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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

『マノン』 マリアネラ、ニァマイア 

楽しみにしていた、ロイヤルバレエのマリアネラ、ニァマイアのデビューの『マノン』でした。


 『マノン』 ケネス・マクミラン振付、 マスネ作曲


 マノン: マリアネラ・ヌニェス

 デ・グリュー: ニァマイア・キッシュ(日本語の表記だと、ネヘミアとなっているものが多いですが・・)

 

 レスコー: ティアゴ・ソアレス

 ムッシューGM: クリストファー・ソゥンダース

 マダム: エリザベス・マクゴリアン

 レスコーの愛人: クレア・カルヴェート


 看守: ギャリー・エイヴィス


 高級娼婦: サマンサ・レイン、 フランチェスカ・フィルピ

         ラーラ・ターク、 シャーン・マーフィー


 踊る紳士: ヨハネス・ステパネク、 リカルド・セルヴェラ、 リアム・スカーレット


 顧客: トーマス・ホワイトヘッド、 ジョナサン・ハウエルズ、 デイヴィッド・ピッカリング、

      エリーコ・モンテス、 エリック・アンダーウッド


 乞食のかしら: ヴァレンティーノ・ズチェッティ


 乞食たち: ジェームズ・ヘイ、 ルドヴィック・オンディヴィエーラ、 ジョナサン・ワトキンズ、

         アンドレイ・ウスペンスキ、 フェルナンド・モンターニョ、 ダーウィッド


 年老いた紳士: アラスター・マリオット


 大きい役では、マノン、デ・グリュー、レスコーの愛人、乞食のかしらがデビューの公演でした。

 今シーズン観た前2回の公演は小柄なマノン、デ・グリューだったので、今日は背が高い二人で、ずいぶんと違った印象の舞台でした。


 マノンのマリアネラは、やりたくてやりたくていた役なので、全身から喜びがあふれていました。

 最初の登場から、満面の笑顔。

 頭が空っぽではないけれど、世の中を知らない女の子、といった感じを受けました。

 イノセントな部分もあるけれど、色々なことに興味を示し、あまり考えずにそれに惹かれる、といったようにとれました。 決してタルトなマノンではありません(この部分は意見が割れるでしょう)。


 馬車から降りてきて、兄のレスコーに年老いた紳士を紹介する時には、その裏には、たくらみとか、何も無し。 全体的に、目の前に現れたものに興味を示し、それを、兄が操る、というか、兄のレスコーが妹を使っている、といった感じの舞台でした。


 1幕のデ・グリューのヴァリアシオンの最中、マノンは椅子に座ってみていますが、その時も、最初は何もわかっていない。 ただただ笑顔でみているだけ。 中間で、デ・グリューが彼女の手をとってキスをした後から、段々変わっていく。 

 この手にキスをする場面、ニァマイア演じるデ・グリューは、思わず手をとってそしてキスをしてしまった、といったような感じで、それがとてもよかったです。


 いつも、マリアネラは婚約者のティアゴとか、長く知っているルパートと踊ることが多いですが、今回は10月に『テーマとヴァリエーション』しか踊ったことがないニァマイア。 二人にとって初めての全幕バレエ。

 初めての全幕バレエがこのパートナリングが多く、そして演技力も必要な『マノン』、しかもダブル・デビュー、というのは非常に大変なのでは?と思っていたのですが、反対にそれがうまく働きました。

 マノンとデ・グリューはここで初めて出会うわけですし、リアリティーでの二人が親密ではないことが、舞台でもプラスに働いているように思いました。

 

 婚約者のティアゴが兄のレスコー、ということでどうなのだろう?と思っていたのですが、兄妹の親密さが出るので、これもプラスに働いたように思います。


第1幕、第2場の『寝室のパ・ドゥ・ドゥ』では、勢いもありますし、マリアネラが飛び込んでいた感じ。 心配していたパートナリングは1度目としては、上出来。 2度目のフリップで半分落ちましたが。 全体を通しても、大きなミスはこれくらいです。


 デ・グリューが出かけた後にベッドに飛び込むのは音と完全にぴったり(今シーズン、私が観たのは、ずれたものが結構ありました)。

 レスコーが来て、ムッシューGMとのやりとり。 彼女はとりあえず、目の前に出された豪華なガウンとネックレスに喜ぶ。

 あとは、レスコーがかなり操っている、というより、お兄ちゃんの言うとおりにする妹、といった感じに写りました。


 第2幕でマダムの館でのパーティーにGMと共に入ってきた彼女は、また目の前に現れた情景に目を丸くする。 デ・グリューの前を通る時には、彼の目は見られない。 でも気になるのです。 これは、この後の踊る紳士、顧客たちにリフトをされて彼らの間を行き来する場面でもそうでした。 デ・グリューが彼女に手を触れたら、彼をみることはできない。 だからといって、強い拒否でもない。


