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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ、トリプル・ビル、ロンドンシーズン最後の公演 

昼間寒くてコートを持って出かけたら、夕方から暑くなりました。 夜にはまた寒くなりましたが。


 昨年10月に始まったロイヤルバレエの今シーズンも、8ヶ月のロンドンでのシーズンを終えました。 彼らはすぐに日本へ向かい、19日から日本公演、その後バルセロナでの『眠れる森の美女』の公演を行い、ホリデーになります。

 

 昨夜の10日は夜7時過ぎにトラファルガー・スクエアを通ったのですが、生憎の天候でスクエアの階段は結構いっぱいだったものの、あとはそれほど人がいませんでした。 


 次のシーズンが始まるのが9月30日。 3ヵ月半ロイヤルバレエを観られません。


 トリプル・ビル


 『クローマ』

 ウェイン・マグレガー振付


 マーラ・ガレアッツィ、エドワード・ワトソン、セーラ・ラム、フェデリコ・ボネッリ、リカルド・セルヴェラ、タマーラ・ロホ、スティーブン・マックレー、ラウラ・モレーラ、エリックアンダーウッド、ルドヴィック・オンディヴィエーラ、ジョナサン・ワトキンズ


 私が行かなかった2日の公演から、ずっと疲労骨折のため降板していたフェデリコが復帰しました。 といっても、元々彼の為に振付けられたこの役、セーラとのパ・ド・ドゥだけフェデリコが踊り、後半はリカルドが踊る、というダブル・キャスト。

 こうして復帰してくれると嬉しいです。 来シーズンは『オネーギン』でオネーギンデビューをなさるので、楽しみにしています。 


 『カルメン』以降、シンデレラ、このトリプルビルの5月22日の初日に降板した、タマーラが10日の公演から復帰。 怪我(というかアクシデント)の内容から考えるとあまりにも早い復帰にとても驚きました。 多分今回は無理だと思っていので。 ただ、5月半ばに比べかなり重量感が増し・・・


  スティーブンの観ていて気持ちが良い踊りに、ますます磨きがかかったな、と思ってみていました。


 やっと1年ぶりに舞台復帰か?と楽しみにしていたローレン・カスバートソンは当初の発表にキャスティングされていたし、プログラムにも写真が入っていたのですが、結局は踊らなくて残念でした。

 代わりに、というか当初セカンド・キャストに予定されていたラウラがファースト・キャストで踊りましたが、彼女は5月22日の初日よりもずっとマグレガーのスタイルをこの最後の2回の公演でみせてくれたと思います。


 私がこの作品を初めて観たのは2008年。 あの時には慣れなかったこの作品、今回大好きになりました。 音楽もかなりわかるようになったし、こういう作品のよさが段々わかってきたようです。 やはり、何度も観ることが大切な気がしました。



『トリスト』

 クリストファー・ウィールドン振付


メリッサ・ハミルトン、エリック・アンダーウッド


アイオーナ・ルーツ、蔵健太

ナタリー・ハリッソン、ヨハネス・ステパネク

クリスティン・マクナリー、ベネット・ガートサイド

サマンサ・レイン、リカルド・セルヴェラ


 とても好きになった『クローマ』とは対照的に、別に振付が嫌なわけではないのに、私にそれほどの印象を残さないのがこの『トリスト』。 

 一つには、やはり、真ん中のパ・ド・ドゥの印象が弱すぎる。 振付、いくつかのポーズは印象的です。 

もちろん、入団3年目のメリッサは彼女の身体能力を生かし、3年目としては頑張っているのだと思います。 でも、オーラの無さと、客席に伝えることがまだできていない、ということで、他の作品ではそのような部分も他で補えていたとしても、この作品では多分こういうことが必要なのでは?と思ってしまいます。

 この作品を初演したダーシー・バッセル、彼女とジョナサン・コープのパ・ド・ドゥ部分だけ観る機会があった私は余計に思ってしまうのかもしれません。 実際の初演を観ている常連さんたちは、口々に、ダーシーとジョニーだったから、とおっしゃっていました。


 ただこの作品は、ソロイストカップル、群舞が印象的な部分がたくさんあります。 そちらは観ていて飽きませんでした。 特に、最後のプリンシパル・カップル以外の20人が同時に踊り、照明がかわっていき、ダンサーの姿がシルエットになって行く部分、とても好きです。


 この曲はバレエのために書かれたわけではないのに、あたかもバレエの振付を知っていてかかれたかのように思えてなりません。

 私はきっとこの曲をバレエを知らずにただコンサートで聴いたらまったくつかみ所がない、と感じたと思います。


 ロイヤルバレエの音楽監督のバリー・ワーズワース氏は、ことあるごとに、既存する音楽に振付をするとほとんどあうけれど、やはり無理がある部分もあるから、振付家と作曲家が話し合って、新しい音楽を作曲してもらうことが大切、というようなことをおっしゃっています。 もちろんそれもあるとは思いますが、私の個人的な考えとしては、振付家が望んでいるような音楽に出会い、音楽を理解する力がある場合、既存の曲でも十分に素晴らしい振付ができると思います。

