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WITH HOPE!!

イギリスで18年間暮らし、2016年7月に日本へ帰国した、ピアノはロシア系、中身はイギリス、国籍は日本人のピアニスト。 

魔法のレッスン 

 既に3週間前のことですが、サマーコースのこと。

 レッスン開始2日目、私はその日は教えもなく、自分のレッスンが1時間だけ。
 あとは、私の生徒のレッスン見学(他の先生のレッスンの)。
 
 その前日に1時間の指導をし、結局、この翌日からは毎日私がみることになった、ピアノ歴2年の女の子。
 この日は、私の師匠が彼女のレッスンを担当。 
 毎晩、先生方は生徒たちの翌日のレッスンの予定を組みます。
 師匠は、できていない子は自分が一度みなくてはいけない、という使命感のようなものをお持ちだと思います。

 前日あまりにも驚く状態だったので、一応師匠に前日の内容をお伝えした方がよいかな、と思って師匠のところに行ったら、教えがないのだから、1時間レッスンを見学してほしいと拉致されました(本当は、この時間は、私の生徒のレッスン見学に行く予定でした・・・)。
 
 あの師匠の子どもへのレッスン。 以前、ご自宅でのレッスンの際、私の前が4歳の女の子で師匠の指導には驚いたことがありました。
 今回は、このピアノ歴2年、全然弾けない子と、このコースでは初であるはずの、UAEからのグレード6に既に良い成績で合格している女の子。
 このグレード6の女の子も私が前日に指導をして、疑問を持った子。

 ピアノ歴2年の女の子、前日にやったことを全て忘れていました。
 それが、コピーをさせるわけではないのに、師匠の指導で、とりあえず、4小節、正しい音で、正しいリズムで弾けた。 あまりの出来事に、私には魔法にしか思えませんでした。
 そんな目に見えてすごいことはしていないのです。 でも、度胆を抜かれた。
 一瞬にして、彼女の音が変わりました。

 UAEからの女の子も、長期にわたって教えるのではなく、短期で、うわべだけではない指導をどうすればよいのか。
 私たちからすると、打鍵に問題がありすぎた。 師匠が直したいと思った部分と、前日私が直したいと思った部分は、同じでした。
 それをどのようにするのか。
 
 現在の私の指導、というのは、
 私自身が師匠に与えて頂いた膨大な時間、内容のレッスンでの記憶。
 ラッキーなことに何度か見学させて頂けた、師匠の奥様の子どもたちのレッスン見学で得た知識。
 私自身がこうして講習会、マスタークラスなどで指導して頂いた記憶。 
 以前から、サマーコースで練習に疲れると、他の方のレッスン(特に子供)を見学させて頂いて得た知識。

 これらをミックスさせたものだと思います。
 怠け者ですし、自分が実際に受けたものを信じたいタイプなので、あまり指導書のようなものは読んでいません。
 共感できる時もありますが、そうで無い時、納得しないでそれを受け入れるよりも、私が信用している先生方の伝統をつないでいきたい、という思いがあるからかもしれません。

 通常のレッスンでは、ひらめきが強い方なので、生徒たちの問題点がみつかって、それまでにその解決をしたことがない場合は、どうすれば一番良いのか、というのがどちらかというと、すぐに閃いて、それにより問題解決をする。 それでうまくいかなければ、他の方法を試す。 というスタンスです。
 私が弱いのは、他から移ってきた子供で、ある程度進んでいるのに、とんでもない癖とか、根本的な問題がありすぎる時。
 長期にわたってみるこの場合は、ご両親、本人と話し合って、長期戦で一度全てを崩して臨みます。
 が、こうして短期の場合、どうするのか??
 多くの場合は、残念ですが根本的なことには目をつぶって、とりあえず、うわべを良くします。
 そういう先生がほとんどです。

 でも、私は性格的にそれが嫌。 
 根本的解決をしなければ、1週間が無駄になる子供たちもいます。
 師匠の場合、あまりにも癖が強くて出来上がっている場合は、それをいかしていくことも多いのは確か。
 ですが、改良の余地がある、と思えた場合(これは、私が思うに、付き添いのお母様だったり、本人だったりを先生は結構鋭く瞬く間に観察しています)、これからに役立つであろうこと、この1週間でできるであろうことを伝えていきます。

