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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

良くも悪くも 

 イギリスでは、日本ほど、早いうちから、ピアノを習うことに対して、趣味、プロを目指す、という壁がないと思います。
 
 ですが、王立音楽検定(ABRSM)、トリニティ、ギルド、といういくつかのグレードシステムが存在します。
 一番広く使われているのが、ABRSMでしょう。 内容は他よりも多少大変ですが、一番勉強になるので、これを取り入れる先生が多い。 私も同じくです。

 グレード、といっても、日本のヤマハ、カワイなどよりも、もっと広く認知されており、中学での音楽奨学生(別に、音大へ進む人、というわけではありません)、大学の願書には、このグレードを書く欄もあり、現在は、グレードの級に応じて、点数がもらえたりするようです。

 よって、趣味、プロを目指す関係なく、多くの子供たちはグレードを目指すことになります。
 たまに、グレードとは関係なく楽しくレッスンを、という方もいらっしゃいますが、私の経験上、こうおっしゃっていても、9割以上が結局はグレード受験を希望することになるので、私は、最初からグレード対応できるようにしています。
 というよりも、何度もここで書いていますが、私にとって、楽しく、というのは、『後々、自分でしっかりと楽譜を読み込んで弾く力をつける』ということなので、グレードで必要な基礎は、私には絶対条件です。
 

 現在、ABRSMについては、ピアノは2年に一度課題曲が変わります。
 3つのカテゴリーに6曲ほどずつ用意され(一番上のグレード8以外)、基本的に、A: バロック、古典 B: ロマン C: 近・現代および、ジャズなどというのが基本。

 数年前に大きな変化があったな、と思うのは、グレード3、4以下の近・現代。
 プロコフィエフ、バルトークなどのスタンダードな作曲家が含まれることもありますが、それまでは、ジャズ系だと、マイク・コルニックが幅を利かせていました。 マイク・コルニックは、こちらの子供の教本ではメイジャーな作曲家。 ジャズですが、弾きやすく、クラシックの基本を使っていたので、その後の近・現代にも応用がきいていました。

 それが、現在では、課題曲集にのっている3曲の近・現代のうち、1曲は、リズムの取り方が通常とは違うものになってしまいました。

8分音符2つを、三連音符のとり方で、2対1という長さでとるのです(わかりにくい説明ですみません)。
私もこのようなものは、それまで弾いたことがなく、最初は困りました。

 もっと困るのは、こういう曲はこちらの子たちに人気があり、誰かがこれを練習し始める、学校で弾く、そうすると、そのグレードを受ける子は、親も子も、この曲を希望することが非常に多くなる。

 イギリスのピアノ教育を見ていて、曖昧なことも多くある国(指導において)。 学校で披露した子が、正しいリズムで弾いているとは限りません。
 ですが、子供たちは、耳障りがよく、格好が良いこれらの曲を、雰囲気で覚えてしまいます。

 実際に、レッスンをする時、私は徹底的に、数えながら、リズムをたたいてもらいます。
 以前、これを拒否し、何週間も自己流でやってきた子がいました。
 リズムの間違いは、音以上に直すのが大変。 彼女は最後まで間違えを直せず、結局グレード試験の結果も、リズムのことをこっぴどく指摘されてしまいました。

 これ以降私は、泣かれても、徹底的にリズムうち。 これしか方法がありません。 耳障りがよくて、知っている曲だからこそ。

 
 早く弾きたいのを我慢して、ゆっくり数えながら弾く。 回り道のようで、結局はこれが一番の近道。
 
 先日も、上級グレードの中学生の生徒が、リズムが複雑な曲(シンコペーションが多用)で、毎週同じ箇所を直され、毎週私に数えながら練習することを言われていました。 隣で私が数えていればできるのです。
 お母様も厳しい方ですし、レッスン中、口出しはなさらないけれど、お部屋で(ピアノがある部分も、キッチンも、1階部分はすべてつながっているお宅)他のことをなさりながら、レッスンを聞いていらっしゃるので、ついに、先週、レッスン後に、お母様から雷が落とされました。 それまでにも、私とお母様から注意はされていたのですが。

 半年以上経って、初めて彼女は、声に出して数えながら弾いてきました。 最初から最後まで、あれほど注意ばかりされていたリズム間違いが、全くありませんでした。 しかも、早くなってしまうので、メトロノームに合わせて数えてもらっていました。

