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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

壊れていくイギリスのマナー 

私がこの国に来た13年前、もちろんロンドンではなくて、ケントだったこともあると思いますが、今とは違う国でした。

 人々のマナーというか、態度が違いました。 大人は子供をきちんとしかることができたし、公共と私的な場所の区別がもっとあったと思います。


 私はロンドン在住はまだ6年目。 先月から、一部区間地下鉄使用可の定期にしたため、地下鉄を使うことも増えているのですが、驚いたことが。 車内でお化粧をしている人を見かけるようになりました。

 化粧直し、なんてものではありません。 ご丁寧に、何種類ものコンシーラーを塗りこんでいます。 非常にお化粧が適当な私は、『普通、女の人ってこんなに丁寧にお化粧をするのだ!』と変に感心してしまいました。 私が全体にかかる時間と、彼女たちがコンシーラーにかける時間では彼女たちがコンシーラーにかける時間のほうがずっと長いのです。 

 もちろん、こういうことをやっているのは、ピュア・ブリティッシュではありません。


先日、土曜日にサドラーズ・ウェルズへ行った時、後ろの学生たちがうるさくて、閉口しました。 途中、おじさんが、"Keep quiet!!" と怒鳴ってくれました。


 2度目の休憩中、私は後ろにいた女の子に足で頭をけられました。 もちろん、アクシデントなのですが、それでも、前の人の頭をける、ということはそれなりの格好をしていたということでしょう? 


 客席担当マネージャーは、安い席だから学生が多いのは仕方がない、とおっしゃっていましたが、そういうことではないと私は思います。 安い席だって、高い席だって、マナーはあるのではないでしょうか?

 私が子供の頃は、よくお誕生日とかクリスマスプレゼントの代わりに、劇場へ連れて行ってもらいました。 芸術を観る事も大切ですが、それ以上に、きちんとした場所での態度、というものを学びました。

 食事だってそうです。 我が家は、ごく普通のサラリーマン家庭ですが、それでも、母の誕生日などには、都内のホテルのレストランに連れて行ってもらって、きちんとしたふるまいを習いました。 別に、押さえつけられた、というわけではなくて、子供の頃からそれをやると、自然にそれが身につくと思うのです。


 今は、親も子供たちを劇場へ連れて行くことも減っているし、連れて行っても、『子供だから仕方がない』という人が多くて閉口します。


 私自身の考えでは、芸術に携わる身として、子供を劇場、コンサートホールへ連れて行くことはとても嬉しいことです。 ぜひ、連れて行ってもらいたいと思う。 でも、舞台を観ることと同時に、大人が行く場所でのマナーを身につけることも子供にとっては大切だと思うのです。



 今日の午後のこと。 夕方遅い時間の教えの前に、4時頃、ジムのプールへ行きました。 イギリスには、子供たちが水泳を習う専用のプール、というものはあまりないように思います。 大抵は、ジムのプールの1レーンを使ったり、公共のプールを使ったり。

 私が通うジムにはそれなりに大きめのプールがあるため、平日の学校が終る時間は水泳教室を行っています。

 

 今日行ったら、更衣室にいる、9歳と6歳くらいの男の子二人を連れたお母さんが、子供たちを怒鳴っていました。 怒鳴っている、というよりもわめく、です。 こどもたちははしゃぐし、とても絶えかねます。 私は偏頭痛。


 誤解なきように書きますが、私は子供が大好きですし、子供たちが元気に大声で遊ぶのを見るのは大好きです。

 カーディフ時代の最後2年ちょっと、土曜日の子供のための音楽教室でアシスタントの仕事をしていた時、私は休憩時間のすぐ後の時間に7歳から11歳くらいの子供たちの50人近いクワイヤーのアシスタントをしていました。

 休憩時間は中庭で、子供たちに混じってよく追いかけっこをしたりして、大声で遊んでいたし、馬鹿にされながら(私はボールを扱うのが下手)、ボール遊びをしたり。

 でも、クワイヤーの時間になったら、おしゃべりをする子達に注意をして周る。 きちんとけじめをつけて欲しいのです。 遊ぶ時には遊ぶ。 静かにする時には静かにする。 これが、私が来た頃のイギリスでした。

 仕事の最後の日、お母様方から、「あなたはレッスン中は厳しかったし、きちんと注意をしたけれど、でも、遊ぶ時には遊んでくれたし、子供たちはあなたのことが大好きだったのよ」といわれました。

 

 話を戻して、今日のお母様、耐えかねる。 私は直接注意をするのが嫌だった為、プールのほうへ行く振りをして、レセプションへ行きました。 そして、「更衣室で子供を怒鳴りつけている母親がいるけれど、他の人の迷惑になるのだから、やめるように注意して欲しい。」といいました。

 レセプションにいた人が男性だった為、女性スタッフに話す、と言ってくれました。

 私は、先日頭をけられた影響で首と肩の調子があまりよくないため、あまり泳げなくて、シャワーを浴びて更衣室に戻ったら、ちょうどその母親の子供がプールからあがったところ。 相変わらず、子供にねちねち言っています。 もちろん、注意をすることは必要。でも、ここは大人が使用するジム。 いくら子供たちの水泳教室がある時間でも、大人も来る場所です。


