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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

オランダ国立バレエ ファン・マーネン作品 サドラーズ・ウェルズ劇場 

 再び肌寒いです。

 

 今夜は、一昨日からサドラーズ・ウェルズ劇場にて行われていた、オランダ国立バレエの公演を観てきました。

 昨年だったか、その前だったか、色々と読んでいた時に非常に私が興味を持った振付家、ハンス・ファン・マーネン(Hans Van Manen) の作品の公演です。

 ファン・マーネンはオランダ国立バレエの専属振付師です。

 オランダ生まれで、ネザーランド・ダンス・シアターとオランダ国立バレエをいったりきたりしているようです。


 オランダ国立バレエ、といえば、現在のロイヤルバレエでは、フェデリコ・ボネッリと小林ひかるさんが、ここからロイヤルバレエへ移籍でしたし、デイヴィッド・マカテリも一時このバレエ団にいました。

 現在のイングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督のウェイン・イーグリングはここのバレエ団の芸術監督をしていました。


 ファン・マーネンは、既存のクラシック音楽に作品を振付けていることから私は興味を持ちました。

 昨年のコリセウムでのヌレエフガラにて、ロパートキナが彼の『3つのグノシェンヌ』を踊るのを観たのが、私が唯一観たことのある彼の作品です。


 今夜は5作品の上演でした。

 4作品が私にとって初めて観る作品です。

 昨日オペラハウスで2作品初めてのものを観て、それプラス今夜。 

 頭の中は満杯です。


 5作品、全てがバレエの為に書かれたのではなくて、既存の曲に振付けた作品です。

 こうなると、日本で言うバレエ曲、ってとってもとっても狭い世界のことだ、と思わずにはいられません。

 というよりも、特定の人気ダンサーのガラ以外では、このようなプログラムを組んでも日本ではチケットの売れ行きが良くないのが現状なのかもしれません。 非常に残念なことです。



 『アダージョ・ハンマークラヴィーア(Adagio Hammerklavier)』 ベートーヴェン作曲

 曲は、ピアノソナタ 第29番 作品106 『ハンマークラヴィーア』より第3楽章


 1973年初演

 男女各3名によって踊られます。

 女性は淡い水色(アクア)のワンピース風、ピンクタイツ、トゥシューズ。 男性は、白の股引のようなズボン?タイツ? 上半身裸


 別サイトにこの作品についての説明は書いているので、ここでは詳しくは述べませんが、クリストフ・エッシェンバッハが弾くこの曲に感銘されて振付けられました。

 

 ピュア・クラシックではないけれど、コンテでもない。 音楽的。 ちょうど、バランシンとアシュトンの中間のような音楽性。


ストーリーはありません。 でも、ダンサーの中に自分で作り上げたストーリーが無ければ踊れないように思います。


 とりあえず驚いたのは、男性ダンサーがロイヤルバレエに比べてがっしりとしていること。 



『ソロ (Solo)』 J.S.バッハ作曲

 曲は無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第1番より、クーラント、ドゥーブル(変奏)


 これは録音テープを使用。

 1997年初演。 ネザーランド・ダンス・シアターで初演されているので、よりクラシックよりもモダンより。

 男性3人によって踊られます。

 薄いブルーグレーのタイツに紫のTシャツ。 


 一番最後の部分以外は、全て入れ替わり立ち代り1人ずつ踊ります。

 コミカルな動きが多くて、それと、このバロックのバッハのパルティータの掛け合いが非常に興味深かったです。


 
『3つのグノシェンヌ (Trois Gnossiennes)』 サティー作曲

 曲は同名の作品


 1982年初演、オランダ国立バレエ


 昨年も観ているから、なんとなくは予想がついていたのですが、違う。

 男女のダンサー以外に、ピアノが右奥に置いてあり、その周りを3人の男性ダンサーが囲んでいました。

 1曲目の途中になったら、なんと、ピアニストは弾いたままで(ピアニストとピアノは台の上に乗っている)、この3人の男性がピアノを移動させていく。

  少し動くと止まり、また移動。 マイケル・コーダー振付の『旅への誘い』 では、歌手がダンサーの間を歌いながら歩く、というのもありましたが、まさかピアノ自体が動くものがあるとは。

 私はサティーは全く興味が無い作曲家ですが、これは是非弾いてみたいものです。 弾いている途中に動かされるとは多分弾きにくいとは思うのですが、ダンスの一部になっているように思います。


