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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

パ・ド・ドゥの芸術 

一気に日が短くなったように感じるのが冬時間が始まった日。


 普段はのんびりと過ごすことが多い日曜日、今日は北ロンドンのJJエリアと呼ばれる(呼ばれた?)ゴルダーズ・グリーンから歩いて10分弱のところにある、Ivy Houseというところへ行って来ました。

 元々バレリーナのアンナ・パヴロワが20年以上住んだところを改装して、現在はロンドンユダヤ文化センターとなっています。

 1、2年前にたまたまバスに乗っている時にここのことに気がつきました。

 なかなか行くチャンスが無かったのですが、今日はとても興味深い催し物が行われることがわかったので、早くから予約をしておきました。


 『The Art of the Pas de Deux (パ・ド・ドゥの芸術)』


 プレゼンテイション: ゲラルド・ドウラー(Gerald Dowler)


 ダンサー: ローレン・カスバートソン、 ニァマイア・キッシュ

 

 ピアニスト: フィリップ・コーンフィールド(ロイヤルバレエ)



 見た目は、大き目の普通の家。

 そこのグラウンド・フロアの広間に、100席ほど椅子が置かれ、5メートル四方くらいのところでダンサーが踊りました。

 リノリウムも無く、フローリングの床、狭い、とてもやりにくかったことと思います。

 

 客席からも、フラットですから、見にくいのですが、それでも、このような全く恵まれていない場所で、世界最高峰のバレエ団の一つのプリンシパルダンサーたちがデモンストレイションをしてくださる。 これがイギリスの凄いところなのです。


 もしこれが日本なら・・・ ダンサーが嫌がるでしょうし、バレエ関係者がもしも観に来たなら、文句が出るでしょうね。 日本は、まず最初に見かけからですから。


 もちろん、ここで、コンサートも行っているようです。


 どのようなところで行うのか知らなかったので、正直、とても驚きました。 それと同時に、上に書いたように、イギリスって素敵だな、と再認識したのです。


 

 1時間半ちょっとだと思いますが、まずは、プロジェクターを使って、Mr ドウラーのお話。 彼はファイナンシャル・タイムズにも書いていますし、イギリスで発行されているダンス雑誌、ダンシングタイムズにも良く書いていらっしゃいます。 彼の記事は興味深いことが多いので、今回の企画を知った時、ダンサーうんぬんよりも、まずこの方のお話が伺えるのなら!という気持ちでした。


 アントワネット・シブレーとアンソニー・ダウエルの『真夏の夜の夢』のリハーサルをアシュトンがしている1980年の録画。 そして、1962年に収録されてテレビ放送されたという、マーゴ・フォンテーンとルドルフ・ヌレエフのジゼル第2幕のパ・ド・ドゥの一部(これは白黒)、パリ・オペラ座バレエの『ラ・バヤデール』の影の大国の長い布を使ったパ・ド・ドゥの部分。

 そして、これはかなり面白かったのですが、1913年に収録した、誰が振付けたのかはわからないという、多分シューベルトのピアノソナタのゆっくりの楽章(何番か思い出せません)で踊るパ・ド・ドゥ。

 名前が聞き取れなかったのですが、ロシアのダンサーたちで、エカテリーナという女性と、その夫のヴァシリー・テフミロフというダンサー。 これは、男性が、今から考えると想像つかないほど太っていて(女性もぽっちゃりはしていますが)、生足に、Mrドウワー曰く、「おむつのような」パンツ。 上は何か羽織っていましたが。

 いわゆる、男性は、サポートに徹していた、そして、彼は後にスパルタクスに繋がるような男らしさがある顔。


 そして、アシュトンの『リーズの結婚』より、畑でのパ・ド・ドゥのコーダを、レズリー・コリアとマイケル・コールマンの動画で見ました。


 要は、パ・ド・ドゥというものが、どのように移り変わっていったのか、男性は、女性を支えているだけに思うかもしれないけれど、実は縁の下の力持ちなのだ、ということの説明。

 

 パ・ド・ドゥの女性と男性、というのは、音楽で言うと、デュオの旋律楽器(ヴァイオリン、チェロなど)とピアノの関係に似ていると思います。


 ここまで約30分。


 ここで、ローレンとニァマイアがお稽古着ででてきて、パ・ド・ドゥとは何か実演。

 

 まずは、学校時代にどのようにパ・ド・ドゥのお稽古を始めたのか、実演してくれました。

 これはパ・ド・ドゥは踊ったことがない私にとって、新鮮でした。

 女性のバランスの位置をつかむこと、アダージョ2種、ピルエット2種、ジャンプ2種、少し複雑なプロムナード。

私が通っていたバレエ教室が2年前に舞台上でバレエのバーとセンターレッスンを発表会でみせました。

 この時、パ・ド・ドゥもあったのですが、結局作品を一つお稽古着で踊る、というだけで終ってしまいました。

 このようなことを見せたら、もっと興味深かったのに、と残念に思えてなりません。


 ジャンプの部分を見ていて、思い出しました。

 高校生の時だと思いますが、今は谷桃子バレエ団で踊っている2、3歳年上の男の子がパ・ド・ドゥのお稽古をするのに、まずは手始めに、私など背が高いのが駆り出されて、シンプルなジャンプのサポートの練習をしたことがありました。 


 そして、これらのレッスンでやっているような基礎の基礎が発展した形がたくさん含まれている、ということで、『くるみ割り人形』のグラン・パ・ド・ドゥのアダージョを途中まで説明を交えながら踊りました。

 場所が無いので、ところどころつっかかりながらでしたが。

 一度、客席に背を向ける形で一部分を踊り、普段は正面で女性が見える形ですが、男性が何をやっているのかみせてくれたりもしました。



 そのご、再びお話に戻り、写真をいくつか見せながら、これらのクラシックのパ・ド・ドゥがどのように変化しているかのお話。


 正直なことを言うと、これらのお話は知っていることがほとんどです。

 が、人の話を聞くと、どのように説明するのか、どのように話すのか、色々と勉強になることがたくさんでした。


 再びローレンとニァマイアが出てきて、例えば、プロムナードがどのように発展するのか、先日二人が組んで踊ったばかりのマクミランの『レクイエム』の一部分を抜き出してきて説明。

 ローレンが初演した『不思議の国のアリス』がいかに、日常生活の動きをバレエ化させたのかの説明。

 アリスを踊っていないニァマイアは急にローレンがこれをみせる!と言い出して、???という状態だったりもしましたが。

 19世紀には、マイムを使っていたのが、20世紀になると、それが減って誰でもわかるような、日常生活の動作などに変わっていきます。

 

 マクミランの『マノン』の第2幕のブレスレットのパ・ド・ドゥの最後の部分が、どのようにクラシカル・パ・ド・ドゥから変化しているのか、そして、体で表す表現。 

 

 最後はマグレガーの振付にも、クラシックの形が入っているのだ、ということを説明。 こちらも、ニァマイアは踊っていませんから、ローレンが色々と言いながらでしたが。


 そして、最後に、衣装付で『眠れる森の美女』の第3幕のグラン・パ・ド・ドゥのアダージョ。

 衣装付、というので、現ヴァージョンの衣装を想像していたら違う! あれは、1993年のアンソニー・ダウエル版の『眠り』の衣装! 私が一目ぼれをしてロイヤルバレエの衣装部に手紙を書いたときの衣装でした!

 外で踊るようにまだとってあったのでしょう。


 もちろん、場所が狭いし、床がすべるので踊りにくいと思いますが、それでも、普通の家の広間であれを観たら圧倒されます。

 ニァマイアは昨年移籍してきてからすぐの10月の『テーマとヴァリアシオン』でいくつかのサポート失敗があり、パートナリングが下手、というようになってしまっていますが、私はこれまでに彼の舞台はオペラハウスでほとんど観てきて、決してそのようなことはないように思います。

 今日も、もちろんジョナサン・コープほどではありませんが、サポートがきれい。

 かなり際のところでのフィッシュなど、それでも、安定感がありました。


 

 ローレンとニァマイアがデモンストレイションをする部分は、完全に二人が話もしました。 

 いつものように(リハーサルや、インサイト)ローレンは、おちゃらけたり、ムードメイカー。 彼女は話し方もはっきりとしていて聞き取りやすいですし、引っ張っていくことができます。

 それに比べ、普段のニァマイアは、アメリカ人でアメリカ英語だけれど、それでも、一応英語が母国語でしょ?といいたくなるほど、シャイで、話し方も大人しい。

 が、今日はずいぶん積極的に、はっきりとしゃべっていました。



 100人ほどの観客、4、5人オペラハウスで見かけた方々がいましたし、顔見知りのご夫婦もいらっしゃいました。

 が、ほとんどは、とってもポーッシュで、私なんて場違いな感じ。

 久々にイギリスのああいう上の方たちばかりが来ているようなところへ行きました。

 オリエンタルなんていません。 私以外は皆白人。

 今のロンドンで、そして私の生活圏内でこういうことは珍しい。

 もちろん、オペラハウスだってロンドンにしては信じられないほど白人ばかりです。 が、あそこまで凄い雰囲気の人たちに久々に囲まれました。


 案内には、彼らが、アシュトンの『ラプソディー』を踊る、と書いてあったので、あのラファソラレーの部分だろう、とは思ったものの、彼らがこれを踊ることなんてオペラハウスではないだろうから、良い機会だわ!と思っていたのですが、場所の関係もあったそうですが、これがなかったのが、残念、といえば残念でしたが、とても有意義な日曜日の午後になりました。

Posted on 2011/10/30 Sun. 02:50 [edit]

category: バレエ

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30

10月末のイギリス 

 暖かい日でした。

 夜になるとだいぶ気温が落ちましたが。

 明日の夜中に夏時間が終ります。 よって、今日は25時間ある感覚。

 本当は夜中の1時だったか、2時だったかに時間がかわりますが、私はホームステイ時代も、寮時代も寝る前に時間を変えるように、といわれていたので、今日変わる感覚でいます。


 忘れる人は忘れるので、マンチェスター時代、在英4、5年目だった日本人のお姉さんの家に時間が変わってから数日後によらせてもらった時、時計が夏時間のまま。 彼女は数日間、どうして今週は皆授業が1時間遅れなのかしら?と思いつつもそのまま生活していた、という びっくりする話もありました。

 夏から冬に変わる時はまだ良いですが、3月末に冬時間から夏時間に変わる時には時間が1時間早くなるのですから、間違えると大変。

 英語学校時代には、かなりのクラスメイトが遅刻してきました。 でも、本人たちにその自覚は無しです。


 

 ハロウィンを目の前に、そして今日は1時間の余分があるのですから、いつもどおり、いたるところでパーティーなのでしょう。

 こういうところが私がイギリスが好きな部分なのですが、チューブでも、バスでも、ドラキュラとか、様々な仮装をした人たちが、そのファンシー・ドレスのまま公共の乗り物に乗っています。

 日本だったら白い目で見られそうですが、ここはロンドンです。 

 たとえ、グループでなくて、一人でそのような格好をしていても、気にしません。

 顔を真っ白に塗って、血を流しているような人が乗っていると一瞬びっくりはしますが。


 

 10月末、一番思い出すのは、1年目、1997年9月からのケント時代です。

 英語もまだわからなくて、美術の授業も日本でやってきたものが全く通用しなくて途方に暮れ、チェストインフェクションにかかり、何がなんだか分からなかった頃。


 ホストファミリーの家で、同じ学校の同じ学年だったホストシスターのお友達とその友達、計100人くらいが来てパーティーをしたのがこの頃の楽しい思い出。

 原っぱに建っていたホストファミリーの家、隣に古い馬小屋がありました。

 電気も通っていないのですが、仮設の電気を使って、誰かがDJの道具を持ってきて、踊りまくります。

 もちろん、馬小屋には入りきれないので、外でも。

 隣の家が見えないくらい離れていたので、夜中中騒いでも、全く迷惑がかからない、という環境でした。


 そして、数日後、年下のホストシスター、ブラザーたちとその友達とでハロウィン・パーティー兼、ちょっと早いガイ・フォークス。

 庭にボンファイヤーをたいて、焼きマシュマロを作ったり。

 あの時、とても寒かったけれど、庭の芝生のテニスコートに寝転がってみた星空、今でも忘れることができません。

 周りに何も無いから、余計に空が美しかったのでしょうね。


 まあ、こんなにのんびりしたのはこの年だけです。

 その後は、大学生の10月末というのは、とんでもない忙しさなので、季節を感じたことなんて、全然ありません。

 今でこそこうしてバレエを観に行ったり、ゆくりしたり、という生活を送っていますが、学生時代は学校と家の往復、学校ではピアノの練習か、文献を読むか、書くか、というだけでも全く時間が足りない日々を送っていたので。


 一番つらい11月を乗り切りたいと思います。

Posted on 2011/10/29 Sat. 02:57 [edit]

category: イギリス事情

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29

ひらめきのレッスン 

今年は今のところ暖冬です。

 

 来月にグレード試験を控え、試験曲も仕上げの段階に入ってきました。

 一番楽しい作業です。 そして、子供たちの性格が明確に現れ、私自身もひらめきを要求される段階です。

 思考能力をレッスンで使い切るので、レッスン後、バスに乗っても本を開いても内容が頭に入ってこなくなります。


 私は、師匠のDr.S譲りなのだと思いますが、一つの曲を違う生徒同士同じようには仕上げません。

 もちろん、フレージング、アーティキュレイションなどは決まったものがあります。 指使いは、生徒の手の大きさ、開き具合によって変えていくことがほとんどです。


  

 今回、かなりの飛び級をしてグレード試験を受ける女の子がいます。 

 もちろん、それまでに時間をかけて土台を作ってあるので可能なことです。


 ナンネルのノートブック(練習帳?)の中の1曲が課題曲に入っていたのですが、タイトルは、《アレグロ》。 

 曲想をつかむヒントになるタイトルではありません。

 ですが、とても賢い彼女は、すぐに自分のイメージを伝えてくれました。 それを元に、今度は私がここはどうする?とか、同じフレーズが2回出てくるけれど、どういうイメージの変化をさせるの?という質問をしていきます。

 基本的に彼女のイマジネイションが優先。 あまりにも違いすぎる時には、修正。

 どうしたら、そのような音楽になるのかを一緒に考えていきます。

 

 「古い機関車に乗っているの。 ここでは、機関車と一緒に象が走っていて、小鳥が象の頭の上を飛んでいるの」という、想像できるようなできないようなことを言ったりもしますが、とりあえず、彼女がそれがわかりやすいのであれば、それで良いと思うのです。

 正しい、間違っている、ということはないと思うので。


 先週の課題は、とにかく、キャラクターをきちんと考えてくること。

 今日の彼女の演奏からは、それが手に取るようにわかりました。

 もちろん、うまくいかない部分もあり、それは、私がイメージのヒントを伝えたり、弾き方を教えることによって解決していきます。

 今日は、物凄くよいひらめきがあり、なかなかできないでいた部分、彼女にそのイメージを伝えたら、すぐにつかむことができました。 でも、残念ながら、私も常にこのようなひらめきがあるわけではありません。


 半年ほど前、ワルツ、を勉強した時に色々な話をして、そしてワルツを一緒に踊りました。

 今回、カバレフスキーのワルツを弾いていますが、彼女のワルツは、あの時に勉強した時のワルツ。

 でも、ここでは違うものが欲しい。

 もっと、皮肉とか、sneakyな部分も欲しい。

 8歳の女の子にこれらを全て理解させるのは難しい。


 という話をしていたら、「わかるよ! 今週、パパが古い映画をみせてくれたの。 その時に舞踏会のシーンがあって、見た目はエレガントで豪華なのだけれど、お互いに何かを疑っていたり、怪しい感じが漂っていたのよ」

 先週だったか、先々週だったかのレッスンの後、お父様が子供たちのピアノの理解度を高める為に、古い映画で舞踏会のシーンがあるものをハーフターム中に見せる、とおっしゃっていました。

 が、いったい何の映画を子供たちに見せたのでしょう?