 これが、再び目から鱗が落ちるレッスンでした。
 
 UAEからの子は、この後私は2度レッスンをしましたが、師匠のレッスンを元に、直していき、できている部分は、その次の階段を上るだけ。

 私にとって、今回の講習会で、自分自身が受けたレッスンももちろんですが、この師匠の1時間のレッスン見学をさせて頂いたことが、あまりにも大きな糧でした。
  
 でも当たり前ですね。 この私を、21歳から指を一本ずつ持ちながら打鍵法を教えて下さった先生。
 普通なら無理、と言われる世界ですが、どうにかなんとかここまで来ることができた。
 もちろん、私は大きなピアニストではないし、コンクールも予選落ちを繰り返し、大きな舞台にも立っていません。
 でも、日本なら、いや、多くの先生には門前払いになってしまうような経歴でもここまでは来ることができた。
 なんだかんだ言いながらも、とりあえず、王立音楽大学の修士号は修了していますし。
 
 できが良く、それなりに出来上がっている生徒に磨きをかけられる先生もたくさんいる。
 でも、私は結局のところ、できない人を根本的にできるようにできる先生が好き。
 師匠は有名ではありませんが、そして私が下手だからというのもありますが、師匠から学ぶことはまだまだ多くあります。
 毎回のレッスンでは、打ちのめされてばかりいます。
 
 私が師匠に初めて出会った時の予定だと、師匠は今頃80代のはず。
 私の(いや、多くの人の)予想を大きく外れて、来年還暦。
 
 コースが終わって、師匠としゃべった時、私が、初日に先生だと思われなかった(その後も、実年齢より7歳以上は若く見られることがわかった・・・)という話をしたら、以前から知っていたことでもありますが、師匠の髭の話に。
 師匠は若くして自分よりも年上の人たちの指導をした為、若く見られないように、20歳頃から髭をはやしているそうです。
 だから、私にも考えてみろ、と。
 ストラヴィンスキーのThe Rake's progressのオペラの話になって、女も髭をはやすだろ、と。
 さすがの私もこれには従いませんが。
 若く見られるのは複雑。
 もう少し年を重ねたらそう思えるようになるのでしょうが、ヨーロッパで素敵に年を重ねているご婦人を目にすることが多いので、若ければよい、という考えがあまりありません。 私の場合中身の問題でしょうね。

 というわけで、この夏に得たことを私の生徒たちに伝えていきたいです。
 私も先生の魔法をほんの少しでよいから使えるようになりたい、と思うばかりです。
 望んでばかりいないで、身につけなくてはいけませんね。


 

Posted on 2014/09/08 Mon. 12:41 [edit]

category: サマーコース 2014

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08

ファンコンサート 

このサマーコース名物、ファンコンサート。
見かけだけは(中身は? 真面目ですが、時折私にエロおやじと言われるような部分もあり)真面目な師匠が主催するのに、やはり彼はロシア人。 私が思うに、非常にまじめな顔を、性格をしていても私がこれまで出会ってきたロシア人たちは、ユーモアに優れ、ウィットがある。 イギリスのおやじギャグとはまた違う。

 以前は、師匠とそして、このサマーコースを最初から指導しているモスクワのイリーナ先生の二人が楽しみたいが為にファンコンサートが存在するのでは?と思う部分もありましたが、この数年先生方はすっかり楽しむ方に回ってしまいました。(昨年だけは、久々に師匠とイリーナで出し物をしましたが)

 私は基本、観る専門なのですが、昨年は、師匠に事前確認なく、サン・サーンスの『白鳥』を弾いて頂き、それにあわせて、寮の部屋からはがしてきたシーツをチュチュ替わりに腰に巻き付け、10年以上ぶりにトウシューズを履いて、瀕死の白鳥もどきを踊った為、それを覚えていらした昨年の参加者の方々から、今年もまた踊るのか?と事前に聞かれたのですが、今年はその余裕ゼロ。
 というか、基本そういうアイディアを持ち合わせておりません。
 昨年は、実家の床に捨てられようとしていた趣味でバレエを続けている妹のトウシューズがあるのが目に入ったからひらめいた産物。

 今年は、基本皆おとなしめ。
 久々に再会し、同じく教授アシスタントとしての参加だった、モスクワからのヴァイオリンのリーザは、彼女がコース中指導していたヴァイオリン、チェロのアンサンブルを素晴らしいユーモアを交えて演奏。
 あの彼女があのような演技ができることに、私は驚き続けるばかりでした。 やはり、ロシア人なのだな、と。