 これは女性はスカート付きレオタード風、そしてピンクタイツ、トゥシューズ。 このような作品だと生足トゥシューズが多いので、タイツありが少々驚き。


 10分ほどの作品ですし、動きも美しいし、とても好きな作品になりました。

 このあたりから、私はだいぶファン・マーネンの言葉、がわかってきたように思いました。


 音楽的、かつクラシック。 でも、あくまでもクラシックを基本にしているけれど彼の言葉があって、モダン。

 私が好きなタイプのダンスです。

 音楽的でない作品には全く興味がありません。



 『コンチェルタンテ(Concertante)』 フランク・マルタン(Frank Martin)作曲

 曲は小協奏交響曲 (Petit Symphonie Concertante)


 マルタンはスイス生まれの作曲家。

 この曲は曲自体がユニークで、トリプル・コンチェルトのようなもの。 ソロイストは、ハープシコード(チェンバロ)、ハープ、 ピアノ。 あまりない組み合わせです。

 3楽章形式ですが、20分ほどの作品。


 先日このCDを聴いた時には、恥ずかしながら私にはおもしろいけれど、奇妙奇天烈な音楽でしかありませんでした。 基本的に12音技法の曲は耳があまり受け付けません。


 他の曲でもそうなのですが、私の場合、音楽だけで1度聴いてよくわからなくても、そこに踊りが加わるといきなり音楽として生きてくる、ということがあります。

 音楽家としてどうなのか?とも思いますが・・・


 1994年初演。 これも、ネザーランド・ダンス・シアターで初演。

 男女各4名。 ソロだったり、パ・ドゥ・ドゥだったり、2組が一緒に踊ったり。

 私は彼のフォーメーション、ダンサーたちの入れ替えのうまさがおもしろいなと思いました。

 女性もソフト・バレエ・シューズ。

 これもストーリーが無い抽象作品です。


 男女とも全身タイツなのですが、女性は紫、青系、 男性はグリーン系。 双方とも、縦に黒のストライプが入っていて、全員微妙に違う色使いで、衣装が素敵でした。

 

 これは是非もう一度観たい作品です。


 

『グロス・フーガ(大フーガ)』 ベートーヴェン作曲

 曲は、弦楽四重奏曲 作品133 大フーガ、弦楽四重奏曲 作品130より第5楽章 カヴァティーナ

 これらを、Felix Weingarterが弦楽オーケストラ用に編曲したもの



 1971年にネザーランド・ダンス・シアターで初演された、ファン・マーネンの代表作品の一つです。

 この作品の写真は、http://www.ballet.co.uk/gallery/dm-dutch-national-ballet-sadlers-wells-0511 より。


  男女4人ずつ。 男性は、黒の後ろから見るとロングスカート、前からだとズボンのような、昔の日本の不良が穿いていそうな感じの下。 上半身裸。 女性は、肌色のレオタードにソフト・バレエ・シューズ。


 女性が4人固まってステージ左後方に、 男性は4人固まってステージ右手前方に立っています。

 男性が4人で踊り、女性は立ったまま。


 こういうところから始まり、途中、パ・ドゥ・ドゥがあったり、いろいろ。

 大フーガ(15分ほど)の終わりに男性はこのむさくるしいズボンを脱ぎ、カヴァティーナでは、ほぼ4組がずっと一緒に踊る。 曲自体が非常に美しいのですが、振りもダイナミックな動きがあるわけではないし、見せ場があるわけでもないのに、心地よい音楽と振り付けのミックスさ。


 舞台は白なのですが、ライティングが変化していく。 


 ベートーヴェンは、まさか自分の弦楽四重奏曲でバレエが造られる、なんて思っていなかったでしょうね。

 これを彼が観たら、なんというのでしょう? この作品を書いた頃は耳が聴こえなかった頃。 きっと踊りから音楽が見えたのではないでしょうか?



この5作品、是非音楽家でバレエに偏見を持っていたりする方に観ていただきたかったです。

 理解できなくても良い。 でも、より音楽の奥深さがわかると思うし、新しいアイディアをもてると思うのです。

 でも、日本は大手が「音楽とバレエは違います」なんていっている国ですからね。

 駄目か・・・・


 今回のプログラム、2回観に行けばよかった、と後悔しています。

Posted on 2011/05/14 Sat. 06:46 [edit]

category: バレエ

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