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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ、『マノン』 マリアネラ、ニァマイア 

 先週初日を迎えた、ロイヤルバレエの『マノン』、初日は行かなかったので、5日の舞台を見に行ってきました。


 今年の5月4日にダブル・デビューしたマリアネラとニァマイア(日本語だと、ネヘミアとなっていることが多いですが、発音をそのまま日本語にすると、ニァマイア、せめてニーマイアだと思います)のキャストでしたが、半年前とは全く違う舞台でした。 特にニァマイア。 


 ただ、前回ダブル・デビューということで、フレッシュさもあったのですが、今回はその部分が薄くなり、まとまった、という感じを受けました。 結果がどうであれ、デビューの時の空気というのは特別なものなのだな、と改めて思いました。

 11月5日(マチネ)の分です。


 『マノン』 ケネス・マクミラン振付、 マスネ作曲


 マノン: マリアネラ・ヌニェス

 デ・グリュー; ニァマイア・キッシュ


 レスコー: ティアゴ・ソアレス

 レスコーのミストレス: クレア・カルヴェート


 ムッシューGM: クリストファー・ソウンダース

 マダム: エリザベス・マクゴリアン


 看守: ギャリー・エイヴィス


 高級娼婦: ユフィ・チェ、 小林ひかる、オリヴィア・コウリー、 クリスティン・マクナリー


 踊る紳士: ベネット・ガートサイド、 ヴァレリ・フリストフ、 リカルド・セルヴェラ


 顧客: トーマス・ホワイトヘッド、 ジョナサン・ハウエルズ、 デイヴィッド・ピッカリング、 平野亮一、 エリック・アンダーウッド


 年老いた紳士: アラスター・マリオット


 乞食のかしら: ポール・ケイ

 乞食たち: ヴァレンティーノ・ズチェッティ、 ジェームズ・ウィルキー、 ジョナサン・ワトキンズ、

        ケヴィン・エマートン、 アンドレイ・ウスペンスキ、 エリーコ・モンテス



 前回、とてもイノセントなマノンを演じたマリアネラでしたが、今回は、多少タルトな面も出てきて、愛とお金の間でだいぶ揺れ動くマノンをつくりあげました。


 登場した時には、お兄ちゃん(レスコー)大好きな妹。 年老いた紳士が彼女に対して興味を示していることはわかっている。 最初はある意味で富に惹かれている。 

 デ・グリューのことは最初は何も思っていない。 でも、二人きりになって、デ・グリューが踊り始めた時、彼女は徐々にひかれていくのがわかる。

 今日はニァマイアのデ・グリューが最初から彼女への好意をあらわにしていたこともあり、マリアネラ演じるマノンは、それを感じ取っていく。 

 彼が彼女の手を取りキスする場面は、前回が思わずそうしてしまった、というのに比べ、今回はその前にお互いを見つめる時間があった。 だから、パ・ドゥ・ドゥでは、お互いにそれを求めていることが見えてきていました。

 

 第1幕第2場のベッド・ルームでのパ・ドゥ・ドゥは、前回にはなかった空気がありました。

 この時点でのマリアネラ演じるマノンは、お金のことは抜けていて、とにかくデ・グリューを愛しているのがわかります。 彼に向ける目は、それまでとは違います。 

 いくら、バレエの中だといえども、旦那様のティアゴが妬くのでは?と思うほど二人の間には素敵な空気がありました。

 

 中間部のキスの後、一箇所私の覚え違いかもしれませんが、振りの中でキスしていた部分があり、普段はそうでないような気がするのです。 でも、よりいっそう二人の仲が伝わりました。

 デ・グリューが出かける時、彼のコートを引っ張って、口をとがらせてキスをねだるのは彼女らしい。

 

 デ・グリューが出かけて、レスコーとムッシューGMとの場面では、一瞬のためらいがあるものの、GMから贈られたガウンとネックレスに喜ぶ。 でも、だからといって、ころっとGMに心を許すわけではない。