 弟も、先週までは音は弾いても雰囲気が全くでなかったメヌエットがいきなり、それなりの音楽になっていたのです。

 

 やはり、こうして何かを見る、というのは大切です。

 

 私は、子供たちが基本的に自分で練習できるようにノートを書き、レッスン中に確認もします。

 ご両親にして頂きたい事、それは決してピアノの弾き方を教えることではありません。

 こうして、何かを見せる、本を読ませる、きっとこのようなことだと思います。

 

 決して音楽と関係あることばかりが必要なことではありません。

 空の色、雲の動き、落葉、木が風で揺れる様子、車の動き方、公園を歩く時、赤ちゃんに触れる時、その全てが音楽になってくるのです。

 

 7歳の男の子、なかなか曲想がつかめませんでした。

 昨年、従妹さんに赤ちゃんが生まれ、それを嬉しそうに話していたことを思い出し、「赤ちゃんがそばで寝ているのを想像して。 こう弾いたら、赤ちゃんはハッピーだと思う? 赤ちゃんにはどうやって触れるの?」という話をしているうちに、わかってきたようです。

 

 今日は、フレーズの終り方がよくなくて、私に、「あなたは、赤ちゃんを抱っこしていて、ベッドに寝かせてあげる時、放り投げるんだ」と言ってみたら、一気に変わりました。


 子供に寄って違いますが、この子に、フレーズの終り方を気をつけなさい、と100回言っても直らなかったでしょう。 でも、この子が想像しやすい方法を伝えたら、直る。


 指導する側としては、皆に違う方法で伝える必要があるので、常にアンテナを張り巡らせていなくてはいけません。

 が、これが一番楽しく、そして私自身が子供たちから多くを学ぶ場でもあるように思います。


 今は非常にバランスが悪く、月曜日から木曜日は導入ばかり。 しかも、毎日日本語。 そして、金曜日、土曜日はグレードばかりで、英語のレッスン。

 昨年の今頃、えっちらおっちら弾いていた子が、今はそれなりの曲を弾くのをみると、感慨深いものがあります。

 だから、この仕事を続けることができるのでしょうね。

Posted on 2011/10/28 Fri. 06:33 [edit]

category: 音楽

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28

ロイヤルバレエ、『眠れる森の美女』 マリアネラ、 ティアゴ 

 先週の土曜日から、ロイヤルバレエの眠れる森の美女が始まりました。

 今回は、12月21日まで続きます。 長いです。 もちろん、間にトリプル、マノンが入って、12月にはくるみ割り人形も始まります。


 今回は、2006年5月にこのプロダクションが始まった時とは衣装が変わりました。

 これについては、詳しくは、先日バレエ・アソシエイションでモニカ・メイソンのお話を伺った時に聞いていますが、色々と事情があるようです。 衣装については、キャストの下に、いくつか目に付いたものを書きました。


 コスチュームの一つ、リラの精の衣装について、http://www.roh.org.uk/beauty より、オペラハウスの動画を見ることができます。 やはり、ロイヤルバレエのチュチュには秘密がありそうです。


 そして、金曜日に行われた、ドレス・リハーサルの写真は、http://www.ballet.co.uk/gallery/dm_royal_ballet_sleeping_beauty_roh_1011  より。

 マリアネラ、ティアゴのキャストだったようです。


 『眠れる森の美女』 プティパ振付、モニカ・メイソン、クリストファー・ニュートン版、 チャイコフスキー作曲


 オーロラ姫: マリアネラ・ヌニェス

 王子: ティアゴ・ソアレス

 

 カラボス: ジェネシア・ロサート

 リラの精: クレア・カルヴェート


 フロレスタン王: クリストファー・ソウンダース

 王妃: エリザベス・マクゴリアン

 カタビュラット: アラスター・マリオット


 

 《プロローグ》

 

 水晶の泉の精: ユフィ・チェ (騎士: リカルド・セルヴェラ)

 魅惑の庭の精: 小林ひかる (騎士: ヴァレリ・フリストフ)

 森の草地の精: ヘレン・クロウフォード (騎士: ヨハネス・ステパネク)

 歌う鳥の精: アイオーナ・ルーツ (騎士: ホセ・マーティン)

 黄金の葡萄の精: ディアドル・チャップマン (騎士: アレクサンダー・キャンベル)

 リラの精の騎士: 平野亮一


 リラの精のお付の妖精たち: エリザベス・ハロッド、 レティシア・ストック、 サビーナ・ウェストカム、 ジェマ・ピッチレイ・ゲール、 エルザ・ゴダード、 ヤスミン・ナグディ、 リヤーン・コープ、 ロマニー・パジャック


 《第1幕》 

  

 イギリスの王子: ギャリー・エイヴィス

 フランスの王子: デイヴィッド・ピッカリング

 インドの王子: ヴァレリ・フリストフ

 ロシアの王子: 平野亮一


 オーロラ姫の友人たち: メリッサ・ハミルトン、 オリヴィア・コウリー、 セリサ・ディウアーナ、 ラーラ・ターク、

                 サビーナ・ウェストカム、 エリザベス・ハロッド、 エマ・マグワイヤ、 アイオーナ・ルーツ


 《第2幕》

 

 公爵夫人: クリスティーナ・アレスティス

 Gallison: ジョナサン・ハウエルズ


 《第3幕》


 フロレスタンと姉妹: ヴァレリ・フリストフ、 エマ・マグワイヤ、 イッツィアー・メンディザバル

 

 長靴を履いた猫と白い猫: 蔵健太、 リヤーン・コープ


 フロリナ姫と青い鳥のパ・ドゥ・ドゥ: ユフィ・チェ、 アレクサンダー・キャンベル


 赤頭巾ちゃんと狼: ロマニー・パジャック、 デイヴィッド・ピッカリング


 

 モニカのお話では、いくつか少数の衣装が変わる、という感じだったのですが、かなりの数が変わりました。

 プロローグでは、妖精も、貴族たちも皆変わりました。

 第1幕もほぼ全部。 オーロラ姫は、今までの衣装に、オレンジの花が胸元について、それが、ちょっと変。

 オーロラの友人のチュチュは今まで通りですが、ピンクに淡いグレーのレースがかかった衣装に、これもオレンジの花がいくつか。

 

 第2幕は、今まで通りのはずです。


 第3幕は、客人たちの衣装には、飾りがついたように思います。

 それ以外は、オーロラ姫とフロリムンド王子以外は全て変わりました。

 少しの変更のものもあれば、まるっきり変わってしまったものもあります。


 より1946年のものに近づいたものの、そこまでする必要があったのか?

 特に、プロローグの妖精たちは、今までのパステルカラーを見慣れていると、色の洪水です。

 

 第1幕のローズ・アダジオの4人の王子は、今までは、フランス、スペイン、インド、ロシアだったのが、フランス、スペインがイギリス、フランスに変更になりました。

 しかも、フランスとイギリスの王子たちは、物凄い巻き髪の長髪。 重そうです。


 常連さんのお友達と、休憩時間には衣装のことで盛り上がりすぎてしまいました。

 まだこの新しいデザインに慣れていないのもありますが、私の周りでは、評判が良くありません。


 プロローグの妖精たちの贈り物も、変にカラフルになりました。 それを持ってくる小姓の男の子たち、かぼちゃパンツに、ピンクタイツ、白シューズ。 

 妖精たちのお付きの男性たちの衣装も、今までは、タイツも色タイツで、上は確か皆同じようなデザインだったと思うのですが、白タイツ、長めの丈の上着。 水晶の泉の精と、魅惑の庭の精のお付の男性は、肘丈の衣装。 森の草地の精のお付の男性は、肘丈でそこに濃いピンクのリボンが付いていて、手首まで、シフォンかオーガンジーのような透ける素材のふわふわした袖。

 これで6人一緒に踊る時なんて、目が疲れました。


 本当に変える必要があったのか?? 私達は、勝手な憶測をして盛り上がってしまいましたが。

 

 衣装のことはこのあたりで。 書き出したらとまりません。



 マリアネラのオーロラを観る時、初心に戻ります。

 5年前の12月に長い年月のバレエから遠ざかった殻を破って観に行ったのが、たまたま彼女のオーロラ。

 あの時、今から思えば、舞台が半分欠けてしまっている立ち見なのに、そして彼女のことなんて全く名前も知らなかったのに、一気にひきつけられてしまったことを思い出します。

 私がそれまでに知っていたオーロラ姫と違って、おしとやか、というよりも、幸せ一杯で、元気なオーロラ姫。

 ああいう風に踊ってもよかったんだ。 昔バレエを習っていた頃、第3幕のヴァリアシオンを習った時に、マリアネラを知っていたら、もう少し踊れたかもしれない、と思ったことをつい昨日のことのように覚えています。


  今回も、出だしから、きらきら。彼女が出てきたとたんに、舞台が一気に華やぎます。 幸せいっぱいで、パパとママ(王様と王妃)の愛情をたっぷり受けて育ってきた16歳。 結婚相手を選びなさい、といわれた時、一瞬不安になるものの、その後は、その空間を楽しむ。

 ローズ・アダジオでは、今回はバランスがあまりよくなかったものの、全体的に見て、物語バレエの中のローズ・アダジオなのです。

 時折、王様と王妃の方を見て微笑んだり、友人たちに微笑んだり。

 もちろん、4人の王子たちとも。 亮一さん、もう少し、オーロラ姫に興味を持ってあげてください。 彼女と結婚する気が全く無いように見えてしまいました。


 続く彼女のヴァリアシオンでは、きれいな余裕のある3、4回転。 回ってやる、というのが全く見えないので、ごく自然です。


 この間も、4人の王子たちに、所々で目線を送ったり、微笑みかけていたりしました。

 私がマリアネラの舞台が好きなのは、きっとこういうところなのだと思います。

 

 ティアゴは第2幕のアンソニー・ダウエルのためにアシュトンが振付けたヴァリアシオンがぼろぼろ。 あれは難しいですが、それでも酷い。

 第3幕のグランのヴァリアシオンはそれなりによかったですが。

 マイムおよび、表情は、前回の2年前の時の方が良かったように思います。


 

 プロローグで、カラボスが出てきて、「この子は美しく成長するだろう。 でも、針に指さって死んでしまうのだ」という部分、貴族の一人を演じていたオリヴィア、反応が大きく、他の人が身を乗り出すところで、胸元に手を当てて、誰のこともみえない、という感じで、どんどん後ろに下がっていきました。 これが、変に目をひいてしまい・・・

 オリヴィアは舞台で、なんとなく踊っていることも多いのですが、たまに、目が離せなくなるほど面白い演技をすることがあります。

 一度なんて、『白鳥の湖』の第1幕のパ・ドゥ・トロアで、私も私の友達なども、真ん中で踊っている茜さんではなくて、そのお目付け役のような感じのオリヴィアに目がいってしまったことがありました。


 このカラボスの場面、赤ちゃんのオーロラ姫を6人の妖精が守るように立つのですが、その時も、アイオーナ、ディアドルなどは、不安そうになったり、驚いたり、表情がくるくると変わっていきました。 1名、全く無反応だった人がいますが。

 

 リラの精のクレア、2年前にデビューしましたが、私は残念ながら彼女の時には当たりませんでした。

 普段からあのような笑顔で踊ればよいのに、と思ってしまいます。

 が、2年前、幸運なことにマリアネラのリラの精を見ているので、やはり、比べてはいけないですが、幸せを運ぶ、ということが弱い。 本当に、カラボスを倒してくれるのかしら?? オーロラ姫を救う王子を探せるのかしら、と少々不安になりました。

 

 

 第3幕では、リヤーン・コープの白猫のマスクを被っているから表情は見えないものの、愛嬌があり、なおかつセクシーな仕草が言葉が聞こえるようでした。

 長靴を履いた猫の衣装、ズボンが短くなって、かぼちゃパンツ。 ちょっと違和感が。


 フロレスタン姉妹の1(俗に言う、銀の精)を踊ったエマ、一つ一つの動作、踊りに意味が出てきました。 

 そして2(俗に言う、ダイヤモンドの精)を踊ったイッツィアーも切れがあり、気持ちが良い踊りでした。


 フロリナ姫のユフィちゃん、これは彼女にぴったりですし、あの軽やかさ、しなやかさを出すのは特別。

 アダージョで、舞台中央に女性が客席に背を向けてパ・ドゥ・ブレをして、男性がアントールナン(だったと思いますが)で女性のところへ行って女性がアラスゴンドにデベロッペをしてプロムナードをするところ、そのパ・ドゥ・ブレが細かくて、新しいチュチュということもあったとは思いますが、チュチュの後ろが動いて、本当に鳥のお尻のようでした。


 そして、パ・ドゥ・ドゥの所々で、相手を見る表情がとってもよかったです。 アレクサンダーがそれに答えられていないのが残念でしたが。 まあ、今回が、オペラハウスでのパ・ドゥ・ドゥ・デビューですので、仕方がなかったかもしれませんが。


  しかし、アレクサンダー、下半身ががっしりとしていて、結構重そうに見えるのですが、実際、このブルーバードでは、軽い。 ジャンプがとにかく軽い。 コーダのブリゼ、ブリゼ・ボーレも高さが変わらないし、余裕がありました。 上半身がぶれないので、きっと腹筋がかなり強いのでしょうね。


 

 第3幕で、踊らないキャラクター、今までは、多分(プログラムに載るわけでもないので、憶測)シンデレラと王子、美女と野獣、アラジン、という感じだったのが、アラジンの部分が、海賊のような男性と、ピンクのドレスの女性になりました。 なんとなく見たことがあるキャラクターなのですが、思い出せません。


 長くなりましたので、この辺で。


 それほど『眠り』は数を観に行きませんが、12月まで、ちょこちょこ行く予定です。

 

Posted on 2011/10/27 Thu. 06:53 [edit]

category: バレエ

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赤い糸?? 