 もし、最初から声に出して数えていたら、自分でも間違いに気がつくから、半年前に、この曲のリズムはできあがっていた。 そうしたら、もっと違うことに進めていた。
 
 私と最初から勉強する生徒は、一番最初のレッスンから、数えることが当たり前、となります。
 もちろん、途中で拒否する子もいますが、結局のところ、声に出して数えないとリズムを間違えてばかりになるので、「声に出して数えてよいですか?」と聞くようになります。
「あら、私が、いつ声に出して数えてはだめと言ったかしら?」と私に言われ、それからは、大抵この問題は少なくなります。
 
 心、頭で数えている、という子はたくさんいます。 今回問題があった中学生もそう。でも、自分の耳で数える数を聞くということ。 これが、一番確かなのです。

 私自身も、少々リズムが複雑になると、噛み砕いて、数えながら練習してます。

 私が受けてきた教育ではこれが大切。
 最初は難しくても、だんだんとどんな小さな子でも、自分の間違いに気がつくようになってきます。 そうしたら、上達は目の前。

 練習時間を増やしなさい、とは言わない。(よほど問題が無い限りは)同じ時間内で、どうやったら上手になるか。 リズムが間違っていたら、曲がまるっきり変わってしまう、ということを知ってもらいたいです。
 そして、あの、変則的な拍子のとり方は、初級グレードのうちは、他の曲に影響してしまうので、やめてもらいたいばかりなのですが・・・

Posted on 2014/01/27 Mon. 23:18 [edit]

category: 音楽

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27

2014年最初のコンサート、オックスフォード 

書きたいことはたくさんあり、ブログも途中まで書いて、閉まってあるものが多いのですが、先にこちらを。

 2014年最初のコンサートでした。
 対抗するケンブリッジへは何度も行っていますが、オックスフォードでの演奏は、初めて。 オックスフォード自体、10年半前に、家族が私の卒業式に来てくれた時、コッツウォルズを回って、オックスフォードで1泊しただけなので、ほとんど観光もしたことがありません。
 長くこの国に住む、と思うと、こんなものです。 湖水地方だって行った事がありませんし。


140125-1


 今回は、オックスフォードのサマーヴィル・カレッジというカレッジ(オックスフォード大学、というものは、正式には存在せず、いくつものカレッジと、各学科により成り立っています)のミュージック・ソサイエティ主催のもの。
 こちらが、サマーヴィル・カレッジの入り口。

 
 このカレッジはとても新しく、1879年に女性のためのカレッジ、として創立されたそうです。 1994年まで女子のみ、その後共学になったそうです。
 マーガレット・サッチャー元首相がこのカレッジの出身だそうです。
 
 


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 プログラムは、

 バッハ: 平均律クラヴィーア曲集 第2巻 第1番 ハ長調
 グリンカ/バラキレフ: ひばり
 ショパン: 幻想ポロネーズ 作品61
 ベートーヴェン: ピアノソナタ第32番 作品111 ハ短調


 本当は、ひばりではなくて、スクリャービンのエチュード作品65-3を弾く予定でした。 が、古い(1920年頃)ベヒシュタイン、響きすぎるチャペルの音響。 リハーサルをしてみたら、何が何だかわからず、とんでもない響になってしまったのです。 ショパンのコーダも暗譜がとびそうになるほど、豊かすぎる響きでしたが、これはどうにかなる。 でも、曲全体が速く、しかも、スクリャービン後期の響き、ということで、諦めざるをえませんでした。 代わりに、同じロシアもので、このピアノと音響に合う、と思ったのが、バラキレフのひばり。 
 2ヶ月前に、イタリアのコンクールで弾いたきり、全く触っていなかったのですが(もちろん楽譜も無い)、リハーサルで10分ゆっくりさらいをして、本番に挑みました。 怖いですが、反対に、色々と状況が浮かんできて、コンクールの時よりも良いできのように思います。

 
 11月末にケントで弾いて以来、2ヶ月ぶりのコンサート。
 リハーサルと本番ではピアノの位置が違い(リハーサル時は、主催者の方しかいらっしゃらず、私は手のことがあるので、動かしにくい床でピアノを動かすのは不可能。 よって、他の方が来るまでピアノを動かせなかった)、本番でバッハを弾き始めたら、響がまた全く違ってしまったのです。 よって、これに惑わされ、怪しくなりそうな部分もありましたが、どうにか。 何度弾いても、バッハは怖い。 考えれば考えるほど怖い。

