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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

ロイヤルバレエ、トリプル・ビル 初日 

真夏のようです。 1週間ぶりにセントラルまで行きましたが、皆さんサマードレスとか、とにかく真夏の格好。

 

 1週間ぶりのオペラハウスでした。

 今シーズン最後の演目の、トリプル・ビルは、


 『クローマ(Chroma)』 ウェイン・マグレガー振付 Joby Talbot作曲

 『トリスト(トライスト: Tryst)』 クリストファー・ウィールドン振付 ジェームズ・マクミラン作曲

 『シンフォニー・イン・C』 ジョージ・バランシン振付 ビゼー作曲


 プログラムが進むに従って、振付された年が古くなるプログラム構成。


 『クローマ』 


 マーラ・ガレアッツィ、エドワード・ワトソン、セーラ・ラム、リカルド・セルヴェラ、ユフィ・チョイ、スティーブン・マクレー、ラウラ・モレーラ、エリック・アンダーウッド、ジョナサン・ワトキンズ、ルドヴィック・オンディヴィエラ


 2006年11月にロイヤルバレエで初演された作品です。 既にプログラムに印刷されてありましたが、怪我でタマーラ・ロホが降板して、その代わりにユフィ、ローレン・カスバートソンの代わりにラウラが踊りました。

 この作品、2008年に再演した際にも、初演とほぼ同じキャストでシングル・キャストでの公演でしたが、今回は6回の公演のうち2回をセカンド・キャストが踊ります。


 私は初演は観ていないのですが、2008年の公演は観ているので、なんとなくの覚えはあり。 ただ、音楽を覚えられないし、振付もクラシックの言葉ではないから、とっても覚えにくいので、構成しか覚えていない状態です。

 今回観て思ったのは、前回よりも観やすかったこと。 ただ単に2008年以降色々と観て私の中でこういう作品を受け入れやすくなったのか、ダンサーたちもウェインの作品を前回よりも踊りこなしているのか、それともちょっと常連さんとしゃべっていたのですが、振付が少し変わった?のか、その点はわかりません。


 一ついえるのは、私自身は前回観た時よりも、ずっと音楽は受け入れることができます。

 この作品は、女性もトウシューズをはかずに、ソフトバレエシューズで踊ります。 衣裳も男女とも同じデザイン。 


 幕が上がると、マーラとエドが客席に背中を向けて立っているのですが、エドはさすがにアクセントがあり、メリハリがあり、観ていておもしろい。 元々アリーナ・コジョカルに振付けられたパートは彼女の怪我の影響か、2008年の再演時からマーラが踊っていますが、彼女は止まるべきでは?というようなところも止まらないし、どちらかというとだらだらした印象。

 タマーラに振付けられたパートを踊ったユフィ、彼女はきれいな踊りをするダンサーですが、他のウェインの作品に出たこともあるのでしょう、こういう作品でも魅せてくれるようになりました。 このところ一緒に踊ることも多いスティーブンとの組み合わせは非常にあっています。


 明日のセカンド・キャストが非常に楽しみです。


 

 『トリスト』


 メリッサ・ハミルトン、エリック・アンダーウッド

 

 アイオーナ・ルーツ、蔵健太

 サマンサ・レイン、リカルド・セルヴェラ

 ナタリー・ハリッソン、ヨハネス・ステパネク

 クリスティン・マクナリー、ベネット・ガートサイド


 プラス、女性8人、 男性4人


 2002年にダーシー・バッセル、ジョナサン・コープをプリンシパルキャストにしてロイヤルバレエに振付けられた作品です。

 今回のトリプル・ビルは全部違う指揮者が振っていますが、この作品はこの作曲者のジェームズ・マクミランご自身が指揮をしています。


 元々バレエのために書かれた曲ではなく、1989年、セント・マグナス・フェスティバルで演奏するために書かれた曲です。 

 クリストファー・ウィールドンがロイヤルバレエに作品を依頼された際、イギリス人の作曲家の曲を使いたくて、スコットランド旅行中にこの曲を聴いて、この曲からスコットランドの自然を感じ、これにバレエを振付けることにしたそう(インサイト・イブニングより)


 Tryst、辞書では発音記号はトリスト、なのですが、作曲家自身はトライストと言っていましたし、どちらでもよさそうです。 地方によって発音が違う単語の例の一つだと思います。 ちなみに、逢引(であっているはず)という意味。


 プリンシパルのパ・ド・ドゥだけは2007年のサドラーズでのダーシーの引退ガラで、ダーシーとジョナサンが踊るのを観ていますが、全体を観るのは初めて。


 女性はレオタードのような形の衣裳ですが、染めてあって、遠めで見ると、ベルベットのような素材。 こういう作品にしては珍しく、素足ではなくて、タイツ。 

 初めて観る私には、先週まで上演していた同じ振付家による、『エレクトリック・カウンターポイント』よりもずっと好み。 クラシックの言葉が多い作品です。 というよりも、美しい。 特に最後、プリンシパルロールの二人以外によって、同じような動きが繰り返され、照明がダンサーのシルエットだけを映し出す。 非常に美しかったです。


