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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

グレード試験スタート 

 ハーフタームも終わって1週間。 
 先週から今期のグレード試験もスタートして、私の生徒たちは今日から3週間の間に分散して試験。

 今回試験を受ける子もそうでない子も、この2,3週間の間に一番生徒たちから聞いた言葉は、
 「みゆきがいなければ、上手に弾けていたのに」
 
 あなたたちが宿題の曲とかスケールとかがボロボロになるのは、私のせいか・・・
 
 笑って言われるうちはよいですが、昨夜は、キレたように言われたので(元々態度に問題もある子でしたし)、私も久々にお説教タイムになりましたが。

 そんな中、教え始めて2年半ほどになる女の子。 1か月くらい前に10歳になったばかり。
 彼女はピアノは大好きだけれど、ずっと空回りしてしまっていて、なかなか思うように進みませんでした。
 最初のうちはハイパーすぎて、彼女のレッスンの後にオペラハウスへ行くと、お友達から、憔悴しきった顔をしている、とよく言われていましたし、彼女に対しては、かなり真正面から向き合う、というか、良い意味でぶつかる、というか。
 
 特に初見がなかなか大変で、何度もご両親を交えて話し合いました。
 それが、いつからだったか、初見の課題を非常に熱心にするようになり、今回はグレード3を受験するのに、初見だけはグレード5の課題をかなり良いレヴェルで弾けています。
 
 夏休みに入ったころ、7月から彼女の取り組み方がガラッと変わりました。
 練習量はさほど増えたわけではないようですが、お母様が声をかけなくても、毎日ピアノに向かう。
 お母様は全くピアノの練習をみていらっしゃいませんが(初見が進まなかった時だけは、やったかどうかだけ確認していただいていました)、練習の密度、というか内容が変わりました。

 ノートに書いてあることは必ず直す、譜読みも言ってあること以上を進めてある。
 メトロノームも確実に守り、あれだけ、速く弾きたくて何度も話し合ったのに、ゆっくり正しく弾いていれば、テンポをあげることは簡単、とわかってからは、できていないうちに速く弾くことも弾きたがることもなくなった。
 
 こうなると、一気に上達します。
 この状態が、とりあえず、4か月続いているので、次の大きな壁までは大丈夫かな、と思いたいところ。
 
 が、今回、彼女自身が、たくさん、密度のある練習をした、という気持ちを持っているのでしょう。
 試験の2週間前になって、音を立てて崩れました。
 彼女も私もショック。
 練習をたくさんしたからこそ、上手に弾きたい、という気持ちが強くなってしまって、空回り。 焦るからもっと空回り。
 この気持ちはすごくわかる。
 私だって、コンクールで上手に弾きたい、と思ったら、恐ろしいほど崩れる。
 考えてみれば、学生時代学年末とか卒業試験で高得点を出した時は、ピアノ科主任と犬猿の仲で、どんなに弾けても変な点数しかもらえない、と思って諦めの気持ちで、点数を気にせずに弾いた時。
 
 彼女に、落ち着きなさい、と私の体験談も交えて話しながら、でも、今回は良い結果につながってほしいな、と思うばかり。
 ちょうどこれを書いている今、試験が終わった頃だと思いますが。

 私は師匠とか、日本でのバレエの先生とか、昔ながらの熱い先生方に育てられて、そしてそれが好きだった人。
 だからこそ、今の時代にあわないかもしれないけれど、教えることに関しては、きっと昭和の先生。
 上記した生徒も、最初の1年半は、ご両親にも私の土台作りに時間をかける指導を理解して頂くのに苦労し、何度も話し合っていました。
 でも、それを理解して下さり、それまでは学校の他のお友達よりも進度が遅いと思っていたのに、学校で演奏した時に、良い評価を頂いたり、グレード試験をうける感覚が狭くなった時、ご両親は理解して下さり、今はよい関係に。
  もちろん、理解して頂けず短期間でおやめになった方々もいらっしゃいます。 
 それは仕方がないこと。 ピアノの先生はたくさんいるのですから、自分のペースにあう先生を選ぶのみ。
 
  

 

Posted on 2014/11/10 Mon. 12:11 [edit]

category: 音楽

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