 不安定な天候でした。

 ハーフタームも半ば。 今年は、ロンドンにいる生徒が多くて、レッスンを続行です(年によっては、ほとんどがお休みになるので)。

 

 昨年のちょうど今頃、永住権の申請をしたことを考えると、一年があっという間です。

 今年、再び色々とヴィザについての改訂もあり、どんどん厳しくなっていることを知ると、昨年無事取得することができて、よかった、という気持ちでいっぱいです。


 夕方、チューブに乗っていた時のこと。

 隣駅で私が座っていたところのすぐ隣のドアから入ってきたのは、友達。

 マンチェスター時代からの友達で、彼にも言われましたが、半年に一度ほど、バス停とか、チューブの中で偶然に会うことが多いのです。 ロンドンのチューブ、このラインは、4分に1本は走っていて、車両だって、7、8両はあると思うのです。

 

 10分ほどでしたが、近況報告。

 私が今苦戦している楽譜について、助言してもらえたのが助かりました。

 ピアノ科ではないところで勉強した人は、また違った見方ができるので。


 前回会った時には、おしゃべりが弾みすぎて、コヴェント・ガーデンから、Archwayの駅まで歩きました。 距離数?そういうことはわかりません。 

 

 音大に通った私は、男友達のほとんどはゲイ。 この友達は、数少ないストレートの同年代の男友達。 

 これだけ偶然に会うと、何かしらあるのかな、といわれつつも、そうはならないのは、お互いになんとも思っていないから。

 

 今日は、午前中の教えの後に、スーパーマーケットに寄ったら、生徒のお母様と顔を合わせました。

このところ、日本人の生徒が増えたので、スーパーでも、ぼーっとふらふらと歩かないようにしなくてはいけません・・・

Posted on 2011/10/26 Wed. 06:32 [edit]

category: 日常

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ロイヤルバレエ、リハーサル『マノン』 

 ちょこちょこ雨が降ったり、止んだりしていました。

 通常、10月末になると、ダウンコートを着ていると思うのですが、今年は、まだウールのケープでよい時もあるほど。 とりあえず、10月に雪、という噂は外れそうです。


 昨夜のバレエのことも書いていませんが、先に今夜のことを。


 今夜は、上のクロア・ストゥディオにて、ロイヤルバレエのリハーサル。

 

 これは、実際に行かないと演目などがわかりませんので、予想をしていくのも楽しみ。

 きっと、『マノン』。 ダブル・デビューのセルゲイ、ローレンかな?と思っていたら、大当たりでした。

 

 『マノン』 ケネス・マクミラン振付、 マスネ作曲


 ローレン・カスバートソン、 セルゲイ・ポルーニン


 指導: ジョナサン・コープ、 レズリー・コリア


 

 今夜のリハーサルは、一番最後の沼地のパ・ドゥ・ドゥから始めて、前へ逆戻りしていく、というように最初はおっしゃっていたのですが、最終的には、沼地のパ・ドゥ・ドゥのみを1時間リハーサルしました。

 

 マノンは娼婦として、アメリカのニュー・オーリンズへ護送され、デ・グリューもついてきて、でも、マノンはそこの看守から暴行され、デ・グリューが看守を刺し、二人、息絶え絶えに沼地へ逃げてきて、最後は、マノンは息を引き取ります。 

 胸が詰まるような場面なのに、音楽が美しく、余計に胸が締め付けられます。 第1幕のベッド・ルームのパ・ドゥ・ドゥも大好きですが、ここの部分は私が一番好きなところです。

 

 このパ・ドゥ・ドゥをいくらリハーサルといえども、5mも離れていないところで観ると、迫ってくるものが凄すぎて、最後に一度通した時には涙が出そうでした。

 正直、まだ完全に完成はしていません。 それでも、あれを間近で観ると・・・

 

 セルゲイがずいぶんしっかりとし、パートナリングも成長しましたし、ローレンに色々と意見を言っているのをみて、感慨深いものがありました。


 ただ、いつものことなのですが、セルゲイもローレンも、音楽性が甘いのが気になります。


 サポートが巧みで有名だったジョナサン・コープ、今日もジーンズにジャケット、という格好でたまに見せて下さったサポートが、とにかくうまい。

 何度か、レズリーとちょっと動いて下さいましたが、ひきつけられてしまうのです。


 腕の角度、女性をサポートする位置、その他、セルゲイに的確な指示をしていきます。

 レズリーはとても穏やかな指導。 微妙な角度、高さ、を調整していくと、一気に変わっていくのです。

 毎度のことながら、この作品を踊った人たちが、次の世代に伝えていく。 これを見せて頂けるのは感謝することです。

 最後の質問コーナーでおっしゃっていましたが、デ・グリューを初演した、アンソニー・ダウエル、そして、マノンを初演したアントワネット・シブレーがやはり今回も指導にいらしていたそうです。


 

 彼らのデビューは11月8日。 私は、マノンのチケットの売り出し時には、セイシェルへ行っていたので、全然買えていません。

 無事当日券を手に入れられることを願っています。

 

Posted on 2011/10/25 Tue. 04:59 [edit]

category: バレエ

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25

母校の新校舎 

 暖かくて助かります。

 夜、ちょっと雨が降りましたが。


 バレエのことも書きたいのですが、驚いたことが。


 友達のFacebookの書き込みをみていて分かったのですが、私が2000年から5年間通った母校、なんと、凄い設備が完成したようです。

 

 元々は、カーディフ城の中でスタートし、その後校舎ができ、私が通ったちょっと前に、昔の馬小屋を改造した、素敵な建物ができました。

 

 が、この学校の問題点は、音楽、演劇両方の芸術大学であるにも関わらず、きちんとしたコンサートホールと劇場がありませんでした。

 劇場はありましたが、とても小さなものです。

 

 オーケストラのコンサートは、街中の、St David's Hallを使用。 まあ、私もあそこでオーケストラピアノをさせて頂いたりしたので、それはそれでよい思い出ですが。

 オーケストラのリハーサルをするスペースも無くて、学校から歩いて15分ほどの教会を借りてリハーサルを行っていました。

  

 年に1回のオペラ公演は、これまた離れたところの劇場を使用。 


 私の在学当時から、コンサートホールなどができる、という噂はあったのですが、一向にできる気配なし。


 私が最後に学校へ行ったのは、リサイタルをした、2008年3月。 その時も、話がなかったのですが、どうやら、今年6月に完成。

 

 www.rwcmd.ac.uk から見ることができますが、うらやましい!! 

 私、あのピアノ科主任さえ定年になれば、機会をいただけると思うのですが・・・

 あの人がいる限り、駄目でしょうね。 うまく利用されていたので。


  カーディフにも、もう友達がほとんど残っていないので、なかなか行く気になりません。

 知っている先生方は何人もいらっしゃるのですが。


 卒業して6年。 折角5年間過ごした学校でしたが、最後の最後で、それまでにもあった仕打ちを受けました。

 あの時、卒業試験の数日後、リサイタル試験の結果を聞きに主任の部屋に入り、「あんただれ?」という感じに言われ、全く私の目を見ることも、顔を見ることもなく、酷い結果を見せられ、ピアノを弾く資格が無い、というようなことを言われました。

 5年間過ごした学校です。 変な点数をつけられないように、わざわざ師匠のDr.Sも主任と顔をあわせたくないのに、試験を聴きにいらしてくださいました。

 それでも、あれ。 

 それまでにも許せないことはたくさんあったし、オーケストラピアノだって、私が希望するような時にはやらせてもらえなくて、誰かが、リハーサル当日、やっぱり難しくてできない、となってから、リハーサルまで時間が無いのに、初見でオーケストラリハーサルへ行かされていたりもしていました。


 王立音楽大学へ進んだ時も、主任にはもちろん内緒。 絶対に壊されないように、本当は受験にあたって、2通の推薦状が必要なのに、あの学校の先生たちには絶対に知られたくなくて、合格してから、口が堅そうな、そして私に良くして下さった学科の先生に主任には絶対に口外しないで欲しい、と頼んで書いて頂いたほどです。


 まあ、調子はよい人ですから、後に、私が在学中だったか、息子さんの入試につきそって王立音楽大学へいらしたときには、ばったりと入り口で会い、ハグなんてしてきて、「こうして、みゆきにあえて嬉しい」だの、調子良いことを並べていましたけれど。


  

 本当はカーディフが大好きでしたし、遊びに行ってみたいですし、学校も見てみたいけれど、なかなか重い腰が動きません。

Posted on 2011/10/24 Mon. 06:26 [edit]

category: 音楽

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24

おめでとう 

 あと1週間で夏時間が終ります。 既に、6時には暗くなる、ということは、来週からは5時に暗くなるので、一気に冬になります。 そして、これが、3月まで続くことに・・・


 日本の音大に行ってもいませんし、それまでに著名な先生に師事していたわけでもない私は、日本人の音楽友達、というのはとても少ないです。

 が、昨日は、日本音楽コンクールで友達が優勝! 日本国内コンクールとしてはトップだと思いますし、つかんで凄いな!という気持ちです。 

 彼のことはサマーコースで知り合って、高校生の頃から知っているのだから、6年くらいになるでしょうか。

 ここまでに費やしている金銭的、時間的にも私とは雲泥の差です。

 

 二十歳過ぎてから真剣に音楽の道に取り組んで、世界的に見て、トップクラスの大学院の修士号を卒業したことは、一つの私の証です。 誰もが不可能、だと思っていたことですから。

 が、本当にトップを目指したかったら、いや、コンクールでよい成績を収めるには、やはり幼少の頃から必死にやらなくては厳しいのです。

 

 私は、コンクールが一番、とは思いません。 今までにも国際コンクール優勝者などの演奏を聴いて、それが、必ずしも感動を与えたり、心を揺さぶる音楽である、とはならないことがわかりました。

 

 でも、やはりコンクール、というあの空気、特に海外のコンクールしか経験したことがなかった私にとって、日本音楽コンクールの空気、というのは異常にも思えるもの(実は、第1次予選で敗退ですが、出場経験あり)。

 あの中で、本選まで進んで、優勝する、というのはやはり凄いことだと思います。 あれだけ落ち着いた人だし、あの協奏曲も既に何度か本番で弾いているようなので、余裕もあったことでしょう。

 

 彼の演奏と私の演奏を数人が比べた意見を言ってくれたことがあり、それだけは、こうしてあのコンクールで優勝する人と比べてもらったこと、そしてその意見、一つ嬉しいこと、としてしまっておきます。


 さあ、若い友達が頑張っているのだから、私もこれに乗って、自分の夢をかなえるために、頑張りたいと思います!


 おめでとう!!

Posted on 2011/10/23 Sun. 03:49 [edit]

category: 音楽

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23

バーミンガム・ロイヤル・バレエ 『リーズの結婚』 

 バレエ・ウィークの最終日、今夜はサドラーズ・ウェルズ・劇場で、バーミンガム・ロイヤル・バレエのロンドン最終公演を観てきました。 本当は、配役で、昼も観たかったのですが、グレードの生徒が溜まっている土曜日、時間が遅くなってしまって、無理でした。

 というわけで、夜のみの鑑賞です。

 ちょうど、この週末、東京でも牧阿美バレエ団が同じ演目を上演です。

 ロンドンでは木曜日からこの演目ですが、先日亡くなったアレクサンダー・グラントに捧げられています。


 『リーズの結婚(La Fille mal gardee)』 フレデリック・アシュトン振付、 エロルド作曲


 リーズ: エリーシャ・ウィリス

 コーラス(リーズの恋人である農夫): ジェイミー・ボンド


 未亡人シモーン(リーズの母): ローリー・マッケイ

 

 トーマス(ブドウ畑を所有するお金持ち): ヴァレンティン・オロフャニコフ

 アラン(トーマスの息子): Tzu-Chao Chou


おんどり: ジョナサン・カグイオア

 にわとり: カーラ・ドーバー、 ローラ・ジェーン・ギブソン、 ジェイド・ホウソン、エミリー・スミス


 リーズの友人: アランチャ・バセルガ、 サマ-ラ・ダウンス、 セリーン・ギッテンス、 laetitia Lo Sardo、

           ヴィクトリア・マー、アンフェラ・ポール、 ローラ・プーキス、 ジェンナ・ロバーツ


 コーラスの友人: マックス・ウェストウェル、ブランドン・ローレンス、 フェーガス・キャンベル、残り3人はわかりません


 フルートダンスのフルートを吹く農夫: マティアス・ディングマン



 温かくて、楽しくて、ちょっとした切なさも有り、大好きな作品です。

 先日、春のロイヤルバレエのこの演目のキャストが発表され、前回コーラスデビューをしたブライアンの名前がなく、がっかりしていたところでした。 私にとって、ブライアンとユフィちゃんの『リーズ』が一番心に焼き付いているものなので。


 

 劇場に向かう途中、やたらと大きな真っ白な犬がいるな???と思ったら、『リーズ』に出演する、ポニーがお散歩中でした。


 ロイヤルバレエとバーミンガム・ロイヤル・バレエ(以下、BRB)、同じ作品でも、ところどころ、小さな違いがあることがわかりました。

 その違いを書いていきますが、あくまでも、違いを書くだけであって、どちらが良い、どちらが悪い、ということを書きたいのではありませんので、ご理解ください。


 ロイヤルバレエがロイヤル・オペラ・ハウスで上演する際には全2幕物、として上演されますが、今回は全3幕。 以前、インサイトの時にこの作品を指導しているクリストファー・カー氏がおっしゃっていましたが、2幕で上演するのか3幕で上演するのかは、劇場の袖の大きさによってきまります。

 サドラーズは舞台上手の袖がとっても狭いのです。 第1幕と第2幕(もしくは、第1幕第1場と第2場)の間に、ポニーが舞台の後ろから前まで袖を移動する必要があります。 そのスペースが無い場合は、全3幕にする、とのことでした。

 全2幕でしか観たことがなかったので、第1幕最後、音楽が違う終止形になるので、驚きました。 というよりも、全3幕であることを忘れていたのです。


 

 舞台の大きさも違いますし、BRBはツアーを行うカンパニー。 リーズの家の階段もロイヤルバレエのものに比べて低め。 バター作りの道具を入れてある納屋も無し。 テーブルが置かれ、その上に、色々と置いてありました。 実際には舞台では使わないけれど、道具類が多めに置いてあるのが、ロイヤル系らしいです。

 

 リーズを踊ったエリーシャ、19日にパイナップル・ポールでも観ました。 演じられるダンサーかな、と思っていましたが、どちらかというと、第3幕でが一番良かったです。

 彼女はアシュトン特有の上体の使い方が甘い。 もっと倒すべきなのに、と思うところで直立でやっているので、いくつか違和感が。 オーストラリアバレエ出身であるものの、BRBには2003年からいらっしゃるようなのに。

 

 第3幕での、リーズがコーラスとの結婚生活を夢見るマイムで、結婚式のマイムが終って、次のマイムに移る時、右から左に場所移動をしますが、その移動開始が遅め。 あれっ?と思ったのですが、次のおなかが大きくなって、というマイムへ向けて、とっても良いタイミングでした。


 

 コーラス役のジェイミーは、先日の『シンフォニック・ヴァリエイション』で、イギリス人らしいダンサーだな、と思ったと同時に、鎌足だったのが気になりました。

 ノーブルな雰囲気があるからか、最初は、高貴すぎてしまいました。 

 演技も良い部分とそうでない部分の差がありました。 

 一番良かったのは、第3幕で、リーズが結婚生活を夢見るマイムをする部分、わらの中に隠れていて、飛び出してくるところ。 リーズがマイムの中で、「子供は、1人、ううん、2人、違う。 3人欲しい!」ということをするのですが、ジェイミーは、恥ずかしさのあまり泣き出すリーズの手をとって、「3人ではなくて、5人!」と伝えていました。

今まで私が見逃していたのかどうかわかりませんが、きっとジェイミーの演技だと思います。 でも、これによって、凄く温かい気持ちになりました。


 回り物が苦手なのか、それとも足の調子が悪いのかわかりませんが、第1幕の最初のヴァイリアシオンの最後トゥールがぼろぼろ。 リーズとのリボンを使ってのPDDのシェネも酷い。 第3幕最後の最後のアラスゴンド・トゥールも舞台からオケピットに落ちるのでは?と思うほどどんどん前に来て、最後は横に動いていきました。

 私は別にテクニックを観たくてバレエをみるわけではないので、構わないのですが、それでも、あれには驚きました。


 

 トーマスをやったのは、若さが残っているな、と思ったら、実際に若いダンサーのようです。


 アラン、先日亡くなったグラント氏が初演したものですが、難しい役です。

 変な行動も多いのですが、彼は馬鹿なのではなくて、非常にシャイだから。

 が、今日踊ったダンサーは、変に笑顔で、わかっていつつも、馬鹿な行動をしている、という風にしか見えませんでした。 前回のロイヤルバレエが上演した時数人のダンサーでこの役を見ていますが、このように感じたのは初めてです。

 やっぱり、昼の公演で、マティアスがこの役をやるのを観に行けばよかった、と後悔しています。


 