 私は何もやる予定は無かったのですが、事務のことをしているドイツ在住ロシア人の男の子(元コース参加者)がその場でその企画に参加する人を名指しする、という企画で名指しされ、よくわけがわからぬものに参加。
 モスクワのイリーナ先生、師匠が呼ばれ(この二人は、事前確認なしに名指しされても絶対に断らない、という判断をされている人たち)、遊びに来ていた師匠の長男の従弟(在住国は違いますが、父親はロシア人)、師匠の長男のガールフレンド(ロシア人)そして、私が呼ばれました。 師匠の長男は、ピアノの前へ。 どうして、こうファミリー感の強い中に私まで入れられているのか、謎。
 ロシア語の言葉遊び的なもので、私もロシア語の単語を一つ覚えさせられ、リズムに合わせて言っていく、というようなもの。 ちなみに、師匠は言葉ではなく、変顔というか、唇で変な音を出す、というか・・・ 先生にあれをさせるのはさすが・・・
 
 このコンサートの序盤、日本人の子たちが、日本の歌を2曲歌ったのですが、私はそちらへは参加もせず、なぜか一人ロシア語人ではないのに、ロシア語グループの企画に入れられる、という矛盾。 そして、私もなぜかこういう突然企画に含めても大丈夫要員にされているらしい不思議。
 私、国別に分けられたらどこに入るのでしょう? 先日書いたように、ここはピアノのコースだから、ピアニズムで行くと、Japaneseではなくて、Russianというくくりになるのか? 来年からが怖い。
 私が憧れる女性は、モスクワのイリーナ先生ではなく(彼女もとても素敵ですが)、クールな師匠の奥様。
 クール系で行く予定が、すっかり宴会要員のようです。

 4年ほど前からコースに来るようになった、全盲の女の子がいます。 彼女のことは、私はカーディフの音大の子どものための音楽教室で働いていた時に出会ったので、10年知っていることになります。
 ピアノが大好きな彼女は、ファンコンサートで、毎回のように即興演奏を披露してくれます。
目が見える、とか見えない、とかではなく、あの感性。 今回は、途中から彼女の先生であり、このサマーコースでも主にグループレッスンの指導をしていた、私の13年来の友人がトランペットで加わっての即興。 
 カーディフの大学時代、必修であった、ジャズの授業で苦戦し、即興が大の苦手の私からすると、非常に羨ましいばかりの演奏でした。

 子供の頃からの夢は、欽ちゃんの仮装大賞に出ることだった私、このファンコンサートが、欽ちゃんの仮装大賞代わりか??? にしては、頭が固くて、ロシア人グループのように良い企画がなかなか頭に浮かびません。
 音楽を元にしつつ、そこに工夫を凝らしていく。
 それは、最初の曲紹介、なんていうことからも始まるのです。

 
 
 

Posted on 2014/09/03 Wed. 23:30 [edit]

category: サマーコース 2014

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03

サマーコースでの自身のレッスン受講 

 本当は、サマーコースが終わって3日後から、コンクールへ行こうと思っていたのですが、締切直前になって、自粛。
 やめておいてよかった、と思う今週でした。

 サマーコース(講習会)から、早いもので既に1週間が経過。
 師匠ご夫妻の連弾のCDをかけながら、これを書いていますが、いつもの生演奏に比べ、やはり録音、ということで多少守りの演奏(←生意気? でも、師匠ご夫妻の演奏を何度も聴いているからこその感想)。
 それでも、リムスキー・コルサコフの『シェヘラザード』のピアノ連弾版、元がオーケストラであるわけですから、それだけ、難しい。 あの豊かなオーケストレーションをピアノ1台、4手で表わしていく。
 録音でも聴こえる、多彩な音色。 心地良いフレージング。 私にとっては、胎教のようなものです。
 これが、日本の素晴らしいホールで、素晴らしいけれど決して使われているとは言えないようなフルコンで録音されていたらどれだけ良かったことか。
 今でも私が思い続けていることは、いつか、先生ご夫妻を日本へお招きできること。
 決して有名ではないあのお二人が紡ぎだす連弾の世界は、ぜひ生で聴いていただきたいもの。
 派手ではないロシアピアニズムがあることを、ぜひ知って頂きたい、と思ってなりません。

 さて、サマーコースのことを少し。
 
 どこから始めようか、と思いますが、まずは私自身が受けたレッスンから。
 基本、このサマーコースは毎日30分のレッスンを2回(30分ですが、レッスンは1時間単位で組まれるので、2人一組で、相手のレッスンを30分聴講することにより、より多くを学ぶという趣旨)。
 今回は私は微妙な立場だった為、過去にも他の人でこういう配慮をされていた人もいましたが、私は初めて、最初の3回のレッスンは1時間のレッスンを一人で、そして最後の2回は30分のレッスンを2回、という状態でした。
 
