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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルオペラ 『マノン』 

 3週間ぶりのロイヤルオペラハウスのメインハウスでの鑑賞。 久々にオペラです。 12月にロイヤルオペラ、ロイヤルバレエ共同の『ツァーリナのスリッパ』を観て以来のオペラ。

 

 珍しく日曜日の公演。 オペラは始まる時間がバレエよりも早いことが多いので、仕事の関係上7時開演だと厳しいので、こうして日曜日の昼間の公演というのはありがたいです。


 『マノン』 マスネ作曲

 アントニオ・パッパーノ指揮


 マノン: アンナ・ネトレブコ

 デ・グリュー: ヴィットリオ・グリゴーロ

 Guillot De Morfantaine: ギ・ド・メイ

 レスコー: ラッセル・ブラウン

 他


 確か、この秋のロイヤルオペラの日本公演でこの『マノン』をやります。 マノン、レスコーは現在の発表だと、この今日の公演と同じキャスト。 デ・グリューは違うようです。

 私にとってもですが、バレエファンにとってはバレエのマクミラン振付の『マノン』が馴染みがあります。

 この演出は6月22日に初日でした。

 

 日本公演だと、一番安いF席で12000円もしていますが、今日も私は立ち見で、14ポンド。 バレエよりも高めですが、この値段でオペラを観る事ができるのがありがたいです。 でも、さすがに、途中25分の休憩を2度挟んで4時間かかるこの演目、さすがに立ち見は疲れました。


 さて、音楽家なのに、歌は詳しくない私は、歌手も大して知りません。 よって、最初は出演者の名前も読まずに、ただただ、このオペラの『マノン』を観てみたい、というだけで購入したこのチケット。 話題のネトレブコが歌うことを知ったのは、つい最近のことです。

 

 開演前、あわてて、プログラムに書いてあるあらすじを読んだところ、バレエ版とは結構違う部分もあるし、登場人物もバレエよりも多い(役柄)。 


 ちなみに、行く前に調べればよかったのに、今、日本公演の招聘先のNBSのウェブを見たら、ちゃんと作品解説などが載っていました。

 あらすじは、http://www.nbs.or.jp/stages/roh2010/opera/manon.html でご覧下さい。

 

 フランス語は私にとって宇宙語なので、とにかく字幕を追いながらの鑑賞。 


 舞台装置は結構無機質。 でも、背景、ライティングが素敵です。

 全5幕6場。 オペラハウスの床は可動式なので、あれだけすごい舞台装置があっても短時間で舞台転換をしていましたが、東京文化会館はどうなっているのでしょう? もし可動式ではなかったら、結構大変だと思います。

 

 

 今回、どうしても、バレエとの違いを考えながら観てしまいました。 まあ、それも目的のひとつでしたが。

よって、ここにも、少しだけ、バレエとの違いを書いてみようと思います。 別に、どちらがよい、どちらが悪い、というのではなくて、ただ違いを書くだけですのであしからず。


 バレエではマノンとレスコーは兄弟という設定ですが、オペラではいとこ同士。 私は原作を読んでいないのですが、今回の公演を観て、ぜひ原作を読みたくなりました。 読まないと駄目そうです。

 

 ネトレブコ演じるマノンは田舎の女の子、といった感じの登場。 バレエだと、登場の際に、既に娼婦を匂わせているダンサーと、無垢な女の子を見せつつも、娼婦としての姿が見えてくるダンサーの二通りがいます。 いずれにしても、もっと女を前面にだしていますが、オペラのこの演出ではそういう部分はまったくといってよいほどありません。 修道院へ行く途中ですし。 