 ところどころ、何度もデ・グリューとすごしたベッドを見ていました。


 が、前回はお兄ちゃん(レスコー)に完全に操られている、という感じだったのが、今回はずいぶん小悪魔的な部分も増え、GMに対して何をしなくてはいけないのかが分かっていたように思います。


 最後、GMと共に部屋を去る時にも、GMの前では微笑みますが、ベッドをちらちらと何度も見て、デ・グリューへの思いがあることを示していたように思います。



 第2幕のマダムの館でのパーディー、GMと共に入ってきた時には、それまでの表情とは違います。

 GMと共に中を一周歩きますが、その時に他の人たちに笑顔を。 でも、デ・グリューのところへ来たら、一瞬にして表情が変わり、顔を背けるけれど、彼を見たい、という気持ちにはさまれていました。

 

 GMが舞台中央にコインを投げ、それに(安い)娼婦たちが群がっている間に、マノンとデ・グリューがここで初めて接するところは、デ・グリューに向け、大丈夫、わかっているから、という感じ、だけれど、本当は彼を追い払いたくない、というのが交差していました。


 第2幕のベッド・ルームのシーンでは、二人のケミストリーが炸裂。 


 

 第3幕は前回と背景が少々違う(もしかしたら前回から?)。 そして、船からマノンとデ・グリューが降りてくる時、二人ともコートを着ています。 すぐに脱ぎますが。

 マノンが看守にあごを持って顔を向けられても、それに抵抗する力も残っていない。

 ほとんど目が開いていない状態だったと思います。


 最後の沼地のシーンでは、幻覚の場面での動きがそれが彼女の幻覚である、ということが観客に伝わりやすかったと思います。

 最後のパ・ドゥ・ドゥは軽い。 デビューの時よりも、息絶え絶え、というのが伝わりやすかったですし、最後は本当にデ・グリューの愛だけが欲しかったのですよね。

 かなりの際でのパ・ドゥ・ドゥでした。



 5月のデビューの時には極度の緊張が観ている者に伝わってしまったニァマイア。 6月頭にも、怪我したフェデリコ・ボネッリの代わりにラウラ・モレーラと急遽これを踊っていますが、私はその日ケンブリッジでチャリティーコンサート。 この舞台を見逃しました。

 ニァマイアは、大抵1度目の舞台は緊張して、それほど良いできばえではありません。 が、彼は回を重ねる毎にどんどんよくなっていくダンサーです。

 移籍してきてからのロイヤルオペラハウスでの舞台、いくつか以外、ほとんど観ていると思いますが、今回が群を抜いて一番良い出来でした。 


 

第1幕で本を読みながら登場し、隅で本を読んでいるとマノンが出てくる。 最初は彼女をちょっと見ただけ。

 そして、彼女が良く見えるところに場所を移動する。 それからは、とにかく彼女のほうばかりをみていました。


 最初の二人のパ・ドゥ・ドゥはデビューの時とは別人。 テクニック的にも伸びがあり、表情もとにかく純粋で笑顔。 彼女への気持ちをあらわにしていました。

 

 マノンの手にキスをする場面も、前回の思わず手をとってキスしてしまった、というのが私は結構好きだったのですが、今回は、二人で見つめあう余裕があったほど。

 

 続くベッドルームのシーンも、最初はマノンがベッドの上、そしてデ・グリューが反対側の机で手紙を書いていますが、その時も、何度もマノンの方を見ていました。


 この部分のパ・ドゥ・ドゥは上に書いたとおり。 とにかく二人のケミストリーが強かったです。

 パートナリングも非常に安定していました。 


 

 が、とにかく演技力が増したな、と思ったのが第2幕のマダムの館。

 この部分、前半はデ・グリューはGMとFlirtするマノンを見ていなくてはいけません。 踊るわけでもなく、立っているか歩いているか。

 レスコーの酔っ払いの踊りの間は娼婦の子達に囲まれて結構和やかに話していましたが、マノンが出てきたら、一気に変わる。

 高級娼婦とか、娼婦たちに上目遣いでみられても、相手にしない。


 マノンに接して、でも、すぐにGMに追い払われてしまいます。 その時、GMからお酒のビンを渡されますが、それをそこのテーブルに音を立てて置き、(多分人にぶつかりながら)出口まで行き、そこの柱に頭をつけてしばらく動かずにいました。 そして、自棄酒をのんで。