 元々ロシア人でモスクワ音楽院で勉強した者の、1980年代にイスラエルへ移り住んだイリーナ・ベルコヴィチ先生は初日と最後のレッスン。 1度目は、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第8番を、2度目のレッスンでは、モーツアルトのパイジェッロの歌劇『哲学者の・・・』よ6つの変奏曲をみて頂きました。
 バッハは、大学生の時に勉強して、時折解凍しながら、時間制限が大丈夫であれば、コンクールでも弾いている曲です。
 バッハが強いイリーナ先生に私が実際にバッハを見て頂くのは、初めての経験。
 それなりに自分の世界観があり、評価もして頂いていたバッハですが、レッスン後頭がおかしくなりそうになるほどしごかれました。
 特に、この曲を見て頂くと、大抵はフーガに時間を費やすのに、レッスンの3分の4をなんとプレリュードに費やす有様。
 絶対に妥協しないレッスン。 自分であれ以上どうにもできないでいたものが、全て解消され、すごく良かった。

 その日の夜、レッスン後ほとんど練習はできなかったのですが、グループにわかれてのインフォーマル・コンサート(私は、元々はまとめ役としての仕事、でも大学卒業年齢以上のグループだった為、弾く人も少なくて、どさくさにまぎれて、弾かせて頂きました)、レッスンでのことをほぼ直し(自分の中に入れて)、今までにないバッハを弾けたことが嬉しかった。
 長く長く付き合っていきたい曲です。

  2度目のレッスンでのモーツアルトは、単純だからこそ苦戦している曲。
 7月に師匠にも絞られましたが、また違う視点からで興味深い。
 ただ、私の心が一番落ちていたこの日、最初に通した時、驚くほど弾けなくて、先生もびっくり。
 精神面の弱さを先生にも注意され、これは以前から師匠にも言われていることなので、いい加減、強くならないと(どこかから何か飛んできそうですが・・・)と思うばかりでした。

 
 2001年、私が全然弾けない時から、ずっと私の演奏を聴いていて下さっている、モスクワ音楽院のイリーナ・オシポヴァ先生。 昨年は残念ながら先生のレッスンを受けることができませんでしたが(なぜか、レッスンを入れて頂けなかった)、今回は2度のレッスン。
 1度目は、5月のコンクールの時に一度仕上げて放ってあった、スカルラッティのソナタと、10年ほど前に先生に指導して頂いたことがある、ラフマニノフのエチュード作品39-3。
 ラフマは、7月のコンクールで久々に弾いたものの、審査員の先生方から一番厳しいご意見だったので、もう一度鍛えて頂きました。
 それにしても、先生はよく覚えていらして、私にこの曲を以前指導したことを覚えていらっしゃいました。
 7月に師匠にもこれをみて頂きましたが、やはり、ラフマをお得意とするイリーナのレッスンは一味もふた味も違う。
 私の技術的なものも、10年前とはケタ違いなので、今回もう一度やり直して頂いてよかったと思います。
 10年前には難しかったことが今はできるようになっていたり、だからこそ、手直ししていく部分があったり。
 
 2度目のレッスンでは、ショパンのバラード第1番を。
 心が不安定すぎる状態だったので、良い演奏ができませんでしたし、とにかく練習時間がなかった一番最後のレッスンでしたので、後悔はありますが、先生はそのところを理解下さり、これからどうすればよいのか、を中心にしたレッスン。
 ここでも、数年前に指導して頂いたような内容を、
「数年前に、ショパンのノクターンで同じこと言ったでしょ?」
 と言われる有様。
 海外に指導しに行くことも多い先生、こうしてできの悪い一人に何を指導したのかまで覚えていて下さること、身が引き締まります。
 
 バラードは、2年前に一度仕上げて、弾きこんでいこう、と思っていた時に骨折をして、その後、左手の技術的な部分が回復しなくて、ずっと冷凍庫に入れっぱなし。 今回、1週間で解凍したものなので、レッスンを受けるのを迷いましたが、非常に苦手意識の強いこのバラード第1番、ちょっと先が見えてきました。

 そして、師匠のレッスン。
 話は前後しますが、イリーナにバラードを見て頂く前日に、師匠に1時間ほど、ショパンのバラード第1番を見て頂きました。
 この曲をレッスンして頂くのはこれが初めてのこと。
 先生が使っていたレッスン室はグランド1台なのですが、横にアップライトを持ってきて、久々に2台ピアノでのレッスン。
 頭に来るほど(いや、情けなくなるほど)、私のファツオリでの演奏よりも先生のヤマハのアップライトの方が良い演奏なのです。 良い演奏、というよりも、音色が凄い。
 
