04 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 06

WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

Dr.S オルガ門下の発表会 

また暖かさが戻りました。


 今日は年に1度のDr.S & 奥様のオルガの生徒の発表会。 生徒全員ではなくて、先生方の自宅の生徒の発表会です。 昔は私は大学生でも毎回出させて頂いていたのですが、大学生の生徒は先生が決めた生徒だけですから、今は弾かせていないようです。


 ロンドン郊外の某私立男子中、高校の音楽ホールで行います。 私が初めてこの発表会に出たのは1999年のこと。 発表会の前日に先生に音大に行きたい、と言い出して先生を顔面蒼白にさせました。


 発表会の参加費は無くて、親でも聴きに来る人が5ポンドの入場料を払う仕組み。


 イギリスでロシア人の先生方の教室ですが、今回いわゆる白人は5人いなかったはず。 中国系のアジア人、インド人が主な生徒。 これは私のところと同じ。 先生方のところでも、私のところでも白人は続かないのです。


 前半は約45分。 今回は6手連弾が4組。 大抵は初心者とグレード、1-3くらいを取っている人の組み合わせ。 グレードをとっていても上手な子達だけがソロを弾かせてもらえます。


 その後1年弱ピアノを習っている女の子がロシアの教本の中のエチュードを弾いて、グレード4を勉強している7際(8歳になったばかり?)の男の子がカバレフスキーのダンス。

 

 4手連弾が3組あって、それからはグレード5(ブルグミュラーの終わりの方くらいのレベル)を受かっている4人がソロ。 それから再び連弾を挟んで、グレード7あたりの子達が4人。 

 このあたりの子達は知っている子も多くて、1年前からだいぶ上達したな、と思って聴いていました。


 Dr.S、オルガの生徒たちで共通しているのはクリアな音で、でも叩かずに弾く、ということ。 フレーズが子供でもはっきりしています。 初心者でも、手の形がきれい! 


 休憩を挟んで、後半は全てソロ。 ほとんどがグレード8を勉強中かそれ以上。

 昔は後半は大学生だったのですが、今は11歳から18歳までの上手な子達がこの後半。


 後半だけプログラムを書くと、


 ベートーヴェン: ピアノソナタ 第9番 第1楽章 (13歳になったばかりの女の子)

 リスト: コンソレーション 第3番 (グレード8を今回受ける男の子)

 プロコフィエフ: 束の間の幻影 より2曲 (12歳の女の子)

 ショパン: ノクターン 嬰ハ短調 遺作 (11歳の女の子)

 ドビュッシー: アラベスク 第2番 (グレード8を今回受ける女の子)

 ブラームス: インターメッゾ Op.119-1 (13歳の男の子)

 ラフマニノフ: プレリュード ト短調 Op.23-5 (15歳の男の子)

 ショパン: ノクターン Op.62-2 (15歳の男の子)

 トゥリーナ: サクロ・モンテ (12歳の男の子)

 ショパン: ノクターン Op.48-1 (18歳の男の子)

 

 先生方の連弾で、メンデルスゾーンのアンダンテ・アレグロ・ブリランテ


 日本だとこの年齢でこれくらい弾く子はたくさんいるのだとは思いますが、音大を目指していない子達ばかりでこれだけのプログラムになるのだから、やはり凄いな、というのが印象。

 しかも皆、イギリスの中、高校でトップ10に入るような学校に通う子たちです。 

 

 最後のショパンのノクターンを弾いた男の子は、もうすぐ大切なAレヴェルの試験が待ち構えているのに、こうして発表会にも出ていました。 彼はこの2、3年で急激に伸びた子。 Aレヴェルでミスさえしなければ、ケンブリッジの医学部に内定が出ているそうで、今までの先生の生徒たちもそうですが、ああいう大学に行く人は余裕があるのだな、と思わずにはいられません。 とっても素敵な演奏でした。


 プロコフィエフを弾いた子は2年前のサマーコースではコンフィデンスはないし、そんなに弾けていなかった子なのですが、サマーコースでロシアの子供たちを見て、そして大学生たちを見て目覚めてしまった女の子。

2008年には結構簡単な曲を弾いていたのに、去年はバッハのシンフォニアだったかインヴェンションだったかを弾き、今回も、私が大学1年生の試験のプログラムの1部だったこのプロコフィエフを、先生にやらされた、というのとは違う説得力のある演奏。 ピアノが好きで好きで!というような子だから、これからが楽しみ。 


 とにかく、プログラムを見てわかるように、歌える子達が多い。 もちろん、まだ10代ですから、ノクターンも歌いきれてはいないけれど、でも、小さい時からフレーズを、歌うことを勉強してきたからできること。

 10人中二人の男の子は弾き方が違うから、今日連れて行って下さったお母様に伺ったら、やはり彼らは3年位前からDr.Sに習っている、とのこと。 音の出し方、フレーズで小さい時から先生の下で勉強していたのかわかってしまいます。


  知っているお母様方、先生のファミリーフレンドも多いので、皆さんから、「今日は弾かないの?」と不思議がられてきました・・・ 

 Dr.Sにお会いするのは久々。 指の怪我、その他諸々でずっと先生のところへ行っていないので。 奥様がいらしたからか、珍しく、ゴードンのことも口に出さず。 

 

 一つ思うのは、先生方の生徒は、グレード2、3あたりから5、6へは結構早く進む。 これ、基礎をきちんとやっているからだと思うのです。 どうして去年グレード3の曲を弾いていたのに、今年は6なの?と思うような子が多いのです。 

 

 非常に刺激を受けてきました! 今週は鬼のMiyukiになる予定。 ですが、私のところはまだ譜読みが怪しいのが何人もいて・・・ お願いだから、レッスンで譜読み、というのはやめてもらいたいです。 でも、音符が読めないから手伝わないと・・・ もちろん、自分で最初から教えている生徒ではありません。

Posted on 2010/05/30 Sun. 04:24 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

30

郵便物 

この落ち着かない天候は何なのでしょう? また冬のような格好に戻った私です。 この気候のせいか?今週は既に4日間で2度偏頭痛の薬を飲むはめに。 せっかく、飲まないでいられるようになったと思っていたのに・・・


 夏のリサイタル関連で、実家と久々に郵便物のやりとりをしていたのですが、驚くことに、21日午後に私が投函したものは、25日に日本の実家につきました。 そして、母が18日に送ってくれたものはずっと着かなくて、24日に東京から投函されたものは27日にロンドンの私の手元に到着。 18日に送ってくれたものは行方不明?と思っていたら、28日に到着。 18日に投函したものは、福岡空港から送ってくれたらしいのですが、福岡からだと10日かかって、東京からだと3日で着くものなのでしょうか? きっとタイミングがあるのでしょうね。

 まあ、最終的に私の手元に着いたので良かったですが。


 今では家に届く郵便物はほとんどありません。 大抵銀行の明細書とか、そういうもの。 


 私のイギリス1年目の1997年、まだ今ほどインターネットを誰でも使う、という時代ではなかったから、実家とも、友達ともやりとりは全て手紙。 ちょうど高校3年生の9月からの高校留学だったので、周りの同級生はもちろん受験生。

 女子高だったのに、やたらと運動会に燃えていた学校(学年?)だったので10月の運動会が終わった後は友達から速報が届いたし、その後春になって受験が終わった時にはみんなの受験の合格の手紙の字が急に大人びて見えたものでした。 

 やりとりには時間がかかったかもしれないけれど、ああいうその時の気持ちが現れている手書きの手紙、貴重だな、と思います。 もちろん手紙の束もかなりあって、何度引越しをしても、毎回これだけはきちんと持ち歩いています。 


 今みたいに国際電話も安くないし、インターネットもやっていなかったし、今みたいに英語がわかるわけではないから言葉に飢えていた私は、毎朝運が良いと学校へ行く前に来る郵便やさん、をまだかまだか、とサンドウィッチを作りながら首を長くしていたものです。

 

 私も今では友達、家族の誕生日のカードを送るくらい。 今年は、婚約、結婚、出産のカードを送る割合が増えていますが。 だからこそ、今ではこういうカードを選ぶのが楽しい。 カードやさんへ行けば、これから結婚、出産する友達の顔を思い浮かべながら何件も気に入ったものが見つかるまでカードやさんをはしごすることも。 もちろん時間があれば、の話ですが。 


 今日もコンサートのお知らせの手紙を書きながら、イギリス1年目の頃を思い出してしまったしだいです。

 

Posted on 2010/05/29 Sat. 06:20 [edit]

category: 日常

TB: 0    CM: 0

29

久々に学校へ 

 今日は暑かったのでしょうか? それとも寒かったのでしょうか? 午後出かけるとき薄手のコートを持って出ました。 お日様が出たらコートがいらないし、そうでないとコートが必要。

 

 教えがなかったので、用があって久々に学校へ。 私がここで使う、学校とは、一昨年卒業した王立音楽大学のこと。 文献を読む時には大英図書館、楽譜、音源が必要な時には学校、と使い分けています。


 ずっと気になっていた、昨日も観てきたロイヤルバレエのアシュトン振付の『シンデレラ』、第1幕の四季の精の踊りの前にフェアリー・ゴッド・マザーが踊る部分があるのですが、その曲、『シンデレラ』に含まれている曲ではありません。 1度目に観た時には???で終わってしまったのですが、その後はプロコフィエフの『束の間の幻影』のどれかのオーケストラ編曲? と思ったのですが、生憎『束の間の幻影』の楽譜が行方不明。 

 やはり私が予想したとおり、『束の間の幻影 Op.22』の中から第7番、副題でハープ、というものが着いている曲でした。 誰のオケ編曲なのでしょう?? プロコフィエフ自身が編曲したのか?

 でも、ずっと気になっていたことが明らかになったから、心(耳?)の中のもやもやが消えました。


 必要なCDを聴くと同時に、現在ロイヤルバレエが上演しているトリプル・ビルの中の『トリスト』、ジェームズ・マクミランの曲が良いな、と思う部分もある曲だったので、もしかしてピアノ曲にも良いものがあるかも、と思ってCDを聴いていたのですが、全然駄目でした。

 私は、現代曲が大の苦手ですからね。 現代曲がわかる人が聴けばよい曲なのだと思います。 彼の他のオーケストラの曲は結構気に入るものがあったので、多分ピアノ、という単一楽器のものが私には駄目なのかもしれません。

 

 先生方の名前の表を見たら、ゴードンがいらしているようなので上に行ってみたら、ちょうどレッスンが終わるようなところ。 ちょっと待ってごあいさつしてきましたが、相変わらず紳士。 でも、やっぱり今年は先生はスーツを学校に着てこなくなって、今日もTシャツ姿でしたが。

 今日はただでさえ先生は25分遅れのレッスンだったようで次の方も待っていたので、再来週もう一度会うことになりましたが。 これはDr.Sに内緒にしておかないと。 別に内緒にするようなことではないけれど、またいじけるから。


 学校へ行くと誰かしらに会うのですが、今日はそんなに会わなかったかな。 多分来年になるともっと知っている顔が減るのでしょう。


 学校はちょうど実技試験中。 ピアノ科は6月中旬ですが、試験予定表を見ていて知っている人たちのは聴きに行こうかな、と思ったものの、結構夕方の人が多くて、教えと見事にクラッシュ。 残念です。

Posted on 2010/05/27 Thu. 05:51 [edit]

category: 日常

TB: 0    CM: 0

27

ロイヤルバレエ『シンデレラ』 ロベルタ&デイヴィッド 

短い夏が終わったのか、今日は再び15℃以下。 カーディガンを羽織っただけで出かけた私は間違いでした。 


 あと2週間ちょっとでロンドンでのシーズンを終えるロイヤルバレエ、鑑賞に拍車がかかっています。 


 約1ヶ月ぶりの全幕バレエでした。 


 『シンデレラ』

  フレデリック・アシュトン振付、プロコフィエフ作曲


 シンデレラ: ロベルタ・マルケス

 王子: デイヴィッド・マカテリ

 アグリーシスターズ: アラスター・マリオット、ジョナサン・ハウエルズ

 フェアリー・ゴッド・マザー: ラウラ・モレーラ

 春の精: アイオーナ・ルーツ (騎士: アンドレイ・ウスペンスキ)

 夏の精: ユフィ・チョイ (騎士: アーネスト・マイズナー)

 秋の精: 高田茜 (騎士: ヨハネス・ステパネク)

 冬の精: ヘレン・クロウフォード (騎士: 平野亮一)

 道化師: 蔵健太


 ずっとミックス・ビルが続いていた後なので、全幕物は新鮮でした。

 

 当初の予定では、タマーラ・ロホがシンデレラを踊る予定だったのですが、彼女の怪我で、ロベルタに変更。 

 5月頭にロベルタのシンデレラを買ってあったのですが、私の体調が良くなくて観る事ができなかったので、今日のチケットは買っていなかったのですが、昨日たまたま希望の席が手に入ったこともあり、いってきました。


 前回観たシンデレラはマリアネラだったので、小柄なロベルタだとだいぶ違う印象。 

 このプロダクションでは、シンデレラが舞踏会の帰り、階段を上って落としてしまうガラスの靴、トウシューズにラインストーンをつけたものを使用しています。

 ロベルタは、第2幕、舞踏会の場面で、数は多くありませんが、いくつか甲の部分にラインストーンをつけたトウシューズを履いていました。 

 

 王子のデイヴィッド、オペラハウスで踊るのは久々なのでは? 私は彼の『眠り』を観に行かなかったので、10月か11月の『マイヤリング』で、ベイ・イドルトン役で1度観ただけです。 ほとんどキャスティングされていません。 脚を見ている分にはとってもきれいなダンサーです。 

 表現が白々しい。 ロベルタは愛らしい表情で、魅了してくれるのですが、デイヴィッドから何も感じることができず、二人が踊る部分は全く中に入り込むことができませんでした。

