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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

『シンデレラ』初日 アリーナ&ルパート 

 本当は観る予定はなかったのですが、当日券で行ってきました。 ちなみに、今日は昼バレエ、夜オペラというスケジュールのオペラハウスなので、当日券の列はバレエとオペラが混じっていましたが、それでも、10時にオープンのボックスオフィス、私が8時15分に着いた時には既に20番目でした。 


 まだ『リーズの結婚』も『マクミラン・ミックス』も続いていますが、今日から6月第1週にかけて、『シンデレラ』が始まりました。

 ロイヤルバレエの『シンデレラ』はフレデリック・アシュトンが1948年に振付けたものを使用。

 プロコフィエフが『シンデレラ』を作曲してから3年目。 イギリスで振付けられた初の全幕バレエだったように記憶しています。


 キャスト

 シンデレラ: アリーナ・コジョカル

 王子: ルパート・ペネファーザー

 ステップ・シスターズ(異母姉妹?): ウェイン・スリープ、ルーク・ヘイドン

 フェアリー・ゴッド・マザー: ラウラ・モレーラ

 道化師: ポール・ケイ

 

 春の精: アイオーナ・ルーツ (騎士: リカルド・セルヴェーラ)

 夏の精: ユフィ・チョイ (騎士: ヴァレリー・ヒリストフ)

 秋の精: ヘレン・クロウフォード (騎士: ベネット・ガートサイド)

 冬の精: 小林ひかる (騎士: セルゲイ・ポルーニン)


 ちなみに、私はこのアシュトン版は初めて観ました。 中学生の頃、日本で松山バレエとか、ロイヤル・スウィーディッシュ・バレエの引越し公演では観ているのですが。 日本だと、新国立バレエがこのアシュトン版を使っていますね。 前々回のロイヤルバレエの日本公演でもこのシンデレラを上演しているので、ご覧になっている方も多いかもしれません。


 2003年に衣装デザインを一新しているようです。 私はロイヤルバレエの衣装に憧れてイギリスに来たくらい、ロイヤルバレエの衣装の色使い、カッティングが好きです。 が、今回ばかりはがっかり。 凄く安っぽい。 チュチュのカッティングも悪くて、あのアリーナがとっても太って見えました。 四季の精たちの第1幕の衣装のスカートは安っぽいグリッターが使われすぎ。 全体的にボディーのサテンが安っぽすぎる。 ロイヤルバレエの衣装でこんなことを思ったのは初めてです。


 全体的な印象としては、ごちゃごちゃしすぎか、空間ありすぎ。 第2幕の舞踏会の場面、周りの人たちの衣装がごてごてしていて、しかも踊りもアシュトンらしく複雑。 よって、いっせいに踊るところでは何が何だかわからない。 それでいて、シンデレラが一人で踊る時には、シンデレラのお付?というか星たちが立っているだけ。 

 私としては、他のゲストや、シンデレラの異母姉妹にいて欲しい。 

 異母姉妹、といえば、彼女たちは、舞踏会に行くのに家を出る時、下着のまま出て行ってしまったのですが・・・どうしてあそこでドレスを着させてから家を出させないのでしょう???


 第3幕はあっけなさ過ぎる。 本で読んで、アシュトンはプロコフィエフが書いた、第3幕の王子が色々な国を回る部分の音楽が好きでなかったから、これらを削ってある、とは読んでいました。 だから、いきなり王子がシンデレラの家に来る設定。 しかも、この第3幕、かなり曲をアレンジしています。 これ、第3幕の曲のアレンジをした人の名前をクレジットとして出した方が良いのではないでしょうか? 私にはこの第3幕のほとんどはプロコフィエフの音楽、と思うことができませんでした。 つなぎつなぎでかなりプロコフィエフではない色を入れてしまっているのです。

 1948年といえば、まだプロコフィエフは存命(ちなみに、皮肉なことにプロコフィエフはスターリンと同じ日になくなりました)。 プロコフィエフはこの編曲されたものを聴いたのでしょうか?