 第2幕は、あの舞台前方で、にわとりたち、リーズ、リーズの友達などが、畑へ行くところから始まりますが、ポニーをひくのは、ロイヤルバレエだと、2人それようの役(マリアネラのDVDだとスティーヴン・マックレーがやっている)がいますが、ここでは、農夫の二人がやっていました。

 畑について、にわとりたちが入ってくる場面、BRBは、おんどりだけ。 私の憶測ですが、ロイヤルバレエに比べて少々小規模なこのカンパニー、にわとり役の4人の女性も、農婦になっているから、ここでは、おんどりだけなのかしら?と思いました。 何しろ、このカンパニーは、あまりダンサーの顔と名前が一致していないので、わかりません。


 にわとり、といえば、あの愛嬌のある動きは、ロイヤルバレエを観ていると、物足りません。 ロイヤルバレエでは、ソロイストとか、ファースト・アーティストの演技ができる小柄な女性がやっていますが、今回は、まだ入団したて、とかのダンサーがやっていました。 


 

 全体的にとってもアットホームで、楽しめました。が、細かいことを言うと、やはり、ロイヤルバレエの方が芸達者が多い。 特に、周りで立っているような時、BRBのダンサーたちはお行儀がよすぎる。 もっと、自然にした方が舞台がよくなるのでは、と思いながら観ていました。


 衣装も、同じデザインではあるものの、ところどころ違いました。

 

 それにしても、サドラーズの安い席、客席マナーが酷すぎます。

 だから、どうしても、サドラーズからは足が遠のいてしまうのですよね・・・

 来週は、珍しく、ロイヤルバレエの公演が少ないので、さびしい1週間になりそうです。

Posted on 2011/10/22 Sat. 06:16 [edit]

category: バレエ

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22

ロンドンのバスめちゃくちゃ 

日に日に陽が短くなっていますね。

 先週の金曜日の教えの帰りは生徒宅を出たところで陽が沈むところだったのが、今日は既に陽が沈んだ後でした。


 本当は今日はバレエアソシエイションへ行こうと思っていたのですが、疲れ果てて、パス。


 このところ、交通状況がめちゃくちゃで、今日もバスでしか教えに行けない地域、いつもなら45分で行くところが、今日はなんと1時間40分もかかりました。 15分以上の余裕は持って出かけていますが、もちろん、遅刻。


 1本目のバスが来なくて待ち時間を入れてもいつもなら10分のところが、40分。 そして、その次のバスは20分ちょっと乗ればよいのに、今日は1時間。 しかも、途中でバスが終点になってしまって、乗り換え。 ちょうど学校が終る時間と重なり、凄い混み方。 しかも、子供たちがフライドチキン、チップスを食べているから、バスの中は気持ちが悪い臭いが蔓延。 


 それでもって、3本目のバスに乗って荷物置き場の近くに座っていたら、がさつな人がそこへスーツケースを乗せ、乗せ方が悪くて、私の肩に落ちました・・・ ただでさえ肩が悪いのに・・・ 手に響くと困るので、生徒のお宅で氷を頂いて、冷やしながらレッスン。 早めの処置がとりあえず効いたようで良かったですが。


 本当に、ロンドンのバスはどうにもなりません。

 私の家の近くには中高校が2校あるのですが、どちらも、誰でも行くことができるような学校。 以前にも書いていますが、イギリスでは、たとえ公立でも、選抜校と誰でも行ける学校、というのは学力と共に、そのマナー、態度にかなりの差があります。


 一つの学校は、学校が終る時間に合わせて、生徒だけが乗れる乗り合いバスを頼んでいるようです。

 もう一つはそのようなこともなく、ただでさえ小型のバスなので、一般の人が乗れなくなる。 あまりにも態度が悪く、降車口から乗る生徒が絶えなかったため、このところ、学校の先生がバス停で、生徒整理を行っています。

 きっと、バス会社、乗客から苦情が行ったのでしょう。 子供たちが降車口から乗ると、運転手はエンジンを止め、彼らが一度バスから降りるのを待ちます。 でも、そんなことを聞くような子供たちではありません。

 その為、そこで、何分も止まっていなくてはいけなくて、迷惑なのです。


 バスが来ない、人が溜まる、乗り降りに時間がかかる、そうすると運行時間通りに行かなくなるから、バスが途中で終点になる。 次のバスはもっと混んで、申し訳ないけれど人を押しのけないとそのバスに乗れない。 そしてそれも混んでいるから途中で終点になってしまう。

 よって、そのバスしか走っていないようなところで、30分もバスが来なくなる、という事態が発生します。

 困ったことに、イギリスのバス会社、というのは、この事態を理解できないようです。


 実は水曜日も同じことがあって、余裕があるはずだったのに、とんでもない時間をバスの中ですごしました。

 明日も同じような地域で教えですが、どうしましょう。

 寒くなってきたから、どうしても早めに行って外で待つのがつらいから、時間つぶしができるところ以外はぎりぎりの行動になってしまうのですよね。

Posted on 2011/10/21 Fri. 04:20 [edit]

category: イギリス事情

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21

ロイヤルバレエ 『レクイエム』 

 美しい夕焼けが広がりました。

 

 今日で、ロイヤルバレエのミックス・ビルも最終日。 明後日からは、『眠れる森の美女』が始まり、12月中旬まで続きます。 明後日デビュー予定だった高田茜さんの降板がやっと発表されました。 代わりのダンサー、色々とうわさ、想像があったものの、結局は無難にセーラに変更でした。


 まとまりのある舞台でしたが、私は2作品目の終わりに(もっといえば、最初から)、ある会場係が全てを台無しにしてくれました。 そして、そのことで呼ばれた会場係のマネージャーが、かなり酷い失言をしました。

 この会場係、ここは刑務所か???といいたくなるほど(これ、私の意見だけではありません)、毎回嫌な気持ちにさせてくれます。

 仕事をきちんとこなすのは大切。 でも、彼女のやり方によって、他の人(客)を不愉快にさせるのはどうでしょう? 

 私が購入するチケットはとても安いものです。 でも、この場所で観ている人たちは、バレエを、芸術を心から愛する人達なのです。

 頭にきたけれど、ずっと言いたくていたことをとりあえずいえたので良かったですが。



 『レクイエム』 ケネス・マクミラン振付、 フォーレ作曲


 ローレン・カスバートソン、 ニァマイア・キッシュ

 フェデリコ・ボネッリ

 スティーヴン・マクレー

 メリッサ・ハミルトン


 ベネット・ガートサイド、 ヴァレリ・フリストフ、 蔵健太、 トーマス・ホワイトヘッド


 ヘレン・クロウフォード、 小林ひかる、 アイオーナ・ルーツ


 ユフィ・チェ、 ベアトリス・スティックス・ブルーネル、 イッツィアー・メンディザバル、 ディアドル・チャップマン


 他


 

 とりあえず、これまでに書いていない3作品目の『レクイエム』から。


 このキャストは月曜日にも観ましたが、今回の方が全体的に良かったです。

 一曲目、ローレンが頭上に掲げられる部分が、いまいちスムーズにいっていませんでしたが。


 第2曲目のフェデリコのソロ、ファースト・キャストのカルロスとはだいぶ違った役作りです。


 第3曲目のローレンとニァマイアのパ・ドゥ・ドゥ、月曜日に観た時には、オーケストラのテンポが早すぎて、しかも、ローレンがリヤーンに比べて背丈もあるので、とにかくあわただしく、ただただ振りを追っているだけになってしまっていました。 が、今日はオーケストラのテンポがちょうど良く(普通に演奏するよりも、若干緩める必要がある)、月曜日とはまるっきり違う舞台でした。

 私の修士論文の内容の一つでもあった、この踊りとテンポの関係、難しいことです。 

 今日これを指揮していた指揮者にも、論文執筆の際にはインタビューをさせて頂いて、なるほど、と思うことをお聞きしているのですが、やはり実際は違うことも出てきてしまうわけでして・・・


 冒頭の、女性が床に平行して空中で回る部分、月曜日にも高く上げたのに、今日はもっとでした。 この部分、リハーサルの際、ローレンが恐怖感を持ってしまって、3度ほどできなかったのです。 ニァマイアもだいぶコンフィデンスがあったので、あれが可能だったのでしょう。


 第4曲目のローレンのソロ、これは、初日が一番良かったです。 初日はかなりピュアで、童心の部分、そして母の部分もよく見えていたのですが、最後の2回は、何をしたいのだか、わからなくなってしまいました。

 

 第5曲目、メリッサのソロは、初日に比べて、ずいぶん何をしたいのかがわかるようになりました。

 初日は、私も初めて観る作品、ということもありますが、一体、これは何なの??というだけで終わり、夜のマリアネラが踊るのを観て、初めて理解できた、という状態でした。

 ただ、コンテンポラリーであれだけのびのびとした踊りをメリッサはするわけですから、こうしたネオ・クラシカルでも、もっとできるのでは?と思わずにはいられません。


 この第5曲目最後、ローレン(天使、そして私には聖母マリアが重なります)が出てきて、膝をついて座ったメリッサの頭上に、男性が掲げるのですが、そのポーズがいけないのか、ファースト・キャストの時ほどの温かみがありません。 多分、二人の手を広げる幅がいけないのだと思いますが。


 第6曲目のリベラ・メ、これは男性12人で踊られますが、これも、回を重ねる毎にまとまりが出てきました。

 

 最終曲で、全員が舞台中央を囲むように円になり、その中央に光が集まり、それを追う。 静であり、体の動きがない部分。 この部分、お葬式を現しているのですが、それは、きっとこの作品が捧げられたクランコであるのかな、と思いながら私は見ています。 非常に美しい瞬間の一つ。


 色々と書きましたが、全体的に、まとまり、ダンサーたちが集結した舞台でした。


 

 今回、この曲のソロの歌は、ジェット・パーカー・ヤング・アーティスト・プログラムの方々が行っています。

 今日の女性は音程が落ち着かなくて、男性は、イタリアオペラのような声の出し方をしていたのが気になり、相変わらず、歌は苦手です。

 でも、これは曲が良いので。

 まさか、6、7年前、カーディフの大学のジュニアスクールで仕事をしていて、これを伴奏した時、バレエ作品として観る事があるとは、思ってもいませんでした。


 これで、ミックス・ビルもおしまいです。 これからクリスマスまで、『眠り』、『マノン』、トリプル、『くるみ』と続くので、ダンサーの方々は大変でしょうが、観る側も劇場通いに忙しくなります。

 

Posted on 2011/10/20 Thu. 06:53 [edit]

category: バレエ

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バーミンガム・ロイヤル・バレエ 『Autumn Glory』 

 バレエウィークの今週、今夜は昨日から行われているバーミンガム・ロイヤル・バレエの公演を観て来ました。

 サドラーズ・ウェルズ・劇場です。

 元々、ロイヤルバレエはここからスタートしているのです。 もっとも、現在の劇場は新しいものですが。


 昨日、今日がトリプル・ビル。 そして、明日から土曜日までが、『リーズの結婚』です。


 『チェックメイト』 ニネット・デ・ヴァロワ振付、 ブリス作曲


 黒の女王: サマーラ・ダウンス

 赤の騎士(1): チー・チャオ

 

 赤の騎士(2): ジョセフ・カレイ

 黒の騎士: トム・ロジャース、 マックス・ウェストウェル


 赤の女王: Laetitia Lo Sardo

 赤の王様: マイケル・オヘラ


 他


 ロイヤル・バレエの創始者、ニネット・デ・ヴァロワの1937年に初演された作品です。 私は2007年6月にロイヤルバレエで観ただけ。 

 4年ぶりですが、結構覚えていました。

 

 非常にイギリスらしい作品です。

 舞台の床は、チェスボードの模様で、黒と白(薄いグレー)の格子。

 

 私は全くチェスのルールはわかりませんが、あくまでも、チェスの駒を人間にして、踊らせる、といった感じで、ルールは関係が無いはずです。

 黒の女王に、赤の騎士(1)は刺され、最後は、赤の王様が、黒の駒に囲まれ、黒の女王に帽子を取られ、刺される、というような感じです。


 45分程度の作品ですが、非常に振付も優れ、フォーメーションもおもしろいところもあれば、そうでない部分もあり。

 私は2007年のゼナイダ・ヤノウスキーとマリアネラ・ヌニェスが黒の女王、そして赤の騎士(1)は怪我でキャスト変更が相次いで、最終的にベネット・ガートサイド、 ヨハネス・ステパネクがやった時の舞台の印象が強く、そしてその時の黒の女王、赤の騎士(1)のやり取り(関係)がよかったので、今日のは私には表面にしかみえませんでした。


 が、チー・チャオの踊りをやっと観ることができ、安定して、エレガントなダンサーだな、というのはわかりました。

 黒の女王を踊ったのは、なんだか弱いかな、ただただ振付をこなしているだけ、と思って休憩時間に確認したら、今年ソロイストに上がったばかりのダンサーなのですね。

 ロイヤルバレエに比べて、バーミンガム・ロイヤル・バレエの方が観る機会も少ないので、全然ダンサーがわかりません。


 が、黒の騎士の一人が見覚えがある。 あれ?と思ってこちらも確認すると、去年までイングリッシュ・ナショナル・バレエにいたマックスが今年移籍したのですね。

 噂で聞いていたような気もしますが、すっかり忘れていました。


 たまに観るのには面白い作品です。

 


 『シンフォニック・ヴァリエーション(交響的変奏曲)』 フレデリック・アシュトン振付、 フランク作曲

 曲は、同名のもの(ピアノとオーケストラの協奏曲)


 ジェンナ・ロバーツ、 イアン・マッケイ

 アランチャ・バセルガ、 ジェイミー・ボンド

 ローラ・ジェーン・ギブソン、 Tzu-Chao Chou



 6人のダンサーが20分ちょっとの間、ずっと舞台に出たまま、踊らない時も、足をクロスさせて舞台の端で立っている、という作品です。

 1946年に初演され(女性の中央が、マーゴ・フォンテーン)、他のアシュトン作品とはまた違ったよさがある作品です。 女性は白のレオタードです。

 面白いことに、2006年度のロイヤルバレエの最後の演目が、『チェックメイト』、『シンフォニック・ヴァリエーション』、『大地の歌』。 今回は、『大地の歌』の代わりに、『パイナップル・ポール』。 二つの作品が同じなのです。


 フランクといえば、ヴァイオリン・ソナタが有名で、このピアノ協奏曲はバレエ以外ではまだ実演に接していません。 ハーモニーの使い方、音の組み合わせ、フランス、といった感じですが、美しい曲です。 演奏する、となるととらえどころが私にはなさそうですが。 ピアノソロは、ジョナサン。 今、オペラハウスの『マルグリット』で、ロブの汚い音のピアノを聴いているので、久々に、きれいだな、と思う演奏です。


 

 やっと、イアン・マッケイを観ることができました。 耳にしていた通り、エレガントで、ラインがきれいなダンサーです。 いかにも、イギリスのダンサーという感じですね。

 隣で踊る、ジェイミー・ボンドも同じようなタイプです。彼も初めて観るはずです。

 それに加え、東洋人(台湾人)の男の子がこの作品に似つかわしくない笑顔で、テクニックを見せまくる、というような踊りをしていて気になりました。 後で読んだら、今年ここへ移籍してきたダンサーなのですね。 

テクニックは強いダンサーです。 が、それを前面に出す作品ではないように思うのです。


 女性は、中央を踊った、ジェンナ・ロバーツはきれいな踊りをするダンサー。 まだ、踊りだけで終ってしまっているかな、という気もしますが。

 