 

 今夜観に行った理由の一つは、アグリーシスターズ。 今回3キャストのアグリー・シスターズがいて、まだ3つ目のキャストは観ていないのですが、私はジョナサンのこの役がとってもすきなのです。

 アラスターとジョナサンの息はぴったりだし、ジョナサンは私なんかよりもずっとフェミネンですし。


 シンデレラのお父さん役のトーマス、実年齢は30ちょっとだと思うのですが、前回観た時には、年寄りに見せようと頑張りすぎの部分がありましたが、今日はとっても自然になっていました。

 帽子をずっとかぶっているのですが、そこから出ている部分の髪の毛は白っぽく染めてあるのですが、今日はちょっとした拍子に帽子が取れてしまいました。 普通、舞台で何か落としたりしても、そのまま(後で他の人が気づかないように、さりげなく拾う)なのですが、帽子で隠れていた部分の髪の毛は染めていなくて、元の黒っぽい髪。 さすがにまずいと思ったのでしょう、すぐに拾ってかぶっていました。 ああいうのって、ピンで固定してあると思っていたので、少々びっくり。


 第2幕の舞踏会のお客さん? 今シーズン入団したベンジャミン・エラ、初めて踊っているところを観ました。 女の子はバレエスクール時代でも群舞に入って踊ることが結構ありますが、男の子は入団しても、しばらくは立ち役ばかりですからね。 

 このお客さんの中で、鬘がやたらと似合い、きれいな足先、身のこなしで目に付くのは、ジェームズ・ウィルキー。 彼はなかなか役に恵まれませんが、もっと観たい、と思うダンサーです。

 

 マリアネラのシンデレラの時に道化師デビューをした健太さん。 さすが3度目、余裕があるように思います。

 

 四季の精の、秋の騎士のヨハネス、シンデレラが第2幕で舞踏会に来て階段を下りてきた後、他の騎士の人たちはシンデレラを見たりはしていなかったのですが、彼だけはシンデレラにとっても優しい眼差しをしていました。 ヨハネスは、毎回ちょっとしたところでこちらの心に残るような表現をするダンサーです。 もちろん、踊りもきれいなダンサーですが。


 4月に初めてこの『シンデレラ』のプロダクションを観たときには全く好きになれなかったのですが、だいぶ慣れてきました。 来シーズン、12月は『くるみ割り人形』ではなくて、『シンデレラ』になりますが、今回観なかったダンサーだけ観に行こうかな、といったところ。 8月のイングリッシュ・ナショナル・バレエ、12月のサドラーズでのマシュー・ボーンの『シンデレラ』、そしてバーミンガムのデイヴィッド・ビントリーのニュー・プロダクションの『シンデレラ』が気になるところ。 時間があったらバーミンガムまで行ってしまいそうで恐ろしい。 早くに予約すれば、長距離バスが片道たった1ポンド(150円)になることもあるのですよね・・・

Posted on 2010/05/26 Wed. 06:14 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

26

音楽、バレエ、イギリス、ロシア 

暑い日が続いています。 でも、湿気はほぼ無いので(イギリス人に言わせると、湿気が高い)過ごしやすいですが。 夕方になって一気に気温が落ちましたが。 気温の変化で久々に偏頭痛。 

 前から疑問に思っていたこと、ここで一つ問題提起です。

 先週から始まった、ロイヤルバレエ、ソロイストの蔵健太さんがこれからジャーニーで連載を続ける『バレエの細道』http://www.news-digest.co.uk/news/content/blogcategory/167/268/ を読んでいて、再び私の頭に上がってきて問題です。

 

上記、ウェブサイトからの抜粋です。

 その特徴の一つと言われるのが演劇性。ダンサーへの指導でも、ストーリーを持った作品を上演するときには必ず言われることがある。「どんな役でも一人ひとりその役のバックグラウンドまで考えなさい」「人が舞台に立つ以上、その人には必ず歴史があり、なぜそこに立っているのか理由があるはずだ」、と。ロイヤルの舞台はいつも熱気に満ちていて、全員が役になりきって演じている。作品のステップを完璧にこなすことももちろん大事だが、踊りの中でハートを伝えたいというダンサーが多い。


 健太さんに限らず、今までバレエアソシエイションのミーティングにいらしたダンサーも何人もがこのようなことをおっしゃっていました。 その度に、そして舞台を観る度に私の中に湧き上がってどうにもならなくなっている疑問。

 それは、音楽とバレエ、イギリスとロシアではどうして反対のことが起きているのだろうか?? ということ。

 私は手ほどきから、修士に行くまでずっとロシア人の先生に師事し、たとえソナタのような曲、裏にストーリーがない曲を弾く場合でも、ストーリーを自分で創作しなさい、と言われてきました。 これは私の師だけではなくて、短期で長い間師事しているモスクワ音楽院のイリーナ先生にも言われてきたこと。 フレーズ一つ一つに意味があり、それを明確にするためには、ストーリーが必要。

 ご存知のように、私はイギリスの音大に通っていたので、毎回、クラスでカーディフ時代のピアノ科主任、その他のイギリス人の先生方ともめるのは、毎回ここ。 彼らは、そういうことが必要ではない、と思っていました。

楽譜に書かれていることをただ弾けばよい、と。

 ではバレエの世界では? 健太さんが書かれているように、ストーリーがあるバレエではバックグラウンドを考えている。 そうでない抽象的な作品でも、私にはダンサー一人一人がストーリーとは限らずとも、腕の動かし方、足の上げ方、上体の動き、素敵だな、と思うダンサーになればなるほど、伝わってくるものがあるのです。 

 別に、そのダンサーが考えていることが完全に同じものが客席には伝わりません。 観客一人一人が違うものを想像するのが普通。 どうしてか、というと一人一人の経験が違うから。

 健太さんも書いていらっしゃいますが、心に伝わった、と観ていた方(聴いていた方)に言われるのは一番の賛辞。 イギリス人はストレートに結構コンサートの後に感想を言って下さいますが、私も、「あなたのワルツからは情景が浮かんできた。 踊りたくなったわ!」なんていわれるのが一番嬉しい。 それが私の求めていることだから。

 3月に日本に帰ってしまいましたが、当時小学校2、3年生だった私の生徒と作曲家は覚えていませんが、『ワルツ』勉強していた時のこと。

 きれいには弾くけれど、それだけ。 という彼女に、

「ちゃんと自分がどんなドレスを着て、どんなお部屋で踊っているのか考えて弾いて。 今のあなたの弾き方だと、鉄でできたドレスを着て、運動靴を履いて何も無いところで踊っているみたい。 旅行に行って、素敵なシャンデリアがかかってたり、豪華なお部屋をみてきたでしょ。 そういうところで踊って欲しいのだけれど」

 とっても短い曲で、彼女なりに考えて弾いた演奏はとっても素敵なものでした。 これだけの言葉で演奏が一気に変わる。 

「今の演奏だったら、あなたがどういうドレスを着て、どういうところで踊っているのか想像できたよ」

と伝えたら、

「どうしてわかるの?」

ときかれました。 もちろん、彼女が想像していたことと全く同じことを私は想像できません。 それは私たちが今までに見て来たものが違うから。 経験が違うから。 でも、何かが伝われば、それはそれでよい、というのが私の考え。

 話を戻し、どちらかというと、今、映像でロシアのバレエ団を観ると、そろっているし、技術的に高いものがある。 でも、彼らが人間の役を演じていても、それは生きているようには見えない。 変な表現ですが、生きているように見えない、というよりも、一人一人の人間ではなくて、バレエ、という中での集団でしかない。

 

 表現、ということでみれば、ロイヤルバレエのダンサーの方が、ロシア系のダンサーよりも表現力が豊か。

これを音楽の世界でみると、ロシアの教育は宗派にもよりますが、私の先生、モスクワのイリーナ先生、同じくモスクワのヴァイオリンのマリーナ先生をはじめ、私がこれまでに師事してきた先生方は顔に表情を出しなさい、とうるさく言っていました。 イギリスの教育ではそんなことはまずありません。 稀にそういう先生もいるかもしれませんが、大多数は違う、といって問題が無いはずです。

 どうして同じ芸術、クラシックの中でも、音楽とバレエではイギリスとロシアが正反対、とは言わなくてもかなり違うことをやっているのでしょう?

簡単に書くと、イギリスのバレエ、ロシアの音楽には共通するものがある。

イギリスの音楽、ロシアのバレエには共通するものがある。

でも、イギリスのバレエとイギリスの音楽は共通しない。

 数学の公式でも当てはまりますか?

 

Posted on 2010/05/25 Tue. 06:57 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

25

8月、日本でのリサイタルのお知らせ 


WITH HOPE!!-100524 sogakudo leaf


もう2ヶ月ちょっとのことなので、お知らせです。

 久々の日本でのリサイタルです。


 日時: 8月1日(日)、午後6時開演(午後5時半開場)、

 会場: 東京上野の旧東京音楽学校奏楽堂

         JR上野駅公園口下車、徒歩10分弱 (東京都美術館の裏です)

 入場料: 2000円 (当日: 2500円) 全自由席

 チケットのお申し込み: piano◎miyukikato.com (◎を@に代えてください)

                 チケットのお問い合わせのメールには24時間以内にお返事をいたします。 返信が無い場合には、メールが届いていない、ということなので、お手数ですが、もう一度メールをお願いします。

 なお、今回は客席数も多い為、7月中旬までにお申し込み頂いた分については、あらかじめチケットを郵送させていただきます。 メールに、お名前、ご住所をお書き添え下さい。


 プログラム:

 ショパン: 華麗なる大円舞曲 第1番

        4つのマズルカ Op.67

        バラード 第1番

        ノクターン ロ長調 Op.62-1

        幻想ポロネーズ Op.61


 グリンカ/バラキレフ: ひばり

 バラキレフ: ピアノソナタ 変ロ短調

 


 今年各地でコンサートが行われている、ショパンの生誕200年、そして、あまり取り上げられることの無い、今年没後100年を迎えるロシアの作曲家、バラキレフを取り上げます。

 バラキレフのピアノソナタは滅多に取り上げられることがありません。 第4楽章まである、全部で30分ほどの曲ですが、変化に富み、ロシアの匂いを感じる作品です。

  

 重要文化財である奏楽堂は、1890年に現在の東京芸術大学の前身である、東京音楽学校の施設として、建てられた、日本に初めて誕生した木造の洋式音楽ホールです。

 昭和62年に現在地に移築保存され、翌年に国の重要文化財に指定されています。


 現代の新しいコンサートホールのような便利さはありませんが、いつものイギリスの演奏場所のように、自然光が入って、圧迫感が無くて、10年ほど前、初めて奏楽堂に行ってからずっと憧れていたホールです。

 だからこそ、今回のリサイタルを、他のホールではなくて、奏楽堂で行いたい、と思いました。


 お時間がある方、奏楽堂に興味がある方、ショパンがお好きな方、バラキレフを聴いてみたい方、暑い時期ではありますが、足を運んでいただくことができたら嬉しいです。

Posted on 2010/05/24 Mon. 06:15 [edit]

category: リサイタル準備

TB: 0    CM: 0

24

ロイヤルバレエ トリプル・ビル、セカンド・キャスト 

 今日もまた青空が続いています。 夜11時でも、半袖でいられたくらい。 こういうことはちょっと前までのイギリスでは考えられませんでした。 

 こんなに素晴らしい天候でしたが、私は再び午後はオペラハウス。 どうして、天候が良い週末に限ってオペラハウスとか、教えなのでしょう? しかも、オペラハウスは普段は日曜日の公演はないので、今シーズンのバレエは今日のみが日曜日の公演です。


 内容は昨日と同じ。 今日はセカンド・キャストです。


 この公演のファースト・キャストの写真は、http://www.ballet.co.uk/gallery/dm_rb_tryst_chroma_symh_c_0310 より。


『クローマ』

 ウェイン・マグレガー振付 


 メリッサ・ハミルトン、ブライアン・マロニー、サマンサ・レイン、ルパート・ペネファーザー、ユフィ・チョイ、ポール・ケイ、オリヴィア・コウリー、ヨハネス・ステパネク、ダウィッド・Trzensimiech、リアム・スカーレット


 このクローマ、今まではシングル・キャストだったので、こうして、全てが入れ替わった状態で観るのはとても興味深かったです。

 いまいち、誰が誰の役をやるのかが私はわからずに観たので、幕が開いて、メリッサとブライアンが立っていたので、びっくり。 ブライアンは違う役をやると思っていたので。


 このような作品はキャストが総入れ替えになると、全く違う作品になるのだ、と思わずにはいられませんでした。

 メリッサは身体能力が高いダンサーなので、この作品のようなものを踊るのは有利。 あの股関節の柔らかいエドが作ったパートをブライアンが。 背も踊り方も全く違うダンサーたちですが、エドとはまた違う踊りで、それはそれで説得力がありました。


 セーラ・ラムが作ったパートを今回サマンサがやっていますが、彼女がこうしたコンテ系を踊るのは初めて観ましたが、結構踊れるのだ、とびっくり。 違うタイプだと思っていたので。 ルパートもマグレガー作品で観るのは私は初めてです。 


 リアムは、やはり一つ一つの動きに言うことがあるダンサー。 あれだけの振付をやる人なのだな、と思わずにはいられません。



『トリスト』

 クリストファー・ウィールドン振付 ジェームズ・マクミラン作曲


セーラ・ラム、ルパート・ペネファーザー


アイオーナ・ルーツ、蔵健太

ナタリー・ハリッソン、ヨハネス・ステパネク

クリスティン・マクナリー、ベネット・ガートサイド

サマンサ・レイン、リカルド・セルヴェラ


 2度目の鑑賞なので、昨日よりはもう少し余裕を持って観ることができました。

 プリンシパル・キャストの二人、中間部でのパ・ド・ドゥを踊るだけ。 それ以外の部分は昨日と全く同じキャストでした。 


 セーラとルパートのパ・ド・ドゥは、多分、昨日のキャストよりも、オリジナル・キャストに近いのかもしれない、と思ってみていました。 

 このところ、マリアネラと踊る時には、ストーリーがないバレエでも、ずいぶん顔の表情が増え、ちょっとした手の動きなどにも意味が増していたルパート、今回はまた以前のルパートに戻ってしまいました。 やはり、マリアネラがプッシュしていたのでしょうか??


