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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

嬉しかったこと+私のレッスンの考え方 


 レッスン中に嬉しいことが続けてあった今週でした。

 4月からレッスンをしている7歳の男の子。 最初は、ピアノではなくて、もっと音の大きな楽器をやりたかったようですが、基本はピアノだから、とご両親に説得されてレッスンを始めました。 が、おもしろくなったようで、今では私が行くのを待っているし、きちんと練習もしています。 何よりもスケールが大好きで、どんどん吸収しています。
 
 彼のお姉ちゃんのことを昨年から教えているので(他の先生からの引継ぎ)、去年お姉ちゃんが弾いていたグレード1の曲を知っています。
 先週のレッスンで、高い音程の音を教えたら、お姉ちゃんが弾いていた曲の楽譜が読める、と気がついたらしくて、片手だけですが、グレード1の曲を弾いて見せてくれました。
 私が一番課題としている、自分で楽譜を読んで弾く力、をしっかりと身に付け始めているな、ととっても嬉しくなりました。
 
 譜読みは大変です。 でも、たとえ4歳でも5歳でも、最初から音符を読むこと、リズムを理解することを教えたら、絶対にできるようになります。 最初先生の手をまねして、途中で音が増えてから譜読みを強要しては、子供がかわいそうですし、挫折します。
 昨年からレッスンをしている現在5歳の女の子は、しっかりと一人で楽譜を読んで練習しているようですし。

 
 昨日のレッスンで、譜読み、フレーズ感ができてきたので、ペダルをつけ始めた9歳の女の子。
 とりあえず、最初のフレーズだけペダルの指示を出したのですが、今日、セオリー(楽典)のレッスンに伺ったら、楽譜を見てほしいのだけれど、と言って、私の書き込みを真似して、自分でペダルの記号を入れてありました。
 昨日、私がゆっくり弾きながら、どういうところでペダルを踏みかえるのか、というのをしっかりと話したのです。 それをふまえての行動のようでした。 もちろん間違いはあったのですが、それでも、自分でチャレンジしよう!という精神は素晴らしい。

 これはグレードの課題曲なので、楽譜に校訂者によってペダル記号が記入されています。 ですが、それだと音が混ざりやすいし、子供でも細かいペダル操作を教えればできるので、私は必要に応じて、全てペダルを変えてしまいます。

 
 反対に、高校生で今まで先生の手をまねして弾いていたけれど、それで全てを学べない楽譜になって、自分で譜読みをしなくてはいけない生徒たちは大変です。
 絶対にやりたくないことでしたが、もう試験に間に合わないので、ついに奥の手をだし、私がゆっくり弾いて、手の動きを動画に録らせました。 これ、一番いけないことです。 でも、今回だけは背に腹はかえられぬ・・・
 
 
 私は、ピアノをやる、と決めてから1年間日本に滞在しなくてはいけなかったので、その間にレッスンを受けた(最終的に破門になりました)先生から、「どうしてできないの」「どうして練習の仕方が悪いの」
 という言葉を何度も言われました。 私が全く何もわかっていないことをご理解した上でのお言葉です。

 できないから習っているのです。
 練習の仕方を考えるのが下手なのです。 どうしたらよいかもよくわからなかったのです。

 私がその後レッスンを受けたヨーロッパの先生方から、「どうしてできないのか」と頭ごなしに言われたことはありません。
 もちろん、先生の疑問として、「どうして?」ということはあります。
 その際には、練習方法を教えてくださったり、何か問題点を見つけてくださいました。

 だからこそ、私は生徒たちに、導入の頃から、レッスンでは練習の仕方を細かく話します。
 そうすると、そのうち、きちんと自分で練習の仕方を理解するようになります。

 日本でレッスンをさせて頂いた方々(音大卒で私よりも年上の方もいらっしゃいます)は、
「あなたが下手なのね」 「どうしてこんなのもできないの?」
という言葉を言われ続け、弾けない、という方々もいらっしゃいました。
 弾けないのなら、考える。
 
 というよりも、きっと世の中の人たちは頭が良くて、器用なのでしょうね。
 私は、自分ができが悪いし、不器用だから、やらなくてはいけなかった。
 できない時には、できるように考えなくてはいけなかった。
 だから、私は、絶対に「どうしてこんなのもできないの?」と生徒たちのことを思わないのです。
 できないのなら、一緒に解決法を考える。 これが、教える人に課せられたもの、と思っているので。


  師匠Dr.S、イリーナ先生たち(両方ともイリーナだからややこし)、30分のレッスンで魔法をたくさん使ってくださいました。 その魔法を私も生徒たちにかけてみたいな、と思っているのかもしれません。

 とはいうものの、試験前の生徒たちは切羽詰まっています。
 試験前後に発表会もついにすることになったので、初めてのことで、きっと要領を得ず、どうなることやら、と思っています。
 

Posted on 2012/09/29 Sat. 19:37 [edit]

category: 音楽

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29

あっという間の1週間 

「変な天候ですね」 が、日本人、現地人問わず、挨拶になっているイギリスの今日この頃です。

 体調を崩したこともありますが、とりあえず、あーっというまに過ぎ去った今週です。 明日は午前中のレッスンのお宅2軒がお休み(今日の夜と、日曜日に振り替え)なので、久々にゆっくりした土曜日になりそうです。
 
 サマーコースでさえ大丈夫だった私の古傷が、やはり寒さで駄目になったようで、少々ダウン。
 とりあえず、3年前にやった小指靭帯損傷はかなりよくなったのですが、今年2月にピアノの練習中に空中でひねった腕は、寒さとともに痛みが増す、という一番嫌な状態になってきました。 よって、再びサポーター生活・・・ 練習でいためたのだから、後悔のしようがありません。
 
 
 来週、その2週間後、続けてエセックスでコンサートですが、久々にチャイコのノクターン 嬰ハ短調を弾くので、解凍中。 良い曲です。 そして、2年半前に譜読みだけして、最後のコーダを放ってあった(小指の痛みで厳しかった)ショパンのバラード第1番をやっと本番にかけます。 ポピュラーすぎてどうか、と思っていましたが、やはり素敵な曲です。 どうしても、ノイマイヤーの『椿姫』が浮かんでしまいますが。

 やることが溜まっていますが、あと10日もすればロイヤルバレエのシーズンも開幕するので、それを励みにがんばろうと思います。 とはいいつつも、デスクワークは予定日を過ぎたもの(あくまでも私の予定なので、締め切り等には十分間に合います)が溜まっているので、一つ一つ片付けなくてはいけません。

Posted on 2012/09/28 Fri. 20:17 [edit]

category: 日常

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28

作業に追われ中、そして導入レッスン 

 ちょこちょこと雨が降るロンドンです。
 すっかり、ヒートテック、セーターの季節になりました。
 
 風邪をひき始めて1週間、やっと元通りになりました。 とはいいつつも、恒例の咳になりそうな嫌な予感がしていますが。
 
 とりあえず、色々と作業に追われております。 グレード試験の締め切りが非常に近づいていますが、今回は私は最多数の生徒が受験になる為、その申し込みがやっと終わり、ほっとしたところです。
 受験希望会場が違う為、一つ一つ、別々の申し込み、ということで、何度銀行のカード番号を入力したことか。 もちろん、皆さんの受験料の小切手を私のアカウントに入れましたが、それでも、今月末の明細書は凄いことになりそうです。 プラス、マイナスはゼロなのですけれどね。