 珍しく、ネオ・クラシックなのに、全く振付、構成が覚えられない作品です。

 が、無駄を省いた舞台、何度観てもその美しさにはため息がでます。

 今回は、ところどころの独特なポーズがちょっと甘かったのが残念ですが。



『パイナップル・ポール(Pineapple Poll)』 クランコ振付、 サリヴァン作曲 サー・チャールズ・マッケラス編曲


 パイナップル・ポール: エリーシャ・ウィリス

 Capyain Belaye(ホット・クロス・バン船のキャプテン): セーザー・モラレス

 

 ジャスパー(パブのポット・ボーイ): マティアス・ディングマン

 

 ブランチェ(Belayeのフィアンセ): ローラ・プーキス

 ミセス・ディンプル(ブランチェのおば): ヴィクトリア・マー

 ホット・クロス・バン船の船員たち:6名、

 その奥さん、Sweetheartsたち: 6名


 

 1951年にこの劇場で初演された作品です。

 初めて観ました。

 ストーリーを読んでこなかったので、休憩時間にプログラムを読もう、と思ったのですが、ストーリー(シノープシス)は書かれていなくて、クランコは、シノープシスがなくても、わかる、という考えだった、ということが書かれていました。

 が、実際に登場人物だけ頭に入れて舞台を見ると、非常にわかりやすい。 こんなにわかりやすいバレエがあったのか!!と驚きでした。


 基本的には、喜劇です。 45分ほどのストーリー。 心理描写、とか深いことは考えずに、舞台で起こることがわかりやすいのです。

 全ての動作が大きく、そして、バレエ特有のマイム、というよりも、普通に日々現すような感情がそのまま舞台にある、というような作品です。


 大まかに書くと、ポーツマスの港に、女性たちと、船員たちがいる。 そこにパイナップル・ポールという女の子がやってくる。 パブの外を磨いていたジャスパーは、パイナップル・ポールのことが好き(これも非常にわかりやすいジェスチャー)。

 そこへ、キャプテンがやってくる。 その格好良さに女性たちは、ポーっとなってしまうのです(これも、腰を抜かしたり、暑くなったり、凄くわかりやすい)。 パイナップル・ポールも、もちろん彼にひかれていきます。

 

 すると、ちょっと頭が足りなさそうな可愛らしい女の子(キャプテンのフィアンセ)とそのおばがやってきます。

 これも、キャプテンのフィアンセが出てくる、ということがわかっていれば、誰なのか一目瞭然。

 

 女の子たちは嫉妬。


 

 場面が変わり、波止場の夜。

 船員たちの格好をした、でも、ちょっとおかしな感じの人たちが、船に上がっていきます。

 パイナップル・ポールが現れ、何かを思いついたように、ジャケットと帽子を持ってきて、ズボンに着替えてきて、船員の格好をして(男装して)、船に上がればよい!ということを示します。

 追いかけてきたジャスパー、パイナップル・ポールの髪飾りが落ちていることに気がつき、そして彼女のドレスが脱ぎ捨ててあるのを見つけて、悲しみます。

 

 3つ目の場面は、船の甲板。 男装した6人の女性たち、そしてパイナップル・ポールがキャプテンの指示に従っています。

 そうすると、キャプテンは結婚式の為にいなくなってしまいます。 がっかりする女の子たち。

 キャプテンが帰ってきたら、パイナップル・ポールは自分が女性であり、キャプテンが好きなことを打ち明けます。

 そして、それに続いて他の女性たちも、ジャケットを脱ぎ、帽子を取ります。

 男たちが甲板に上がってきて、すったもんだあり、ジャスパーも来て、キャプテンのジャケットと帽子を被って、最後は、キャプテン、フィアンセの女の子、そしてジャスパーとパイナップル・ポールが結ばれる、という、とっても単純なお話です。


 音楽は、サリヴァンのオペラなどから抜粋。 深さは無いけれど、楽しい音楽です。 サリヴァン、といえば、『帝』くらいしか知りません。 『ペンザス(でしたっけ?)の海賊たち』も彼の作品でしたっけ?


 クランコはイギリス人ではありませんが、とってもとってもイギリスらしい作品。 好き嫌いは分かれるとは思いますが、あれだけ爆笑しながら観られる作品、たまには必要です。


ジャスパーを踊ったマティアス、昨年の舞台を観て気に入ったダンサーです。 踊りも気持ちが良いですし、細かい表情が手に取るようにわかるようになっていました。 

 

 一度しかこの作品を観ることができなくて、残念です。 

Posted on 2011/10/19 Wed. 06:22 [edit]

category: バレエ

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19

残念 

10月も半ばを過ぎたというのに、今年はまだホットウォーター・ボトルも使っていませんし、ダウンコートも着ていません。 10月には雪、という情報も出ていたのでとりあえずはほっとしています。


 先日も書いたように、9月に日本から帰ってきてから、立て続けに新しい生徒が増えました。 最初の手ほどきからの子もいれば、他の先生に習っていた子。 そして、久々に楽典、和声などの学科も入ってきています。

 

 手ほどきを始めた子で、とても物分りもよく、小学生、ということもあって、かなりスムーズな導入になり、これからが楽しみだな、と思っていた子がいました。 ちょうど夏に日本にご帰国なさった楽しみに教えていたご家族の後なので、神様のプレゼント、と思っていました。

 が、ロンドンの駐在員のお子さんを教える時の、致命的なこと、急なご帰国、ということになってしまいました。


 こればかりはどうにもならない。 でも、帰国までぎりぎり5回のレッスンができるうちにおっしゃっていただけてよかった。 

 こういう状態になった時、いずれにしても短期間しか習っていないから、帰国が決まったからピアノも終わりにします、という場合と、だからこそ、レッスン時間を長くして、ぎりぎりまでレッスンしたい、という二通りの方がいらっしゃいます。

 今回は後者。


 駐在員の方を引き受ける時、いつかはご帰国なさる、という、覚悟のようなものをもってお引き受けします。

 それでも、がっかりする時にはがっかりする。

 

 お母様から、「先生も一緒に連れて帰りたい」とおっしゃって頂いたのが、一番嬉しいこと。 夏にご帰国なさった女の子からも、同じことを言われました。

 今一番欲しいもの。 それは、ドラえもんのどこでもドア! 

 私だって、後ろ髪が引かれる思いです。 せめて、日本とイギリスがパリ、ロンドンくらいの距離であれば・・・

 

 

 教えの後にぐったりとする私を見かねて、同業者の友達からは、どうせ駐在員は帰国するわけだし、もっと適当に教えればよいのに。 一生懸命教えるからつらくなるんだ、といわれます。 でも、それだけはできない。

 自分自身に後ろめたく、自分自身が嫌いになることだけはしたくありません。

 そして、こちらが一生懸命、誠意を持って接すれば、子供たちもきちんとやる、というのがわかるのです。

 

 きっと私には、あのとてもではないけれど、音楽大学に進む力の無く、20過ぎで日本だったら(いや、世界的にみても)ピアノに進むことは無理だ、と思われる私のことをどうにかしてくださった恩師、Dr.Sのことがいつも目の前にあると思うのです。

 無理を不可能に変えた。 だから、私も自分の生徒たちとは、真正面から向き合っていきたいな、と思うのかもしれません。


 

 出入りが激しいのも、ロンドンならでは。 でも、同時にもし日本にいたのなら、絶対に出会うことがなかった生徒たちに出会えているので、それはそれで、ここの良さなのかもしれません。

 

Posted on 2011/10/18 Tue. 06:37 [edit]

category: 音楽

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18

ロイヤルバレエ 『マルグリッドとアルマンド』 タマーラ、セルゲイ 

 本当は行かない予定だったのですが、新しい生徒と出会い(ピアノではなくて、学科の方)で疲れ果てて、、気がついたら足はオペラハウスへ。 一番安い席が残っていたので、鑑賞してきました。 一番安い席、マクドナルドなどのファーストフードほどの値段です。

 とりあえず、『マルグリッド』のみ。 先週の分も含め、書きたいものは溜まっているので、そのうちに。


『マルグリッドとアルマンド』 ケネス・マクミラン振付、 リスト作曲、 ピアノソナタ ロ短調(オーケストラ編曲)


 マルグリッド: タマーラ・ロホ

 アルマンド: セルゲイ・ポルーニン

 

 アルマンドの父: クリストファー・ソウンダース

 

 大公: ギャリー・エイヴィス

 

 マルグリッドを囲む男たち: 

 デイヴィッド・ピッカリング、 ヨハネス・ステパネク、 ベネット・ガートサイド、 アンドレイ・ウスペンスキ、 

 平野亮一、 トーマス・ホワイトヘッド、 ヴァレリー・フリストフ、 サンダー・ブロンマート


 メイド: オリヴィア・コウリー


 ソロピアノ: ロバート・クラーク


 

 このキャストは今夜が3回目の公演。

 初日の昼がそれなりに良い出来で、夜はそうでもなく。 

 今回が一番良かったです。


 セルゲイのテクニックは素晴らしいのですが、表現がついていっていなかったのが、だいぶ観ていてわかる表現をするようになってきました。

 後半(黒のドレス)部分、マルグリッドが大公や他の男たちといるところへアルマンドが現れて、二人で言い合いになる部分、切れが出てきたので、そこが何を意味するのかが伝わるようになりました。

 お金をマルグリッドに投げる部分も、勢いがあったので、ストーリーがみえてくる。 この部分、初日には、何も見えてこなかったのです。

 もう少し、純粋さ、とか若さが欲しいな、と思う部分もありましたが。

 白のパ・ドゥ・ドゥの後半、アルマンドの父親に、マルグリッドが息子から離れるように言われてからの部分、アルマンドは何も知らないのですから、最初こそは、泣いている彼女が心配でも、その後は、一緒に心配しないほうが私は好きです。


 タマーラは、先週長身のゼナイダを観た後なので、よけいに小さく、愛らしく見えました。 娼婦、というよりも、まだそれに気がついていない、第1幕の『マノン』のような感じ。


 マルグリッドと初めて顔を合わせた時、何かを感じることがある表情。 他の男たちに向ける表情とは全く違います。 でも、この時点では、本当は、アルマンドを急激に愛するわけではない。 これが、今日はとてもわかりやすい変化でした。


 どちらかというと、ゼナイダがアルマンドを愛しつつも、最後まで娼婦でいたのに対し、タマーラの方が、アルマンドと出会ってから、娼婦であることが薄れていくように私には見えます。

 

 初日に大人しくしていたギャリーは、段々と演技、表情が大きくなってきました。

 黒の衣装で出てくる場面、マルグリッドが他の男たちから手にキスをされている部分、毎回顔を背けたり、怒ったり、呆れたり、そのくるくると変わる表情を見ていると飽きません。



 このミックス・ビル、残り1回です。


 明日からは、バーミンガム・ロイヤル・バレエのロンドン公演もあるので、ロイヤル・バレエとあわせて、バレエ三昧です。

 

 

 

Posted on 2011/10/17 Mon. 06:53 [edit]

category: バレエ

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17

色々と懐かしいことを思い出した再会 

 夜6時半にはすっかり暗くなるようになってしまいました。

 

 久々にバレエのクラスを受けに行こうかな、と思っていたのですが、朝連絡がきて、日本から弾丸スケジュールでロンドンに来ている、数年前にサマーコースで知り合った友達が空港へ行く前に時間がある、というので、ランチをすることに。

 久々に、パディントン駅へ行きましたが、日曜日のロンドンは交通状態がめちゃくちゃです。

 

 2004年9月から、毎週カーディフからロンドンへピアノのレッスンの為に通っていたので(先生が学校で教えるのをやめ、特別に学長からのご配慮で、学校から交通費が出て、1年間、先生のところへレッスンに通えた)パディントン駅は毎週使用していました。


 2時間ちょっと、10歳ほど年下の友達ですが、色々と情報交換。

 

 私はこの3年間参加していませんが、サマーコースで知り合った友達、というのは特別。 あの、恵まれた刑務所のような環境で1週間寝起きを共にするのですから。

 

 自分では、ついこの前のことのように覚えていることが、もう6年前のことだったりするのが、驚きます。

 すっかり忘れてしまっていることが、実は鮮明なこと、として目の前に現れる時、どうして私はあれをやり遂げることができたのかしら?と思うばかりです。

 

 私が進学した、ロイヤルカレッジの大学院の入試の話になって、思い返してみれば、よくできたな、という思いでいっぱいです。

 色々とあって、締め切り前日に願書を書き、ロンドンに移ったばかりで、入試が12月なのに、11月頭までは家にピアノもありませんでした。 徒歩20分ほどのDr.Sのお宅の狭い事務所の古いアップライトピアノで練習させていただきました。隣でレッスンをしているのが全て聴こえるような環境です。

 特別に裕福でない私を理解し、ちょうど10月末に、Dr.Sと奥様がロシアでお仕事があって留守になさったので、その間、先生方の生徒さんたちのレッスンの代行を行いました。 そして、その分を先生は入試までの私のレッスンにしてくださったのです。 

 これは、本当に感謝していることです。 


 アップライトピアノをレンタルして、入試に臨みましたが、日本の音大で大学院へ進む人からすれば、理解できないことでしょう。

 でも、あの時は、カーディフで傷つけられ、ぼろぼろの状態。

 あのピアノ科の主任を見返してやりたかったし、何よりも、最後のチャンス。 これで上へ進めなかったら、ピアノなんかやめてしまいなさい!と言われていたし、勉強したかったし、カーディフで自分の勉強の人生が終ってしまうのが悔しかったから、あのような環境で頑張れたのかもしれません。


 色々な話をしていて、懐かしいことがたくさんでした。

 夢にむかって、これからまだまだ時間があり、そしてそれをつかもうとしている友達をみていると、いいな、と思うと同時に、私も頑張らないと!という思いを強くさせられます。


 今は、素敵な生徒たちに囲まれて、それはそれで幸せですが、やはり、自分の人生を掴みたい。

 悔いを残すのだけは嫌ですからね。

 

 目標に、夢に向かっている友達に会う、というのは、私にも色々と力をもらえます。

 

 そのうち、芸術関係のイギリス留学事務所でも開けるようになるのではないかしら、と思うほど、相談も受けましたが、これも母から受け継いだ遺伝子の一つなのですよね。

  

 明日は、また新しい出会いが。

 私が自分で13年前に苦労したことを、少しでもお手伝いできたら嬉しいです。

 

Posted on 2011/10/16 Sun. 04:16 [edit]

category: 音楽

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16

やっと1週間終わり 

 今週ほど、あっという間に過ぎていった1週間もありません。

 中3日、オペラハウスへ行っていたこともありますが、夜8時過ぎてからのレッスンも入っていて、新しい出会いもあり、とにかく、気がついたら土曜日。

 とりあえず、疲れ果てて、午後、教えが終った後には、普段から働いていない頭が、もっと働いていませんでした。

 

 ご縁があって、一気に生徒がこの1ヶ月で増えたことはとても感謝していること。

 でも、あまりに急激なので、ゆっくりな私には少々頭も体もついていくのが時間がかかりました。


 それでも、夕方には、大きな書店へ行かなくてはいけないこともあって、教えの後、そのままセントラルへ。

 イギリスの大学へ行く為の試験、私が受けた13年前とは、色々と変更があって驚きました。

 昔よりも、その種の参考書が増えているな、というのも思ったこと。

 もっとも、当時は田舎に住んでいて、大きな書店もなかったからわからなかったのかもしれませんが。


 街には、ハロウィンのもの、そしてクリスマスのものがお目見え。

 スーパーマーケットへ行けば、ミンスパイ(イギリスの、クリスマス前に食べるお菓子)が並び、クリスマスカードも並び始めています。 もっとも、私が8月に日本へ行く直前に既にセルフリッジ(高級デパート)にはクリスマスショップができていましたが。


