踊る紳士のヨハネスが、顧客のエリーコの肩を叩いて、「次は俺の番だ」とあくまでもエレガントにやっていたのが印象的です。 別にこのような演技はいらないところです。 でも、これによって、マノンは男の心を翻弄していく(使い方あっているか怪しい)、というか、男をとりこにしてしまうのだな、と見えてきます。 ヨハネスは普段から、このような細かい演技が非常に多いです。


 というわけで、遅くなりましたが、デビュー公演の内容でした。

 

Posted on 2011/11/13 Sun. 06:06 [edit]

category: バレエ

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Comments

1. 無題 

二人のデビュー公演のレポ、待ってました!なるほど、ローレンのマノンはGMに心奪われてしまう設定なんですね。う~ん、それだとデ・グリューはただのストーカーになってしまうと思うのですが…。
セルゲイは予想通りな感じです。とりあえずパートナーを落とさず踊りきったのでヨシという気が。館のシーンは難しいですから今のセルゲイには難題ですよね。
主役以外の周りのレポを読んでにんまりしてしまいました。ギャリーとヨハネス!やっぱり好きだわ~(ギャリーのGMを観られなかったのが残念すぎる)。

URL | asaco #79D/WHSg | 2011/11/15 08:05 | edit

2. asacoさんへ 

遅くなりました。プラス、随分はしょっています。
セーラの2度目のマノンと似ているキャラクターかもしれません。
GMを愛してしまうと、第3幕に繋がりにくいのですよね。
セルゲイのパートナリング、随分よくなりましたよ。

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2011/11/16 07:50 | edit

3. 無題 

興味深い解説、ありがとうございます。
昨晩、セルゲイとローレンのマノン、ドレスリハーサルに続いて2回目を観てきました。リハーサルの時より、一幕目のマノンの豹変?の仕方の度合いは少なくなっていましたが、やはり気になるところでした。セルゲイは段々、デ・グリューの世界に入り込んできていると感じました。踊りも安定感がありますし。音楽も素晴らしいです非、「マノン」の世界に段々引き込まれていって大満足して帰ってきました。
26日のマチネの安くていい席が残っていたので、昨晩買ったのですが、マルケスとマクレーは踊らないかもしれないのですね。
Garyは相変わらずですね。素晴らしい演技力で、Royal Balletにはなくてはならないダンサーですね。

URL | 胡蝶蘭 #79D/WHSg | 2011/11/16 18:42 | edit

4. 胡蝶蘭さんへ 

やはり2度目の舞台はよかったのでしょうね。
なんだかんだ言ってもはまってしまいますよね。
私は今回は残念ながらロベルタ、スティーブンは観られないのですが、ロベルタは捻挫のようなので、どうでしょうね?
Garyはまたやりたい放題でしたか?
目を集めてしまいますよね。

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2011/11/18 07:08 | edit

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