 着替え終わって、コートを着ているところへ、その母親が来ました。


母親: 「あなたよね。 私が更衣室で怒鳴っている、ってレセプションに言いつけたのは」

私: 「はいそうです。 ここは公共の場。 あなたの怒鳴り声は聞くに堪えかねます」

母親: 「あなたは子供がいないわよね? あなたは子供がいないからわからないのよ」

私: 「確かに私は子供がいません。 でも、子供が大好きだし、ピアノの教師をしておりますので、子供のことが全くわからないわけではありません」

母親: 「ちょっとこっちにきて。 (バッグからカードのようなものを取り出して私に見せながら)私は水泳教師よ。 子供を愛しているの。 あなた、どうして、私が子供たちを叩いていた、と言いつけたのよ? 子供たちを叩いてなんかいないわ!!」

私: 「あなたは子供を叩いてはいないし、私は叩いた、なんて一言も言っていません。 ただ、ここで子供を怒鳴ることは間違っているように思うのです。 どうして、子供を外に連れ出して怒らないのですか? 私の母親だったらそうしますよ。」

母親: 「レッスンが5分で始まるところだったのよ!! 子供たちは学校でワンダフルな時間をすごしてきたのに、ここにきてはしゃいでいたから、注意をしていたのよ。 子供に聞いてみなさい」

子供: 私と母親の顔を見比べるだけ

私: 「あなたには私が言いたいことはわからないようだし、私は急いでいます。 それに、あなたの怒鳴り声で、偏頭痛。 これ以上話す意味がありません」


というような会話がありました。 もちろん、帰りにレセプションで、私がどのように伝えたのか、そして、今母親に何を言われてきたのかを話しましたが。


 私は「あなたは、子供がいないから子供のことがわからない」という言葉を言われるのが大嫌い。 今教えている生徒のご両親はこういうことをいう方はいませんが、カーディフ時代は何度も言われてきました。

 もちろん、子育てをしなくてはわからないこともあると思います。 でも、そればかりではないと思います。


 子供を怒ることも必要。 怒鳴ることも必要。 でも、ジムの更衣室、というリラックスしに来ている大人がいる場所ではやっていはいけないことだと思うのです。 もちろん、すぐに注意をする必要があった、ということはすぐにわかります。 でも、あれは酷すぎる。 

 我が母は厳しかったですから、私もそれこそ何度も怒鳴られているし、妹は、よく家の外に出されていました。

 でも、怒鳴るときには周りに迷惑にならないところで怒鳴っていた。


 幼稚園の時、通園バスが来るのを2人のお友達と待っていた時、この2人がどこかからか、犬の糞を持ってきました。 私が、「まあ、汚いわね」というようなことを言ったら、母が怒って、私を家に引きずり返し、「幼稚園なんか行かなくていい!!」といわれて、お説教されました。 それ以降、学校でいじめとか、先生からの嫌がらせがあっても、ほとんど母親にいえなくて、悩みを自分で抱え込み、未だに許せないことだってあります。 今になって、母に打ち明けることもたくさん。 だから、私の母が全て正しいわけではありません。

 でも、子供をしかる場所、というものはあった。

 

  日本だけではなくて、イギリスでも、公共とそうでない場所での区別がなくなってきている。 イギリスを愛して止まない私は、非常にがっかりです。 


 でもね、「あなたは子供がいないからわからない」といわれたことが一番悔しくて、嫌で、家に帰って教えへ行くまでの間、久々にわめきながら泣きました。 もう少しでまた自分を傷つけるところだったから、少し早めだけれど出かけましたが。

 本当は、教えに行く気にもなれなかったけれど、今週末からホリデーへ行ってしまう生徒で、今日行かないと次のレッスンは1月になってしまうから、行って来ました。 もちろん、きちんと気持ちを切り替えましたが。


 でも行ってよかった。 9月にレッスンを始めた6歳の女の子、今日が年内最後のレッスンだからね、と伝えたら、「どうして、明日とか、明後日とか来られないの? みゆきにレッスンしてもらいたいの」と言ってくれました。 教える側にとっては一番嬉しい言葉。 


 私は、子供の頃の記憶、というのが非常に色々と鮮明に残っている人です。 小学校が大嫌いだったから、小学校時代は良い思い出はありませんが、幼稚園の時の記憶、その前の記憶、色々とあります。 だから、自分が傷ついたことは子供にしたくないし、子供は大人が思っている以上に、色々なことを感じているのだ、と思いながら子供たちに接しています。

 

 ロンドンってやっぱりイギリスではないな、と思うばかりです。 教えがあるから、ロンドン以外に移り住むことは今は考えられませんが。


 イギリス人な私、先日、オペラハウスの当日券の列に並んでいた時、

" Is this a line for the ticket?"

と聞かれ、

"Yes, this is a QUEUE for dayseats"

とイギリス人をしました。 イギリス英語では、列のことは、Queue(キュー)といいます。 ケント時代、クラスメイトから、アメリカ英語の発音をする私に、しょっちゅう、イギリス英語で注意されていました。 今は、こういう注意をする人も減ってしまいましたが。


 

Posted on 2010/12/08 Wed. 05:45 [edit]

category: イギリス事情

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