 そして、やはり最大のポイントは、ガラスの靴。 バレエでこの『シンデレラ』をやる場合、最大の難関はガラスの靴だ、ということを以前どこかで読んだことがあります。 これはわかります。 バレリーナはトウシューズを履いているのですから。 

 第2幕の最後、12時になってシンデレラが舞踏会の会場を去る前に元の姿に戻ってしまう。 それで、階段を上がりながら、きらきらとしたガラスの靴を落としました。 ここで初めてガラスの靴が登場したわけ。

 第3幕で王子がシンデレラの家に来た時には、シンデレラは舞台袖でトウシューズを脱ぎ、タイツのまま中央に来て、ガラスの靴(きらきらとしたトウシューズ)を履きました。

 

 私の考えでは、第1幕、舞踏会に行く直前、フェアリー・ゴッドマザーからあの靴をシンデレラに手渡してもらいたかった。 いずれにしても、あの部分ではシンデレラは既に馬車に乗っているのだから、そしてその後は踊らないのだから、あの靴でもよかったはず。 『シンデレラ』のキーポイントはガラスの靴なのですから。


 さて、それ以外ですが、私にしては珍しく、アリーナの全幕を観に行ったわけです。 彼女はこの役にぴったり。 私としては、前回観たジュリエットよりも、このシンデレラの方がしっくりきました。

 

 驚いたのは王子のルパート。 彼はこの役は今日がデビュー。 ルパートというと、見てくれは良いのですが、表情が乏しい、といわれているのですが、そして私もそう思うのですが、今シーズンからだいぶ変わり、先月のロミオではかなりの成長を見せました。 今日は王子だし、またクールなルパートに戻るのか? と思ったのですが、第2幕のシンデレラとのやり取り、ごく自然に、でも表情がはっきりと変わっていくので驚きました。

 そして舞台に現れた時の存在感がかなり増したように思います。


 フェアリー・ゴッドマザー、この版ではこじきのおばあさんが舞台では美しいフェアリー・ゴッドマザーに変身はしません。 そして、四季の精の踊りの前に、このゴッドマザーの踊りがあるのですが、あの曲は一体何なのでしょう? もしかしたら、プロコフィエフの『石の花』あたりから取られているのでしょうか? わかりません。

 

 初演では異母姉妹の一人をアシュトン自身が演じています。 今回の二人は元々ロイヤルバレエ出身ですが、既に引退し、今回はゲストで出演(ちなみに、今回は3組の異母姉妹が踊ります)。 ウェイン・スリープは非常に小柄。 アリーナと大して変わらないほど。 いじわる、というよりも、かわいい女の子、といった感じでした。 ルーク・ヘイドンもそこまで意地悪ではありませんでした。

 先日、ブリティッシュ・ライブラリーで古いこの『シンデレラ』の映像を途中までなのですが観ていて、その時にはシンデレラはマーゴ・フォンテーン、この異母姉妹はアシュトンとマクミランが演じていました。 それを観たから余計に今日の舞台は意地悪ではない姉妹のように感じたのかもしれません。


 四季の精、音楽が好きです。 特に冬の精の曲が好き。 中学生の時に、松山バレエの山川晶子さんがこの冬の精を踊った姿、今でも目に焼きついているほど。 アシュトン版では、この『冬の精』は流れるような音楽ですが、結構かちかちとした振付。 『春の精』を初演したナディア・ネリーナはアシュトンから、この『春の精』の音楽を聴いてどう思うか?と聴かれて、彼女の受けた印象を元に振付けたそうです。 だから、もしかしたら、この『冬の精』も初演したベリル・グレイ(のはず)が音楽から受けた印象がこの振付なのでしょうか?


 かなり長くなりました。 しかも毒舌。 それもアシュトンに向かって。

 とは言えども、今回はユフィちゃん、マリアネラのシンデレラ・デビューもあるし、都さんのロンドン最後の公演もあるし、いくつか観に行きます。


 春休み中の土曜日の昼の公演、いつになく子供たちが多かったです。 『シンデレラ』って、やはり女の子の憧れのストーリーですものね。

 

Posted on 2010/04/10 Sat. 05:05 [edit]

category: バレエ

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