 4組のソロイスト・カップルスが順に短いパ・ド・ドゥを踊るのですが、これらが素敵。 

群舞の女の子たちは、昨日よりもずいぶんまとまって観えました。 



 『シンフォニー・イン・C』

  ジョージ・バランシン振付 ビゼー作曲


 第1楽章: リヤーン・ベンジャミン、ヨハン・コボー

           小林ひかる、ベネット・ガートサイド、サマンサ・レイン、ヨハネス・ステパネク

 第2楽章: アリーナ・コジョカル、ヴァレリー・フリストフ

           メリッサ・ハミルトン、トーマス・ホワイトヘッド、オリヴィア・コウリー、ジョナサン・ワトキンズ

 第3楽章: ロベルタ・マルケス、スティーブン・マックレー

           高田茜、ブライアン・マロニー、ヘレン・クロウフォード、蔵健太

 第4楽章: ラウラ・モレーラ、リカルド・セルヴェラ

           アイオーナ・ルーツ、ルドヴィック・オンディヴィエラ、べサニー・キーティング、アンドレイ・ウスペンスキ


 最初の2つの作品はストール・サークルで下の方で観ていたのですが、友達からアンフィシアター(天井桟敷)が開いている、と聴いたので、この作品だけは上から観て来ました。 アンフィから観るなんて久々。

 遠いですが、この作品はやはり上から観る方がずっときれい。 昨日下で観ていた時はごちゃごちゃしていましたが、上で観ると、フォーメーションを楽しむことができます。


 昨日とは変わって、プリンシパルの女性が小柄な為、ずいぶん違って観えました。


 幕が開いて、ブルーのバッククロスに、10人の白いチュチュの女性。 開いたとたんに、周りから、『わー』という歓声というか、息を呑む音が聞こえてきました。 前2作品はレオタードでしたからね。


 第1楽章のリヤーン、彼女はコンテ系、マクミランでこの頃は踊ることが多いので、彼女のチュチュ姿を見るのは、昨年の『火の鳥』以来。 一つ一つが丁寧で、プリエ(膝を曲げる)を観た時、凄いものを観た! と思わずにはいられませんでした。 舞台で一つのプリエをあんなに大切にするダンサーってそんなにいないと思うのです。

 

 第2楽章のアリーナは途中だいぶ丁寧に躍るようになったな、と思いました。 


 第3楽章は、ロベルタのああいう踊りを観るのは久々なので、彼女ってあんなにジャンプができる人だったのだ、というのが第1印象。 スティーブンもやはりこういう踊りが似合います。

 

 第4楽章は、昨日もラウラは観ていますが、彼女はリカルドと踊る時、別人のようなダンサーになる気がします。 この二人は非常に良い組み合わせ。 


 そして、圧巻のフィナーレ。 フィナーレの時にプリンシパル女性4人が並ぶと、オーラがある人、無い人、全て明確になってしまいます。 

 ちなみに、プリンシパル男性4人、ソロイスト男性8人、12人の男性が一緒に踊るところもあるのですが、ここも、すぐに目が行く人、そうでない人がいます。


 このプログラム、6月10日のファースト・キャストの分は、ビッグ・スクリーンでイギリス国内で観ることができます。

 ロンドンだとトラファルガー・スクエア。 7時30分開演。 無料で観る事ができるので、オペラハウスへ行くほどではないけれど、でもどんなものか、バレエを観てみたい、という方には良いことだと思います。 雨が降らなければ。


 ちなみに、10月に日本では、新国立劇場バレエがこのシンフォニー・イン・Cを取り上げるようです。

Posted on 2010/05/23 Sun. 02:26 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

23

ロイヤルバレエ、トリプル・ビル 初日 

真夏のようです。 1週間ぶりにセントラルまで行きましたが、皆さんサマードレスとか、とにかく真夏の格好。

 

 1週間ぶりのオペラハウスでした。

 今シーズン最後の演目の、トリプル・ビルは、


 『クローマ(Chroma)』 ウェイン・マグレガー振付 Joby Talbot作曲

 『トリスト(トライスト: Tryst)』 クリストファー・ウィールドン振付 ジェームズ・マクミラン作曲

 『シンフォニー・イン・C』 ジョージ・バランシン振付 ビゼー作曲


 プログラムが進むに従って、振付された年が古くなるプログラム構成。


 『クローマ』 


 マーラ・ガレアッツィ、エドワード・ワトソン、セーラ・ラム、リカルド・セルヴェラ、ユフィ・チョイ、スティーブン・マクレー、ラウラ・モレーラ、エリック・アンダーウッド、ジョナサン・ワトキンズ、ルドヴィック・オンディヴィエラ


 2006年11月にロイヤルバレエで初演された作品です。 既にプログラムに印刷されてありましたが、怪我でタマーラ・ロホが降板して、その代わりにユフィ、ローレン・カスバートソンの代わりにラウラが踊りました。

 この作品、2008年に再演した際にも、初演とほぼ同じキャストでシングル・キャストでの公演でしたが、今回は6回の公演のうち2回をセカンド・キャストが踊ります。


 私は初演は観ていないのですが、2008年の公演は観ているので、なんとなくの覚えはあり。 ただ、音楽を覚えられないし、振付もクラシックの言葉ではないから、とっても覚えにくいので、構成しか覚えていない状態です。

 今回観て思ったのは、前回よりも観やすかったこと。 ただ単に2008年以降色々と観て私の中でこういう作品を受け入れやすくなったのか、ダンサーたちもウェインの作品を前回よりも踊りこなしているのか、それともちょっと常連さんとしゃべっていたのですが、振付が少し変わった?のか、その点はわかりません。


 一ついえるのは、私自身は前回観た時よりも、ずっと音楽は受け入れることができます。

 この作品は、女性もトウシューズをはかずに、ソフトバレエシューズで踊ります。 衣裳も男女とも同じデザイン。 


 幕が上がると、マーラとエドが客席に背中を向けて立っているのですが、エドはさすがにアクセントがあり、メリハリがあり、観ていておもしろい。 元々アリーナ・コジョカルに振付けられたパートは彼女の怪我の影響か、2008年の再演時からマーラが踊っていますが、彼女は止まるべきでは?というようなところも止まらないし、どちらかというとだらだらした印象。

 タマーラに振付けられたパートを踊ったユフィ、彼女はきれいな踊りをするダンサーですが、他のウェインの作品に出たこともあるのでしょう、こういう作品でも魅せてくれるようになりました。 このところ一緒に踊ることも多いスティーブンとの組み合わせは非常にあっています。


 明日のセカンド・キャストが非常に楽しみです。


 

 『トリスト』


 メリッサ・ハミルトン、エリック・アンダーウッド

 

 アイオーナ・ルーツ、蔵健太

 サマンサ・レイン、リカルド・セルヴェラ

 ナタリー・ハリッソン、ヨハネス・ステパネク

 クリスティン・マクナリー、ベネット・ガートサイド


 プラス、女性8人、 男性4人


 2002年にダーシー・バッセル、ジョナサン・コープをプリンシパルキャストにしてロイヤルバレエに振付けられた作品です。

 今回のトリプル・ビルは全部違う指揮者が振っていますが、この作品はこの作曲者のジェームズ・マクミランご自身が指揮をしています。


 元々バレエのために書かれた曲ではなく、1989年、セント・マグナス・フェスティバルで演奏するために書かれた曲です。 

 クリストファー・ウィールドンがロイヤルバレエに作品を依頼された際、イギリス人の作曲家の曲を使いたくて、スコットランド旅行中にこの曲を聴いて、この曲からスコットランドの自然を感じ、これにバレエを振付けることにしたそう(インサイト・イブニングより)


 Tryst、辞書では発音記号はトリスト、なのですが、作曲家自身はトライストと言っていましたし、どちらでもよさそうです。 地方によって発音が違う単語の例の一つだと思います。 ちなみに、逢引(であっているはず)という意味。


 プリンシパルのパ・ド・ドゥだけは2007年のサドラーズでのダーシーの引退ガラで、ダーシーとジョナサンが踊るのを観ていますが、全体を観るのは初めて。


 女性はレオタードのような形の衣裳ですが、染めてあって、遠めで見ると、ベルベットのような素材。 こういう作品にしては珍しく、素足ではなくて、タイツ。 

 初めて観る私には、先週まで上演していた同じ振付家による、『エレクトリック・カウンターポイント』よりもずっと好み。 クラシックの言葉が多い作品です。 というよりも、美しい。 特に最後、プリンシパルロールの二人以外によって、同じような動きが繰り返され、照明がダンサーのシルエットだけを映し出す。 非常に美しかったです。


 プリンシパル・ロールの二人については、メリッサは先週のインサイトでクリストファー・ウィールドンが求めていたことがあまりできていないような。 足は上がるけれど、振付師はそれ以外のことを求めていましたから。

 

 

『シンフォニー・イン・C』


 第1楽章: セーラ・ラム、スティーブン・マクレー

           小林ひかる、ベネット・ガートサイド、サマンサ・レイン、ヴァレリー・フリストフ

 第2楽章: マリアネラ・ヌニェス、ルパート・ペネファーザー

           メリッサ・ハミルトン、トーマス・ホワイトヘッド、オリヴィア・コウリー、ジョナサン・ワトキンズ

 第3楽章: ユフィ・チョイ、セルゲイ・ポルーニン

           高田茜、ブライアン・マロニー、ヘレン・クロウフォード、蔵健太

 第4楽章: ラウラ・モレーラ、エドワード・ワトソン

           アイオーナ・ルーツ、ヨハネス・ステパネク、エマ・マグワイヤー、アーネスト・マイズナー


 プラス、24人の女性


 元々、1947年、パリ・オペラ座に『水晶宮』のタイトルで振付けられましたが、翌年、バランシンの自分のカンパニー、ニュー・ヨーク・シティー・バレエで『シンフォニー・イン・C』で発表。 

 同じ曲を使いつつも、実際はかなり違う振り付けだったようです。 今は世界中で上演されていますが、女性は白のチュチュ、男性は黒上下。

 ちなみに、ロイヤルバレエでは1991年にこの作品を取り入れ、当時の芸術監督、サー・アンソニー・ダウエルの衣裳デザインを起用しています。 1997年のロイヤルバレエの日本公演ではこれを上演しているのですよね。

 曲はタイトルの通り、ビゼーの交響曲 ハ長調。 この曲、きっと音楽ファンよりも、バレエファンの方が親しみがあるでしょう。


 これぞバレエ!といった感じ。 幕が開くと、第1楽章のソロイストの女性二人と、8人の群舞の女性が立っています。 

 第1楽章のプリンシパル・キャストの男性は、イヴァン・プトロフが予定されていたのですが、怪我により、スティーブンに変更。 スティーブンは元々セカンド・キャストで第3楽章のプリンシパルにキャストされているので、こっちはアンダー・スタディーだったのかもしれませんが、そんなことは感じさせませんでした。 

 ひかるさん、バランシン作品が似合いますね。 


 第2楽章の女性プリンシパルにバランシンは惚れこんだそう。 この楽章の男性プリンシパルはほとんどが支えですが、音楽も美しいし、女性の振り付けも美しい。 マリアネラは、このところこうしたゆっくりした叙情的なものにキャストされることが増えましたが、この頃の彼女は手首から先まで魅せてくれるように。 2004年(2005年?)収録の『リーズの結婚』のDVDを観ると、この部分が硬いので、この数年で一気に手の表現が増したのでしょう。

 ルパートとマリアネラもこの頃結構一緒に踊っているので、安心してみていられます。


 第3楽章は、速くて、軽快で、ハード。 

 プリンシパルキャストは、左右の袖から、グランジュッテ(足を空中で180度前後に広げるジャンプ)で出てくるのですが、セルゲイのジャンプには思わず息を呑みました。 ジャンプが高いし、空中で止まる、というか、上から糸で吊り上げられているのか?と思わずにはいられないようなジャンプ。 

 プリンシパル以外の男女が左右に並んで同じ動きをする部分、目が行ったのがブライアン。 腕を上に上げる部分と、前に出す部分、音楽の感じ方によって美妙にスピードが違うのです。 こういう何気ないことが意味を増すのでしょうね。


 第4楽章はああいう振り付けはラウラにあっています。 こういうのでエドを観るのがとっても新鮮。

  

 第4楽章が一度終わったあと、同じものが2回だか3回だか繰り返され、各楽章の人たちが順番に踊り、最後は52人のダンサーが一緒に踊ります。 圧巻!! 普通にオーケストラで演奏されるときよりも繰り返しが多いので、上演時間も長め。

 

 一昨年だったかニューヨークシティーバレエのロンドン公演で観たのですが、顔がわからないダンサーたちだと、構成的な部分でわかりにくい物がありますが、今回はしっかりわかりました。

 一気に心を奪われた作品です。 私はバランシンが好きですし。


 というわけで、違うスタイルの作品が3つ。 3週間後にシーズンが終わってしまうのは寂しいですが、これからこのビルは数回観る予定なので、楽しみ。 私は安い席ですから、ランチ1回分以下の値段でこれをみせてもらえるなんてありがたいです。

Posted on 2010/05/22 Sat. 05:29 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