 この部分は凄くよくデ・グリューの気持ちが現れていたと思います。


 続くベッドルームのパ・ドゥ・ドゥではとにかく伸びやかな踊り。 ちゃんとああいうジャンプもできるのだ!とある意味で驚き。


 第3幕で一番感じたことは、マノンが看守に連れて行かれそうなのに、彼は踊っている。 たまにこの部分が分からない時があるのですが、今回のニァマイアは、その踊りから彼の感情がむき出しになっていました。

 マノンが看守にレイプされ、看守をナイフで刺した後、そのナイフを床に落とす場面でごく自然に音とぴったり。こういうのは、意外と意味を持たせます。


 パ・ドゥ・ドゥは上に書いたとおり。 最後マノンが死んで、その悲しみに明け暮れる様子が心にきました。

 正直、ニァマイアがあそこまで感情をあらわにするとは思っていなかったので、良い意味での驚きが多い舞台でした。



 レスコーのティアゴは先日の文句を言いたくなるような『眠り』の王子とは別人。 演技もテクニックも非常に魅せてくれました。

 ずるくて、お金ばっかり考えているレスコー。 第1幕で、乞食のかしらがGMのポケットから懐中時計を盗んだ時も、「全く、そんなことをやってはだめではないか」という風に乞食のかしらにはいうものの、自分もポケットを探っていました。 しかも、第2幕でマノンとGMが踊っている間にも、机の上におかれたGMのジャケットのポケットを探っていました。

 かえるでも入れておいてあげたらどうでしょうか???


 レスコーのミストレスのクレア、段々板についてきました。 普段は無表情のことが多いのですが、表情もだいぶ増えてきました。


 そして、看守のギャリー。 出てきた時からいやらしさ全開。 ただただ立っているだけでもいやらしいし、看守の部屋の場面では、マノンの肩に後ろから手を置くだけでいやらしいのです。

 そして、デ・グリューに刺された時には目を見開いたまま死にます。

 これ、かなりインパクトがあり、ぞっとします。


  

 ひかるさんとユフィちゃんの組み合わせの高級娼婦の時は、第2幕のマダムの館での二人が競うようにして踊る場面の面白さが増します。

 そして、クライアントが娼婦を選ぶ場面でのひかるさんの演技はやりたい放題(良い意味で)。


 同じ場面、GMが投げたコインに娼婦たちが群がる時、誰ですか?他の人のスカートをめくった人は・・・

 

 そして、マノンのソロで、GMとデ・グリュー以外が動きをやめて固まる場面、高級娼婦の一人のオリヴィアが、クライアントの一人にスカートをめくられつつ、自分は体を前屈して、他の人の床にたれているドレスのすそをつまむ。 あの体制で静止しているの、かなりきついと思うのですが、でも、ああいうのはあの部分にプラスになるところです。 


 書き出したら止まりません。

 このあたりで。

 マリアネラとニァマイアの分は全て行く予定です。 あまりにも同じだったら再び書きませんし、違ったら書きたいな、と思っています。

 



Posted on 2011/11/08 Tue. 06:08 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 2

08

Comments

1. 無題 

待ってましたマノンレポ!まるで私も劇場に居合わせたかと思えるようでした。ありがとうございました。
ニァマイヤのあのド緊張ぶりは私がバレエ鑑賞した中で見たことのないものでした…。そこからの成長ぶりをぜひ見たいものです。
次回の来日公演にはマノンを持ってきて欲しいんですよねぇ。

URL | asaco #79D/WHSg | 2011/11/10 08:25 | edit

2. asacoさんへ 

内容の羅列でしたね。
ニァマイアは随分表情を出すようになりましたよ!!
マリアネラに随分助けられていますが。
次の来日いつになるのでしょうね...
こちらでのレパートリーにもよりますよね。
順番的にはありえそうですが。

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2011/11/11 07:26 | edit

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