 それプラス、自分のことがあるので、そのことで調べものの時間があっという間に過ぎて行きます。
 一気にやる気になったのは良いのですが、ずっとやっていなかった作業ばかりに追われているので、段々わけがわからなくなってきております・・・

 というわけで、この辺で。
 忘れないうちに、サンフランシスコ・バレエのことを書いておきたいとは思いますが。
 
 あっという間に9月も終わりに近づいています。
 
 今日は、新しく今まで習っていた生徒の4歳の妹さんのお稽古が始まり、久々の小さな子の導入を、気持ちを引き締めてやってきました。 導入のお稽古は教える方も大変ですが、小さな手で、目を見開いて、一生懸命楽譜の読み方、指の形を気をつけているのをみていると、こちらも楽しくなります。
 導入は大きな責任を抱え込むことになるので、責任がありますが、段々と弾けるようになってくる様子をみられる、一番貴重な時間でもあります。
 駐在員の方なので、きっと来年の春までになると思います。 だからこそ、基礎だけは身に着けさせてあげたいな、と思います。
 そして一つ一つの山を越えてくれたらな、と思います。 長く、ピアノを楽しむことができるように。

Posted on 2012/09/26 Wed. 22:26 [edit]

category: 音楽

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26

ショパンの中に八木節 

 久々に、一日中雨でした。
 先日、ボーンマスに行った時の往復の列車がクーラーがかかっていて、すっかり風邪気味に。 今日になって一気に下降・・・
 明日から、ブーツでインフルエンザの予防接種が始まるからさっさと行く予定でしたが、当分お預け。

 今年の日本での夏の滞在のハイライトは、盆踊り。
 これが困ったことになっています。

 私は注意力散漫なので、道を歩く時は、絶対にイヤホンで音楽を聴くことはできません。
 バスの乗り換えでも、絶対にiPodを一度とめるほどです。

 ですから、歩いている時には、常に今暗譜中の曲、もしくは次のコンサートで弾く曲がなっている状態です。
 このところ、困ったことに、曲の合間に八木節、東京音頭、新所沢音頭、新秩父音頭などが鳴り響くようになりました。 そして気をつけないと、道路で踊りだしそうになります。
 大体、新所沢音頭なんて、非常にダサイと思っていたのですが(曲の歌詞が、しんとーこー、よーいとーこ、と恥ずかしい・・・)、一度始まると止まらない。 
 
 八木節、東京音頭は大好きなので、仕方がないと思っていたのですが。
 そうしたら、今度は、なんと、オバQ音頭が鳴り響くようになってしまいました・・・ ついでに、アンパンマン音頭まで。
 ありえません・・・

 通常であれば、盆踊りが終わって1ヶ月も経てば、振りも抜けていくのですが、今回は2度の練習、本番、と計5時間以上踊ったので、身体に振りと音楽が染み込んだのでしょうね。
 止まってくれないと、本当に困ります。

  
 子供の頃、日本舞踊のお稽古で、全然振りを覚えられないご婦人方が、1年間空いても、盆踊りの振りは完璧に覚えていることをとっても不思議に思っていました。 盆踊りの魅力がなせる業なのでしょう。
 
 あの時、1日目の練習で、振りを完全に覚えたことを、中心になっていた方々に驚かれましたが、非常に短いフレーズを何度も繰り返すので、バレエをやったり、ピアノであれだけ多くのおたまじゃくしを頭に入れなくてはいけない身からしたら、すこぶる簡単なことです。
 
 とりあえず、ピアノの練習中には、急にお囃子が聴こえてくることは今のところないので、『のだめ』のようなことは起こらないでしょう(コンクールで、譜読み中に聴こえてきてしまった、今日の料理の音楽を曲中に導入してしまう)。

 家族からは、そんなに盆踊りがすきなのなら、音楽をダビングさせて頂いて、イギリスで家で踊ったら?といわれていましたが、そんな必要はありません。 そんなことをしていたら、大変なことになります。

 頭の中身を入れ替えないと、本当に困ります。
 

Posted on 2012/09/23 Sun. 14:00 [edit]

category: 日常

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23

空き時間に雑用 

 レッスンが詰まっている土曜日ですが、今日は一家庭お休みだったので、移動時間も含めて、1時間45分の空き時間が。 次の人の時間を早めて頂く事もできたのですが、近日中にしなくてはいけない用が溜まっていたので、色々と。
 
 基本的に私はアナログ人間ですが、それを感じました。
 顔写真(身分証明写真でなくて構わない)が必要だった為、いつものように、写真屋さんへ行って、以前撮っていただいたピアノ用顔写真をプリントアウトして、指定された大きさにその場で切らせて頂こう、と思ったのです。
 とりあえずプリントアウトして、定規とハサミを出したところで、お店の方が見るに見かねたようで、パスポートなどの証明写真を切り抜く(?)四角いハサミで私の写真を切りとって下さいました。
 
 そして、言われたこと。 先に顔の部分だけを切り取ることを言えば、プリントアウトする前にコンピューターでCropして、証明写真のように、顔の部分だけをプリントアウトすることができる。
 写真屋さんでそんなことまでして下さるのですね。 驚きです。 きっとまた、私が知らなかっただけのことでしょうが。
 お店のお姉さん、呆れていらっしゃいました。

 
 私がプリントアウトの機械をいじっている間、パスポート用の証明写真を撮りにいらした女性がいました。
 写真を撮る為に椅子に座ったら、おもむろにスカーフを頭に巻きはじめました。
 お店の方との話を聞いていたら、スカーフで髪の毛を隠さないと、パスポートの許可がおりない、とのこと。
 そして、写真を撮り終わったら、すぐにスカーフを外していらっしゃいました。
 イスラムの方だと思いますが、色々なのですね。
 
 
 とりあえず、昨夜遅くまで最終チェックをしていた書類を郵送できて、身軽。
 昔は、イギリスの郵便局って土曜日はお昼頃閉まっていたように思いますが、今は大き目のところは土曜日でも5時半まで開いているので、助かります。 私が1年目にいたのが田舎だから早くに閉まっていたのかもしれませんが。

 
 夜はバレエ鑑賞。 先週からロンドン公演をしている、サンフランシスコ・バレエ。 もう少し早くに行くはずが、すっかりチケットを取るのを忘れていて、今になってしまいました。 これは後日。 久しぶりにバレエ友達(皆さん、私の母よりも年上のような方々)とお話もできて、リフレッシュでした。

Posted on 2012/09/22 Sat. 10:21 [edit]

category: 日常

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22

ボーンマス(Bournemouth) 

昨日の晴天とは変わり、今日はほぼグレーの空でした。 刻々と冬が近づいてきております・・・
 2ヶ月振りの本番(ソロコンサート)の後では疲れ果て、午前中は使い物になりませんでした。

 昨日のボーンマスの写真です。

 ボーンマスまでは、ロンドン・ウォータールーから途中それほど止まらない列車で2時間ほど。
 サリー、ハンプシャーを抜けて、ドーセットの入り口にあるのが、ボーンマス。
 乗った列車は、最初は10両編成、ボーンマスで後ろ5両が終点になるようでした。
 途中止まる駅は、サウスハンプトンなど大きめの駅もありましたが、いったい誰が使うのだろう?というような、何もないところにある駅もありました。