22

教え 

曇っていたのに、とても暑い一日でした。 とはいっても、午後9時ごろ、暗くなり始めると涼しくなりましたが。

 真夏のような格好をしている方もたくさんいました。 この国では8月にコートが必要な時もありますからね。 5月だろうと暑くなったら真夏の格好。 


 先週から2月に4歳になったばかりの女の子が私の生徒に仲間入り。 これくらい小さい子は吸収も早い代わりに、ちゃんとわかっているのか不安になることも。 焦らず、一つ一つ確認をしながらのレッスンです。

 この子の後に例の楽しい6歳の男の子のレッスンをしているのですが、彼がレッスンを始めて1年ちょっと。 だいぶ上達したのだな、と思わずにはいられません。


 4歳でも、ちゃんと小節線(でよいのでしょうか? Bar line)があったら、その後は1から数え始める。 当たり前のことだけれど、この国ではできていない子がたくさんいるのです。 先週、今週のレッスンで、ちゃんと全音符、2分音符、4分音符の違いがわかるようになるわけです。 

 未だに譜読みを苦労している9月から教えている姉妹、彼女たちも初期の頃からちゃんと教わっていたら、今になってこんなに苦労をしないだろう、と思わずにはいられません。


 楽しいレッスン、ピアノに限らず楽器を長く続けるには、最初にちゃんと習うこと。 子供は最初に音符の長さを習って、音を習って、正しい手の形を習えば、それが当たり前、と思うようになると思うのです。

 

 今回新しく加わったのは、日本人駐在員の方。 ということは、私は少し教えたら彼女は日本へ帰る。 次の先生に引き継ぐのがわかっているからこそ、きちんと教えておきたい、と思います。


 例の6歳の男の子、私は導入の時から両手で弾く教材を使っているのですが、今まで和音として両手を一緒に弾く、ということはあったのですが、今日は初めて右手と左手がメロディー、伴奏、となっている部分がある曲を弾きました。 というよりも、宿題に出して、片手ずつやってくるようにいってあったのに、どうやら頑張って両手でやってきたそう。 でも、両手を一緒に使う、ということはまだやっていなかったから、なんと、その小節に書かれている右手を弾いて、その後に左手を弾く。 それから次の小節に移る、という弾き方をしてきました。

 両手でいっぺんに弾く、ということを教えたら、目を丸くしていましたが、なんとすぐにできてしまってこちらが拍子抜け。 ここ、躓く子がたくさんいるので。

 

 子供の能力って、本当に大人が思っている以上のものがあります。


 小さい子は焦らずに一つ一つやっているのでよいですが、問題はグレードを受ける子達。 大きくなればなるほど、スケール、アルペジオが面倒になりますからね・・・ 目下の問題は、楽譜が読めない子の初見をどうするか。 今回ほどグレードを受けさせるのに心配が多いことはありません。

 

Posted on 2010/05/21 Fri. 05:42 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

21

時間がある今・・・ 

 次のコンサートまで2週間ある今、東京での8月1日のリサイタルの準備を進めています。

 今回は今までよりも規模が大きいので、大変そうです。

 私の演奏ももちろんのこと、集客、チラシ郵送、などなど事前準備が結構ありそうです。 といっても、私はロンドンにいるので、日本の家族にまかせっきりですが。


 それでも、こうしてインターネットがあるから、日本の方とメールでやりとりをしながらチラシをデザインしていただき、今日実家に刷り上ったチラシが届いたそう。 来週あたりから、郵送予定です。 

 素敵なチラシを作っていただいたのだから、私も頑張らないと!

 来週、郵送を開始したら、こちらにもチラシを載せたいと思います。 

 チラシを作ってくださったS様、ありがとうございました。 そして、チラシに使った写真を昨年夏に撮って下さったI様にも感謝です。 プラス、今までとは全然違う感じの淡いドレスを縫ってくれた母。 あのドレスを着ての写真があったからこそ、今回のリサイタルのチラシにぴったり、という部分もあるので。


 演奏の方は、それなりに。 

 先日も弾きましたが、ショパンのマズルカ Op.67を苦戦中。 テクニック的にはどうってことがない曲なのに、今までに弾いてきたマズルカよりも弾きにくいです。 それでも、先週弾いた時よりはずっと自分のものになっていたので、もう少しかな、とは思いますが。 

 そろそろ、Dr.Sのところへ行かなくては、と思っています。 久々に、ショパンの幻想ポロネーズも見ていただきたいですし。 そして、バラキレフを見ていただきに、6月、学校のリサイタル試験が終わった頃に修士の時にお世話になったゴードンのところに行く予定。 というのも、本当はDr.Sにもバラキレフを見ていただきたいのですが、Dr.Sは私がゴードンと勉強したものに関しては全て文句を言う、という非常に子供っぽいところがあるのです。 それどころか、バラキレフのソナタ自体、聴きたくないといわれたことがあるくらいですから・・・

 

 というわけで、再来週本番にのせる予定のグリンカ/バラキレフのひばりを練習しつつ、一昨日のコンサートの疲れをとって、一昨日頑張りすぎてまたおかしくなってしまった靭帯を痛めた小指を休ませているところです。

Posted on 2010/05/20 Thu. 05:24 [edit]

category: リサイタル準備

TB: 0    CM: 2

20

キングス・リン観光 

とってもよいお天気の中、朝8時45分、ロンドン・キングス・クロス駅発、ケンブリッジ経由キングス・リン行きの列車ででかけてきました。

 8両編成ですが、ケンブリッジに着いた時放送があり、前の4両だけがこの先まで。 後ろの4両はケンブリッジで切り離されます。


 ちなみに、ケンブリッジまではノンストップ。 ロンドンから45分ほどなのですね。 


WITH HOPE!!-100518 ely

 ケンブリッジとキングス・リンの中間のイーリー(Ely)駅。 駅からちょっと離れると遠くに大聖堂(写真だとわかりにくいですが)が見えて、こんな船の停留所も。 ここはぜひゆっくり来てみたいと思いました。

WITH HOPE!!-100518 ely station


  ここはここよりも東のノーウィッチや、西のピーターバラへ行く列車も出ているので大きい駅かな、と思っていたのですが、街とは反対側の風景はこんなのんぶりとしたものです。


WITH HOPE!!-100518 kings lynn station


 終点のキングス・リン(Kings Lynn)駅。 ちなみに、イーリーを出発後、ずっと単線でした。 それもそのはず、列車は1時間に1本しかありません。 ちなみに、キングス・リンはイギリスの東、ちょっと出っ張っているところの一番北の付け根に近い場所です。


 コンサートの後、3時間半ほど観光をしてきました。

 天候がよいから、小さい街だけれど3時間半では全く足りませんでした。


WITH HOPE!!-100518 alley


  駅について、教会まで歩く間にこの街が好きになりました。 こういう小道が好きです。 が、コンサートの後に博物館へ行ってわかったのですが、昔はこういう小道に住む人たちは貧しく、狭い一部屋に大家族全員で生活していたそうです。

WITH HOPE!!-100518 town


 街はこんな感じ。 もちろん、大きなショッピング街もありましたが。

 

WITH HOPE!!-100518 information

 この真ん中にあるのが、現在は観光案内所が入っている、カスタム・ハウス。 1683年に取引所として建てられたそう。 海に近いので、流通が盛んで結構栄えていた街のようです。 ちなみにこのイギリスっぽくない建物は、ヘンリー・ベルという方により、オランダのマーケットの建物を参考にデザインされたそう。

 この建物が建てられた頃のこの建物周辺の絵が博物館に飾ってありましたが、今と大して変わりません。

 さすがイギリス。

WITH HOPE!!-100518 river


 川が流れています。 結構河口付近です。 橋が少なくて、1時間に3本、皮の向こう側とを船が動いています。

 水がある風景が好きな私は、こういう景色は見ていて全く飽きません。

WITH HOPE!!-100518 town hall


 これはギルドホールと呼ばれるタウンホール。 ここの一部、それと左側の家のような建物が、タウンハウス博物館になっていました。 
 さすが田舎、というか、受付に座っていたご婦人、入場料が一体いくらなのか、わかりませんでした・・・

 

 キングス・リンの中世からの人々の生活を展示した博物館。 私はこういうところが大好きなので、誰も他に見ている人がいなかったので、小さい博物館にも関わらず、1時間以上滞在。

 ヴィクトリア時代の部屋では、今と何が違うの?といいたくなりました。 この時代の子供部屋にあった(裕福な家庭)ドールハウスがとっても素敵! 

 

WITH HOPE!!-100518 room


 1800年代後半(のはず)のキッチン。 受付の女性にお聞きしたら写真を撮ってもよい、とのことだったので。

 上のほうに、白い布がぶらさがっているのわかりますか? これと同じものが、私が1年目に滞在したホストファミリーのお宅にありました。

 ホストファミリーのお宅は、アーガーと呼ばれる、高いらしいですが、昔っぽいオーブン、コンロがセットになったものがあり、365日暖かいまま。 よって、ここに洗濯物を干しておくと、すぐに乾くのです。

 ロープを緩めて下に下ろすのですが、濡れた洗濯物を干して、ロープを引っ張って上に上げるのはかなりの重労働。 ちゃんとロープを縛らないと落ちてきてしまうし。 このキッチンを見て、懐かしくなりました。


WITH HOPE!!-100518 room2

 左側にあるのが、洗濯物の今でいう脱水機。

 真ん中の奥の方にはナイフシャープナーもあります。


  戦時中のことの展示もあったりして、興味深かったです。


  ここはもう一度来たい、と思うところでした。

  ロンドンから日帰りできる距離ですし、イギリスらしさを感じたい方にはとってもよいところだと思います。

 

Posted on 2010/05/18 Tue. 18:39 [edit]

category: お出かけ

TB: 0    CM: 0

18

キングス・リン、St Margaret's Churchでのコンサート 

昨日からやっとコートが必要なくなり、青空のイギリスです。


 今日は、ロンドンから北へ列車で1時間45分ほど、ケンブリッジを越して海岸近くの、キングス・リン(Kings Lynn)というところでコンサートでした。

 Norflok(ノーフォーク)という日本で言う県になるのですが、初めて行きました。



WITH HOPE!!-100518 st margaret's


 こちらが今回の演奏場所のSt Margaret's Church。 教会といっても大聖堂並みの大きさ。 かなり古い教会で、ここにあるオルガン自体が1756年頃に作られたものだそう。 


WITH HOPE!!-100518 st margaret' inside


 今日のプログラムは、

 

 リスト: 愛の賛歌

 ショパン: 4つのマズルカ Op.67

 ショパン: ノクターン ロ長調 Op.62-1

 ショパン: 華麗なる大円舞曲 Op.18


 毎週オルガンのコンサートを行い、年間26回のコンサートのうち、2回くらいが他の楽器になるそうです。

 というわけで、最初にオルガンの響きを表している、愛の賛歌を弾き、その後はショパン。 ショパンはオルガンの曲は書いていませんからね。


 ピアノはなんというメーカーだったか忘れましたが(要するに、初めて聞くメーカー)ヤマハでいうと、C2くらいの小さいグランドピアノ。 教会の中で響いていたそうですが、ピアノの前だと全く響かない、という恐ろしいピアノ。

 しかも、どうにもならないほど弱弱しいピアノで、音がくすんでいる。


 リハーサルの時間が1時間あったので、とりあえず、Dr.S仕込みの極秘?ではないですけれど、特別な奏法を使って、ゆっくりなノクターンだけはクリアな音を出すことに成功。

 他の曲は不可能。


 喜んでいただけたようです。 興味深いのは、リハーサルの時よりも、本番の方がピアノからよい音が出ていたこと。 

 日本のようによいピアノに恵まれていないこの国では毎回こういうことの、演奏そのものよりも、ピアノに息を入れる作業で、集中力、体力の半分が取られていきます。


 終了後、声をかけてくださったご夫婦。 私の経歴を見て、ケントでどこの学校に通っていたのか?(12年前の話)と聞かれたのですが、彼らは以前ケントに、しかも、先週私が行ったセヴェノークスに住んでいらしたそう。


 今回は30分のコンサートだったのですが、あと1時間くらいは聴いていたかった、とおっしゃって下さる方もいらして、これが一番嬉しい。


 キングス・リンは見事に私好み! 街の様子は明日また書きます。


 これで、2週間本番はお休み。 さびしいような、ちょっとほっとするような。 この間に、バラキレフのソナタを眠りから覚まさなくてはいけません。


Posted on 2010/05/18 Tue. 03:05 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

18

ロイヤルバレエ ミックス・ビル 最終日 

 5月5日に始まったミックス・ビルの最終日。 今回は他の公演を挟むことなく、10日間で6回の公演でした。

今日はマチネ、夜の公演だったのですが、私は教えとクラッシュした為、夜の公演だけを観てきました。

 

 マチネも観ていた最近仲良くなったメキシコ人の友達からテキストが来て、オペラハウス近くのフェアリーケーキのお店で2時間ほどバレエ談議。 私、フェアリーケーキのお店は初めて入ったのですが、見た目ほどは甘すぎず、おいしかったです。 


 夜の公演は、ファースト・キャスト。


 

『エレクトリック・カウンターポイント』

   クリストファー・ウィールドン振付、バッハの鍵盤曲、スティーブ・ライヒのエレクトリック・カウンターポイント


 セーラ・ラム、エリック・アンダーウッド、エドワード・ワトソン、リヤーン・ベンジャミン


 

 今回のこのミックス・ビルについて友達(10代から70代)と話していて面白いな、と思うのは、この『エレクトリック・カウンターポイント』と最後の『カルメン』は好き嫌いが二分していること。

 