 ですが、このようなチャペルで弾くのは、やはりバッハは特別です。 このピアノとの相性も良いものでした。

 
 ショパンは、響きをかなり考慮する必要がありましたが、やりたいことはできたと思います。

 主催者の方もおっしゃっていましたが、今回のプログラムで、一番このピアノ、会場と相性が良かったのは、ベートーヴェン。
 特に第2楽章で、出したい音に応えてくれるピアノでした。
 古いピアノで、難も多かったのですが、新しいスタインウェイ、ヤマハには出せない、あの味がある音。
 タッチを考えるよりも、音楽そのものに没頭できる。 当たり前のことなのかもしれませんが、今の私の活動範囲ですと、イギリスでは、このように演奏できることは、稀です。

 私にとって、『地獄と天国』のこの曲。 昨年2月頃、ロイヤルバレエで初演された、クリストファー・ウィールドンの作品、あれは、ブリテンの曲に振付けられていましたが、あの作品を観てからというもの、このベートーヴェンに共通するものがあり、弾いているとあの作品が目に浮かびます。

 
 主催者の方も、このカレッジのオルガン・スカラー(オルガン奨学生)の方も、良い評価を下さったのですが、なんと、今回観客は今までの最小人数でした。
 たとえ一人でも、きちんと演奏する。
 外に向けたものではなく、あくまでも、カレッジ、音楽科の人に向けたコンサートのため、毎回の人数は、全くみえないそうです。

 とりあえず、2014年、最初のコンサート、2ヶ月ぶりのコンサートは無事終わりホッとしています。
 
 
 
 

Posted on 2014/01/24 Fri. 23:36 [edit]

category: 自分のコンサート

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24

モスクワ・シティー・シンフォニー・ロシアン・フィルハーモニック コンサート(1月21日) 

 いつ以来か?と思うほど久々のロイヤル・フェスティヴァル・ホール(RFH)へ行ってきました。
 RFHの年間予定表には載っていなくて、UK-Russia 2014の一環として行われたコンサートでした。
 非常に売れ行きがよろしくなかったようで、方々で超割引チケットが出回ったようです。 私もそれでお声を掛けて頂いてこのことを知り、行くことにしました。

 きちんと読まない私は、指揮者の名前(ファミリーネーム)を見て、私が気に入っている指揮者だったので、大喜びで行ったのですが、ファーストネームが違いました。 よって、まったく違う人でした。 が、これが、また良い音楽で、行った価値大いにありです。
 ただ、私の耳は、ロイヤルオペラハウスオーケストラのバレエ上演のオーケストラの音に侵されておりますので、少々怪しいこともあるかとは思います。 やはり、完全に耳が侵略される前に、オケのコンサートへ行かなくては駄目だ、と思うばかりでした。

 
 モスクワ・シティー交響楽団ロシア・フィルハーモニック(Moscow City Symphony Russian Philharmnic)

 指揮: ドミトーリ・ユロウスキ

 プログラム:

 プロコフィエフ: 『シンデレラ』組曲 第1,2,3番より抜粋
      序曲
      シンデレラが箒と踊る場面
      第2幕のグランド・ワルツから12時の鐘、幕
      第3幕の義姉妹が帰宅、オレンジ
      終曲

 プロコフィエフ: ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 
    ピアノ: アレクサンダー(アレクサンドル)・ギンジン
        アンコール: ラフマニノフ: プレリュード 作品23-5 ト短調

 ラフマニノフ: 交響曲 第2番 ホ短調 作品27

 アンコール ストラヴィンスキー: 『火の鳥』 より 凶悪な踊り



 頂いたお席は、前から2列目、舞台向かって右側。 自分では絶対に買わないような席(前過ぎる)です。 が、これはこれでおもしろい経験でした。 前述の通り、指揮者の名前を間違っていた私は、イケメンマエストロのお顔を堪能できるぞ!と思っていたあてが外れました。