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 こちらが、ボーンマス駅。
 まず驚いたのが、黄色のタクシー。
 空気が外国。
 駅の目の前に大きなスーパーストアがありました。
 とりあえず、駅の前の小さな案内所で地図を頂いてきました。
 ちなみに、街中までは歩くと20分ちょっとかかります。
 コンサート担当の方が迎えにいらして下さる、とおっしゃって下さいましたが、2時間列車に揺られた後は外を歩きたい人なので、自分で行くことにしました。

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 こちらが、駅構内。 
 やたらと空間がある駅でした。


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 街中へ向かう道。
 ちょっといつものイギリスの他の街とは違います。
 ブライトンのように、駅を出たら海が見える、という場所ではありません。
 ですが、海が近いことを感じるような道でした。

 
 コンサートは昨日書いた通り。
 今回は、ロンドンにとんぼ帰りしても教えには間に合わないので、あらかじめ、振り替えをさせて頂きました。
 初めて来る場所なので、コンサート後は、観光をしてきました。


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 教会は街中にあるので、観光案内所へとりあえず寄ったら、その付近は、まるで、ディズニーランドのような佇まい。


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アーケードもいくつか見かけました。
 ちなみに、街中へきたら、観光客ばかり。 英語以外の言葉を多く耳にしました。
 駅から街中までの通りは、タトゥーショップとか、異国情緒のお店が多かったり、空き店舗になっていたりして、少々寂れた感じがしたのですが、街中へ来ると、全く違いました。


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 観光案内所でいつもの買い物(その土地の名前、絵が入った陶器の指貫)をした後は、海を目指します。
 小川が流れる公園を抜けて・・・

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 海です!
 ブライトンの海は、砂浜ではなくて、石浜。
 ここのは、さらさらの砂浜でした。
 
 ですが、最後に私が海へ行ったのは、昨年のセイシェル。
 あの海へ行ってしまった後では、感動がないというか・・・ 
 もちろん、ビーチでお昼を食べるつもりでおにぎりを持っていってあったので、持参した、ゴミ袋を敷いて、ランチタイム。
  
 タバコの吸殻のポイ捨てが多いのが、とっても残念でした。

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 鷗(あえて旧字。 そうでないと落ち着かない)の大群がいたり。
 見えますか? 砂の上には、鷗の足跡。


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 多分、ここから見えた島が、ワイト島だと思います。
 ぜひ行ってみたいところです。
 
 サーフィンをする人々がいましたが、さすがに青空でも空気は冷たく、タオルを持っていってはあったのですが、足を海の中に入れることはできなかったです。
 波の音を聴きながら、コンサートの反省をし、ぼーっとしていたのですが、やはり寒くて、途中で退散。
 
 街歩きをしている途中で、図書館を発見し、たまたま探していた本があったので、しばし情報集め。
 何をやっているのでしょうね、私。
 
 博物館だか美術館もあるようでしたが、疲れていたので、今回は行くのをあきらめました。
 
 再来年以降、再びお声をかけて頂けそうなので、楽しみにしています。
 というよりも、ここは、ぜひ、夏の真っ盛り(そんなのあるかな・・・この国には)に、ホリデーで訪れたいな、と思う街でした。
 
 

Posted on 2012/09/20 Thu. 23:18 [edit]

category: イギリス 遠出

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20

ボーンマスでのコンサート 

空気は冷たいけれど、晴天の今日、今シーズン最初のコンサートでした。
 
 ソロコンサートは、7月頭以来。 人前で最後に弾いたのは、サマーコースのファイナル・コンサートですので、1ヶ月振り。
 
 
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 今日は、初めて行く土地です。
 ロンドンから南西に2時間ほど、ボーンマス(Bournemouth)のSt Peter's Churchでのコンサートでした。
 初ドーセット(Dorset)(州)での演奏になります。
 

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 プログラムは、
 
 モーツアルト: ピアノソナタ ニ長調 K.576
 グリンカ/バラキレフ: ひばり
 ショパン: ノクターン ロ長調 作品62-1
 エシュパイ: トッカータ

 時間がぎりぎりだった為、ほとんどの方が知らないであろう、エシュパイについてのみ、トークを入れました。

 ピアノは、スタンウェイのフルコン。 ですが、非常に古い楽器で、色が茶色、譜面台も装飾されたものでした。
 アクションがかなり悪くて、重い割には、スカスカ。 一番弾きにくい楽器です。
 
 結果、ひばり、ノクターンが合う楽器でした。
 現在のスタンウェイにはないような、まろやかで優しい音色の楽器です。 その代わり、きれ、輝きが乏しいピアノ。
 
 モーツアルトは、途中で左手をやらかして、その後ずいぶん焦りました。
 ただ、第2楽章は、サマーコースで師匠にだいぶ絞られた部分を形にできたかな、とは思いますが。
 来月、2度弾くので、自分のものにしたいと思っています。

 ひばりは、サマーコースでのベルコヴィチ先生のご指導のおかげで、今までとは全く違うものになりました。
 今まで、歌わせなさい、歌わせなさい、歌えていない、と散々言われてきていましたが、ここに来て、歌わせすぎになってしまったようです。
 というよりも、歌わせすぎてはいけない曲、ということがわかり、曲全体が心地よく変わりました。
 というわけで、これは面白くなりそうです。

 ノクターンは、このあたりで、やっとピアノの状態をつかめたので、そして一番多く弾いていることもあり、教会全体をひきつけている感覚を味わえました。
 ちなみに、結構多くの方がいらして下さいました。

 久々に弾いたトッカータ、やはり良い曲です。
 ピアノ自体に力がなくて、きれを出すのが難しかったのですが、ひばり、ノクターン、とゆったり目が続いた為、コントラストがあって、よかったそうです。
 一時、この曲を弾きまくっていたことがあって、そのあと、長い間冷凍してありました。
 少しずつ、またこれを弾いて行きたいな、と思います。
 それにしても、エシュパイさん、ピアノ曲はこれしか良い曲がないらしく(お孫さん=私の友人、談)、残念です。

 
 とりあえず、喜んでいただけたようでした。 私としては、モーツアルトががっくりなのですが、やはり、演奏をしている時が、一番自分自身としっかり向き合えるように思います。

 
 母がこの夏にがんばって縫ってくれた着物を縫い合わせたスカートを穿きました。 10年ちょっと前に同じものを作ってもらって、イギリスで反応がよいものなので、もう一枚縫ってもらったのです。 これが、非常に好評で、やはり、ちょっと無理してでも縫ってもらってよかった、と思います。
 写真を撮っていないので、お見せできないのが残念ですが。
 ブログの右側のプロフィール写真で着用しているものの、色違いです。
  これ、本当は、下の方がきれいなシルエットになっているのです。

 余談ですが、今朝は、列車でテーブル席を陣取って時間がなくて製本できなかったコピー譜を製本していました。
 要領をつかみました。 長く使ってみないとわかりませんが、とりあえずはこれでやっていこうと思います。