 私立の学校では、来週からハーフ・ターム。 公立は、ほとんどが再来週がハーフターム。 

 よって、来週、再来週は教えが変則的になるので、間違えないようにしなくてはいけません。

 出張レッスンの私は、移動時間の計算を間違うととんでもないことになりますので。


 

Posted on 2011/10/15 Sat. 06:34 [edit]

category: 日常

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15

ロイヤルバレエ、 クラス 

昨夜は、2演目目で放心状態になるほど凄い舞台でした。

 ベッドに入っても、音楽と踊り、表情がフラッシュバックしてしまって、全然寝付けませんでした。

 書きたいのですが、とりあえず、今日のことを先に。


 昨夜は遅くまでオペラハウスにいて、今朝は朝10時過ぎにオペラハウス。

 たまたまチケットが手に入り、年に数回行われる、上のストゥディオでの、ロイヤルバレエの朝のクラスを見せて頂けるイベントへ行って来ました。

 バー、センター、ダンサーたちが毎朝行うクラスです。


 ロイヤルバレエでは、大抵は2つにわけてクラスを行うので、今日観たのはその一つ。


 今朝のこのクラスの指導者はロイパ・アラウホ。

 キューバ人教師です。


 私が覚えている範囲で今日このクラスを受けていたのは、


 プリンシパルが、リヤーン・ベンジャミン、 ローレン・カスバートソン、 ニァマイア・キッシュ、 セーラ・ラム、

 ロベルタ・マルケス、 スティーヴン・マックレー、ルパート・ペネファーザー、 タマーラ・ロホ、 ゼナイダ・ヤノフスキー


 ファースト・ソロイストが、ディアドル・チャップマン、 ユフィ・チェ、 ベネット・ガートサイド、 ヴァアレリ・フリストフ、 ホセ・マーティン、 イッツィアー・メンディザバル、 ヨハネス・ステパネク

 

 ソロイストが、メリッサ・ハミルトン、 蔵健太、 エマ・マグワイヤ、 ローラ・マックロック、 デイヴィッド・ピッカリング、 エリック・アンダーウッド、 トーマス・ホワイトヘッド


 ファースト・アーティストが、クレア・カルヴェート、 オリヴィア・コウリー、 シャーン・マーフィー、 ルドヴィック・オンディヴィエーラ、 ロマニー・パジャック


 アーティストが、サンダー・ブロンマート、 カミール・ブレイチャー、 クラウディア・ディーン、 ケヴィン・エマートン、 ヘイリー・フォースキット、 エルザ・ゴダード、 金子扶生、 ヤスミン・ナグディ、 ジェマ・ピッチレイ・ゲール、 ベアトリス・スティックス・ブルーネル、 あと多分、メガン・グレイス・ヒンキス


 昨夜も遅くまで公演がありましたし、お疲れのダンサーたち。 それでも、クラスが進むにつれて、活気に満ちてきます。

 センターの途中で、ずいぶん抜けていきましたが。



 群舞のダンサーが多くいましたが、普段、あまり踊りを見る機会が無い人たちを見られて嬉しい。

 舞台でつま先まできれいなダンサーは、やはりクラスでもきれい。

 ちょうど、私の目の前だったこともありますが、ヤスミンが、バーでも、とってもよく、つま先まで使っているな、と舞台で受ける感覚と同じでした。


 舞台よりも、クラスの方がずっと魅力的なダンサーもいます。 


 ロイヤルバレエでクラスを教える先生方、色々な方々がいらっしゃいますが、様々。

 基本的に同じ動きをとにかく繰り返す先生。 今日のように、複雑な組み合わせが多い先生。

 職業ダンサーでも、クラスでは順番が分からなくなる人もいるし、失敗だってするし、当たり前。

 彼らにとって、これはこれから午後のリハーサルをする為に体を温めるためにあるのですから。


 シーズンが始まってから全然舞台でみかけていないダンサー、怪我かしら?大丈夫かしら?と思っていた人たちが今日はバーだけとか、センターの途中まででも受けていて、嬉しい。

 

 自分の体の状態を感じながらやっているな、と思うダンサーもいれば、サーヴィス精神旺盛??で、舞台ではみせてくれたことがないようなジャンプを見せてくれたり。


 女性でも、今はあれだけのジャンプをやるのだな、という驚きもあったり。

 ソロを踊るのを観たことがなくても、是非、この人でソロを観てみたい、と思わせてくれる人もいました。


 

 私自身、今はこんな(この夏、歯医者で、妹が「おねえちゃん、重量オーバーだな」と言われたほど)ですが、バレエをずっと習っていた身。 舞台以上に、このようなクラスを見るとまた踊りたくなってしまいます。

 最後にクラスを受けたのは、1年半前。 跳べないのを覚悟で、そして体が硬くなっているのを覚悟で、そのうちふらっとオープンクラスに行きたいな、なんて思ってしまいました。


 

Posted on 2011/10/13 Thu. 06:03 [edit]

category: バレエ

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13

ピアノを教えるということ 

日が短くなってきました。

今月末に冬時間が始まると、一気に冬が来るのでしょう。




 ピアノを教えるという仕事、一気に生徒が増えるわけではありません。 広告を出せば増える、というものでも正直ありません。 勘違いしている方もいますが。

広告で増えることも少しはあります。 でも、大抵は、このようなお稽古事、というのは、ご両親の口コミが一番だからです。


 

面白いことに、9月に日本へ帰ってきてから、立て続けに生徒が増えました。

今まで教えている生徒たちからのご紹介、広告、両方です。





このブログを読んでくださっているピアノの先生がいるかもしれません。

書きにくいこともあるのですが、書いてみようと思います。

先にお断りしておきますが、私が正しい、ということを言いたいわけではありません。


私自身は、小さい頃から音楽の道を目指していたわけではありません。

学校よりも何よりも、バレエに打ち込んでいました。

  周りの同級生が大学生になるころ、いきなり音楽の道に進むことを決めました。

日本だったら門前払いです。



 イギリスで1年すごした後、音大進学をすることにして、日本の先生につきました。 最初から、イギリスの音大を目指しました。 その先生についてすぐ、イギリスは入学希望の前年の101日がほとんどの音大の願書締め切り日なので、日本でオーディション用の録音をしました。 今はずいぶん日本でイギリスの音大のオーディションが行われますが、当時は外国人は録音審査でした。

運良く録音審査に受かった学校があり、音大進学が決まりました。

それでも、大学が始まるまで、日本で過ごさなくてはいけません。



 渡英前々日だったか、その先生から、


「もし本当にイギリスへ行くのなら、破門にします。あなたよりも上手な門下生がたくさんいるのに、あなたが行くのはおかしい。」


 と突然言われました。 その時にちょうど私のレッスンの前だった、その年に日本の音大を卒業したばかりの門下生にも、「あなたが行くなんて・・・」と言われました。


しかも、その前日に母がご挨拶へ行っているのです。 その際には何もおっしゃっていませんでした。



これは推測ですが、我が家はお世話になったのは1年弱ですし、日本の音楽界の風習もよく知りませんでしたので、品物を持って行っただけで、お金を包んでいかなかったのです。 それがあるかもしれません。


 もちろん、その先生のことが疑問に思えてきた頃のことなので、「破門にしていただいて結構です。」 といいましたが、その日のレッスン時間、全てをお説教に費やされ、最後に、面倒になったので、「行くのを止めます。」と伝え(もちろん本心ではありません)、やっと釈放してもらえました。 

ちなみに、この時は、しっかりレッスン費(しかも、他の人の分の時間が空いたから、といわれ、2倍)を払いました。

 別に裕福でもなく、やりくりしながらレッスンに通わせてくれた両親には、とても申し訳なく思っていることです。




こういうことがあって、そしてその後、日本の先生のことを色々と耳にするようになって、もちろん、素敵な先生がたくさんいらっしゃることは百も承知ですが、日本のピアノの先生が苦手になりました。

 誤解を避けて書くと、インターネットを通じて、素敵な先生方と知り合い、実際に何度もお会いすることもありました。 


が、ロンドンに来て教えを始めるようになると、ロンドンで教えている日本人の先生について、色々なことを耳にするようになりました。


 


 あるこのあたりでは知られたピアノの先生がいらっしゃいます。 私が知っている方々も、数人その先生についていらっしゃいます。



 レッスンで新しいことが出てきても、先生は説明をなさらないそうです。 お母さんがインターネットなどで調べなさい、といわれるそうです。 そして、子供がレッスンで弾けていないと、お母さんがその場で弾いてみるように言われ、お母さんが弾けないと怒られるそうです。 これは、一人の方から聞いたことではありません。


 そうしたら、もう一人、この辺でピアノを教えていらっしゃる私よりちょっと年上の先生は、この先生のことを崇拝していて、子供がきちんと弾けないのは親がいけない、と注意されたそうです。


 


 どうなのでしょう? レッスン内容をお聞きすると、先生が弾いて見せて、隣でそれを真似させて弾けたつもりになっているから、家に帰っていざ翌日練習しようとすると、全く何をやってよいのかわからない、ということが起きるそうです。


 もちろん、各先生方にお考えがあるのですから、私が口出しをすべきことではありません。



 よく、楽しいレッスン、というのをみかけますが、楽しいレッスンって、一体何なのでしょう??

 先生が弾くのをまねさせるのは簡単です。 子供だってすぐに弾けて楽しいでしょう。

でも、1年後、楽譜が難しくなってきた頃、急に自分で読みなさい、と突き放され、ピアノが嫌いになってしまう。

 今まで、何人このような子供たちに出会ってきたのか・・・


最初は大変です。

まっさらなところに、音符の長さ、音の高さを覚えていかなくてはいけないのです。

でも、それを通り越すと楽しくなる。

私のレッスンは、決して最初から楽しいレッスンではありません。 

でも、楽譜を読むことを最初から当たり前にしてしまえば、拒否反応は起こしにくくなります。

そして、他のこととは違って、ピアノを教えることに対しては、非常に根気強いし、頑張っているのがわかってできない時、絶対に怒りません。 


 私は自分が苦労したから、子供たちに自分で練習ができる力をつけさせたい、小さいうちは、練習が苦にならないでできるようなレッスンを極力目指しています。


 練習の仕方がどうしてわからないの!!と何度も怒られましたからね。 もちろん、それでやり方を教えてくれるわけでもないし、ヒントを下さるわけでもないし。 分かっていて当たり前、という世界です。

でも、分からないものは分からないのです。

自分でそれなりに考えていっても、先生のお考えと違えば怒られます。


 甘えではありません。 でも、先生の頭の中が見えるわけではないのですから。




 私よりも年上の方ですが、何度かレッスンした方も、ただただ弾くように言われ、できないと、「あなたが下手だから」といわれたそうです。 そうではないのに。

 


 その点、私の師であるDr.S、毎年夏にレッスンを受けていたモスクワ音楽院のイリーナ先生、というのはこの点が的確。

 Dr.Sの奥様の子供のピアノのレッスンの見学をさせて頂いた時だって、こうありたい、と思えるレッスンでした。





 夏に帰国をしてしまった生徒がいて、最初から分かっていたことでもがっかりしていたところへ、神様は素敵な生徒たちとの出会いをくださいました。

 今日も、始めて4週目の女の子、しっかりと練習の習慣がついて、どんどん上達しています。



 夏前まで練習の習慣がつかなくて、夏休み後に教本を後戻りしてしまった生徒も、少しずつ練習の習慣がついてきました。 たくさんやろう、と思わなくていい。 お母さんが教えよう、としないで良い。 でも、練習しなさい、という声かけは子供に習慣がつくまではお願いしたい。 子供一人で練習して間違っていれば、それはそれで構わない。 そうしたら、次のレッスンの時に、間違わないようにしなくては、という子供の集中力が増します。

 毎回、宿題の内容をものによっては結構細かくノートに書いているので、字が読めれば子供だけで練習できます。


 


 5月に7歳になった男の子、2年前には、大変で、「このピアノを部屋から運び出せ!」だの、「みゆきなんか、にんじんになってしまえ! そうしたら、ママに頼んで、ぶつ切りにして、熱湯で茹でて食べてやる!」なんて、散々言われましたが、今ではしっかりと自分で練習をしています。


 ピアノのお稽古(その他の楽器も)、というのは大変です。 他のお稽古と違って、先生とのお稽古以外に練習をしなくては、絶対に上達しません。


 ピアノを1年ちょっと習って、ピアノが嫌になりかけている子供のレッスンを引き受けました。

大嫌い、になる前に、ちょっとでもピアノが好きになってくれたら、というのがお母様と私の気持ち。

責任があります。



 昨年、生徒を出演させたフェスティヴァルの日程も発表になって、これから2月末まで、自分自身のこともあるので、気の抜けない日々になりそうです。


 


 ピアノの先生が100人いたら、100通りの教え方がある。

それは十分に承知しています。

それでよい、と思います。
そして、そうあるべきだ、と思います。


でも、ピアノを1年習って弾くのがつらくなる、一番悲しいことに思えてなりません。


 


 

 





 












 




 

 

 

 

 

 





























 

 

 












Posted on 2011/10/11 Tue. 06:32 [edit]

category: 音楽

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ロイヤルバレエ、『リーメン』『マルグリットとアルマンド』 

 昨日のダブル鑑賞、両方とも立ち見ですから、その疲れと、作品が頭の中をぐるぐると回っていたことにより、なかなか寝付けない夜になりました。

 

 今回のトリプル・ビルの内容は、


 『リーメン(Limen)』 ウェイン・マグレガー振付、 Kaija Saariaho作曲、Notes on Light(チェロ協奏曲)

 『マルグリットとアルマンド』 フレデリック・アシュトン振付、 リスト作曲、 ピアノソナタ ロ短調

 『レクイエム』 ケネス・マクミラン振付、 ガブリエル・フォーレ作曲、 レクイエム

 

 です。


『リーメン』は1キャストで行われ、後は2キャスト。 ただ、昨日は、『マルグリットとアルマンド』は昼も夜も同じキャストでした。


 同じキャストなので、とりあえず、ここでは、最初の2作品について書いておきます。 レクイエムは別記事へ。


 

 『リーメン』 ウェイン・マグレガー振付、 Kaija Saariaho作曲、Notes on Light(チェロ協奏曲)


 エドワード・ワトソン、 メリッサ・ハミルトン、 リヤーン・ベンジャミン、 スティーヴン・マックレー、

 オリヴィア・コウリー、 ポール・ケイ、 ユフィ・チェ、 レティシア・ストック、 金子扶生、

 トリスタン・ダイヤー、 フェルナンド・モンターニョ、 マリアネラ・ヌニェス、 平野亮一、

 セーラ・ラム、 エリック・アンダーウッド


 

 2009年秋に初演されました。 ほぼ同じキャストですが、怪我により、いくつかの変更があります。

 結構内容は覚えていましたが、相変わらず苦手。

 まず、音楽が私の場合、音楽家として恥ずかしいですが、あまりにも理解できず、偏頭痛の種。

 

 ダンサーはよく踊っているのです。が、マグレガーの独特の体のくねくねさせるものがいまいち私には入ってきません。

 

 初めて観る時にはそのアイディアなどが興味深くも感じます。

 が、何度も観ると新鮮さがなくなり、他の作品ですとそれでも新しいものが見えてくるのですが、これはありません。


 メリッサは、クラシックの作品よりも、このようなウェインの作品での方がのびのびと踊り、彼女の身体能力の高さも手伝い、魅せられるのだな、と思います。


 初演でマーラ・ガレアッツィが踊ったパートを、オリヴィアが踊りました。 彼女は、『クローマ』でもローレンの代わりだったかキャストされましたが、マグレガー作品が体に入っているな、と思う動きです。