 まだ創立されて10年ちょっとの若いオーケストラです。 
 私にとって新鮮だったのが、オーケストラのメンバーの衣装が、制服だったこと。
 最初に舞台に入ってきた女性が、きれいなシルエットのフレアー部分に黒のラメの生地が使われているドレス。 さすが、このキラキラさは、ロシア!と思っていたところ、次の女性も、また次の女性も同じ。  バラのような立体模様があるジャケットを着ている人も。 男性も、DJ、テイルではなくて、縦襟の制服でした。


 『シンデレラ』は、抜粋、とだけなっていて、プログラムにも、詳細なし。
 組曲版を私はよく知らないので、ここに書いたプログラムは、実際のタイトルではありません。 あくまでも、バレエでの使われている場面です。

 序曲が始まり、あの息の長いフレーズのロシアンな音楽的流れが心地よいばかりでした。
 非常に繊細な造り。 席の関係上、バランスは良いのか悪いのかも実際にはわかりません(どうしても、目の前のチェロとダブルベイスの音が大きく聴こえてしまう)。 ですが、ドキドキ、ワクワクさせてくれる音楽。 ワクワク、とは楽しいということではなくて、これから一体何が起こるのであろう?この序曲の後にはどんなストーリーが待っているのだろうか?という、よく知っている音楽、バレエなのに思わせてくれました。 正直、ロイヤルオペラハウスでは、ここまでの感情はなかなか味わえません。 どうしても、惰性で弾いていることが多いオーケストラですから(バレエの時)。
 誤解無きよう言っておくと、時折、ロイヤルオペラハウスから世界各地のシネマに、ライブ(日本の場合は時差の関係上翌日)が放送されますが、あの時は、オーケストラの演奏は、世界用で、普段とは演奏の質が違います。

 
 どの曲が演奏されるのかわからずに聴く、というのは、おもしろい経験でした。
 3つの組曲からの抜粋ですが、今回演奏された6曲は、バレエのストーリーの順番でした。

 グランド・ワルツ(第1幕最後)は、絶対に入るでしょう、と思っていて、あたりだったのですが、途中から違う。 第2幕の、シンデレラの魔法が解けていく場面の方でした。

 王子様と踊っていたシンデレラが、12時の鐘に気がつく寸前の部分、オーケストラのほどよい緊張感、場面が鮮明に浮かび上がってくる音楽でした。
 そして、12時の鐘が鳴り終わった直後の、溶けていくような音楽。 その対比が目の前には、ダンサーはいないのに、全て見えてくる。 もちろん、踊るためには、難があるテンポもありましたが、このオーケストラ、指揮者でバレエを観てみたい、と思わされました。 
 
 終曲では、最後の部分、『ロミオとジュリエット』と同じく、ハ長調で終わることに、今更ながら気がつき、あのプロコ特有の、転調満載の楽譜の後のドの音が、全てを物語るのかなと初めて、このシンデレラを聴いていて思う部分がありました。
 最後の最後、数年前の、ロイヤルオペラハウスでの吉田都さんの引退公演の時、シンデレラと王子が客席に背を向けて中央の階段を上がっていくその直前に一瞬客席の方を何ともいえない素敵な表情で振り返ったのが蘇ってきました。

 どちらかというと、普段聴くのは、プロコのバレエ音楽では、『シンデレラ』よりも、『ロミオとジュリエット』です。 が、今回、『シンデレラ』の音楽の良さを伝えて下さった演奏でした。


 
 続いて、最後に生で聴いたのはいったいいつなのか思い出せないほど久々な、プロコの3番。
ピアニストのギンジンも初めて。 ギンジンと言えば、ラヴェルの『ラ・ヴァルス』の編曲で知られていますし、私も、弾きたくて、ラヴェル本人の元のピアノ譜と、ギンジン編をもっています。 昨年の骨折の前に譜読みをし始めていたのですが、怪我により、そのままになってしまいました。


 この性格なので、ギンジンの演奏をYoutubeで調べたこともなければ、画像を探したこともありません。
 先入観なしに、ただ、『ラ・ヴァルス』の解説を読んで、30代後半から40代前半くらい、という認識でいました。 なんとなく、ルガンスキーのような風貌かな、と思っていました。
 よって、舞台に出てきた姿を見て、非常に驚きました。
 50代だったのか!と思ったのです。 演奏もどっしりとして、風格があり、ルガンスキーというよりも、風貌は10年ほど前のドレンスキー教授のよう。
 