Posted on 2012/09/19 Wed. 21:52 [edit]

category: 自分のコンサート

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19

ロイヤルバレエ リハーサル『白鳥』 ゼナイダ、ニァマイア 

 7月頭以来、2ヵ月半ぶりにオペラハウスでした。
 とはいっても、メインハウスでのバレエのシーズンスタートにはまだしばらくあるはずです。

 本日は、上のクロア・ストゥディオにて、リハーサルでした。
 演目は知らされておりませんでしたが、もちろん予想通り、シーズン開始演目の、『白鳥』でした。
 
 『白鳥の湖』 アンソニー・ダウエル版

 指導: ドナルド・マクレリー
 ダンサー: ゼナイダ・ヤノフスキー、 ニァマイア・キッシュ


 10月23日に、シネマ放送される、ゼナイダとニァマイアの第2幕のお稽古でした。 最初の入りから始まって、パ・ドゥ・ドゥの途中(オデットがジーグフリードに心を開き始める部分)までを行いました。
 蛇足ですが、8月12日のロンドンオリンピック閉会式にて、ダーシー・バッセルの相手をした4人の男性のうちの一人がニァマイアです(残りは、ジョナサン・コープ、ギャリー・エイヴィス、エドワード・ワトソン)。
 

 昨日、彼らのお稽古をしたそうですが、非常に細かい。
 テクニック面よりも、マイムや距離感など、ストーリーを語る、ということを一番に伝えるお稽古でした。
 
 ほんの少しのタイミング、距離、目の位置、腕の動かし方、これで全てが変わり、それまであいまいだな、と思っていた部分に意味が出てきます。
 今まで、何度観ても、誰のを観ても意味を成さないでいた部分が、マクレリー先生の指導で、謎が解けました。

 マクレリー先生のレッスンを見るのは多分初めてだと思いますが、ずっと興味があったので、非常に嬉しかったです。

 何度も観ている『白鳥』ですが、得ることが非常に多かった1時間でした。

 お稽古を見ながら、私自身のピアノに生かせそう、と思う部分も多々あり、早速明日の演奏に取り入れたいと思います。

 ゼナイダとニァマイアの白鳥、昨年1月からの、ニァマイアのロイヤルバレエでの全幕デビューの時、3回ほど観ましたが、二人の背の高さも手伝い、大人の白鳥です。
 今回は、マクレリー先生の指導の元、前回とは違った舞台を築き上げるのではないかな、と楽しみにしています。

 エネルギーを取り込んだので、明日の私のシーズン開始、がんばりたいと思います。

Posted on 2012/09/18 Tue. 22:40 [edit]

category: バレエ

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18

日本人の知恵 

青空が広がりました。 青空にだまされて、昼間半袖で外へでたら、少々肌寒かったです。

 水曜日から私にとって、シーズンが始まります(9月始まり)。 昨年度は、4月から7月、という非常に短いシーズンでした。

 今回は、初めての土地でのシーズン開幕。 
 ウォータールーの駅から列車に乗りますが、ウォータールーは私が一番使うことが少ない駅で、使う度にあたふたあたふた。 仕方がないので、気分転換も兼ねて、今日のうちにとりあえず、事前予約してあった切符を印刷してきました。 これ、朝だと慌てるのです。

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 そうしたら、こんなの発見。 かなり大きなポスターです。
 オペラハウスの秋のポスターです。 中央で白鳥の衣装を着ているのは、マリアネラ。
 これ、公演案内の表紙にもなっていますが、初めて見た時には、少々驚きました。



 私自身のシーズンが始まるのに備えて、楽譜の準備。
 もちろん、楽譜を買いますが、コンサート時には重いので、コピー譜を持ち歩きます。
 今まで色々と試して、ヨーロッパでは多い、リング状の製本をしていました。 ただ、これは機械が必要。 私は自分で持っています。
 簡単なのですが、難点は、一度閉じると、閉じなおすのが面倒。
 6ページ程度の曲だと、いくつかをまとめて閉じているので、結局はかさばるし、探しにくい。
 そして、使っているうちに(私がいけないのかもしれませんが)、プラスティックのリングが割れるのです。

 スクラップブックに貼るのは、重くなるから駄目。
 A3にコピーして貼り合わせるのは、無理。
 
 ネットで検索したら、さすが日本人は色々と工夫していらっしゃいますね。
 セロテープを使いたくない、と思っていたのですが、やはりそういう方は多い。
 そこで、マスキングテープの出番! 考えたこともありませんでした。 マスキングテープの代わりに、包帯などをとめる、医療用テープ、というのもあってびっくり。
 
 
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 とりあえず、マスキングテープを買ってきて、やってみました。
 最初、マスキングテープの粘着度が弱くて(これは、やっているうちに解決)てこずりましたが、良いかもしれません。
 ただ、初めてやったので、仕上がりが少々汚い。
 これは、やっているうちに、きれいにできるようになるのでしょう。
 
 
 コピーしっぱなしの楽譜がいくつかあるので、ぐちゃぐちゃになる前に、製本をしてしまおうと思います。
 この前のサマーコースなんて、人によっては、コピー譜バラバラで持ってきていた人もいました。
 コピー譜をリング以外できれいに製本をできるのは、日本人、というように思います。

 とりあえず、最初のコンサートは、サマーコース総集編のような感じで、サマーコースで成長した曲を中心にしたプログラムです。 とっても久々にエシュパイのトッカータを弾くので、解凍中。
 
 
 

Posted on 2012/09/16 Sun. 20:44 [edit]

category: 日常

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16

8年ぶりに触った曲 

 昨夜は、色々と考え事をしていたら、向かったのは楽譜棚。
 取り出したのは、引っ越して、段ボール箱から本棚に楽譜を入れる時にしか触ったことがなかった、楽譜。
 
 約8年間、手に取ることができなかった楽譜です。 
 CDだって数人のピアニストの録音を持っているものの、8年間一度も聴くことができなかった曲。
 数年前、ユンディの演奏をフェスティヴァル・ホールで聴いたけれど、色々と思い出してしまって、くやしさ、カーディフのピアノ科主任に対するいやな気持ちばかりが湧き上がって、涙があふれるばかりだった曲。

 楽譜を開いたら、さまざまなことが蘇り、目の前が霞むばかり。
 寝られないから、夜中2時になって、電子ピアノに向かって、楽譜を広げました。
 そして、8年ぶりに弾いたら、もちろん忘れていた部分も多いのですが、指が自然と動くところも多くて、びっくり。 何よりも、8年前、最後に弾いた時にはまだテクニック的に苦労があった場所が、すんなり弾けるようになっていて、びっくり。

 電子ピアノなのに、カーディフの音大のレッスン室のスタンウェイに向かって、隣で師匠のDr.Sが伴奏部分を弾いて下さる音が聴こえてくるような感覚。

 Dr.Sと本格的にピアノの基礎を勉強して2年目(まだ、本当にまずい頃)に弾き始めたこの曲、情けないことに、Double Thirdsの半音階でさえ、全てに指番号を振ってありました。 ありえない・・・
 しかも、当たり前すぎるような楽語にまで、日本語で意味が書かれていました・・・ どれだけわかっていなかったのか、私・・・

 グリーグのピアノコンチェルトです。 初めて勉強したピアコンなので、これよりも良い曲がたくさんあることをわかった上で、私にとってはとても大切な曲です。
  
 というわけで、今日は一日教えだというのに、つっかえながら第3楽章まで通して、すっかり夜更かしをしてしまった昨夜でした。
 ずっと触れなくていた楽譜を開くことができてよかった。 ずっと音を聴いたことがなかったのに、冒頭のオクターブを弾いたら、曲が全て蘇ってきた。 音大生だったら、簡単に弾けるこの曲を、がむしゃらにやらなくては弾けなかったのが、私なのです。
 