 私自身は、『カルメン』は大好きだけれど、『エレクトリック・カウンターポイント』は大して好きではない。

 2008年の初演の時には、後半のエレクトリック・ギターの音が苦手で、この作品も苦手だったのですが、今は音楽は嫌ではないし、後半の方が好きです。


 まだソロイストにいるエリック。 コンテ、新作で起用されることが多いダンサーですが、非常に観ていて気持ちがよい踊りです。 それにしても、リヤーンの身体はどうなっているのでしょう? 彼女は40代半ば。 それなのに、あの動き。 日本公演の『ロミジュリ』のチケットも先日私が観た時には売れ残っていましたが、魅せてくれるダンサーです。 私の場合、この作品で、4人のダンサーが一緒に踊ると、リヤーンから目を離せなくなります。


 この作品、最後の最後で、ダンサーたちがドアに入った後、映像だけが舞台に映され、曲の最後で、撮影に使用している、そして、2人のダンサーは前半のソロを踊るのに使用している、豪華な衣裳に着替えて、ゆっくり前に歩きます。 その途中で幕が閉まります。

 この意味が未だにわからず、毎回観ながら考えていました。 なんとなく答えが出たような気もするけれど、これは各観客にゆだねられているのでしょう。


 

 『Asphodel Meadows』

   リアム・スカーレット振付、 プーランクの2台のピアノの為の協奏曲


 第1楽章: マリアネラ・ヌニェス、ルパート・ペネファーザー

 第2楽章: タマーラ・ロホ、ベネット・ガートサイド

 第3楽章: ラウラ・モレーラ、リカルド・セルヴェラ


 初日とはだいぶ違う舞台でした。 初日は初日で素晴らしかったし、新作だから、どちらかというと個々のダンサーよりも、振付、構成自体を中心に私は観ていたのですが、それでも、ダンサーたちが初日よりももっとこの作品を自分たちのものにして踊っているな、という印象を受けました。


 もっと観たい、と思わせられる作品でした。 エスプリが効いて、ドラマティックなこの曲。 そして、作品のタイトルから読み取れるようなストーリー。 解釈もダンサーたちにゆだねられているような気がするし、観客にも自由が与えられている。 

 

 第1楽章、マリアネラとルパートのパ・ド・ドゥで、あの大根役者、と評論家にかかれることが多いルパートがとっても素敵な表情を見せていました。 先日の『コンチェルト』の最後の公演辺りから、ずいぶん意味のある腕の動き、表情をするようになったな、と思っていたので、このまま、大根役者に戻らないでもらいたいです。

 


 第3楽章では、リカルドとラウラの息の合った踊り。 あのアレグロでリアムがインサイトの時に言っていましたが、『音楽が速くて、ピアニストは大変だから、ダンサーにも大変な振りを振付けた』というのをしみじみと思います。


 ぜひレパートリーに戻ってきて欲しい、と思う作品でした。


 

 『カルメン』

   マッツ・エック振付、ビゼー作曲、シシャードリン編曲


 カルメン: タマーラ・ロホ

 ホセ: トーマス・ホワイトヘッド

 エスカミーヨ: ベネット・ガートサイド

 M: クリスティン・マクナリー

 ジプシー: ブライアン・マローニー

 オフィサー: ギャリー・エイヴィス


  数をこなせばこなすほど、タマーラとトーマスの関係が深まっていきました。

 トーマスのカルメンとM(ミカエラのことだと・・・)にみせる表情の違い。 どうしてバレエとかオペラの主人公の男性はああなのだろう???と思わずにはいらせません。

 ジプシーのブライアンの観ていて気持ちがよい踊り。 クラシックの方が似合うダンサーだと思うのに、この役はぴったり。 彼も動きに一つ一つに意味があるダンサーです。


 今回のプログラムは確か来年度のプログラムには含まれていませんが、またプログラムに戻ってきてもらいたい、と思います。


 1週間ロイヤルバレエは公演無しで、来週土曜日から、最後のミックスビルです。

 

 

Posted on 2010/05/15 Sat. 06:10 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

15

最後のミックスビルのインサイトイブニング 

 北ロンドンは道路工事というか、多分水道管の工事とか、とにかく道路を掘り起こす工事が多すぎて、バス移動の私はとてつもなく時間がかかっています。 一番ダメージが大きいのは、家の前の道をちょっと行ったT字路で大きな工事。 よって、いつも5分で行くところが20分かかる始末。 夕方の混む時なんて、40分くらい。 歩いた方が早そうです。

 

 今夜は来週土曜日から始まる、ロイヤルバレエの今シーズン最後のプログラムのミックスビルのインサイトでした。

 

 『クローマ』 ウェイン・マグレガー振付

 『トリスト』 クリストファー・ウィールドン振付

 『シンフォニー・イン・C』 ジョージ・バランシン振付


 今夜は『クローマ』以外のインサイト。


 最初に、『シンフォニー・イン・C』を。

 ラッキーなことに、ニュー・ヨーク・シティー・バレエで踊り、現在はバランシン・トラストの指導メンバーの一人であり、ロイヤルバレエでバランシン作品を上演する際によく指導に来ていらっしゃる、パトリシア・ニアリーが今夜のダンサーたちを指導。

 今夜のダンサーは、

 第2楽章を、マリアネラ・ヌニェスとルパート・ペネファーザー

 第3楽章を、ユフィ・チョイとセルゲイ・ポルーニン

 そして、1度コーダを通しました。


 このインサイトはオペラハウスの上の方のスタジオで行うため、ダンサーが前の方に来ると、客席との距離は本当にすぐ。 

 特にコーダはダンサーが前の方に来ると、私が座っていたところからでも、5mも離れていないところでピルエットを観たりすると、迫力満点。


 ダンサーとの距離が近いから、息遣いも聴こえるし、舞台では見逃してしまうであろうことの詳細がみえるので、興味深いのです。


 この作品は一昨年だったか、1度NYCBの引越し公演で観ただけなので、とっても楽しみです。


 

『トリスト』は、振付けたクリストファー・ウィールドンが指導。

 踊ったのは、メインのパ・ド・ドゥを踊る、メリッサ・ハミルトンと、エリック・アンダーウッド。


 振付家自らの指導は見ていてとってもためになります。

 純クラシックではありませんから、腕の動き、身体の持って行き方、音楽の感じ方で全てが変わる。

 私はこの作品は2007年のサドラーズ・ウェルズ劇場でのダーシー・バッセルの引退公演で抜粋で観ただけ。

 だから、とっても新鮮な目でみることができたのですが、メリッサの動きでよくわからなかったこと、ウィールドンの説明でわかってきました。

 というよりも、ストーリーが無いバレエだけれど、腕、足、色々と意味がやはりありました。


 そして、最後に、この『トリスト』を作曲したイギリス人作曲家、ジェームズ・マクミランとクリストファー・ウィールドンのお話。

 この曲は元々バレエのために作られた音楽ではありません。 クリストファーがこの曲をスコットランド旅行中に聴いて受けた印象と、ジェームズ・マクミランがこの曲を作ったときのイメージは違います。 でも、それがバレエ、という作品になる。 これほどおもしろい物はありません。


 

 来週が非常に楽しみ。 と同時に、6月11日の最後の公演が終わったら、9月末までロイヤルバレエはお預けなので、寂しいです。

Posted on 2010/05/14 Fri. 05:31 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

14

ロイヤルバレエ ミックスビル セカンドキャスト 

青空が広がりましたが、薄手のコートが必要でした。

 

 さて、昨夜観てきた、ロイヤルバレエのミックス・ビルのセカンド・キャスト。

 

 ミックス・ビルは私は好きだし、お値段も安めなので、大抵はファースト・キャスト、セカンド・キャストを2度ずつ観るようにしているのですが、今回ばかりは、先週のセカンド・キャストの初日は自分のリサイタル、今週土曜日のマチネは教え、ということで、セカンド・キャストを観ることができるのは、昨日のみ。 だからこそ、コンサートがあったにも関わらず行ってきました。


 作品の内容については、5月5日のブログを参照してください。 


 

『エレクトリック・カウンターポイント』 

 クリストファー・ウィールドン振付 バッハの鍵盤楽曲と、スティーブ・ライヒのエレクトリック・カウンターポイント


 ラウラ・モレーラ、セルゲイ・ポルーニン、リカルド・セルヴェラ、マリアネラ・ヌニェス


 2008年の初演時のセカンド・キャストだったのは、ラウラとリカルド。 セルゲイとマリアネラが新しくこの作品に挑戦です。


 今回、マリアネラが踊ったパートのファーストキャストはマリアネラとはずいぶん身長の差があるリヤーン・ベンジャミンだった為、他のパート以上に違った印象を受けました。


  他の作品ももちろんそうなのですが、この作品では二つのキャストがかなり違うものを踊っている印象をうけました。 

  

 各ダンサーがあらかじめ録音された自分の声と共に踊る前半部分を静とすると、後半部分は動。 音楽に出さえ難しく、論議が絶えないバッハに振付、踊る、ということ。 音楽をやっている身にはフレーズと踊りが全く合わないところが多すぎて、私は観ていて疲れることもしばしば。 構想としてはおもしろいですが。

 何よりも、自分の十八番の曲で大好きなマリアネラが踊るのを観る、というのは少々、かなり辛いものが。


 後半部分、後ろに映し出される映像が、ファースト・キャストのもの。 だから結構違和感がありました。

 

 ラウラとリカルドはさすがに息がぴったり。 マリアネラとセルゲイは、セルゲイのリフトが冷や冷やする部分がいくつか。 身体能力が高いダンサーですが、マリアネラに振り回されて終わった、という印象があります。

 

 これは、去年評論家協会ダンス賞の新作部門で受賞した作品ですが、レパートリーに残るのか? どうなのでしょう?



 『Asphodel Meadows』 

  リアム・スカーレット振付、プーランクの2台のピアノの為の協奏曲


  第1楽章: セーラ・ラム、ヨハネス・ステパネク

  第2楽章: リヤーン・コープ、ホセ・マーティン

  第3楽章: ユフィ・チョイ、スティーブン・マクレー


 昨夜、この作品が始まる前、私なんて開演5分前の放送の後、『もうすぐ始まります』の放送を聞いてから客席に戻ったのに、舞台にはセーフティーカーテンが降りたまま。 なかなか始まらなかったら放送があって、なんだかセーフティー・カーテンが上がらなくなったらしい。 しばらくたって、無事にカーテンが上がって、舞台を観ることができました。


  この作品を観るのは3回目。 コールド・バレエがどんどんよくなっていきます。

 メインのキャストが変わった今回、よい意味で作品が違うものになってきました。


 特筆すべきは、第2楽章を踊ったリヤーン。 彼女は今シーズンから下から二つ目のファースト・アーティストにあがったばかり。 昨年12月の『くるみ割り人形』でクラーラのデビューをしましたが、私は日程の関係でミスしてしまいました。 彼女のソロというと、『眠れる森の美女』の3幕で、猫と赤頭巾ちゃんをやっているのを観ましたが、あまりソロで見ることはありません。

 昨年のリンバリーでのリアムの振付作品で、リストのコンソレーション第2番にあわせて踊るソロ、これが非常に素敵で、彼女の今回の踊りを楽しみにしていました。

 

 小柄なダンサー。 状態、腕の美しさが、月並みな言い方ですが、ロイヤルバレエスクール出身なのだな、と思わせます。 身体の小ささを感じさせないポーズの美しさ、一つ一つのちょっとしたしぐさの意味。

 まさか、ここまで魅せてくれるとは思いませんでした。


 第3楽章のユフィとスティーブンは3月のミックス・ビルの『コンチェルト』の第1楽章の軽快な踊りがまだ記憶に新しいですが、今回も切れのある踊りを見せてくれました。 特にユフィは上体の使い方がきれいで、アダージョなどゆっくり系が得意、という印象がありましたが、このところ、アレグロでも彼女らしく、きびきびとしているだけではない軽快だけれどきれいな踊りをするようになってきていると思います。


 今回、コールドで目を惹いたのが、一人の女性、ヤスミン・ナグァーディ(苗字は発音が自信ありません。 Naghdi)。 彼女はまだロイヤルバレエのリストの中には名前がありませんが、ロイヤルバレエスクールの最終学年。 確か、来年度入団予定。 先日も、『リーズの結婚』の群舞に入っていましたが。

 先週観た時と昨日とでは違うパート(昨日は病気のダンサーの代役)を踊っていたのですが、あれは一体誰?と思ってみてしまったほど。 堂々として、気持ちの良い踊りをしていました。


 第1、2楽章は、プリンシパルの二人だけで楽章がおわります。 どちらも、男性が女性をちょっと持ち上げ、女性は足をまっすぐにそろえ、顔を下に向けて、ちょっと肩をあげて腕を左右に伸ばす感じで同じポーズで終わります。 そして、第3楽章は、プリンシパルの女性以外の全員のダンサーがこのポーズで終わります。

 これって、やはり十字架をあらわしているのでしょうか??