 家に帰ってから、私はどうして年齢に関してとんでもない勘違いをしていたのだろう?と思って調べてみたら、やはり私の記憶は正しい。 私よりも、たった2歳年上。 ショックです。 
 私の同じ年のロシア人の友達(男)も、40代半ばに見えるそうですし、私だって、師匠に初めてお会いした時は、先生は42歳だったのに、てっきり、60歳をとっくに過ぎた、おじいちゃん、と思っていました。
 ずいぶん、ロシア人の実年齢に近く予想できるようになってきた、と思っていたのですがとんでもありませんでした。


肝心の演奏ですが、場所的に、ダイレクトなピアノの音が聴こえてくることもあり、オケとのバランスなどはなんとも言えませんが、これぞ、ロシアン・スクール。
 モスクワ系ですが、たたきすぎない、でも深い音。

 あのロシアの長い息のフレーズ感。 ニュアンス、良い意味での緊張感。 私が基礎から受けてきた教育なので、聴いていて心地が良かったです。

 音の粒のそろっていること! 早いパッセージも音の質が抜けない。
 あっという間の30分でした。

 アンコールに、ラフマニノフのプレリュード。 これも、コンクールだったら駄目な演奏ですが、コンクール反対派の私には、非常に好きな演奏。 中間部も、感情に任せて歌わせるのではなく、理性ある揺らし。 でも、決して計算しつくしたものではありません。


 休憩後のラフマニノフの交響曲第2番。 ベタですが、大好きな曲です。


 結構、オケに委ねている部分もありましたが、大きく捕らえた指揮。
 風貌とは違って、非常に繊細。 繊細すぎて、もう少しパワーが欲しいところもありましたが。
第2楽章の切れのよさ、なんといっても、第3楽章の入り。
 あの美しいフレーズの入り方は、ロシア独特。 私も、ピアノで散々、モスクワのイリーナ先生、師匠からしごかれました。
 
 あそこまで、心が熱くなった演奏を聴くのは久々。
 幸せ、という一言です。

 アンコールで、ストラヴィンスキー。 バレエの情景が鮮明に浮かんできました。
 イヴァンがカッチェイの魂の卵割る前の瞬間の音楽的緊張感。 
 ほぼアタッカで次の子守唄が演奏されますが、今回は、子守唄なしだったので、変な感じはありました。

 私の目の前が、ダブルベイス(コントラバス)。 第1奏者の方のボウイングが、優れていました。 他の奏者とは明らかに違う。 

 ロンドンはコンサートがありすぎて、結局のところ、あまり行きませんが(カーディフ時代は、数が少なかった分、貪欲でした)、こうしてよいオーケストラを聴いて、耳をリセットしていかないと、ロイヤルオペラハウスオーケストラ、バレエ通常ヴァージョンばかりを聴いていると良くないと思うばかりでした。

 
 

Posted on 2014/01/21 Tue. 23:53 [edit]

category: エンターテイメント

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21

ロンドンおもしろいこと 

 夜になると雨が降ることが多いように思うこの冬です。
 
 わずかですが、日ものびてきたように思います。
 クリスマスが過ぎた、と思ったら、既にイースターのチョコレートもスーパーストアの棚には並び始めました。 日本並みの季節の先取り(?)になってきました。
 今年は、イースターは遅めで4月の3週目あたり。 だからこそ、余計にあせらされているような気分になります。


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 先日、家の近くの郵便ポストがこんなことになってしまっていました。
 一体どうして??と思いますが、翌日には撤去されていました。



 そして、バスの中で目にした、驚き!の光景。
 セントラルロンドンで、2階建てバスの一番前に座っていたら、通路を挟んで反対側に座った、20代と思われる男女。 多分、カップルではなさそう。
 話している言葉は英語ではありませんでしたが、判別不可能。 北欧か東欧系。

 
 座った途端に、女性はチャイニーズ・テイクアウェイを食べ始めました(ロンドンではよくある、ヌードルかご飯の上に、具が乗っているもの)。 ちょうど私もお腹が空いていたので、匂いが気になるものの、よくあることなので、さほど気にしませんでした。
 日本だと非常識ですが、ここでは、乗り合いバスでファーストフードを食べているのはよくみかける光景。 決して良いとは思わないのですが、慣れてしまいました。