 もっといえば、多少の障害があるからこそ、面白いものが生まれる。 知っている音楽をバックにバレエを観た時、私は自分の感情の引き出しが増えてくるような気がします。 

 ただ、現在はやはりクラシック音楽を理解している振付家は減ってきてはいると思います。



 『シンフォニー・イン・C』

 ジョージ・バランシン振付


 第1楽章: セーラ・ラム、スティーブン・マックレー

          小林ひかる、ベネット・ガートサイド

          サマンサ・レイン、ヴァレリー・フリストフ

 第2楽章: マリアネラ・ヌニェス、ルパート・ペネファーザー

          メリッサ・ハミルトン、トーマス・ホワイトヘッド

          オリヴィア・コウリー、ジョナサン・ワトキンズ

 第3楽章: ユフィ・チョイ、セルゲイ・ポルーニン 

          高田茜、ブライアン・マロニー

          エリザベス・ハロッド、蔵健太

 第4楽章: タマーラ・ロホ、エドワード・ワトソン

          アイオーナ・ルーツ、ヨハネス・ステパネク

          べサニー・キーティング、アーネスト・マイズナー


 毎回、この作品の幕があくと、周りからため息のような感嘆のような声が聴こえます。 

特にレオタード系の作品が2つ続いた後ですからね。


 第1楽章は、当初はキャスティングされていなかったスティーブンが、非常にぴったりです。

 ジャンプの高さ、軽さ、個人的にはセカンド・キャストで踊った第3楽章よりも、この第1楽章の方がスティーブンにあっているような気がします。 もちろん、第3楽章も素晴らしかったですが。

 ただ、セーラを相手にすると、少々背が足りない。 こればかりはどうにもできませんからね。


 ひかるさんがバランシンが得意だな、と思わせられます。 元々日本人離れしたスタイルの方ですし、結構きっちりと踊るダンサー。 だからこそ、こういうもので得をするのだと思います。


 第2楽章は、何度観ても飽きません。 とにかく、元気溌剌!といったもの以外にもキャスティングされることが多くなったマリアネラ、彼女の叙情的なアダージョは観るものを引き寄せます。 

 ちょっとした表情、真ん中に立って、他のダンサーが踊っている間、彼女達に見せる表情。 作ったものではなく、これが彼女の内面なのでしょう。 様々なインタビューで非常にユニークな、というかストレートに自分を出している彼女は、舞台とインタビューに差が無い人です。

 ただ、彼女のオーラがありすぎて、最後のフィナーレ、4人のプリンシパルの女性が左から第1楽章、第2楽章、と並んで一緒に踊る部分、隣のセーラをつぶしてしまいます。 良いのだか、悪いのだか・・・・


 群舞では、ロマニー・パジャックのラインの美しさが目を惹きます。 彼女はなかなかソロには抜擢されませんが、群舞の中で上半身のラインのきれいさ、ちょっとした腕の動きでも、最後まで丁寧に踊る、という点で私は好きなダンサーです。 


 第3楽章は、とにかく、セルゲイのジャンプの高さに眼を奪われます。 下手と上手から、プリンシパル・カップルが対称的にグランジュッテ(脚を空中で前後に180度広げる)をしながら出てきますが、その最初のグランジュッテの高さ。 空中に浮いてから更にそこから高くなる。 思わず呆気に取られて笑う人が多いです。

 もちろん、ジャンプの高さはセルゲイまではいかないユフィ、彼女のチャーミングさがいきているのが、この踊り。

 二人ともエレガントなダンサーですから、一緒に踊っていてあいます。 先日の『シンデレラ』でも共演していますし。


 第4楽章は、エドの滅多に観られないクラシックの踊りが新鮮。 タマーラはあまりの音楽の速さ(特に10日はコンサート用テンポで演奏していましたから)に10日はあの得意にしている回転でさえ怪しかったのですが、今夜は持ち直しました。

 

 とにかく、豪華でバレエの王道、という感じで何度観ても飽きませんでした。


 

 ダンサー達はすぐに日本へ出発。 オペラハウスへは7月に何度か行きますが、ロイヤルバレエの今シーズンは私は観収め。 来シーズンは9月30日に『オネーギン』で幕を開けます。 その前に再びチケット取りの徹夜が待っていますが・・・ 私が日本へ行く前に来シーズン、ピリオド1のチケットの一般発売がはじまることだけが救いです。


 とにかく、ダンサーの方々、ありがとうございました!!

 実は、生徒のグレード試験のことで今日の午後、色々とあって、どこに怒りをぶつけたらよいのかわかりませんでしたが、バレエを観て、全て消えました。 私にとって、ドラッグであり、精神鎮痛剤でもあるロイヤルバレエ、これから3ヵ月半、寂しいです。 でも、怪我がとっても多くなっている今、ダンサー達は休養が必要ですから。 


Posted on 2010/06/11 Fri. 06:12 [edit]

category: バレエ

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