 

 『カルメン』

   マッツ・エック振付、ビゼーの『カルメン』と『アルルの女』を元に、シシャードリンが編曲したもの


 カルメン: タマーラ・ロホ

 ホセ: トーマス・ホワイトヘッド

 エスカミーヨ: ベネット・ガートサイド

 M: クリスティン・マクナリー

 ジプシー: ジョナサン・ハウエルズ

 オフィサー: ギャリー・エイヴィス


 『カルメン』はジプシー以外は全て同じキャストでの公演です。


 相変わらず、真っ赤な衣裳のタマーラは彼女の持ち味を出していました。 本当に、彼女はお姫様系をを観るよりもこういうものの方が私は好き。

 

 それよりも、やはり、ホセを踊ったトーマスの細かい演技、顔が見えなくても、背中で語ることができる演技に魅せられています。


 カルメンはタバコ工場で働く女性。 だからか、舞台上にタバコが何度か出てきます。

 有名な『ハバネラ』で、オフィサー、ホセ、5人の男性が暗い舞台に足を広げて立ち、左手で口のところにタバコを持って、右手を足のスネの部分に持っていって、マッチに火をつけます。 そして、それをタバコにつける。 これ、結構素敵な演出なのです。

 男性はタバコをくわえたまま横に寝転がらなくてはいけなかったりもするので、大変だと思いますが。

 暗めの舞台で、その男性の間をカルメンが踊る。 この部分、私は好きです。

 

 この作品の最初から最後まで、舞台の下手前方に大きなボールが置いてあり、最初はこの上にホセが客席に背を向けて座っていたり、途中カルメンが同じように座ってたばこをふかしたりします。


 作品の後半、Mが一人の女性をつれてきて、彼女をここに座らせます。 そしてオフィサーが4人の男性に運ばれてきて、床に寝かせられます。 しばらくは、カルメン、ホセ、ジプシーが踊っているのですが、それが終わると、このボールに座っていた女性が動きの少ない踊りをはじめます。 これを踊っているのはシャーン・マーフィー。 とっても伝わってくるものがあり、未だにこれが本当は何をあらわしているのかはっきりは私はわからないのですが、それでも、伝わってくるのだから凄い。


 50分があっという間に過ぎていきます。 クラシックバレエを残したまま、モダン的なものを取り入れ、音楽はクラシック。 私、生まれ変わることができるのなら、この作品を踊りたい。 カルメンでなくて、女性の一人。 もちろん、純クラシックが好きですが、こういうのを観ると踊ってみたいな、と思います。


 私のこのプログラムの鑑賞は残り一回。 音楽をもう一度聴いて復習です。 

Posted on 2010/05/13 Thu. 03:59 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

13

セヴェノークスでコンサート 

ロンドンを南北に往復していました。


 朝、北ロンドンの自宅を出て、オペラハウスで当日券を購入。 そこから歩いて近いチャーリングクロス駅から鉄道に乗って、南東へ35分。 何度も通った、セヴェノークスへ。 コンサートの後は、ロンドンに戻って、時間が中途半端だったので、一度家に戻って滞在時間20分で着替えて、荷物を置いて、家から西へ教えへ。 それから再び南下して、オペラハウスでバレエ鑑賞をして、帰宅。


 今日のコンサートは2006年以来何度も行っている、セヴェノークスのSt Luke's Church。

 ここはアップライトのピアノ。 約1年ぶりに行ったら、状態の後退に拍車がかかっていました。

 それでも、呼ばれたら行ってしまうのです。


 プログラムは


 モーツアルト: ピアノソナタ ハ長調 K.330

 リスト:愛の夢 第3番

 ショパン: 4つのマズルカ Op.67

 シャブリエ: スケルツオ・ワルツ


 ここのピアノの難点は、中央の1オクターブよりも上の音が柔らかく、全く力が無い音。 それなのに、低音部は華やかな音。 これ、反対だったら全く問題が無いのですけれどね。 どんなに指の角度を変えたり重さを変えていっても、さすがにどうにもなりませんでした。


 ショパンの4つのマズルカ Op.67は今回初めて取り上げました。 作品番号は遅いけれど、ショパンの若い頃に書かれた初期の作品。

 結構好きな作品なのですが、あまりにも単純すぎて難しい。 今回本番にあげたから、明日からの練習はかわってくることでしょう。 これはきっと弾けば弾くほど新しいものが湧き上がりそうな予感。 でも、そうでなかったら悲惨。

 

 知っている顔がたくさんで、嬉しい。 お隣の老人ホーム、近郊の大人の養護施設の方々もいらしていて、車椅子がいくつも並ぶコンサートです。 


 夏の日本の前に、イギリスでのコンサートも残り3つ。 一つ一つを大切にしていきたいと思います。  



 

Posted on 2010/05/12 Wed. 05:58 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

12

さつまいも 

昼間でかけるのにも、黒タイツ、長袖、カーディガン、薄いコート。 厚い冬用のコートを着たくなりました。


 先週のコンサートの疲れを引きずったまま、明日は1年ぶりにケントのもう8回位行っている教会でのコンサート。 久々に知っている顔がいるところだし、ピアノは最悪だけれど、“地元”という空気を感じるところなので、楽しみにしています。

 

 疲れているから、体調がよくなかったのも引きずっているから、身体が欲しがるものは、なんだかんだ言いつつ、日本食。 日本食というよりも、うどんとか、そういうもの。


 このところ、近くの図書館で本を借り続けていますが、日本語と英語の本を半々くらいで借りてきます。 その中で、何冊か林真理子のエッセイを読んでいますが、彼女の本に何度か出てきて、私の大好物なのにイギリスにいる間は忘れていたのが、さつまいも!

 てんぷらだって、もちろんえびとかも好きだけれど、さつまいも、かぼちゃ、にんじん、しいたけがあればハッピーな人です。 


 読んだら食べたくなります。 というよりも、身体が欲しがっていたものに気がついたみたい。

 家の方とか、もう少し北の方に、なんと言うのでしょう? トルコとか、イスラム圏とか、ギリシャとかの食材が多いお店が多いのですが、そこの軒先の野菜コーナーでさつまいも発見。 


 以前、カーディフでSweet Potetosと書かれていて喜んで買ってきたら、日本のさつまいものような甘さは無くてがっかりして、以来買ったことは無かったのですが、ここに並んでいるのは日本のさつまいもに近い。

 先日、半信半疑で買ってきて、蒸かすなんて面倒なことは私がやるわけはないので、切って洗ってラップに包んで電子レンジ。 食べてみると、もちろん紅あずまのようなのとは違うけれど、それでも、日本のさつまいもに近くて、飢えている私にはおいしく感じました!


 もちろん、日本食材店へ行くとさつまいもは売っているけれど、お値段がね。

 それから比べると、こういうトルコ系のお店だと安い。


 昨日、再び食べたくなって、今回は2本買ってきて、今日のお昼はさつまいも。 

 1本しか食べていませんよ。 念のため。 いくら食べる私でも、さすがに一度に2本は食べられません。


 もちろん、スウィートポテトとか、調理したものも好きだけれど、自然なままの蒸かしたものが一番好き。 


 これで明日のコンサートは頑張れそうです。

 色々と日本のことを言っているわりには情けないけれど、結局疲れている時に食べたくなるものは、梅干のおにぎりと、こうしたさつまいもを蒸かしたもの、ってわかりました。 普段はイギリス料理が好きですけれど。

 

Posted on 2010/05/10 Mon. 17:28 [edit]

category: 日常

TB: 0    CM: 0

10

リサイタル準備開始 

長袖、カーディガン、薄手のコート、黒のタイツで出かけたにも関わらず、夜は冷え込んでいました。


 やっと体調も落ち着いてきたし、先週までのコンサートが終わったので、やっと8月の日本でのリサイタルの準備を開始。 8月といっても、1日。 もう3ヶ月を切っています。 ピアノの演奏の準備ももちろんですが、その他の準備が今回は大変。 今までのサロンでのコンサートとはホールのキャパ数が違いますからね。

 

 先週からチラシを今回は去年お世話になった方にお願いしてデザインしていただいていました。 あとは印刷するだけ、という状態になりましたが、これがとっても素敵! 奏楽堂の雰囲気にもぴったり。 すぐに作ってくださって感謝です。

 印刷が終わるのが、楽しみです。


 というわけで、少しずつ郵送の準備も開始。 

 私の分は私がこちらでやっているので、久々に日本語を書く作業。 さび付いている漢字を書きつつ、12年前、友達とのやり取りは全て手紙だったのだな、と懐かしくなりました。


 奏楽堂、というずっと憧れていた大好きなホールでの演奏。 もちろん、日本にはもっと立派なホールはたくさんあるけれど、イギリスの雰囲気で弾けるかな、と思うのがこのホール。  


 楽しみだけれど、あのバラキレフを取り上げるので、不安も少々。 今回は8月のイギリスでの演奏の関係で、7月中旬に日本へいって、リサイタルが終わり次第、すぐにイギリスへ帰国予定。 ということは日本に行ってから夏バテになっては困ります。

 それでも、あのバラキレフのソナタを再び弾くのは楽しみ。 この曲はランチタイムコンサートでは取り上げることができませんから。 6月にこちらで一度取り上げる予定ですが。

 今から体力をつけておかなくてはいけません。


 演奏も、事務作業も後2ヶ月半なんてあっという間にきてしまうでしょう。

 後悔をしないように、頑張りたいと思います。


 

 

Posted on 2010/05/10 Mon. 06:44 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

10

疲れが・・・ 

冬に戻ったのか?と言いたくなるほど、肌寒い日でした。


 昨日、一昨日と続けてコンサート。 特に、一昨日の夜にロンドンで弾いて、翌日電車で2時間ちょっと、ロンドンから300キロ以上離れたところのシェフィールドでのランチタイムコンサートだったので、疲れが倍増。

 

 水曜日、今日のロイヤルバレエのことも書きたいし、シェフィールドのことも書きたいのですが、また明日にでも。


 今日は12時半から教えだったのに、起きたのは11時過ぎ。 体調が万全ではないので、今回の日程はきつかったようです。

 

 明日は起きられるでしょうか? 久々の休日です。

Posted on 2010/05/08 Sat. 06:48 [edit]

category: 日常

TB: 0    CM: 0

08

シェイールド観光 

  金曜日の朝、ということで普通は往復で買った方が安い電車も、今回は結構なお値段。 仕方がないから、行きは電車、帰りはコーチ、という方法での移動になりました。

 

 ちなみに、シェフィールド(Sheffield)はロンドンから北へ300kmほど。 途中、3箇所止まる電車で2時間ちょっとでした。


WITH HOPE!!-100507 sheffield station

 シェフィールドの駅を降りると、こんな水を使ったものが。 後で気がついたのですが、シェフィールドの町では噴水、その他、水を使った飾りをたくさん見かけました。

 街の印象は、トラムが走っていたりして、なんだかワルシャワを思い出しました。 小道なんかも、ワルシャワとか、ウッジの感じがあり。 良く言うと新しいものと古いものが混在している街。 正直なことを言うと、ごちゃごちゃした街。 

WITH HOPE!!-100507 town hall

 シェフィールドに来たのは初めてですが、すぐ近くのマンチェスターに10年前、1年ほど住んだ私。 最初の印象は、『北イングランドに来た!』

 イングランド、北と南では空気が違います。 人間も違います。 北イングランドから来た人か、南イングランドから来た人か、大抵区別がつくものです。 

 上の写真はタウンホール。 その奥に誰も乗っている人がいないし、とっても速度の速い観覧車が。

WITH HOPE!!-100507 town hall behind

 タウンホールの裏側にはこの噴水をはじめ、水を使った公園が。 それほど暖かくもないけれど、凄く寒くもない、ということで、たくさんの人が座っていました。

WITH HOPE!!-100507 hall

これはコンサートホールにも使われているようです。 この建物の前にも噴水。

WITH HOPE!!-100507 winter garden out

 ウィンターガーデン、と地図に書かれていたこの建物。 3枚目の写真のすぐ隣にあるのですが、あの古い建物とこのような超近代的な建物がかなり混在しています。

WITH HOPE!!-100507 winter garden inside


中は温室? ちょっと珍しいような植物や、笹など、イギリスでは滅多に見かけないものがたくさんありました。 

WITH HOPE!!-100507 alley

 こういう小道を見つけると、大通りを避けて歩いてしまいます。 

WITH HOPE!!-100507 river

 川がある風景が好き。 街中をちょっと離れたら素敵な風景が広がっているようです。 ここからそれほど遠くないところが、ピーク・ディストリクト。 ジェーン・オースティンの『プライドと偏見』でエリザベスが叔父さん、おばさんと遊びに行くところ。 私もいつか行ってみたいところのリストのトップにある場所です。 車が無いと不便なのでいけませんが。 

WITH HOPE!!-100507 market


 マーケット発見!! 5時近くて店じまいしているところがほとんどでしたが、マンチェスターにあったような超庶民的なマーケット。 屋内マーケットであの独特の匂いが懐かしい。 


 お魚、お手ごろで買いたかったのですが、これから4時間かけてロンドンに帰る身。 諦めました。

 その代わり、ドライフルーツのお店で、クリスタライズド・ジンジャー(1㎝角の立方体のジンジャーに砂糖がまぶしてあるもの)を購入。 程よいジンジャーの辛味が残っていて、後をひくおいしさ!! 私はこれが好きなので、たまに自然食のお店で買ったりもするのですが、このおいしさは格別! もっと買ってこればよかった!