 
 注目したのは、隣の男性の食べていたもの。
 なんだかガサガサ音が続く、と思ってみてみたら、なんと、ちぎったレタスの袋詰め(横着な代物だといつも思っているのですが・・・)から何もドレッシングもかけずに、フォークでレタスを食べていたのです。
 そうしたら、今度は違う袋を開けて食べ始めたのは、コリアンダーかクレソン。 匂いからして、コリアンダーだと思いますが。
 あれって、あのまま袋から食べている人、初めて見ました。

 驚きました。 日本風に言うと、草食っぽい男性(私からすると、ゲイっぽい)でしたが、まさか食べているものも草そのもの・・・

 誤解なきようにいうと、私もレタスとか、クレソンとか、好きでよくサラダにして食べます。
 が、何もかけずに、ただそれだけを食べることは、さすがの私もできません。

  普通に生活しているだけで、おもしろいことが多発するのがロンドンです。
 

Posted on 2014/01/14 Tue. 23:42 [edit]

category: イギリス事情

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14

成人式 

 成人式ですね。 昨年の成人式の日には日本にいましたが、東京が雪で、凄い姿になっていらっしゃる振袖姿の女性を多くみかけました。

 私は、自分の成人式の日は、飛行機の中。 あの時、マンチェスター時代でしたが、クリスマス・ホリデー中に寮がしまって居場所がなくなって、日本でホリデーを過ごしましたが、イギリスに帰る日が成人式。 1日遅らせることもできたと思いますが、私の実家の市は、成人式は、中学のクラス別で行う、という話を聞いていて、市内の中学へ行かなかった私は行くことはありませんでした。 小学校時代に良い思い出がなく、式典にも行く気がなかったのでしょう。
 
 写真さえ撮らず、20歳の時のものは残っていません。 後になって、3つ下の妹が成人式の時(彼女も市の式典にはいかず)、日本髪を結ったので、私もずっと憧れがあった為、妹の着物(これも、日本髪に合うように、江戸末期の振袖をセカンドハンドで購入したもの)を借りて、23、24歳位でお正月に日本髪を結って、写真を撮ったものです。 写真だけは20歳で残しておきたかったかな、という気持ちは残ってしまいました。 
 ですが、当時は、その余裕は全く無かったので、仕方がありません。

 大体、私の場合、4月生まれで、高校3年生の途中からイギリスの高校へ1年間留学したこともあり、日本の卒業が1年遅れたので、日本の高校の卒業式から一月足らずで20歳になってしまったのです。
 
 20台は、ずっと学生をしていましたし、遅れすぎていたピアノをがんばって終わりました。
 30台になって、常識的にはありえないといわれるのに、その積み重ねに花が咲き、技術的にも音楽的にも伸びてきたのが私のピアノ。 そして何度も言うように、その矢先に左手骨折。
 
 成人とは、公にお酒やタバコを吸うことができるようになるのではない。 子供だけではなく、親も子供からの『成人』が必要なのかな、とも思ったりもします。 日本の現状を見ていると。
 
 Facebookで若い友達の成人式の写真を目にしましたが、年々、着物が凄くなっていて驚くばかりでした。
 それでも、20歳の姿は20歳。 23歳の写真には20歳の若さは残っていないのですから。 

Posted on 2014/01/13 Mon. 13:02 [edit]

category: 日常

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13

ミルン ピアノリサイタル 

 休みの日は引きこもっていることが多いのですが、久々に午後から出かけてきました。 しかも、久々のピアノリサイタルを聴いてきました。
 日本と違い、日曜日のコンサートが決して多くはない国です。 

 今回は、ショパン・ソサイエティーUKのリサイタルシリーズ。

 ハーミッシュ・ミルンという、イギリス人ピアニストのリサイタルでした。
 この方の名前は、友達を通じて知っていました。 友達が、彼のピアノ、指導に惚れ、後には、男としてほれていたので、一体どのような演奏をなさるのか、どのような方なのか、非常に興味がありました。 しかもこの私の友達は、美人で誉れ高く、周りから男が絶えたことがないような人です。 そのような人が惚れるのは、凄い人に違いない、と数年思っていたのですが、やっと機会が訪れました。

 ヴィクトリア駅にほど近い、ウェストミンスター大聖堂(あの有名なウェストミンスター寺院と数百メーター離れている、違うもの)の集会場のようなところでのリサイタルでした。