 弾く予定は全くありませんが、弾いていてとっても気持ちがよかったから、時間がある時に少しずつさらってみようかな、なんて思っています。
 
 リストのエチュードとか、勉強したけれど、テクニック的にぎりぎりで、一度も人前で弾いていない曲がいくつかあります。 今、もう一度弾いてみたら、案外すんなり弾けるようになるのかも、なんて淡い期待をもってしまいました。
 
 それにしても、私の電子ピアノは、リストのソナタだの、コンチェルトだの、きっと本来の目的よりもずっと大きな曲を弾かされて気の毒になってきました。 
 ですが、基本的に音大時代、夜が一番集中して練習できた私なので、夜の練習、というのははかどります。
 サマーコース中も、もちろん、係りの人に追い出されるまで夜練習でした。
 

Posted on 2012/09/15 Sat. 22:00 [edit]

category: 音楽

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15

溜まっている仕事片づけ中 

 久々に、ずうっと放ったらかしていた、日本語の自分の経歴と向かい合っています。
 というより、全面的に書き直さなくてはいけなくて、何が何だかわからぬ状況になってきました。
 英語でのものと、だいぶ違うので。
 これからは、きちんと変更がある度に書き直さなくてはいけません。

 そして、慣れないこととの戦いといえば・・・ 音源。
 今の時代、演奏をやっている身として、Youtubeに画像を載せていないことがまずい、とこちらで指摘されること数度。
 色々なことも含め、一度きちんとした音源を録っておきたい、と思って、日本で録音&録画をしてきました。
 こういうことは、日本の方が比較的簡単に見つかります。

 焼いていただいたDVDだのCDだのをまとめたり、編集したりしなくてはいけないのですが、手順を覚えるまでに少々時間がかかる私は現在すったもんだしている最中。
 CDの方はデモCDを作ることが多いので、比較的楽なのですが、DVDはお手上げ状態になってきます。
 
 日本で録ってきたものを観ながら、サマーコース前と後では、演奏が違うな、と実感しています。
 サマーコース中も一人30分時間が与えられ、CD録音をしてくださいます。
 私は、日本で録ったものとは違う曲を録ったのですが、それでも、演奏自体が違うことを感じます。

 自分の録音を聴くのは一番嫌いですが、結局は自分の録音を聴くことが、一番の薬なのですよね。
 なぜだか、Ebayで破格でそんなに悪くないヴィデオ・カメラも手に入れたことだし、少しずつコンサートをやはり録っておかなくては、と思います。 スタジオで録音するのと、本番はやはり違うので。 そして、自分の演奏を見直すことが、結局は一番の上達の近道なのですから。


 そして、さっさとやらねばならなかった、生徒たちへのグレード試験のお知らせ手紙もやっと今日から配布。
 今までは全て口頭でできていたのですが、人数が多くなると、きちんと書いて提出していただかないと、生徒の誕生日、都合が悪い日、もう覚えられません。 そして、きちんと書面に残すことにより、後々のトラブルを防ぐ。 これは、2、3年前のトラブルから学んだこと。
 仕上がりがぎりぎりの子供たち。 今週のレッスンで試験を受けるか受けないかの判断をしているので、悩まされます。 

 7月に新しく出版された、グレード試験の課題曲。
 どれとはいいませんが、あるグレード、3つにわかれたグループのうちの一つが、非常に使いにくい選曲。 
 まとめて出版される楽譜以外にも選曲できる分があるので、そちらを使うことに。 やっと楽譜が手に入ったので、明日とりあえず、生徒に弾いてみせますが、イベールなんて弾いたことがないし、私の場合、フランス物は初見が怪しいので、これから練習しておきます・・・ やはり、自分で弾いたことがない作曲家の曲は初見の難易度が上がる気がするのは私だけでしょうか・・・
 

Posted on 2012/09/13 Thu. 22:32 [edit]

category: 日常

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13

楽語 

 数日前とは一転。 薄いコートが必要な気候になってきました。
 今日は振り替えがあった為に、最後のレッスンが終わったのが、夜8時。 すっかり日が暮れていました。

 もう1ヶ月前のことになりますが、サマーコースでのレッスンでの小話をひとつ。
 
 2001年から毎年のようにレッスンを受け、イタリアでの講習会にまで参加しに行った、モスクワ音楽院のイリーナ・オシポヴァ先生。 私は今年彼女のレッスンが3回あったのですが、いつも通り、エネルギッシュで、そして叙情性豊かで、音楽が一回り大きくなるレッスンをして下さいました。
 
 彼女は、私が凄く下手だった頃から私を知っているのですから、毎回その成長(もしくは、その反対)を見てくださっています。 そして、2001年に私がサマーコースでもう駄目、と思って、大泣きして、Dr.Sと話をしたその現場に居合わせたのも彼女。 Dr.Sと勉強していた頃は、私の大学での様子が、全て彼女にも伝わっている、というまあ、私にとって、顔も上げられない恩師です。
 今回も、イスラエルのイリーナ・ベルコヴィチ先生に、私の過去の話がかなり彼女によって伝わっているようで、恐ろしい・・・


 前置きは長くなりましたが、モスクワのこのイリーナ先生とのあるレッスンでのこと。
 
 一度弾いた後、細かいことに入ります。
 まずは、テンポ感。 私はどちらかというと、ゆっくり目のテンポ感の持ち主です。
 アレグロ、と書かれた部分を先生が指し、
 
 先生:「これはどういう意味?」
 私:「はやい」
 先生:「模範解答はそうね。 でも、イタリア語本来の意味で考えたら?」

 先生:「以前、ロシアのオーケストラがイタリアへ行った時、誰もイタリア語を喋ることができなかったの。 数人のメンバーがレストランで食事をしているうちに、時間を忘れて、リハーサルに遅刻しそうになったのね。 そこで、タクシーに乗って、音楽用語を使って、タクシーの運転手に急いでもらおうと思って、”アレグロ”と言ったのですって。 そうしたら、運転手は、ニコニコ顔で、”Si!”と言って、鼻歌交じりに運転し始めたらしいの。 ロシア人たちは急いでほしかったから、何度も”アレグロ”といったのに、そのまま。 これは、と思って、”プレスト!”と言ったら、速くしてくれたらしいのよ」

 ということで、アレグロの本来の意味を考えて演奏。

 そのうち、フェルマータに差し掛かった時、私のその音の弾き方が悪くて、短めに、しかも、中途半端な長さになってしまったのです。
 すかさず止められます。

 先生:「これ何?」
 私:「フェルマータ」
 先生:「だから、どういう意味なの?」
  
 ここでの模範解答は、”ポーズ(Pause)”

 ですが、先ほどの話があるので、私は、これはイタリア語本来の意味を聞いているのではないか?と考えすぎてしまったのです。 ですから、

 私:「バス・ストップ(バス停)」

 と、答えたのですが・・・ 先生、大爆笑。

 先生:「あなたって素直よね! I love you!」
 とのことでした。 私の頓珍漢さが、他の先生方に伝わっていないと良いのですが・・・

 先生は、ポーズ、の方の答えを待っていたようでした。 

 
 音楽用語のほとんどは、イタリア語。
 ですが、フランスものを弾くと、フランス語での指示が書かれているし、シューマンの楽譜を勉強している今は、全くドイツ語がわからないので(ほんの少しの用語はどうにかわかりますが)、ドイツ語の辞書が相棒です。
 フランス語は発音がわからないのですが、なんとなくバレエ用語からヒントを得ることもしばしば。 もちろん、辞書を引きますよ。