 スティーヴンとユフィちゃんが二人で踊る部分は、音楽のリズムもよく、二人の切れのある踊りが冴えます。

 ユフィちゃんはエレガントな踊り、というイメージが強いものの、4年くらい前だったか、ダンサーが振付けをする新作の時、お年を召した方々から文句が出るほどの凄いものを踊ったこともあるのです。 彼女は結構マルチに踊れるような気がします。


 この二人が踊っているところに、2009年当時、入団間もなかったダンサーたちが加わります。 ウェインは、何度も彼の作品を踊っているダンサーと初めてのダンサーを混ぜることを好むそうです(いつだったかのインサイトより)。

 

 高田茜さんが踊ったパートを4月に入団したばかりの扶生さんが。

 フェルナンドが踊ったパートは彼ではなかったと思うのですが、記憶無し(以前のプログラムをチェックすればよいのですけれどね)。

 

 扶生さん、色々と大舞台も経験しているようですし、日本でそれなりに勉強してきているので、技術の高さがあります。 まさかマグレガー作品に出演、とは思わなかったのでびっくりでした。

 もちろん、初めてで、まだクラシックのラインが強いですが、目を惹くダンサーです。

 体の芯がしっかりしていますね。

 

 昨年ほとんど降板だったトリスタンが復活。 彼もきれいな踊りをするダンサー。 昨年観られなかった分、今年の舞台を楽しみにしています。

 

 マリアネラと亮一さんのパ・ドゥ・ドゥは、初演では、亮一さんのパートはブライアン・マローニーが踊ったもの。

 ブライアンは3月の舞台上での大骨折のあと、まだしばらく復帰が厳しそうです(『眠り』のブルーバードを楽しみにしていたのですが)。

  マリアネラは、コンテの方が力を発揮できる、と公的な場所で書いていらっしゃる方もいますが、基本的に彼女はクラシックだと私は思います。 ラインが、クラシック寄りのマグレガーなのです。

 亮一さんのパートはブライアンの動きが結構頭に残っているので、もう少しアクセントが欲しいかな、と思って観ていました。


 セーラとエリックのパ・ドゥ・ドゥの後、全員が肌色のレオタードで、客席に背を向けて立ち、ばらばらに少し踊って、舞台後方に吸い取られるかのように消えていきます(照明で行う)。

 この部分は素敵だな、と思うのですが、やはり、?????というものが残りました。


 


 『マルグリットとアルマンド』 フレデリック・アシュトン振付、 フランツ・リスト作曲、 ピアノソナタ ロ短調


 マルグリット: タマーラ・ロホ

 アルマンド: セルゲイ・ポルーニン


 アルマンドの父: クリストファー・ソゥンダース

 

 大公: ギャリー・エイヴィス


 マルグリットを囲う男たち: 

   デイヴィッド・ピッカリング、 ヨハネス・ステパネク、 ベネット・ガートサイド、アンドレイ・ウスペンスキ、

   平野亮一、 トーマス・ホワイトヘッド、 ヴァレリー・フリストフ、 サンダー・ブロンマート


 メイド: オリヴィア・コウリー


 

 1963年、アシュトンが、マーゴ・フォンテーンと亡命して間もないルドルフ・ヌレエフの為に振付けた作品です。

 フランスの作家、デュマの『椿姫』を題材にしたバレエ。 30分の作品ですので、タイトルの通り、マルグリットとアルマンドに重きを置いています。

 

 アシュトンは、ラジオでこのリストのソナタを聴いた時、「これだ!」とすぐに思ったそうです。

 高級娼婦のマルグリットと青年のアルマンドとの恋、最後はマルグリットが死にいたる物語。

 フィクションであるものの、マルグリットのモデルの女性がいるそうです。

 デュマが恋した高級娼婦、Marie Duplessis。 彼女は23歳で亡くなっています。そして彼女は他でもない、リストとの関係ももっていたそうです(プログラムより)。

 アシュトンは、リストとモデルになった高級娼婦とのことは、曲を決めた後のリサーチにより、発見したそうです。

 何とも興味深い話。

 ちなみに、デュマの『椿姫』が書かれたのが1852年。 リストのソナタが作曲されたのが、1854年。


 1963年に初演されて以来、常にマーゴとヌレエフが主役を務め、他の人は踊ることが許可されなかったのですが、2000年だったか2001年だったかに、シルヴィ・ギエムの強い希望により、再演されるようになりました。


 

 一つ一つのシーンは短い(何しろ、30分にまとめているので)のですが、その分、凄い瞬間がある。

 

 タマーラは、水曜日の『エメラルド』と同じ人とは思えない。

 やはり、彼女はこのようなドラマティックな役がすきなのですね。

が、少々幼く見えすぎてしまう部分もあり。


 反対に、今回がデビューのセルゲイは、若いのに、変な落ち着きがあるので、途中から、二人の関係を勘違いしていたかしら?と思ってしまいました。


 中盤、アルマンドの父親がマルグリットのところへ来て、「わしの息子から離れてくれ」という部分のあとの二人のパ・ドゥ・ドゥは音楽の力もあり、胸が詰まるようでした。


 一番最後、マルグリットの死の部分も美しい。 アシュトン、というと楽しいバレエが多くて、いまいちこのような場面が想像できなかったのですが、最後、マルグリットを寝かせ、アルマンドが彼女の目を閉じる。 もう少しセルゲイからの感情というか、意味が欲しかったようにも思いますが。 結構淡々としていたので。


 が、ヌレエフに振付けられたのですから、見せ場が多い振付、もちろん、セルゲイは魅せてくれました。

 回転はぶれないし、ジャンプもきれいだし。 再来週の舞台で、それプラスの演技を楽しみにしています。


 30分のバレエですが、マルグリットは4枚のドレスを着ます。 それもまた素敵。


 今年、一時失われていた、マルグリットを囲む男性たちの鬘が復活。

 似合う人とそうでない人の差が結構あります。

 ヨハネス、ベネットあたりは似合いました。

 トーマスは、ブロンドのおかっぱ。 衣装の雰囲気もあり、フランツ・リストみたい、と思いましたが、あながち間違いではないかもしれません。 そして、これがとても似合っていました。

 終演後、プログラムを読んだら、この男性たちは、当時の絵などからヒントを得、リストも中にいる。 とのこと。

 この男性たちは、いわゆる立ち役。 踊りません。 が、トーマス、ヨハネス、デイヴィッド、ベネットあたりの演技に強いダンサーたちを集めていますから、踊りがなくても、十分に見ごたえありでした。


 ギャリーが白髪の大公。 意外と大人しくしていました。

 

 書きたいことはたくさんあるのですが、この辺で。

 内容、別サイトにできれば数日中にかきたいと思っています。

 

Posted on 2011/10/09 Sun. 06:18 [edit]

category: バレエ

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09

リストのピアノソナタで踊る 

 一気に寒くなったように感じます。


 今日は、今日からスタートのロイヤルバレエのミックス・ビルのダブル鑑賞です。

 今は、その合間。

 

 今まで、いくつものバレエに感動し、胸がいっぱいになってきたことでしょう。

 今日もその出会い。

 2005年秋(のはず。 もしかしたら2004年かも)、こうして私が自分の気持ちと話し合って、バレエを観ることができるようになる前、よくオペラハウスに寄って、パンフレットを頂いていました。 オペラハウスが縁でイギリスに来ることにしたのですから、気持ちの整理がつかなくて、バレエは観られなくても、憧れの場所でした。


 その時に、観てみたい!!と思ったものが、やっと6年ぶりに再演。

 DVDでしか観たことがありませんでしたので、今日を心待ちにしていました。


 想像以上に素敵で、このバレエの為にこの音楽が書かれたように思われました。

 バレエであんなに号泣したのは初めてかもしれません。


 『マルグリットとアルマンド』、アレクサンダー・デュマの『椿姫』を元に作られたバレエ。

 おなじ『椿姫』、アメリカ人振付家のジョン・ノイマイヤーの『椿姫』は3幕からなる全幕バレエで、ショパンの音楽(協奏曲、エコセーズ、バラード第1番など)で作られているものがあります。


 今回観たのは、フレデリック・アシュトンがマーゴ・フォンテーンとルドルフ・ヌレエフの為に振付けたもの。

 音楽は、フランツ・リストのピアノソナタ ロ短調。 

 あのピアノソナタで踊るのです! ピアノはほぼ原曲通りに弾き、オーケストラが加わります。


 音大に通うようになってリストのピアノソナタのことを知って、大好きになって、それがバレエとして何年も何年も前に造られていた、と知ったら、私は観たくて観たくて仕方がありませんでした。

 あのストーリーを30分にまとめる。


 以前も書きましたが、バレエ音楽って何?という気持ちです。


 教養がない私は、『椿姫』は読んだことがありませんでした。 フランス文学はそれほど興味も無くて・・・

 先日、本をやっと購入したのですが、まだ読み終わっていません。

 今日までに読む予定だったのですけれどね。


 夜が楽しみです!!

 感想はまた後ほど(きっと明日)。

Posted on 2011/10/08 Sat. 01:06 [edit]

category: バレエ

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08

バレエアソシエイション、一昨日のその後 

一気に風が強く、冷たくなりました。


 今夜は、バレエアソシエイション。 今年度が最後の任期のロイヤルバレエ芸術監督のモニカ・メイソンがゲストでした。

 彼女は確か2、3年前にも一度お話していらっしゃいますが、私は行くことができなかったので、今回が初めて。

 さすがに、今日はいらした方もたくさんでした。


 ここで内容は書けませんが、今年度のレパートリーの決定した理由、など興味深いお話でした。

 お話が始まる前、まずは、先日亡くなった、アレクサンダー・グラント氏への追悼のお話がありました。

 私にとっては本の中でしか知らないダンサーですが、ここに集まった多くの方々は、実際にグラント氏の舞台を観たことがある方々です。 

 アソシエイションでは、私は若いメンバーの一人なのです。 


 彼女のカンパニー(53年間)での振り返りなど、興味深いお話をたくさん伺うことができました。

 さすがに、ダイレクター、人前で話すことに慣れていらっしゃいますし、わかりやすいお話しの仕方でした。

 

 

 さて、会場で、一昨日一緒にチケット発売に並んだ女性と話しました。

 彼女は2番目(私は3番目)。

 同じランクの席狙いですが、彼女はオペラのチケットを先に手配し、その後バレエ。

 私が、全て無くてがっかりしていた時に、彼女がバレエのチケットをお願いしているのは知っていました。

 そうしたら、問題なく、そのチケットが買えていたそうです。

 もちろん、タイミングもあるとは思います。

 それでも、おかしい。

 

 

 疑いたくないけれど、うそをつかれたのか??と思ってしまいます。

 オペラハウス、会場係の人で、明らかに人種差別をする人もいます。

 私なんて、日本人の若い(オペラハウスでは若い)女の子なのに、しょっちゅう来ているからなのか、明らかに酷い口の聞き方などをされることもしばしば。 ある一定の二人の会場係がやっていることです。


 

 オペラハウスでは、実際にパフォーマンスに関わっている(ボックスオフィスだって、客席係だって関わってはいますが)方々には、本当によくしていただいてきました。

 だからこそ、このようなことが起こると悲しくなります。

Posted on 2011/10/06 Thu. 05:41 [edit]

category: バレエ

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06

ロイヤルバレエ『ジュエルズ』最終日 

 ロイヤルバレエの今シーズンの始まりは珍しく、1演目が終ってから、次の演目、となっています。

 今夜で、『ジュエルズ』の舞台がおしまい。 土曜日からミックス・ビルが始まります。


 初日と同じ、ファースト・キャスト。 正直、先週金曜日のユフィちゃんの『ルビー』と、マリアネラの『ダイヤモンド』が頭から離れなくて、今日はいずれにしてもチケットが取れていなかったし、朝当日券に並ぶ予定でしたが、昨日の怒りからボックスオフィスへ行く気になれなくて迷いました。 が、当日券に残りがあったので、行くことに。 この作品自体は大好きなのですから。


 『ジュエルズ』 ジョージ・バランシン振付



『エメラルド』 フォーレ作曲、 ぺリアスとメリサンド、シャイロックより


 タマーラ・ロホ、 平野亮一

 リヤーン・ベンジャミン、 ニァマイア・キッシュ


 サマンサ・レイン、 ディアードル・チャップマン、 アレクサンダー・キャンベル


 リヤーン・コープ、ロマニー・パジャック、金子扶生、ターラ・ブリジット・バフナーニ、クレア・カルヴェート、

 ナタリー・ハリッソン、フランチェスカ・フィルピ、セリザ・ディウアーナ、オリヴィア・コウリー、ピエトラ・メロ・ピットマン



 この作品は、観れば観るほどそのよさがわかるようになると思います。 多くの方が、つまらない、という感想を最初は持つようですが、段々と変わってくる、とおっしゃいます。

 とりわけ、派手な動きがありません。 だからこそ、つまらなく見えるのかもしれませんが、優しく、やわらかな輝きを見せるのが、この作品です。


 タマーラは、初日はよかったものの、今日はこれを踊りたくない、というのが前面に出てしまっていました。 特にソロでは、音で遊ぶ、なんてものではない。 完全にずれています。 バランシンは音楽性豊かな振付家ですから、音と振付がぴったりなはずなのです。 結局、今夜のタマーラは、バランスの長さをみせることに集中していた、というか、音とずれても構わないからバランスをみせた、としか言えません。

 彼女のバランスの長さは素晴らしいです。 でも、それをみせるべき作品とそうでないものがあるような気がしますが。


 亮一さんが、初日に比べて、サポートに徹する、というのが良い意味で減りました。

 

 リヤーンは一つ一つの動作が流れすぎず、メリハリがある。 

 ニァマイアは、今日の方がのびのびとしていました。

 最後の曲の一つ前(7曲目)、男性3人で踊るところがあるのですが、やはり、なんだかんだいっても、ソロイストの亮一さん、アレクサンダーと並ぶと、プリンシパルであるニァマイアは違うな、と思いました。 それはテクニックとかジャンプの高さではありません。 顔の向き、手の出し方、そういう細かい点でぱっと目を惹く瞬間があるのです。


 コールドの中では、4月に入団した扶生さんが、ずいぶんとカンパニーに馴染んだな、と思います。ナタリーも良いダンサーなのに(肩の変な力が抜けたら)、なかなかチャンスをもらえていません。 彼女は背も高いですし、動きもずいぶん柔らかくなって、今日は目を惹きました。

 

 


 『ルビー』 ストラヴィンスキー作曲、 ピアノとオーケストラの為のカプリチオ


 セーラ・ラム、 スティーヴン・マックレー

 ゼナイダ・ヤノウスキー


 アイオーナ・ルーツ、 エマ・マグワイヤ、 ピエトラ・メロ・ピットマン、 メリッサ・ハミルトン、

 クラウディア・ディーン、 サマンサ・レイン、 ロマニー・パジャック、 サビーナ・ウエストカム

 アレクサンダー・キャンベル、ヨハネス・ステパネク、ベネット・ガートサイド、リカルド・セルヴェラ


 

 ゼナイダのトール・ガールの踊りがひときわ際立ちます。 思い切りのよさ、のびのびさ、そして彼女の高い音楽性。 音楽に合わせて踊っているだけでは、この役のよさは本当にはみえてきません。

 ソロイストの男性4人を従えて踊るところは、彼らを見る目つき、挑発、という感じ。 

 背の高さだけではない存在感。彼女が現役でいる間に、もう一度ジュエルズをレパートリーに入れてもらいたいな、と思わずにはいられません。


 スティーヴンは、相変わらずの切れのよさ。 この作品では愛嬌もありますからね。


 珍しく、メリッサが笑顔で踊っていました。 どうしたのでしょう?