 プリンシパル・ロールの二人については、メリッサは先週のインサイトでクリストファー・ウィールドンが求めていたことがあまりできていないような。 足は上がるけれど、振付師はそれ以外のことを求めていましたから。

 

 

『シンフォニー・イン・C』


 第1楽章: セーラ・ラム、スティーブン・マクレー

           小林ひかる、ベネット・ガートサイド、サマンサ・レイン、ヴァレリー・フリストフ

 第2楽章: マリアネラ・ヌニェス、ルパート・ペネファーザー

           メリッサ・ハミルトン、トーマス・ホワイトヘッド、オリヴィア・コウリー、ジョナサン・ワトキンズ

 第3楽章: ユフィ・チョイ、セルゲイ・ポルーニン

           高田茜、ブライアン・マロニー、ヘレン・クロウフォード、蔵健太

 第4楽章: ラウラ・モレーラ、エドワード・ワトソン

           アイオーナ・ルーツ、ヨハネス・ステパネク、エマ・マグワイヤー、アーネスト・マイズナー


 プラス、24人の女性


 元々、1947年、パリ・オペラ座に『水晶宮』のタイトルで振付けられましたが、翌年、バランシンの自分のカンパニー、ニュー・ヨーク・シティー・バレエで『シンフォニー・イン・C』で発表。 

 同じ曲を使いつつも、実際はかなり違う振り付けだったようです。 今は世界中で上演されていますが、女性は白のチュチュ、男性は黒上下。

 ちなみに、ロイヤルバレエでは1991年にこの作品を取り入れ、当時の芸術監督、サー・アンソニー・ダウエルの衣裳デザインを起用しています。 1997年のロイヤルバレエの日本公演ではこれを上演しているのですよね。

 曲はタイトルの通り、ビゼーの交響曲 ハ長調。 この曲、きっと音楽ファンよりも、バレエファンの方が親しみがあるでしょう。


 これぞバレエ!といった感じ。 幕が開くと、第1楽章のソロイストの女性二人と、8人の群舞の女性が立っています。 

 第1楽章のプリンシパル・キャストの男性は、イヴァン・プトロフが予定されていたのですが、怪我により、スティーブンに変更。 スティーブンは元々セカンド・キャストで第3楽章のプリンシパルにキャストされているので、こっちはアンダー・スタディーだったのかもしれませんが、そんなことは感じさせませんでした。 

 ひかるさん、バランシン作品が似合いますね。 


 第2楽章の女性プリンシパルにバランシンは惚れこんだそう。 この楽章の男性プリンシパルはほとんどが支えですが、音楽も美しいし、女性の振り付けも美しい。 マリアネラは、このところこうしたゆっくりした叙情的なものにキャストされることが増えましたが、この頃の彼女は手首から先まで魅せてくれるように。 2004年(2005年?)収録の『リーズの結婚』のDVDを観ると、この部分が硬いので、この数年で一気に手の表現が増したのでしょう。

 ルパートとマリアネラもこの頃結構一緒に踊っているので、安心してみていられます。


 第3楽章は、速くて、軽快で、ハード。 

 プリンシパルキャストは、左右の袖から、グランジュッテ(足を空中で180度前後に広げるジャンプ)で出てくるのですが、セルゲイのジャンプには思わず息を呑みました。 ジャンプが高いし、空中で止まる、というか、上から糸で吊り上げられているのか?と思わずにはいられないようなジャンプ。 

 プリンシパル以外の男女が左右に並んで同じ動きをする部分、目が行ったのがブライアン。 腕を上に上げる部分と、前に出す部分、音楽の感じ方によって美妙にスピードが違うのです。 こういう何気ないことが意味を増すのでしょうね。


 第4楽章はああいう振り付けはラウラにあっています。 こういうのでエドを観るのがとっても新鮮。

  

 第4楽章が一度終わったあと、同じものが2回だか3回だか繰り返され、各楽章の人たちが順番に踊り、最後は52人のダンサーが一緒に踊ります。 圧巻!! 普通にオーケストラで演奏されるときよりも繰り返しが多いので、上演時間も長め。

 

 一昨年だったかニューヨークシティーバレエのロンドン公演で観たのですが、顔がわからないダンサーたちだと、構成的な部分でわかりにくい物がありますが、今回はしっかりわかりました。

 一気に心を奪われた作品です。 私はバランシンが好きですし。


 というわけで、違うスタイルの作品が3つ。 3週間後にシーズンが終わってしまうのは寂しいですが、これからこのビルは数回観る予定なので、楽しみ。 私は安い席ですから、ランチ1回分以下の値段でこれをみせてもらえるなんてありがたいです。

Posted on 2010/05/22 Sat. 05:29 [edit]

category: バレエ

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