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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

シルヴィ・ギエム、6000 miles away 

 14年振りにシルヴィ・ギエムの舞台を観て来ました。

 彼女はロンドンでは、サドラーズ・ウェルズで毎年のように踊っていますが、コンテが苦手な私はそれほど行く気もなく、気が付く頃にはチケットが売り切れている状態でした。

 

 今年の7月の公演を見逃しましたが、その時、よく読んだら、1作品の使用曲が、私の運命の曲のベートーヴェンのピアノソナタ第32番(作品111)第2楽章:アリエッタ。 振付はマッツ・エック。 マッツ・エックは私が音楽性豊かだ、と思う振付家の一人。

 今回再演することがわかって、すぐにチケットを買っておきました。

 10月に日本でも上演予定のようです。


 公演タイトルの、『6000 miles away』、これは3月の日本の津波を思ってのこと。 ちょうどその時ギエムはロンドンにいたから。 距離が離れていて、体がそこにいなくても、日本の人たちを思っている、ということがこめられているそうです。


 『Rearray』 ウィリアム・フォーサイス振付、 デイヴィッド・モロウ(David Morrow)作曲


 シルヴィ・ギエム、 マシモ・ムッル

 2011年7月5日初演


 客席が完全に暗くなる前に、舞台に二人が歩いてきます。 完全に舞台も客席も暗くなってスタート。

 二人とも、バレエシューズをはいているものの、その上から靴下。


 フォーサイスの作品は、イン・ザ・ミドルとか、シューベルトの未完成交響曲を使ったものとか、いわゆる、トウシューズにクラシックバレエの言葉が多いものしか見たことがありませんでした。 もちろん、その中にも現代の用語が含まれてはいたのですが。


 この作品は、エポールマンとか、クラシックの言葉が要所要所で使われてはいるものの、音楽が途切れ途切れで、照明も暗くなったり明るくなったり。 

 

 とりあえず、14年振りにギエムを観て、あの驚異的な身体能力が失われていないのだな、と感心してしまいました。

 ストーリーは存在しませんが、人間の心というか、そのようなものが見え隠れしている作品のように思いました。

 

 マシモ・ムッルもずっと観たかったダンサーですが、今夜が初めて。 彼の踊りは観ていて気持ちが良いもの。 是非、クラシックで一度観てみたいです。


 が、この作品音楽がかなり現代。 ああいう叫び声というか、なんともいえない音楽は一番苦手。 私は頭痛を引き起こす音楽なので、それだけが、ちょっと苦痛でした。



 『27'52''』 キリアン振付、 Dirk Haubrich作曲(マーラーの曲の2つのテーマを使用)


 オレリー・カイラ、 ケンタ・コジリ

 2002年初演


 結構リズミカルな曲でスタート。

 男性が始まってしばらくすると、リノリウムの下にもぐります(通常のリノリウムの上に、この作品用に幅の狭いリノリウムが乗せてある)。 

 最後は、舞台後方に敷いてあるリノリウムに、右左に分かれて男女がもぐります。


 キリアン作品を舞台で観るのは初めてのはずです。

 クラシックの語法はかなり少ないのですが、それでも、体現するものがわかりやすい。

 男性は日本人ダンサー。 1999年のローザンヌで賞を取り、モンテ・カルロバレエで研修。 その後、ネザーランド・ダンス・シアターで踊った後、現在はフリーのようです。

 日本人でもこのようなダンサーがいるのだな、と思うような語れるダンサーでした。


 パ・ドゥ・ドゥの組み方も、通常のクラシックバレエとは違うけれど、でも、それがしっくりきました。


 キリアン作品、是非他にも観てみたいな、と思わさせられました。



 『Bye』 マッツ・エック振付、 ベートーヴェン作曲

 ピアノソナタ 第32番(作品111) 第2楽章:アリエッタ、 イヴォ・ポゴレリッチの演奏の録音を使用


 シルヴィ・ギエム


 

 あのベートーヴェンでどのように踊るのか、ずっと楽しみにしていました。


 ギエムのソロ。 黄色のスカートに、小豆色と白のブラウス。 グリーンのカーディガン。 途中で素足になりますが、ピンクの靴下に、茶色の靴。

  

 この曲は、前半が変奏曲風。 テーマでは、動きも少なく、第1変奏で左手が8部音符になると、それに合わせて動きも増える。 第2変奏、第3変奏で付点音符になってくると、それに合わせて、動きも大きくなる。

 マッツ・エックといえば、『カルメン』しか観たことがありませんが、私の大好きな作品。

 クラシックだけではなくて、現代の語法が多いけれど、クラシック音楽にぴったりとはまる、音楽性豊かな振付家。

 その彼が、このアリエッタをどのように用いるのか? 想像以上に音楽性豊かな振付でした。

 

 後半、天国へ行ってしまう音楽の部分(私の感じ方)、決して音楽と一緒に動いているわけではないのですが、非常にうまく使っていました。

 この曲で、このようなことができるのだ、この曲を書いた頃、ベートーヴェンは耳が聴こえなかったわけですが、この舞台を観たら、ベートーヴェンはどのように思ったのかしら? ギエムの体から音楽が聴こえたのではないかしら?と思って観ていました。


 この曲はあまりにも思い入れが強いし、あまりにも個性的な演奏(Dr.S談)なので、私は卒業試験のような演奏の場ではかなり良い評価を頂いたものの、オーディション、入試では使うのを禁じられていました。

 他の人の演奏を聴いて、自分のレパートリーであるにも関わらず、つまらなくて、飽きてしまう曲です。

 が、ポゴレリッチの録音、久々に聴きましたが、全体的な流れが私の考えに非常に近いことに気が付きました。

 ですので、いつもなら、ピアノソロの振付はピアノ演奏が気になることも多いのですが、今回は、耳はそちらに向かいつつも、心地よく聴くことができました。


 

 ギエム、日本で来月踊りますね。 彼女の『田園でのひと月』を是非観たかったです。 

 こうして、再び観ることができて、やっぱり行ってよかったな、と思います。

Posted on 2011/09/25 Sun. 06:16 [edit]

category: バレエ

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Comments

1. いいなぁ!!! 

ギエム、私は1回しか見たことないので見てみたい!もう何年前かな??
あの身体能力はやっぱり圧倒されてしまう・・・

URL | れいこ #79D/WHSg | 2011/09/27 02:21 | edit

2. れいこちゃんへ 

私も2度目だよ。
身体能力以外で大切なことがある、と思うけれど、あれは凄いよね。
お稽古が忙しいだろうけれど、観られる時にたくさん観てね。
今のれいちゃんなら、得ることがたくさんあると思うから!

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2011/09/27 06:11 | edit

3. 無題 

>Miyukiさん
本当にその通り!バレエは体操じゃないからって思うけど、あそこまで行くとやっぱりすごい。


本当はイギリス行きたいです。。母が日本にしっかり帰ってきたら必ず行きます!!

URL | れいこ #79D/WHSg | 2011/09/27 19:27 | edit

4. れいこちゃんへ 

イギリス、ロイヤルバレエの上演が多い時においで!
うまくいくと1週間で3演目くらい観られる時もあるから。

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2011/09/29 07:08 | edit

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