 プログラムは

 モーツアルト: ピアノソナタ K.281
 ブラームス: 6つの小品 作品118 より 第1,2、3番
 メトネル: 『忘れられた調べ』第2集より、 第3番『春』 第1番『瞑想曲』
 メトネル: 6つのおとぎ話 作品51 より 第1番 ニ短調

 ショパン:ボレロ 作品19
 ショパン: ノクターン 作品62-2
 ショパン: ピアノソナタ 第3番

 アンコール
  リャードフ: プレリュード
  バッハ/ラフマニノフ: ヴァイオリンのためのパルティータ より 『プレリュード』


 良くも悪くも、イギリス人ピアニストでした。
 私は、イギリスに住んで、イギリスの音大でピアノを勉強したものの、ピアニズムそのものは、手ほどきをうけた、師匠、Dr.Sのロシアンピアニズムによるものです。
 ですが、イギリス人ピアノ教師とも修士号の時を含め、勉強しています。 ですが、今日のピアニストとほぼ同年代の教師2人には、ついたものの、3ヶ月、半年弱、という長さで二人ともあわずにやめています。

 
 暖かさ、やさしさ(特にアンコールのリャードフとブラームスの作品118-2)がある演奏でした。 が、直感を言うと、非常に薄味であっさり。 これが、『English(あえて、Britishではない)』らしさとも言えます。 結局のところ、何がすきか、ということでしょう。

 正直なことを言うと、構築力が少々弱め。 メトネルの全集のCDを出していらっしゃるようで、楽しみにしていたのですが、モスクワ音楽院のイリーナ先生のメトネルの『忘れられた調べ』をよく聴いている私には、演奏された2曲が、最初何の曲かわからなかったのです。
 プログラムには、『忘れられた調べ』というのは抜けていたので、『春』というタイトルを見て、『忘れられた調べ』からだと思ったのですが、そうは聴こえなくて、帰宅後調べてそうだったことがわかりました。
 
 
 ショパンは、恥ずかしながら『ボレロ』の演奏を生で聴くのは初めてのはずです。
 聴いたら、3番のソナタを勉強したくなりました。

 教師として、王立音楽院で名をはせていらっしゃるし、私の師匠なんかよりも、もっと名高いサマーコースでの指導もしていらっしゃいます。
 どのような指導をなさるのか興味があるのですが、ことごとくイギリス人ピアノ教師と合わない私は、なかなか足を踏み出せません。
 
 
 

Posted on 2014/01/12 Sun. 22:14 [edit]

category: エンターテイメント

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家庭での練習 

 あっという間に年が明けてから、1週間以上経ってしまいました。
 
 年明け早々にゴタゴタし、不安定でしたが、落ち着いてきました。

 ピアノの教え、家での練習、ご父兄からの練習サポート。 先生、ご家庭によって、様々な考えがあるのは十分承知しています。
 
 この数日、色々と思うことがあり、そのタイミングで、カーディフの大学時代の友人というか、同じピアノ科の人と珍しくチャットでピアノ指導について語り合ってしまいました。
 相手は、イギリス人。 大学でもついていたのは、イギリス人教師です。 元々私の師匠の弟子についていましたが、あわなくて、やめました。

 
 日本は特に、専門的にピアノを勉強するような先生につくと、ご家庭での練習に親が付き添うことが当たり前、ということが多いように思います。
 『ピアノ(楽器?)指導』についてで修士号をとったイギリスのこの人は、リサーチで、イギリスで、親が練習に付き添うのは、10人に1人弱。 これでは、子供が上達しなくて当たり前。 ということになったようです。

 私は、お母様(もしくは、ご家庭で中心的に子供の面倒を見る方)に、練習時間の取得、声掛けはお願いします。 でも、練習の付き添いはご遠慮して頂いています。

そのかわり、何度もここで書いていますが、練習してほしい内容は、ノートに子供がわかる言葉で書きます。
 ノートに沿って練習をしてもらますが、もちろん子供ですので、完璧にできていない時も多々あります。
 その場合には注意をしますし、あまりにも酷ければ怒ることも。 そして、ご両親に、練習の声かけをする際に、「ノートを読みなさい」と一声掛けて頂く様にしています。