 生徒たちの楽典(セオリー)の過去問の答えあわせをしながら、ドイツ語の用語が出てくると、実はあせります。 一人、素晴らしく暗記が得意な子がいて、感心していますが。
 
 

Posted on 2012/09/12 Wed. 21:50 [edit]

category: サマーコース 2012年

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12

考え中 

一気に気温が下がったように感じます。 

 ずいぶん前から気になってはいたものの、この夏久々に日本でピアノを学んでいる人たちに接したりしたので、再び日本のピアノ教育を考えるきっかけができ、昨日は、色々と読みふけってしまいました。

 以前から書いていますが、日本ほどピアノに関して恵まれている国はないと思います。
 
 たとえば、日本には、物凄い数のコンサートホールがあります。
 各市町村にあるのではないでしょうか? ホールの種類が色々とあって、立派なグランド・ピアノが入っていて。
 
 イギリスにはありません。
 目下、私が懸念しているのは、発表会の場所。
 日本のように発表会ができる会場はそう簡単には見つかりません。
 小さな教会を借りることはできますが、キャパが多すぎ。
 しかも、冬の発表会は寒くて行えません。
 
 日本では当たり前であろう、防音室もこの国には普通にはありません。
 一戸建てでなければ、ピアノを置くのも至難の業。

 日本の方には非常に驚かれましたが、子供たちのピアノ用足台なんてありません。 
 みな、バスルーム用の踏み台を使っています。
 でも、立派な足台を使っても、姿勢が悪い子が多い日本を見ると、非常に複雑な気持ちになります。
 
 日本の音大に通う人が驚くのは、イギリスでは(他の国もそうでしょうが)、先生と合わなければ、先生を変わるのが簡単なこと。
 合わないのに続けるなんておかしいことです。
 1度トライアル・レッスンをしてもらったって、それはあくまで1回のレッスン。 続けて行くうちに合わなくなることも多いのです。
 当たり前のことですから、お互いに円満に辞めることが多いと思います。

 日本だと、たとえば、音大付属の音楽高校に行ったりしたら、7年間は同じ先生に習う覚悟だとか・・・

 とてもではないですが、ここに書けないことも多くあります。
 我が家は、日本の音大だったら行かせなかった、といいます。
 まあ、音大へ行きたければ、10歳までに先生に目をかけていただかなくては無理、という日本では私なんて門前払いですけれど。

 ということもあり、何人かの方々には問い合わせも頂いたりもしましたが、私はこの2年間、日本で弾いていません。
 ずっと海外で教育を受けていて、リサイタルは日本風に、というのに参ってしまいました。
 地方ではお声がかかりそうなので、そのうち演奏すると思いますが、東京では、とりあえず今のところ弾かない気でいます。 いつか気が変わるかもしれませんが。

 色々と考えさせられました。

 
 話はかわって・・・

 わが師匠、Dr.S、サマーコースに行って私がこの4年間他の先生に師事していない、ということをわかって頂けたので、今まで、推薦状をお願いしいます、と言っても、
「どうせ、他の男(=大学院の時に師事したゴードン)がいるんだろ。 その人にかいてもらえばいいのに」
 とふてくされていたのですが、今回推薦状をお願いしたら、
「もちろん!」
 とのお答えでした。  なんてかわいらしい・・・

 それにしても、先生、メールで、By the way を、Btw なんて略して使っていらっしゃいましたが、誰から教わったのか・・・ 先生が略語を使うとは思っていませんでした。 時代は変わります。

 
 

Posted on 2012/09/11 Tue. 19:34 [edit]

category: 音楽

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11

空港でピアノ練習 

昼間は真っ青な空が広がっていました。 本当にどうしてしまったのでしょう?
 あまり頼りにならない、天気予報を見ると、今週は20度を越える日が続きそうですが。

 日本から帰ってきてもう1ヶ月ちょっと経ちますが、帰ってきた後は色々とありすぎて、日本へ行ったのは遠い昔の話のように思います。
 
 とりあえず、やる気になったからなのか何なのかわかりませんが、今は扱う書類が多くて、ここぞとばかりに日本で仕入れてきた文房具にお世話になっています。
 今回は、浅草橋にビーズを買いに行った時、同じ通り沿いにある、シモジマにて、文房具品の纏め買い。
 日本のことをあーだこーだ、普段から申しておりますが、文房具に関しては日本が素晴らしい。
 特に、ファイル類の充実。いくつか買ってきましたが、早速役立っています。
 
 鉛筆だって、日本のものは優れています。
 今まで、生徒数が少なかったからか、1年間で2本の鉛筆を使い切らなかったのに、この1年は、3本目に突入。 日本から2本しか買ってきていなかったので、イギリスでドイツ製(イギリスのものに比べれば、はるかにマシ)を購入したにもかかわらず、すべりが良くなくて、手が疲れる。
 今回は、半ダース買ってきたので、大丈夫でしょう。 


 前置きが長くなりましたが、本題。
 今回は、エール・フランス(英語風によると、エアー・フランス)を使用して、パリ経由での日本行きでした。
 行きは、2階建ての飛行機。 きれいで、ちょっと空間もあるように思えて、しかも、隣が空いていたので、快適でした。 乗り物好きな私は、もちろん2階を予約しましたが、まあ、機内に入る時に違うだけで、あまり実感はありませんね。

 帰りは、夜便。 混んでいましたが、私の隣は空いていて、足を曲げてですが、横になって帰ってきました。
 早朝、4時15分にパリ、シャルル・ド・ゴール空港に着いて、ロンドン行きの飛行機のターミナルに移動。 多分、1番最初に着いた飛行機だったようで、ターミナルは閑散していました。 もちろん、お店も何もやっていません。

 

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 機内持ち込み荷物を最大にしている私にとって、ターミナル内のカートがあるのが嬉しい。
 というわけで、鈍った体を動かすべく、人気の無いターミナルを歩き回りました。


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 そうしたら、何故かピアノを発見! 
 ふたを開けたら、鍵がかかっていません。
 何も書いてないし、もし音を出してみて、問題があるのであれば、誰かが飛んでくるだろう、と思って、早朝ピアノ練習。
 譜読みをしたかったのですが(万が一を考え、すぐに必要な楽譜はいくつか手荷物)、それはやっぱり悪いな・・・と思って、レパートリー練習を45分ちょっと。
 誰も何も言いませんでした。
 レパートリー練習、といっても、やっぱりここはフランスだから、なんて思って、フランス物+ショパンを弾いておりました。
 今となっては、ピアノのメーカーは忘れてしまいましたが、少なくとも、残念ながらフランスのメーカーではありませんでした。

 空港で長めの乗り継ぎ時間がある時、ピアノさえあれば、全く問題ないのに、と常々思っているのですが、今回は、やはりそれを実感しました。

 
 

Posted on 2012/09/09 Sun. 21:07 [edit]

category: 日本

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09

テムズ川の日没、土曜日 

夏日が続くロンドンです。
 昨日なんて、夜になっても、半袖で外を歩くことができたほどでした。

 勝手ですが、19日に海辺街でコンサートがあるので、ビーチでゆっくりできるようにこの天候が持ってくれたら嬉しいですが、あと10日は難しいかな。

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 久々にロンドンらしい写真を。
 8時頃には暗くなってしまうロンドンの日没のテムズ川。
 先日、セントラルで教えた後に、とっても気持ちが良い夜だったので、テムズ川までお散歩してしまいました。
 川辺を歩きながら、今週中に提出しなくてはいけなかった、来月のコンサートのプログラム決め。
 2回のコンサートは、同じところが主催で、違うところで同じプログラムを弾く、という私にとっては非常に珍しいことをやります。
 10月17日のショパンの命日にあわせて、ショパンを半分入れることに。