カードの場面では、デ・グリューが勝てるように、レスコーが、マノンに3枚のカードを渡します。

 その時、彼女は戸惑いがある。 悪いこと、とは一応思っているよう。

 

 第2幕第2場の『寝室のパ・ドゥ・ドゥ』は第1幕の時よりも、艶やか。 

 レスコーが手錠をはめられこの部屋へ入ってきて銃で撃たれる部分は、デ・グリューが彼女を捕まえていても、かなり激しく動いていました。 


 沼地のパ・ドゥ・ドゥの直前の幻覚を見る場面、マリアネラはいちいち反応していましたが、あんなに反応がある人、私は初めて観ました。


最後の沼地のパ・ドゥ・ドゥは、パッション。 ここでやっと、というか、リアルに二人の関係がそれまでよりも強いのを感じました。 多分からだの大きさもあるので仕方が無いのですが、死ぬ直前に飛び込む部分まで、走るのが少々力強いのが気になります。 もしかしたら、小さい人に比べて、あれくらいにしておかないと、空中で回れないのかもしれませんが。 

 


 楽しみであり、なおかつ不安でもあったニァマイアのデ・グリュー、第1幕はだいぶ緊張していましたが、物語が進むごとによくなりました。

 特に第2幕以降は、ずいぶんマリアネラに表情を引き出されていました。


 バレエ・アソシエイションの時も、3月末くらいの『シンデレラ』のリハーサルの時も、デ・グリューを踊るのを楽しみにしている、踊りたかった役の一つ、と言っていました。

 が、彼は今までカナダでも、デンマークでも、マクミランの全幕は踊っていません。

 ロイヤルバレエに来てからは、『白鳥』、『シンデレラ』の王子しか全幕を踊っていません。

 いきなりこの『マノン』。 しかも、マリアネラもデビュー。 ということで、プレッシャーがあったことと思います。


 第1幕では緊張はしていたものの、最初のヴァリアシオンは、大きいミスは無く、踊りきりました。

 それでも、マノンに対する気持ちはみえていました。

 元々、誠実で、おとなしそうな人なので、この役は似合う気がします。

 年齢は上に見えますが、実年齢はまだ20代。 マノンを演じたマリアネラと同じ年。


 第2幕でパーティー会場へ入ってきた時は、ぐでんぐでんに酔っているレスコーが相手にならない。

 レスコーが酔っ払いの踊りをしている時、デ・グリューは後ろで立っていますが、その時に娼婦の女の子たちが集まってきても、相手にしない。 レスコーのことを呆れてみているだけ。


 部屋に1人残されてのヴァリアシオン、この前あたりから、表情もよかったですし、伝わるものがありました。 あそこまでの感情、ニァマイアでは、初めて観ました。

 彼には、マノンしかみえていない、というのがわかります。


 本人の本当の人柄もあるのか、カードゲームでチーティングする場面では、本当に小心者、というか、落ち着かない。

 

 次の寝室のパ・ドゥ・ドゥではマリアネラも体当たりしていましたが、二人のパッションが徐々に強くなっていくのがみえました。


 第3幕、看守の部屋へ入ってくるタイミング、もう少し早いほうが良いと思います。

 思い切り看守を刺していましたが。


 沼地のパ・ドゥ・ドゥのあのリフト、背が高いマリアネラがやるとよけい怖く見えるのですが、あのサポートはきれいにきまっていたように思います。


 幕を追うごとにどんどんよくなっていったので、彼らが今回1度しかパフォーマンスが無いのが非常に残念です。 11月には3回踊る予定でいるので、それを楽しみにしています。


 

 レスコーのティアゴ、絶好調。 あんなによく踊るティアゴは初めて観ました。

 ずるいし、たくらんでいるし、妹を売る(使う)ことに全く抵抗も、躊躇もない兄。

 

 第2幕のパーティーで真ん中にお金が投げられ、娼婦の女の子たちがそこに群がる場面がありますが、ティアゴも一緒になって、しかも最後まで床にはいつくばっていました・・・


 

 通常、キャスト表に変更があると、スリップと呼ばれる、変更が書かれた細い紙がおいてあるのですが、私が行った時にはありませんでした。

 舞台を見ていたら、踊る紳士の2人は違うし、顧客も亮一さんの代わりにエリーコが。 

 しかも、高級娼婦の1人も違う。

 1度目の休憩の時に早い時間にはスリップがあったことを聞きました。


 第2幕でのマノンをリフトする場面、8人+GMとちょっとデ・グリュー。 その8人のうち3人が変更になった、ということは急遽大変だったと思います。 あそこは、きちんとリハーサルをしないと危険な部分なのです。

 顧客の1人のエリック、顔が白塗りだし、メイクが濃くて、一瞬、誰なのか全くわかりませんでした。


 

 ヴァレンティーノの乞食のかしら、やはり彼はみせることができるダンサーなので、初めてでも見ごたえが。

 

長くなりましたので、この辺で。

Posted on 2011/05/04 Wed. 06:19 [edit]

category: バレエ

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