 

 6時15分シェフィールド発のコーチは結構混んでいました。 10時40分ロンドンヴィクトリア着、と言われていたのですが、その前に、私の家からそれほど遠くない北ロンドンのバス停でも止まることがわかり、そこに9時45分着。 もちろんそこで降りて、バスを2本乗り継いで家に帰ったのは10時20分。 ヴィクトリアまで行ったら、家に帰るのは12時近い、と思っていたので、これはラッキー。 


 というわけで、演奏、その後重いバッグを持ちながら4時間の観光でした。 帰りのコーチは半分寝ていましたが、この時期のイギリスというのは、緑の芝生と、黄色い菜の花畑が続いていて、とっても美しいものでした。

Posted on 2010/05/07 Fri. 06:37 [edit]

category: お出かけ

TB: 0    CM: 0

07

シェフィールド大聖堂でのコンサート 

 昨夜のリサイタルの疲れが残るまま、朝8時55分、セント・パンクラス駅発車のシェフィールド駅行きの電車で、シェフィールドへ。 たとえ寝てしまっても(イギリスの電車で寝たことはほとんどありませんが)、乗り越さなくて済む、と安心。 結局寝ることはなく、2時間ちょっとの電車の車窓を楽しみました。

 なんと、私ばかのことをやって、シェフィールド大聖堂がどこにあるのか、地図を見ないででかけました。 今までの感じだと、どうせ、駅から大聖堂の塔が見えるだろうから、それを目指せばよい、と思っていたのですが、シェフィールドは近代都市で、高い建物も多くて、駅から塔は見ることができませんでした。 慌てて駅の案内所へ行ったのですが、案内所の方、大聖堂がどこかわからない。 しかも、備え付けの地図しかない。 案内所で地図を頂けばよい、と思った私の考えは通用しなかったわけ。

 他の方に聞いてやっとわかって、駅から徒歩10分ほどの大聖堂に向かいました。


WITH HOPE!!-100507 sheffield cathedral


  結構大きな建物です。

 

 プログラムは、


 チャイコフスキー: 『四季』より 1月、6月

 リスト: 愛の夢 第3番

 リスト: 愛の賛歌

 シャブリエ: スケルツオ・ワルツ

 ショパン: ノクターン ロ長調 Op.62-1

 ショパン: 幻想ポロネーズ Op.61


 昨夜のリサイタルから半分以上同じものを入れています。 


WITH HOPE!!-100507 sheffield cathedral inside


 ピアノは古いスタンウェイ。 ですが、きっとメインテナンスもよくないのでしょう。 鍵盤の深さが恐ろしいほどバラバラ。 こういう楽器は一番辛い。 

 とにかく、1時間のリハーサルでできるかぎり感覚を覚える。 それでも、今回は珍しくあまり鍵盤が手に馴染んでくれませんでした。


 それでも、昨日もそうですが、教会、大聖堂で弾く、リストの愛の賛歌は特別。 オルガンの音を表すこの曲では、こういう空間が必要なのかもしれません。


 チャイコフスキーの『四季』はレパートリーに加わってから2年が経ち、これも弾けば弾くほど変わってきています。


 ショパンの幻想ポロネーズは昨夜よりもよいでき。 とはいえども、これもまだまだできることがあるはずなので、地道にやっていきたいと思います。


 とりあえず懸念していたこの二日が終わり、ほっとしました。

 コンサートの後は楽しみの観光です。

Posted on 2010/05/06 Thu. 21:00 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 2

06

ノッティングヒル・メイフェストでのリサイタル 

 久々の夜のコンサートでした。


 映画の『ノッティングヒルの恋人』で有名な、あのノッテリング・ヒルのセント・ジョンズ教会にて。 5月1日から23日まで毎日色々なコンサートが行われる、ノッティング・ヒル・メイフェストの一環としてのコンサートでした。


 プログラムは

 

 モーツアルト: ピアノソナタ ハ長調 K.330

 リスト: 愛の賛歌

 リスト: 愛の夢 第3番

 ドビュッシー: 喜びの島


 ドビュッシー: アラベスク 第1番

 ショパン: マズルカ 5つ 

 ショパン: ノクターン ロ長調 Op.62-1

 ショパン: 幻想ポロネーズ Op.61


 ヤマハのC2。 一般的なものより、一回り小さな楽器。 多分私の体調が悪いのもあるとは思うのですが、ピアノの前ではあまり音がなっていることを感じることができませんでした。

 

 たとえ、聴いてくださる人が一人でも、ちゃんと弾く、というのが私のモットーですが、初めて一桁のお客様の数。 このフェスティヴァル、大抵は30-40人のお客様がいらっしゃるそうですが、運が悪いことに、今日は選挙。 これが影響しているのだろう、というのが主催者の方のご意見。 それでも、一昨年の夏まで教えていた生徒が思いもがけずいらしてくださったので嬉しい。

 


 演奏は、リストの愛の夢がまだいまいち。 久々に弾いたドビュッシーの喜びの島は面白かったけれど、これは体調がよくないと厳しい。 呼吸がおかしいので、やはりフレーズがおかしなものになってしまいました。


ショパンのノクターンはこれは弾けば弾くほど変わってくる興味深い作品です。 8月の奏楽堂でベストな状態を持って行きたいので、このまま、もう少しイギリスで弾いておこうと思います。


 それにしても、ノッティングヒルの辺りは素敵な家が多いです。 

Posted on 2010/05/06 Thu. 06:02 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

06

ロイヤルバレエ 『ミックス・ビル』 初日 

 コヴェントガーデンでのシーズンも残り、1ヵ月半弱。 4月から続いている『シンデレラ』は再び5月末に戻ってきますが、今日から、残り二つのミックス・ビルのうちの一つ目が始まりました。


 演目は、

 『エレクトリック・カウンターポイント』 クリストファー・ウィールドン振付 曲はバッハとスティーブ・ライヒ (2008年初演)

 『アスフォーデル・ミャードウス(Asphodel Meadows)』 リアム・スカーレット振付 曲はプーランク 2台のピアノの為の協奏曲 (世界初演)

 『カルメン』 マッツ・エック振付 曲はビゼーのカルメン、アルルの女を元にシシャードリン(シチェドリン?)が編曲したもの (1992年初演)


 今回のファースト・キャストの舞台写真はhttp://www.ballet.co.uk/gallery/jr_asphodel_triple_roh_0510 より。


 前回のマクミラン作品3つのミックス・ビルについで楽しみにしていたビルが今回のものです。 先日、インサイト・イブニングの時に触れたように、私は今までのリアムの作品がとても好きでしたし、『カルメン』は昨年1月に初めて観て惚れた作品です。




 『エレクトリック・カウンターポイント』


 セーラ・ラム、エリック・アンダーウッド、エドワード・ワトソン、リヤーン・ベンジャミン


 これは、映像、音声も含まれる作品です。

 スティーブ・ライヒの『エレクトリック・カウンターポイント』と言う、エレクトリック・ギターの作品を後半に、前半は、上記の出演者の順番で一人ずつ、そのダンサーの音声を取り混ぜて、ピアノソロで踊ります。

 女性二人は一人目がバッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第8番 変ホ短調のプレリュード、最後の女性がこのフーガ。 男性二人は他のバッハのコーラルプレリュードなど。


 この平均律は私の十八番なので、そして解釈が他の人とだいぶ違う(だけれど、これで今までいかに点稼ぎをしてきたか・・・)ので、正直、こうして舞台で使われる演奏を聴くのが非常に難しい。

 

 初演時と最初のセーラのヴァリエーションは衣裳が違いました。 後半で全員同じ薄い水色というか薄いグレーのようなレオタードのような形の衣裳を着るのですが、前回はセーラのVではこれにチュチュのスカート部分をつけて踊り、途中でスカートをはずし、最後はそれを持って退場する、と言う風に記憶しているのですが、今回は映像と同じ、きらきらとしたチュチュ。


 映像と同じ動きを最初はしていますが、だんだんとずれていきます。 これはカウンターポイントを意識しているのかもしれません。


 初演時に背が高いぜナイダが踊ったパートを今回はリヤーンが。 彼女は非常に小柄なダンサーなので、あれだけ背が高いダンサーが造ったパートを踊るとどうなるのだろう?と思っていたのですが、リヤーンは一人でいる限り、舞台の上でその小ささを感じさせないダンサー。 全く違和感はありませんでした。


 後半はパ・ド・ドゥが基本。 振り自体は面白いのですが、私には周りの映像が結構邪魔。

 



 『Asphodel Meadows』 

 

 第1楽章: マリアネラ・ヌニェス、ルパート・ペネファーザー

 第2楽章: タマーラ・ロホ、ベネット・ガートサイド

 第3楽章: ラウラ・モレーラ、リカルド・セルヴェーラ

  +7組の群舞


 24歳になったばかり、入団5年目のファースト・アーティストのリアムが初めてカンパニーのメインハウスでの公演のために振付けた作品。

 リアムは、非常に音楽的などちらかというと、コンテンポラリーよりも、ネオ・クラシカルのバレエを振付けてきている人。 コンテも大丈夫になってはきましたが、ネオ・クラシカルの作品が好きな私にはリアムの作品というのは非常に観ていて心地よいものなのです。


 タイトルの『Asphodel Meadows』は古代ギリシャ(神話?)の人が死んだ後、魂が送られる場所のようです。 ギリシャ神話を読まないと駄目そうです。

 タイトルはあるものの、基本的にストーリーのないバレエ。 ただ、故ジェローム・ロビンズが『ストーリーのないバレエでも、男と女がいたら自然にストーリーが出来上がる』と言っているように、何らかの感情は絶対にあります。 それは、観る人一人一人が違うものを感じ取るのでしょう。

 

 プログラムに、リアムの興味深いインタビュー記事が載っていましたが、リアムはこれまでに振付けてきた作品、ピアノソロとピアノ協奏曲、要はピアノが含まれている曲がほとんどだったようです。 その理由は、ピアノは一番人間らしい楽器と彼が感じているから。 ダンサーか振付家にならなかったら、コンサートピアニストになりたかったそうです。 インタビューでは弾けるけれど、とっても下手、と書いていますが。


 照明が暗い、という気もしますが、衣裳は女性は膝丈のワンピース、男性は後ろからみると、なぜか体操選手のように感じるような衣裳。 群舞は薄いグレーと言うか、ページュというか、少しずつ染め方が違う衣裳。 プリンシパルキャストは、第1楽章が茶、第2楽章が黒、第3楽章が濃いバーガンディー。


 幕が開くと、3人のプリンシパルキャストが後ろ向きで横一列に立っています。 音なしで、そのまま後ろ向きで歩き、一人が途中で止まり、二人目が止まり、3人目がもう少し前で止まった時点で音が出ます。


 プーランクのこの協奏曲自体が非常に劇的な音楽。 ころころと変わっていき、色々なスタイル、ハーモニーが混在している。 第2楽章なんて、冒頭はモーツアルト?というような感じの音楽ですから。


 プリンシパルキャスト、特に第1楽章はリアムにしては珍しく、リフトを多用しています。 素敵なのは群舞の使い方。 一度観ただけではまだ目がきょろきょろとして何を観ればよいのかわからなくなる、といったような気もしましたが、それでも、構成が非常に素敵です。


 第3楽章の最後の最後で、全員舞台にそろいます。 女性プリンシパル3人が袖に引っ込んで、男性プリンシパルと群舞が最後並んだ状態で舞台が暗くなっておしまい。


 初日なので、カーテンコール時に振付けたリアムが舞台にたちました。 特にレッド・カーテン・コール(幕の前での挨拶)の際には目に涙を溜めていました。 24歳という若さでカンパニーのメインハウスでの公演に振付けたらそれは感激するでしょうね。

 

 

『カルメン』


カルメン: タマーラ・ロホ

ホセ: トーマス・ホワイトヘッド

エスカミーリョ: ベネット・ガートサイド

M: クリスティン・マクナリー

ジプシー: ブライアン・マローニー

オフィサー: ギャリー・エイヴィス


 女性6人と兵隊5人。


 ロシアのプリマバレリーナ、マヤ・プリセツカヤの夫、シシャードリンが彼女の為にアレンジした『カルメン』を用いています。

 パーカッションを多用し、原作とは順番も入れ替え、でも、興味深く、編曲、という言葉を使いたくないほど素敵な曲です。


 オペラの『カルメン』の筋書きを使用しながらも、50分程度の作品ですから色々と変えている部分も。


 マッツ・エックの振付は非常に音楽的で、コンテなのだけれど、クラシックの形も残し、絶妙なバランス。 女性は全員トウシューズを履かずに、ソフトバレエシューズ。


 バレエは言葉を発しない芸術ですが、このバレエでは、最初のカルメンと(カルメンの夫の)ジプシーの入りでは二人が怒鳴りあったり、兵隊たちの入りでは話し声があったり、という作品です。


 タマーラは私は個人的には古典バレエよりも、このような作品での方がすき。 キャラクター性の強い作品の方が彼女のよさがでていると思います。

 ホセを踊ったトーマス、ソロイストにいるダンサーで、この頃では『シンデレラ』でシンデレラのお父さん役とか、他でもキャラクターダンサーがやっているような役が増えてきていますが、このホセは非常に魅力的。 何故マッツ・エックが彼を選んだのかわかるような気がします。


 今回はシングルキャストでの公演(ジプシーだけはダブルのような気がします)。 


 この作品、踊ってみたい、と思うものの一つ。 バレエに再びはまって4年目。 私の趣味もだいぶ変わってきたようです。 このバレエもたとえシングル・キャストであっても、何度観ても飽きない、というバレエの一つです。


 『カルメン』の前の休憩が終わる頃、友達(10代から70代まで色々)に『また明日ね』と言われたのですが、私は自分のコンサート。 今回は、セカンド・キャストは1度しか観られません。 しかも、そのたった1度観ることができる日は、ケントでランチタイムコンサート。 その後ロンドンを南北に横断して北まで教えに行って、それからまたセントラルロンドンに戻ってバレエ鑑賞、というハードな日。


 今回のバレエ、ぜひバレエに偏見がある方々に観てもらいたい、と思うバレエばかりです。

 

 

 

Posted on 2010/05/05 Wed. 06:46 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

05

吉田都さんのトーク 

 既に1週間以上前のことですが、先週、4月26日にオペラハウスの上のクロア・ストゥディオで行われた、吉田都さんのトーク内容の抜粋です。

 トークは都さんがロイヤルバレエ学校時代に同級生、その後はサドラーズ・ウェルズ(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ)に入ってからも一緒に踊っていた、現在ロイヤルバレエのアドミニストレイティブ・ダイレクターをしているケヴィン・オハラとの対談方式で行われました。


 会場には大きなプロジェクターが用意されていて、いくつかの録画を観ながら、1時間半ほどのトークでした。

 (真っ暗な中でノートを見ずに、手を動かしてメモをしていたので、間違いがあるかもしれません)


 観た録画は


 『シンデレラ』の第2幕のヴァリエーション (2010年4月23日)