 もちろん、問題がある子供もいますが、今のところ、上達していますし、試験でもそれなりの成績で合格する子が多いです。

 私がご両親に練習を付き添わないで頂いているのは、子供は自分の力でできるようになる。 親に手伝ってもらいすぎると、楽譜がきちんと読めなかったり、レッスンを聞かずに練習だけを見る場合、色々な誤差が生じてしまったからです。
 きちんとできていなくて、私に注意されたら、それを学んでほしい。 失敗したって、それが上達、ピアノだけではなく、ほかの事にも注意力が増してもらいたい、という考えからです。

 自分の頭で考えて弾くこと。 これが私が求めていること。 最終的に、自分が弾きたい曲を楽譜をみて弾けるようになってほしい、ということなのです。 勉強、励みの為に生徒をフェスティヴァルに出しますが、私の指導の目的は、フェスティヴァルで賞をとることではありません。
 楽譜を読む力(リズム、音だけではなくて)をつけることです。  もちろん、生徒たちが賞を取ったらうれしいです。 でも、賞を取る為のレッスンではなくて、日ごろからの積み重ねが賞につながる。 そうであってほしいと思います。

 そういう点で、先日、レッスンをして2年になる6歳の女の子が買ってもらった楽譜を見て、自分できちんとしたリズムで弾きたい曲をひいてみせてくれたことに感激しました。 
 譜を読むのは面倒。 でも、読めたら、弾きたい曲が弾ける。 これを知ってもらいたいのです。

 それができていないと、賢い子なのに、最初楽しく先生が弾くのをまねすればよい先生に習ったら、何も残らず、今、指の形を気をつけたり、譜を読むことを全面拒否する子もいます。
 もちろん、そういう指導があうこもいますが、

 友達とチャットを通じて知ったことは、私なんかよりも、ずっと先生たちの集まりに参加したり、勉強をしている人なのに、子供に楽譜を最初から読ませるのは無理。 指の形をきれいにするのも、親が付きっ切りで練習を見ない限り無理、といっていること。

 できると思うのですが。 ピアノのレッスンは楽しくあるべきだ。 といわれてしまいましたが、楽しいって何? という疑問に再びぶつかります。 最初の1年、楽で楽しいレッスンの後、グレード試験に入ったら、初見ができない、先生が弾くのをまねして覚えていることに限界が来る。 そうするとピアノを練習するのも嫌。
 最初から、ピアノは指の形に気をつけて、楽譜を読むもの、と知ってしまえば、楽しくないかもしれないけれど、拒否反応は起こりにくい。もちろん、練習嫌いなこはたくさんいます。 でも、練習すれば弾けるようになるのを知っているから、一応練習する。 そして、弾きたい曲が弾けるようになる。

 長い目で見た場合、どちらが楽しいことなのか。 
 色々と考えてしまいました。 

 

Posted on 2014/01/10 Fri. 14:59 [edit]

category: 音楽

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10

あけましておめでとうございます 

あけましておめでとうございます。

 至らぬ点も多々あるかと思いますが、よろしくお願いいたします。


 こちらが新年を迎えた時、日本の実家へ電話をしたら、素晴らしいお天気、とのこと。
 こちらは、嵐です。
 しかも、ちょうど、お雑煮を頂くところだったらしく・・・

 この10日ほど、悪天候が続いているロンドンです。 イギリスのほかの地域も、浸水などで、列車が運休になったりしているようです。 新年早々・・・

 日本のお正月とここのクリスマスは同じようなもの。 クリスマスとお正月が反対な感覚です。
 多くの公立の学校が始まるのは、6日からであるものの、社会は明日からほぼ通常に戻ります。 私も、明日が仕事始めです。
 年によっては、3日から新学期が始まったこともありますし、2日に普通に教会でのランチタイムコンサートがあったことも。

 
 実り多き一年になることを願っています。
 その為にも、健康第一で、神様が過度の自然災害を与えないことを願い、前進していきたいと思います。

 更新頻度にむらっけがあった、昨年の私のブログ。 もう少し、安定させたいな、と思っています。 
ここにアップしていない、書きかけブログがどれだけ眠っていることか・・・

 日本はお節があと2日続きますね。 あれはあれで好きですが、朝食がパンの実家では、4日の朝食でさすがにほっとするものです。
 日本のお正月を頭に浮かべつつ、しっかりとイギリスの通常生活に戻ります。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2014年元旦 加藤みゆき

Posted on 2014/01/01 Wed. 17:46 [edit]

category: 日常

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