  ネトレブコの歌いだし、彼女ソプラノですよね? でも線が太めで、非常に私好みの声。 私はソプラノでも、ヴァイオリンでも、深い音の方がすきなのです。 


 デ・グリューは第1幕の間は結構軽い男に観えていたので、バレエの神学生というのとは違うのかな?と思っていたのですが、最終的に神父になるのですね。

 このヴィットリオ・グリゴーロ、イタリア出身のテノール。 オペラハウスは今回の『マノン』の舞台がデビューになるそうです。

 彼が非常に好み! 声がとっても素敵でした。 演技もすばらしかったし。 というよりも、演技、ということを忘れました。 カーテンコールもネトレブコよりもブラヴォーが多かったほど。

 彼の歌は、ぜひ他の役でも聴いてみたいです。 

 ネトレブコにしても、グリゴーロにしても高い音域の歌手なのに、深めの声を持っている人たち。 だから、二人のデュエットなど、声の重なり合いが見事でした。


 思ったのですが、バレエよりもオペラの方が観やすい。というよりもわかりやすいです。 バレエだと、知らないバレエ団で観る場合、ダンサーの顔がわからないと、どれがどの役なのか最初はわからないこともあります。 でも、オペラだと、自分で『私は、だれだれです』と歌の中で言っていたり、『僕のいとこのマノンがコーチで着くんだ。 あれがマノンに違いない』などという歌詞があるので、登場人物がわかりやすかったです。


 バレエの『マノン』は同じマスネのオペラでは使われていない、他の彼の作品から編曲されたものを使います。 クランコ振付の『オネーギン』と同じような感覚ですね。

こちらもオペラの『オネーギン』をチャイコフスキーが作曲し、バレエ版では、チャイコフスキーの『オネーギン』に使われていない曲を編曲したものです。


 マスネの曲は有名なのは『タイスの瞑想曲』くらいでしょうか。 滅多に演奏されませんが、美しい曲が多いです。 今日もとにかく、全く知らない曲ばかりでしたが、すんなりと耳になじむ曲ばかりでした。

 

 オペラでの3幕目にあたる場面はバレエではありません。

 最後のマノンの死は、バレエよりも残酷ではありません。 バレエなんて、アメリカにマノンは輸送されて、そこの看守にレイプされて、それでデ・グリューが看守を殺して二人で逃げて、沼地で息を引き取りますから。

 第3幕第2場のデュエットも良かったですが、私はこの二人の最後のデュエットが心にぐさっときました。 これ、字幕を読まないで、フランス語が聞き取れたらもっとよかったな、と思います。

  

 特筆すべき点は、オーケストラがすばらしかったこと。 バレエの時とは雲泥の差です。 ロイヤル・オペラの音楽監督、パッパーノによる指揮でしたが、ちゃんと細部まで弾けるのですね。 

 

 これはぜひもう一度観たい、と思いました。 演出も、完全に時代背景に沿ったものではないものの、でも、全く気にならないデザイン。 


 来年度はロイヤルバレエも『マノン』を上演します。 きっと次に観る時には、また違った観方ができるかな、と思います。

 これ、私でも楽しめたのですから、オペラに普段馴染みがない方でも、全く問題なく観ることができる作品だと思います。 あらかじめストーリーを読んでいった方が良い、とは思いましたが。 


 たまにはオペラに触れることも大切。 でも、日曜日のマチネの公演でも、バレエとは客層が違うし、スノッブですね。

Posted on 2010/07/04 Sun. 05:22 [edit]

category: エンターテイメント

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Comments

1. はじめまして 

グリゴーロの「ネットで追っかけブログ」をやっている者です。
この公演のレポート、レビュー等の関連記事を集めた記事に、こちらのレポートをリンクさせていただきましたので、よろしくお願いします。
http://colleghi.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24

>彼が非常に好み! 声がとっても素敵でした。 演技もすばらしかったし。

まったく先入観なしで、ご覧になって、感動されたとのこと.....
人の好みはそれぞれですが、同じ感性の方のレポートはやっぱり嬉しいです。

URL | Miyuki #79D/WHSg | 2010/07/10 08:51 | edit

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