 『白鳥の湖』 第3幕のパ・ド・ドゥのコーダ(グランフェッテの部分から) 過去に、多分ビッグ・スクリーンの時に収録されたもの

 『ロミオとジュリエット』 バルコニーのパ・ド・ドゥ(ロミオはエドワード・ワトソン) (2008年大阪でのロイヤルバレエのツアー)

 『ラプソディー』 パ・ド・ドゥ(有名な第18変奏のはず) 相手はホセ・マーティン (2007年の公演のアーカイブ)

 『バレエの情景』 ソロ

 『オンディーヌ』 最後の部分 (DVDになっているもの) (2009年の公演)

 『くるみ割り人形』 グラン・パ・ド・ドゥのアダージョ 相手はフェデリコ・ボネリ (2008年の公演のアーカイブ)

 4月23日の都さん最後の『シンデレラ』のカーテンコール


 一般にDVDになっていなくても、アーカイブとして記録しているのだな、と思いました。 会場の細かい雑音が入っているものの、映像自体はとってもきれいでした。


 トークの内容は、これまでのことを振り返る感じで行われました。


 その前に、最後の『シンデレラ』について少し話をし、パートナーのことになり、スティーブンはリラックスして、信じることができる相手だ、ということをおっしゃていました。

 若い頃は色々な相手と踊ったけれど、今は怪我を色々とした後なので、怪我のことをわかっている相手でないと難しいので、同じ相手と踊っている、とのことでした。 そうでないと、再び怪我をするリスクが大きい。


 日本でバレエを始めた理由、15歳の時に松山バレエ学校に入り、その後ローザンヌを受けて奨学金を得て、森下洋子先生が当時ロイヤルバレエスクールの校長になったメリル・パークのことを知っていたから、自然にロイヤルバレエ学校に行くことに決まったこと。 

 

 ロイヤルバレエ学校では最初1年生のクラスに行ったら、メリル・パークがいらして、最終学年のクラスに行くようにいわれたこと。 

 学校時代はロイヤルバレエの公演に、『白鳥の湖』のお后の後ろで立っているPageをやったりもしたこと。

 

 バレエ学校を終える頃、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤルバレエへのコントラクトを貰い、最初は嬉しい、という感情よりも、「日本へ帰れないのだ」とがっかりしたこと。

 日本に帰って、松山バレエに入ればよい、と思っていたそう。


 バレエ学校時代、『眠れる森の美女』のフロリナ姫のソロをマイケル・サムスに観ていただいて、『表現しなさい、何かを見せなさい』と言われたこと。

 これが難しかったとおっしゃていました。


 サドラーズに入ってからは、プロのダンサーのことを知らず、まずはお給料をいただいて、トウシューズも与えられたことに驚いたそうです。

 

 最初の大きな役は、『スケートをする人々』のブルーガール。

 初めて全幕バレエの主役をやったのは、『白鳥の湖』。 サンダーランドでのことだそうです。 ペースの配分がわからず、踊り終わったら、楽屋に横になって動けなかったこと。

 この時は、怪我をしたリアン・ベンジャミンに代わって、2週間で用意をしたそうです。


 一番難しかった役は、ジゼル。 

 リハーサルでは、演技を中心に指導されたが、どうやって気持ちを表したらよいのかわからなかった。 とおっしゃっていました。

 今になって、20年前にピーター・ライトに指導されたことがわかったそうです。


 『ママにみせるつもりで踊りなさい』と言われたそう(ママというのは、娘がどんなことをしようと、舞台に立った姿を見れば喜ぶらしい。 うちは違うな、と思いましたが。 一番厳しいのがママですから)


 1995年にロイヤルバレエに移籍。

 バーミンガムではとてもリラックスしていたけれど、ロイヤルバレエに来たら、何かをみせなくてはいけない、大変だったそう。

 ドナルド・マクレアリーに指導を受けたが、最初は彼が何を求めているのかわからなかたそう。


 2007年にOBEを頂いた時、外国人なのでバッキンガム宮殿にいけなくて、その時自分が日本人であることを自覚した、とのこと。


 以前、(多分バーミンガム時代だと思いますが)日本公演で日本の招聘先(あの方でしょう)が西洋のバレエ団なのだから、日本人が主役をやるのは困る、と都さんが主役を踊ることを渋ったこと。 近年このことについては謝ったようですが。 (これは私も経験してきているので、まだまだ日本では有名でない日本人はいらないのだな、と思いますが)

 

 録画をみせて頂いた作品について、少しずつコメントもありました。


 質問コーナーでは、

『履いているトウシューズについて』

『好きな役柄』

『日本で受けた回り物についての教育』


 これについては、おもしろい回答があり、以前、ピーター・ライトが都さんに、グランフェッテのギネスブックに挑戦しては?と言い出し、挑戦し、80回ちょっと回ったそうです。 が、当時の記録は100数回だったそうで、記録には届かなかったそうです。


このほかもう少し、質問がありました。


 多分、ケヴィンという都さんが27年間知っている相手だったこともあるのでしょう、とってもリラックスした中でのトークでした。

 

 日本でプログラムを確認してみないとわかりませんが、私は多分、都さんとケヴィンの踊りを1996年か1997年、バレエ協会の『白鳥の湖』で観ているはずです。 都さんは覚えているけれど、ケヴィンがあやふや。

 

 6月にロイヤルバレエは退団するけれど、これからも少しずつ日本で踊り続けるそうです。 

 ちなみに、6月のロイヤルバレエの都さんの『ロミオとジュリエット』は日本のテレビで放送予定のようです。


 昨年の5月、都さんとケヴィンのトークはバレエアソシエイションでも聞いていますが、こうして再びロイヤルオペラハウスでの最後の公演を終えた後に聞くと、感慨深いものがありました。


 こういう機会を用意してくださったオペラハウスに感謝です。 

Posted on 2010/05/04 Tue. 06:34 [edit]

category: バレエ

TB: 0    CM: 0

04

再びダウン 

今日はバンクホリデー。 本当はロイヤルバレエを観に行く予定でしたが・・・

 もう3週間近く続いている咳、ついに肋骨が痛くなってしまい・・・ 咳をすると痛むから咳を我慢して余計辛い、という状態になってしまいました。 

 肩甲骨とダブルで来てしまったので、ついに身体をお昼過ぎまで起こすことができませんでした。 

 昨日のコンサートは結構完全燃焼していたので、それもあったのでしょう。


 きっと熱がないのをよいことに、調子が悪くても動いていたし、コンサートが続いているから気が張っている状態。 余計に治らないのでしょう。 今一番やりたいこと。 日本に行って、かかりつけの小児科の先生のところへ行くこと。 どんなにイギリスを愛していても、未だにイギリスの病院だけは苦手です。


 

 気がつけばあっという間に、去年のバレエの発表会から1年。 あっという間です。 去年の今頃はちょうど日本からイギリスに帰ってきた頃かもしれません。

 あれは正直思い出したくないくらい大変だったけれど、またやりたい!と思えるほど有意義なものでした。

 今年はお教室の発表会は明日。 先生の振付でおもしろそうなものをやるから、日本にいたらぜひ観たかった!


 2年前の今頃は修士論文の提出前で結果がまとまらなくて、あたふたしていた頃。 学生時代が長くて、いくつものエッセイ、論文を書いた私は、あの時、これで最後!と思っていたのに、2年経った今では再び文献を漁って、自己研究を続けている最中。 ブリティッシュ・ライブラリーにプライベート・リサーチャーとして登録しているので、研究をしなくてはいけないのです。


 去年の今頃は腕の痛みで苦しみ、その後は指の靭帯、今は肋骨。 今年は厄年なのでしょうか? 

まだまだ若いつもりでいても、やっぱり20代とは違うのだ、と実感しています・・・

Posted on 2010/05/03 Mon. 06:49 [edit]

category: 日常

TB: 0    CM: 0

03

Foundling Museumでのコンサート 

 短い夏が終わって、冬に戻ったのか?と言いたくなるような天候。 薄いコートを着て出かけましたが、思わず冬のコートを着ていけばよかった、と思ったほど。


 日本はゴールデンウィークですが、バンクホリデー(日本の感覚でいう、祝日?)の少ないイギリス、5月は第1週月曜日がバンクホリデーになるので、3連休中。 といっても、私はいつも通りの教え。


 今日は、再びロンドンでコンサート。


 場所は、The Foundling Museum (www.foundlingmuseum.org.uk)。 Russell Square駅より徒歩5分もかからないところでした。

 

ミュージアム、といっても、古い素敵な内部の建物。 そこのピクチャー・ギャラリーでの演奏でした。

 

 ピアノはジョン・ブロードウッド。

 

 プログラムは


 モーツアルト: ピアノソナタ ハ長調 K.330

 ドビュッシー: アラベスク 第1番

 シャブリエ: スケルツオ・ワルツ

 チャイコフスキー: ロマンス ヘ長調 Op.51-5

 ショパン: マズルカ 4つ

 ショパン: ノクターン ロ長調 Op.62-1

 ショパン: 幻想ポロネーズ Op.61


このピアノに一番あっていたのはシャブリエ。 モーツアルトも弾きやすい楽器でしたが。


 とにかく、今一番演奏していておもしろいのはモーツアルト。 演奏するたびに演奏が変わっていきます。 

今日も、このモーツアルトは会場の雰囲気にもぴったりでした。


 大きな曲を弾きたいとも思うのですが、こうしたサロンでの日曜日の午後、自分が聴く立場で考え、こうしたプログラムになりました。

 今日は、一応ドビュッシーのアラベスクだけ有名曲を加えました。 こうしたふらっと立ち寄る人がいるコンサートは私の好みかどうかはおいておいて、有名曲を1、2曲加えた方がよい、と今までの経験から思うようになりました。

 プログラミングは非常に難しい課題です。


 ショパンは今日はノクターンの方が幻想ポロネーズよりもよかったかもしれません。 


 

 とりあえず、喜んでいただけたようでよかったです。 何人もの方々から、「次のロンドンでの演奏はいつ、どこで?」と聞かれ、ちょうど続けて木曜日にロンドンで夜のコンサートがあるのでそれをお伝えすると、メモを取ってくださる方もいらして、こういうことが一番嬉しい。

  

 咳のために寝付けないでいるので、枕を調節したりして、多分変な格好で寝ているのでしょう。 先週は背中が痛み、昨日から肩甲骨が痛み出したところ。 健康でないとやはり辛いな、というのが今回学んだこと。


 

 このところ調子がよかった、昨年怪我した右手の小指の靭帯、再び痛み始めてしまったので、3日間気をつけて練習しつつ、木曜日、金曜日のコンサートに備えます。 


 コンサート後、ミュージアムの閉館まで1時間あったので、絵画をみてきました。

 元々は1700年代、Foundling Hospitalの建物の1部だったようです。

 いわゆる孤児院で、1700年代から、長い間、最大400人の子供を収容していたようです。 子供を育てることができない女性が後をたたなかったようで、収容にも限りがある為、くじ引きで子供を預けられるかどうかが決められたようです。 


 一番上の階にはヘンデルの展示もありました。

Posted on 2010/05/02 Sun. 04:10 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

02

将来が楽しみな?恐ろしい? 生徒 

 お昼前は暖かかったのでコートを持たずに教えに行きましたが、夕方になって、再び雨。 しかも、再び雷。 なんだか、日本の梅雨のようです。


 何度かここに登場している私の生徒の5歳の男の子。 イースターホリデー中はロンドンにいたようですがレッスンをお休み、といわれていたので、先週は久々のレッスン。 弾きたい曲しか弾いていなくて、私に注意をされ

「僕、みゆきがこういう風に僕にはっきりと怖い声で言うの、初めて聞いたよ」

としゅんとしていたので、昨日はどうか?と思っていました。 


 どうやら先日6歳になったようで、しきりにアピールしていました。 プレゼントにラジコン?を貰ったようで見せてくれたのですが、いとこも女の子、家には妹、という男の子がいない環境で育った私は、ああいう凄い車のおもちゃは驚くばかり。


 レッスン中、楽譜を見て弾くことを覚えて欲しいのに、なぜか私の顔ばかり見て弾いて間違えるので、仕方がないから後ろに立って昨日は弾くのを聞いていました。 宿題の曲を弾き終わって私がまた横に戻ったら

「みゆきが見えなくてさびしかったよ」 と言いながら、ハグしてきました。 

私が見えなくてさびしかったなんて・・・ しかもたった16小節の曲・・・


 ハグしてきた、というよりも私が座る前で立っていたので、お腹というかお尻に抱きついてきた、という状態。

 去年は私に、「そのネックレス素敵だね」とか、「みゆきの髪の毛は長くてきれいだね」とか髪だのネックレスに触れながら、とってもセクシーな言い方をしてきた子。

 挙句の果てに、小学校でクラスの女の子にキスをしてしまったような子。


 一体、どういう子に育つのでしょう?

 カーディフ時代に一緒にデュオをしていた、自称世界一美しい男にちょっと似ていて、きっとああいう大人になるのでしょうか・・・

 今までにも何人も男の子も、この5、6歳、という年齢の子供も見てきていますが、こういう子は初めてです。 


 ちなみに、ピアノも頑張っていますが、スケールを弾くのが大好きで、毎週スケール攻撃にあっています・・・



 明日はロンドンのミュージアムでコンサート。 久々にバッハの平均律を弾きますが、未だに咳がとまらないでいるので、集中力が切れたら暗譜が落ちるバッハは少々不安。 

 でも、いつもとは違う、ミュージアム、という空間で弾くのは楽しみ。 本当はトークを入れる予定でしたが、明日奇跡的に咳が止まらない限り、話すと咳き込むので、無理そうです。

Posted on 2010/05/01 Sat. 05:58 [edit]

category: 音楽

TB: 0    CM: 0

01