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 テムズ川沿いの建物って、素敵なものがたくさんあります。
 そのシルエットが、この時間は美しさが増すように思います。
 日が短くなってきたら、あせらせるかのように、クリスマス・カードを売るお店を見かけるようになりました。
 クリスマス・カードを出す時期は、今年はグレード試験であたふた、自分のことでも切羽詰まっている予定なので、宛名くらい書き始めましょうか。

 今週は、書類、調べ物であっという間に時間が過ぎて行きました。
 永遠に終わらない大量の譜読み、やらなくてはいけない楽譜のコピーが目の前に積まれています。

 久々に、長い土曜日の教え。 途中で、集中力切れ。 ちょうど、スーパーストアまで徒歩2分ほどのお宅の教えの後だった為、スポーツドリンク、チョコレートを買えたので、ラッキー。
 場所によっては、お店がありませんので。
 それでも、1軒のお宅がお引越しをして、今までよりも乗り継ぐバスが1本減ったので、非常に楽です。
 朝から、生徒の譜読みをチェックしながら、運指が書かれていない楽譜に指使いを書き込んで行く。
 バッハは、やはり迷いながらになってしまいます。
 元々、指使いを考えるのは苦手ではないのでよいのですが、自分が弾くのと、生徒が弾くのはまた少々違いますからね。


 明日で、パラリンピックが終わりますね。
 時折、パンクラスの駅の外のスクリーンで、競技を垣間見ることができました。
 女王のジュビリー、オリンピック、2つの大きな行事が終わって、きっと抜け殻になるイギリスです。
 

Posted on 2012/09/08 Sat. 19:48 [edit]

category: 日常

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08

よき指導者に出会うこと 

 一昨日のバレエ・アソシエイションは、プリンシパルのマリアネラ・ヌニェスによるものでした。
 
 ここに内容を書くことはできませんが、前回彼女がバレエ・アソシエイションに来た4年前から現在までを振り返りました。 色々な作品のリハーサル、思い出などについて話をしていきましたが、その中で、指導者についての話がありました。
 簡単に言うと、彼女は指導者の大切さ、その作品を振付家自身と作り上げた人にその作品を習うことの意義、などについての話をしました。
 
 話の中でも触れましたが、昨年5月にロイヤルバレエが初めて取り入れた、ジョージ・バランシンの『王妃の舞踏会』のプリンシパル・ガールを初演した、メリル・アシュレイ。 彼女がマリアネラを指導するのは、昨年、今年、2度ほどオペラハウスの一般公開のスタジオのリハーサルで見せていただきました。 よって、より鮮明にマリアネラの話を聞くことができました。

 ここで何度か書いたように、私は今年久々にサマーコースに参加して、9人の先生方の指導を受けてきました。
 あう先生、そうでない先生、色々といます。
 私は何度も参加していて、どの先生がどのような作品が強いのかを知っているので、それを考慮して曲を持っていきましたが、それを知らないと、とっても苦労した参加者も多かったのが事実です。

 師匠には、モーツアルトのソナタを見て頂きましたが、次の段階に進む為のタッチ、フレーズの作り方を教えていただきました。 常に、次のレヴェルに進める先生、というのは全員ではありません。 

さすがに、今の状況だと、師匠のご都合も私のスケジュールでも、週に1度レッスン、というのは不可能です。 でも、本当はもっと学びたいことがある。 私は師匠と続けて勉強したのは6年間。 でも、普通の人で言うと、6歳から15歳くらいで学ぶものを21歳から学んだのです。 だから、本当にもっと先生と勉強しなくてはいけない。
 
 私の怪我、師匠がふてくされたり(これは、私が王立音楽大学でゴードンと習ったことが原因。 これは最初からわかっていたことなのです)。 師匠としてみれば、私が王立音楽大学を卒業してから4年間、師匠のところに行ったのは数えるほど。 絶対に、ゴードンと続けてレッスンをしている、と思っていたようです。 まあ、わかりやすくいえば(?)カップルが片方の不倫を疑っているようなものですね。 経験がないので、なんとも言えませんが。 今回その誤解は解けたので、良かったです。 

 私は、定期的にレッスンを受けなかったこの4年間を無駄な時間だった、とは思いません。
 2008年のサマーコースで全ての先生をがっかりさせて、自分でもがっかりして、考えました。
 ゴードンと学んだ2年間は決して無駄ではない。 私に欠けていたものを与えてくださったのがゴードン。
 だから、とりあえず、自分でできるところまでがんばってみよう。 それまでに師匠をはじめ、モスクワのイリーナ先生などから学んだものとゴードンから学んだものをつなげてみよう、と思っていました。
 指の靭帯損傷で、ほとんどピアノを弾くことができなかった期間もあったのですが、自分なりに色々と消化していきました。 表現面では、言う必要がありませんね。 ロイヤルバレエ、という素晴らしい師匠がいたのですから。

 何度も書いているように、サマーコースでは、イスラエルのイリーナ先生に出会ってしまいました。 今までにマスタークラスを含めると、かなりの先生方の指導を受けています。 中にはそれなりに有名な先生もいらっしゃいます。 でも、今回ほどの衝撃を受けたことはなかった。 舞台に50回以上あげているであろう、ショパンの幻想ポロネーズが心地よく変わって行く瞬間。 物凄い衝撃が体の中を走りました。 冒頭を、先生が私の反対側に立って音楽を運んでくださったのですが、弾きながら、先生と私の目が離れないのです。 その瞬間、今まで弾いていたのは何だったのだろう?と思うほど、音楽が変わりました。

 正直、大きなコンクールはもう年齢制限で受けられないし、世の中がほしいのは、10代の若手。
 私なんて本当にどうにもならない存在で、細々と演奏を続けている身。 それでも、演奏した先々でまた聴きたい、と思っていただけたらそれが嬉しい、と思う状態でした。
 でも、あの厳しくて、絶対にほめてなんてくれない師匠が、今回、4年間の上達を評価して下さり、プロとして成長した、といわれたこと、私にとってこれ以上ない喜びです。 反対に、これから先、絶対に先生を再びがっかりさせたくない、と思いましたが。
 もう一度、がんばってみようかな、と思えました。 今の私を伸ばしてくれる先生に出会えたのだから、絶対にそれを失ってはいけない。 というよりも、まだまだ伸びる余地があることがわかって、ほっとしました。 
 テクニックを身につけられるのは遅くても18歳、というこのピアノの世界において、私は、この1年間が非常に大きく伸びた年だと思っています。


 指導にしたって、どんなにがんばったところで、私は一人の個人レッスンの先生でしかない。 趣味でやる子達を、私自身がくいの残らぬ指導をする。 少しずつ、グレードをとったり、フェスティヴァルで入賞する子達が出てくるのが嬉しい。
 この夏、日本人で、ピアノをかなりまじめにやっている子と、そのお母様から私の指導を高く評価して頂くことがあり、そして、日本の現状を知るにつれて、色々と考えさせられました。
 専門的にピアノをやろうとしている子で、私に習いたい、と言ってくれる子を断ってイギリスにいることにしたのだから、という思いがあるのでしょう。 今週は、私の生徒たちはしごかれてかわいそう。 いやいや、夏休みボケしている子供たちを引き締めていかないと、この冬のグレード試験で苦労します。