 『ダイヤモンド』 チャイコフスキー作曲、 交響曲第3番 第2から第5楽章


 アリーナ・コジョカル、 ルパート・ペネファーザー

 

 ユフィ・チェ、小林ひかる、イッツィアー・メンディザバル(第2楽章)、ヘレン・クロウフォード(第2楽章)

 ヴァレリー・フリストフ、トーマス・ホワイトヘッド、ヨハネス・ステパネク、蔵健太


 エリザベス・ハロッド、金子扶生、クリスティン・マクナリー、リヤーン・コープ、オリヴィア・コウリー、

 ローラ・マックロック、ナタリー・ハリッソン、フランチェスカ・フィルピ、ターラ・ブリジット・バフナーニ、

 メリッサ・ハミルトン、ピエトラ・メロ・ピットマン、ロマニー・パジャック


 

 幕が開き、周りから感嘆の息が聞こえてきます。 12人の女性群舞が立っているのですが、とにかく何度観ても美しい。

 第2楽章(バレエでの第1楽章)では、途中、女性ソロイストの2人が加わるのですが、これは4人の中から公演によって変えて行っているようです。 前回このキャストの時にはユフィちゃんとひかるさん。 今回は違う2人を見られたのでよかったです。


 昨年移籍してきたイッツィアーが、上体が使えるようになり、ずいぶんと滑らかな動きになりました。 

 ロイヤルバレエのバランシンは、上体も使って、腕の動きも滑らか。 これが本当にバランシンが求めていたものかはわかりません。が、色々なバレエ団でバランシンを取り上げるのであれば、もちろん、バランシンスタイルは残し、各バレエ団の色があってもよいのでは、というのが私の考え。 上演のたびにバランシン協会の方が指導にいらしているわけですし。


 

 観終った時、幸福感で満たされる作品、再演を心待ちにしています。 

 

Posted on 2011/10/05 Wed. 06:19 [edit]

category: バレエ

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05

カードトラブル 

 とりあえず、今日の予定はこなしたものの、朝のショックを引きずっています。

 あれだけ並んで、全く買えなかった時の疲労、というのは、買えた時の何十倍も大きなもの。

 ロイヤルバレエは大好きだし、ロイヤルオペラハウス、という箱も好きだけれど、そして、私は衣装部の方からお返事を頂けた事がこの国に来ることに繋がったけれど、ボックスオフィス、某部署、あまりにも酷い。 私だけの意見ではありません。

 そりゃあ、後援会にも入らず、高いチケットを買わない私たち、というのは、ボックスオフィスにとって正直いらない客です。 今日だって、希望のものがなかったら、私が買おうとしていたところの何倍もする席を勧められました。 こういうことは今回だけではありません。

 

 

 実は、昨日から私のデビットカードが使えなくなりました。 日本ではそれほど普及していないかもしれませんが、イギリスではとっても一般的な、バンクカード。 クレジット・カードのようなものだけれど、口座からそのまま引き落とされます。


 オンラインで使おうとして使えなくて、慌てて、そのまま銀行のATMへ行っても駄目。

 夕方で、その銀行はもう閉まっていたので、夜7時まで月曜日は開いている支店へ行ったものの、残高は問題がないし、わからない。 5時を過ぎるとメインオフィスがしまるから、調べられない、と言われました。


 今日のオペラハウスの帰り、銀行に寄ったところ、Fraudの疑いがある、とのこと。

 直接、どこかへ電話して私が聞くように言われました。

 そのまま、銀行のオフィスから電話をしたら、このところ、生徒のグレードの申し込みを何回かにわけてオンラインで払っているし、その他、わからないものがある、とのこと。

 セキュリティーチェックをされた後(質問)、この1週間のカード使用の内容を相手が読み上げて、それに問題がなかったので、カードを再び使えるようにしてくださいました。

 慌てました。


 この銀行の電話を受けている事務所、どこにあるのかしりませんが、3人と話して、皆酷い訛り。

 Surname(サーネーム)が、シーニーム、みたいに聞こえて、とにかく英語ができない人みたいに、何度も何度も聞き返してしまいました。 日本の方言にはそのよさがありますが、同じ単語なのに、違う発音だと、全く想像がつかなくなります。

 だから、最初にカードに書いてあるところへ電話をしないで、銀行へ直接行ったのです。 が、その意味無し。


  こうして、怪しい、と思ったらすぐにとめてくださるのはありがたいですが、ドキッとします。


 6年前、私のカードがスイスから悪用されました。

 その時にも私が気がつく前にすぐにカードを止めてくださり、銀行に行ったらすぐに手続きをして下さって、全額が戻ってきました。

 なので、今回は少し安心はしていたものの、それでも、カードが使えなくなる、というのは落ち着きません。

 

 そんなこんなで、昨日から踏んだりけったりのところへ今朝のオペラハウスでの出来事。

 とりあえず気をつけたのは、怒って何かを叩いて、指の怪我をしないようにすること。

 

 

Posted on 2011/10/04 Tue. 05:53 [edit]

category: イギリス事情

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04

アウトドア・ナイトの後にはがっかりが待っていた 

災難でした。


 今日は、恒例、年に4回のロイヤルオペラハウスの一般チケット発売日。 私は数を多く観るので、もちろん安いチケット狙い。 それらはすぐに無くなってしまうから、前夜から並びます。

 もちろん、インターネット、電話でもできますが、家は電波が悪くて、インターネットのつながりが悪いので、直接行って並びます。


 昨夜は10時30分過ぎにオペラハウス着。 3番目。 4番目の車椅子の方が私のすぐ後にいらっしゃいました。 その後、朝4時10分まで誰も来ない、という珍しい状態。

 窓口は全部で7つありますが、今夜はオペラの公演もある為、当日券用に大抵、2つほどとられます。

 1順目になりたい私はだから早めに行くのです。


 おかげさまで、この気候なので、寝袋は持っていってその中に入っていたものの、とても過ごしやすく、外にいるのが気持ちよい、というイギリスでは珍しい陽気でした。


 朝10時、ボックスオフィスがオープンです。

 まずは当日券の人を先に中に入れ(当日券は、列がなくなるまでは電話、インターネットでは買えないのだから、彼らが後でも良いのに)、次に私たち。

 一般発売用のデスクは4つ。

 私は一巡目。

 馬鹿丁寧に話して、余計なジェスチャーが多い、苦手な人が担当。 しかも、動作もゆっくり。 これは、秒勝負のことをやっているのです。

 結果、トリプル・ビル(5つの日にちを聞きました)、ロミオとジュリエット(5つ分聞きました)、真夏の夜の夢、大地の歌のビル(4つ分聞きました)、上のスタジオでのリハーサル、ドガ展のイヴェント、全て買えませんでした。

 上のスタジオでのもの以外は他の席はあります。 でも、高いところは無理です。


 もし、マネージャーの言葉を信じるのであれば、私たちはデスクに10時にはいて、10時から10時3分の間に、全てのこの私が求めていた場所のチケットはインターネットで売れてしまったことになります。

 でも、おかしすぎる。

 唯一、地下の劇場でのリハーサルのチケットだけは確保しましたが。


 もうがっかりすぎです。 マネージャーとも話したものの、彼の時、去年の春だったか、全然チケットが買えないときがありました。


 ショックすぎて、周りのものを破壊しそうな勢いでしたが、なんとかこらえ・・・


 前回の発売日はセイシェルにいて、ほとんど入手できず、今毎回の公演ごとにチケットを手配しなくてはいけないのが大変で、これでやっと開放される!!と思っていたところなのに・・・

 さすがに、ゼロだと沈みます。

 しかもロミジュリなんて、皆が狙うような人気のあるキャストがとれなかったわけではないのです。


 仮眠をとりたいところですが、今寝ると起きられそうに無いので、頑張っておきていないと。

 教えに行ったら、その時だけはしゃきっとするのはわかっているので。



 それに加え、昨日から落ち着かないことがありました。

 これについてはまた後ほど。 このことは、オペラハウスからの帰りに解決したので、心配事が減りましたが。 

 


Posted on 2011/10/03 Mon. 19:23 [edit]

category: バレエ

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03

アレクサンダー・グラント氏の死去 

 私がえらくなったらインタビューしてみたい、と思っていた方がまた一人亡くなってしまいました。

 

 ニュージーランド出身、ロイヤルバレエで戦後活躍したダンサー、アレクサンダー・グラント氏が9月30日に86歳でお亡くなりになったそうです。

 http://www.ballet.co.uk/2011/10/alexander-grant-1925-2011/


 アレクサンダー・グラント、といえば、確かアシュトン振付の『リーズの結婚』の上演権をもっていらっしゃるはずですし、アシュトン振付の数々の作品を初演しました。 彼はキャラクターが素晴らしかったようで、例えば、『リーズの結婚』のアライン(アラン)、『シンデレラ』の道化師、などキャラクターが特に必要な役の初演をしています。

 『ベアトリクス・ポターの物語(ピーターラビットと仲間たち)』で、ピーター・ラビットとあと何でしたっけ?いくつかを踊っていらっしゃいます。


 背も低めで、コロコロとした感じの人のよさそうな方。

 私はもちろん踊りを拝見したこともありませんし、指導する姿を拝見したことも残念ながらありません。

 何度か、『リーズ』だったか、『シンデレラ』だったか、オペラハウスの客席でお見かけしました。


 ロイヤルバレエでも最近までキャラクターによっては指導をなさっていたはずです。

 特徴のある役を後世に伝え、それを今度は指導を受けたダンサーたちが次の世代に伝える。 あのような役を伝えていくのは大変なことかもしれませんが、是非、ダンサーの個性も含めつつも、初演者の言葉を伝えていってほしいな、と部外者ながら思っています。


 去年の今頃、彼のことが知りたくて、必死にブリティッシュライブラリーで資料を読み漁ったものの、それほど多いわけでもなく、がっかりしたのを覚えています。


 ご冥福をお祈りいたします。

Posted on 2011/10/03 Mon. 06:58 [edit]

category: バレエ

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03

治安 

 夕方になって少し風が出てきたものの、今日も再び快晴でした。

 どうなっているのでしょうね、イギリス。

 年に何度かロンドンにいらっしゃるフランス人ご夫妻も、フランスも暑い、とおっしゃっていました。


 お天気が良いのだから外にいけばよいのに、疲れが溜まっているのか、昨日も家で本を読んだり、調べ物をしていたりして時間が過ぎていってしまいました。

 こういう日があっても良いかな、と思っていますが。


 

 イギリスに住んで14年目、とりあえず、大きな事故には巻き込まれずにやってきました。

 一度、5年くらい前に、カードのスキャミングにあって、結構な額をスイスから使われてしまい、銀行が気がついてカードをとめてくれて、きちんと返金もしてくれたことがあったくらいです。

 スリなどの現場も見たことがなかったのですが、一昨日、ついに目の前というか、すぐ側で盗難が起きました。

 

 あれは盗難、といってよいのかもわかりません。


 まだ暗くなる前、バスを待っていたら、少し離れたところ(広い通りです)で、ガシャンという物音がし、5人の黒人の子供たちが白人の男の子を倒して、自転車を奪いました。

  

 黒人の子達が離れてから、この白人の男の子の凄い泣き声が聞こえてきたら、彼は鼻からも口からも血を流した状態。 近くにいらした女性が、すぐに警察に電話を入れていました。

 ティッシュを差し出すことくらいしか、こういう時に立ちすくんでしまって何もできない自分が情けない。

  

 まだ明るいうちです。 このようなことが起こるのを初めて目の当たりにしたので、今までこのようなことがなく来た、ということは感謝すべきことかもしれません。


 イギリスは階級社会です。 バスに乗っても、ある地域にいると、いつも以上に周りを疑い、気をつけます。 日本だとあまり感じないのですが、イギリスは階級で顔つきが違うのです。学校には行くものの、親が子供に接するのをみてもちょっと・・・と思うことも多いですし、あのように子供に接したら、子供はきちんと育たない、と余計なことですが、心配になることもしばしばある国です。


 おせっかいな私は、ピカデリーにいる日本人でこれは狙われる、というような格好をしている人にはやんわりと注意をしてしまうことも。

 先日だって、日本から帰ってきた時、4人の日本人の女の子たちと一緒に地下鉄に乗って、少し離れて座っていた2人が寝てしまって、はらはらしっぱなしでした。

 ロンドンの地下鉄で居眠りなんて、スリの餌食です。

 今では、日本の電車でも寝られないようになりました。 その昔は、寝過ごす名人だったのですけれど。


 というわけで、基本的には治安が良いイギリスですが、やはり、一人ひとりが気をつけなくてはいけないのだな、と実感しました。

 11歳になるまで、子供の外の一人歩きが禁じられているイギリス、過保護すぎる気もしますが、必要なことなのかもしれません。

 

Posted on 2011/10/03 Mon. 06:39 [edit]

category: イギリス事情

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03

素敵なお姉さんとディナー 

 サングラスに日焼け止め。 誰が10月のロンドンでこれらが必要だと思うでしょうか? ちょっと前には、10月には雪が降る、と言われていたほどなのです。


 今日は、夜になって、お出かけ。 久々にビッグベンの真下まで行きました。

 2、3日前に、私が小さい頃は近所に住んでいて、その後はお引越しをなさったりしながらも、ずっと家族ぐるみで仲良くさせて頂いているお姉さんがお仕事でロンドンにいらしている、とのメールを頂きました。

 彼女は連日お仕事なのですが、今夜時間がある、ということでお会いすることに。

 顔を合わせるのは5年ぶり。 話すのは、10年ぶり?

 転勤先の秋田に母と妹とおじゃまして、一緒に、角館でお花見をしたり、東京に帰っていらしてからは、川の土手でお花見をしたり、本当にいろいろとよくして頂いたご家族です。

 元々、私がバレエを習いたいと思ったのだって、彼女のバレエの発表会の写真を見せていただいたことがきっかけでした。



 大都市のロンドン、市内には、いくつものホテルがありますが、彼女が泊まっているホテルと、私の同級生が3月にロンドンに来た時に泊まったホテルが偶然にも一緒。

 というわけで、場所もわかっているし、ホテルの方が絶対に会える、ということで、ホテルまで行ってきました。

 イギリス、とは思えないほど、モダーンなホテルです。

 なんといっても、レセプションが黒で、赤いアマリリスが生けてあり、それが、とっても映えていました。

 ホテルへ行くのに、ビッグベンのすぐそばのテムズ川にかかる橋を渡りましたが、夜景を撮る観光客で、お祭?と言いたいほどごった返していました。


 すっかり2時間半ほどおしゃべり。 色々と話が尽きません。

 

 先日も書きましたが、こうして高校生くらいでイギリスに来て勉強していた。

 やりたいことがあってイギリスに来た、というと生徒のお母様方から、私の母はどれだけ教育熱心なのだろう、と思われます。

 が、我が家はそういうわけではない。

 今日お会いしたお姉さんも、普通に思えば、親が教育熱心なのだろう、というようなキャリアの方。

 でも、そうではないのです。

 二人で話していて、結局私たちは、親が何かのきっかけは与えてくれた。 このきっかけだって、これが将来に結びつく、というわけではなくて、興味を示すものをやらせてくれた、というような感覚。 もしそれが押し付けだったらできないよね、という話をしていました。

 だからこそ、こうして自分の道にめぐり合えたのかもしれません。

 

 彼女のお仕事は、私には到底無理なものですが、でも、とっても興味があるもの。

 そのお話を伺うのもまた楽しい。

 自分が知らない世界を知る、一番素敵なことかもしれません。


 フリーの時間がほとんど無い中から、素敵な時間、どうもありがとうございました。

Posted on 2011/10/01 Sat. 06:50 [edit]

category: 日常

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