 あのマリアネラでさえも、いや、狭き門をくぐったロイヤルバレエのダンサーたちだって、よき指導者に指導してもらっている。 私がレッスンを受けない理由は無い。
 というわけで、マリアネラの話を聴きながら、頭に浮かんだのは、私が習いたい先生方の顔でした。
 

Posted on 2012/09/07 Fri. 22:41 [edit]

category: 音楽

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07

新学期が始まりました 

夏日が戻ってきているロンドンです。
 
 昨日、今日から、家のあたりの公立の学校は新学期を迎えたようです。
 バスに乗っても、真新しいジャンパーを着た小学生、まだ体にあっていないジャケットを着た中学生をみかけます。 
 ちなみに、イギリスでは、入学式のようなものはありません。 ほとんど、初日から午後まで学校ですごします。

 
 子供たちも、ほとんど先週、今週からレッスンに戻っています。 2ヶ月間レッスンをしなかった子達もいて、やってある人とそうでない人の差が非常に激しい。 特に、この冬にグレード試験を受けるつもりでいて、きちんとスケール、アルペジオ、初見をやっていなかった人たちは、新学期早々私から雷を落とされる羽目に。
 
 早いうちから、スケール、アルペジオをはじめること、とても大切だな、と身にしみています。
 小学校5年生くらいになって私に習って初めてスケールをやるこは、非常に時間がかかることが多いです。
 それに引き換え、ピアノを始めて、基礎の指作りがおわってすぐにスケールを始めた子は、4、5歳でもどんどんスケールを覚えていきます。

 私自身が、大学生になってスケールを始めて、非常に苦労したので、よけいこのように思うのかもしれません。 ですが、イギリスではグレード試験で、スケールが必須です。

 この夏休み中、学年があがるほど、ロンドンにいても初見、スケールをやっている人が少なかったのが残念。
 これらは面倒だけれど、積み重ねが非常に大きいのですから。

 
  昨夜は、今年度最初のバレエ・アソシエイションでした。 久々にオペラハウスのお友達(皆さん、私よりもずっと年上)とお会いし、やっとロンドンに帰ってきた思いがしました。
  話を聴きながら、色々と私自身のことと重なって思ったことがあったので、明日にでも。

Posted on 2012/09/06 Thu. 20:33 [edit]

category: 日常

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06

イギリス生活15年目に入りました 

9月1日。 1997年9月1日の早朝、ヒースロー空港に初めて降り立ちました。 
 1998年から1999年にかけて日本で過ごしたので、今日から、イギリス生活15年目が始まります。

 親の仕事の関係でもなく、結婚でもなく、単身での私の年齢でこの年数、というのは長い方に入るかと思います。
 
 8月31日に、成田空港を経ち、古い香港の空港を経由して、ロンドン入り。
 10人の日本人留学生と共にヒースローに降り立ちました。
 今と違って、学生ヴィザを空港の入国審査で取得できた時代。
 学校の受け入れ許可書などを持って、ドキドキしながら、英語の心配をしながら入国審査を受けたこと、つい昨日のように思い出します。
 
 現地の受け入れの方が出迎えてくださって、みなでミニバスに乗り込んで、初めてイギリスの景色を見たこと。
 その景色がとっても懐かしくて、ここで生まれたように感じたこと。

 祖母の家にでさえ、一人で泊まったことが無い、ましてお友達が家に泊まったことはあっても、私がお友達の家に泊まることはない、という人が、初めて、全く知らない人の家で1年間生活をする。
 イギリスに知っている人は全くいない。

 18歳になってすぐ、色々な不安があったのだろうと思います。
 でも、16歳の時から大学はイギリスで舞台美術を勉強する、と決めていた私には、自分の人生を切り開くもの、やってやる!という気持ちが強かったことは覚えています。

 イギリスに行く、と決まっていたのに、英語を勉強せず、学力別の英語の授業は、全部一番下のクラス。 しかも、追試の常連。 現在では、英語がある程度できないと学生ヴィザがおりません。
 そんなことを心配しなくてよかった、15年前。
 
 日本語で誰かに相談なんてできません。 今みたいに、インターネットが発達していません。
 家族との電話は、月に1度。
 あの一年、ほぼ毎日日記のような手紙を書いて、日本の家族に送っていました。
 今はまだ読む勇気がないけれど、もう少し経ったら、当時を振り返ってみたいな、と思います。
 最初はちゃんと漢字で書いていた手紙が、段々と平仮名になり、最後は、英語が混ざった手紙。
 今以上に、日本語をほとんど使わなかったから故に起こったことです。
 
 わからないことばかり、宿題を間違えてやっていくのは日常茶飯事。
 それでも、がんばっていることが伝わると、私がわかるまで説明して下さった先生方。

 休み時間のおしゃべりも、全くわからない。
 
 イギリスでのこれまでの14年間、鮮明に思い出すことばかりですが、あの一年目ほど強烈な印象を残した年はありません。
 でも、ロンドンの大都会、日本人が多いようなところでは決して経験することができなかったようなことを経験できた、貴重な年でした。

 渡英する直前まで、夜暗くなると、必ず駅まで母が迎えに来ていた家でした。
 その心配性の母が、「人間が生活しているところなのだから、大丈夫」
と言って、母だって行ったことが無かったイギリスに誰も知っている人がいないのに送り出してくれたことには感謝です。
 そして、本当は美術大学に行く予定が、あの一年間で、音楽を勉強することにした。
 誰もが全く何も見えない中での進路変更でした。

 全く後悔していません。
 15年間のイギリスでの生活は、良いことばかりではありません。
 たくさんの素敵な時間があったのと同じくらい、大変な思いもしてきています。
 「のだめ」以上です。
 それでも、私はこの国が好きだし、私の教育はこの国でなされたものだから、この国で、次の世代のお手伝いができたらよいな、と思っています。
 
 音楽、芸術に関して、私は日本では、日本人、という人種で駄目になったことが多々あります。
 でも、イギリスで、日本人だから、という理由で何かを断られたことはありません。
 イギリスで教育を受け、ピアノの演奏はロシア系で、人種だけが日本人。
 非常に厄介です。

 よく、「イギリスのどこがすきなの?」
と聞かれます。
 わかりません。 きっと、言葉で言い表すことができない何かがすきなのだと思います。

 病気になっても、帰ってきて、といわないでいてくれる母。
 母の様子を気にかけてくださる母の友人。
 皆さんが支えてくださるから、私はこうしてこの国で生活することができます。

 ずっと、綱渡りでヴィザを更新してきました。
 永住権の前には、ちょうど4年前ですね、ヴィザの申請が却下されて、裁判も行いました。
 永住権が取れたからこそ、今こうしてイギリスにいられます。
 
 15年目、どういう年になるのでしょう?
 ピアノがまだ伸びる部分があることに気がついたから、ここでもう一がんばりしたいな、と思っています。

 あれだけ英語ができなくて、渡英直前まで、中、高の先生方から、
「加藤さん、イギリスに行ったら英語を話さなくてはいけないこと、わかっているの?」
といわれ続けていた私。
 イギリスで論文を書いて修士号を取って、いまだにこの国で生活している、と知ったら、先生方、とっても驚くでしょうね。

Posted on 2012/09/01 Sat. 23:34 [edit]

category: 日常

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