 私が知る限り、師匠の生徒でバラードの1番を与えられた人はいないので(私のカーディフ5年間の話)、師匠がこの曲に対してどうなのかが不安でしたが、師匠自ら弾きながら、立体的になるレッスンでした。
 細かい部分は今までに師匠に鍛えられてきた部分でほとんど直しはないので、私の課題は全体的な部分。
 もちろん、細かい部分の直しもあるので、久々に楽譜を取り上げられ(他の日本人の方のように、2冊楽譜を用意していきませんし、師匠はどこからでも暗譜で弾けるべき、という考え。 これができていなくて大学生時代は怒られたこと数度・・・)、言われたところから弾いていきますが、今回はボロを出さずにすみました。 この数年で私の練習方法(特に、譜読み+暗譜方法)が変わってきたことによる産物か、と思います。

 2台ピアノで一緒に弾いていくので、そして流れが大きくできていくので、なんとも爽快。
 ですが、凄い白熱レッスン。
 1時間弱のレッスンが終わった時には、私、完全に放心状態。 
 周りの方が気が付くほどの放心。

 今回、レッスンの復習の練習時間もないので、私にしては珍しく、レッスンを録音させて頂きましたが、全てのレッスン、レッスン中に直しているので、楽譜を開けば、ほぼ覚えている状態でした。
 
 私は周りの方々と違い、年齢と経験が比例していません。
 だからこそ、この年になっても、こうしてまだまだレッスンを受けたいと思う。
 私がこれからもずっと指導を受けたいと思うこの3人の先生方、皆さん60前後。
 先生方がいつまでもお元気でいられるとは限らない。
 この年代の先生方に(フリエールとか、マリーニンの弟子たちですし!!)、うわべではない指導を受けられることは貴重。
 私にとって、先生方が有名か無名かは全く関係ない。
 有名でも残念な指導の先生方を何度も見てきています。
 私にとって納得ができ、信頼し、ついていける先生方。 
 まだまだ学ばなくてはいけないことが、山積みです。

 定期的なレッスンを受けていないからこそ、貴重な計4時間のレッスンでした。
 
 
 
 

Posted on 2014/08/30 Sat. 20:29 [edit]

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30

サマーコース終了、既に2日・・・ 

ご無沙汰しています。
すっかり、夏という言葉がどこか遠くへ行ってしまったかのようなロンドンです。

一昨日、23日の夜、無事1週間のサマーコース(講習会)を終えて、生還いたしました。
最後の4日間は特に大変で、まさに怒涛の1週間でした。

受講生、として申し込みをしてあったにも関わらず、結局のところ指導業が主になり、4時間のレッスンは受けてきましたが、講習中はほとんど自分の練習の時間も取れず、毎晩10時半頃に練習室を追い出されるまで練習。
レッスン受講、レッスン指導、私の生徒のレッスン見学、コンクールの伴奏、その他諸々の雑用。
本当にあっという間にすぎて、でも濃くて濃くて仕方がない1週間でした。

というものの、毎日の食事の心配もせずに、3食、食堂へ行けば食事をとることができ、いつもは一人の食事も、皆でおしゃべりをしながら。
夜は年齢が違う方々とおしゃべりをし、非常に充実していたことは確か。

この講習会は、特定の先生に習うのではなくて、様々な先生にロシアンルーレット方式で習うのが特徴的。
夜に先生方が話し合って、翌日の予定を決める為、生徒たちは朝にならないと、その日にどの先生の指導を受けるのかがわかりません。
ですが、私は今回、正直皆が驚くほど全く弾けない子供が参加していた為、1日を除き、5日間、私が彼女の面倒をみることに。
きらきら星が両手で弾けないレベルです。
私は11回目の参加で、ここまで弾けない子が参加するのを見たのは初めて。
ですが、この講習会は初心者も受け入れることになっている講習会。
途中、師匠に泣きつきながらも、最終日までには何とか両手で弾けるようにし、もっと大切なことは、彼女が間違った、ということを気づけるようになるまでの指導をして、最後のコンサートでは、この私が涙するほどちゃんと弾けるようになりました。 もっとも、その私の姿をみて、「お、どうしたんだ?」と師匠が雰囲気をぶち壊してくれましたが。

彼女の状態を知っていた師匠は、たとえ、最後のコンサートで彼女がきちんと弾けなくても、私のせいにはしなかったと思いますが、他の子どもたちと違い、彼女のことは私に丸投げされたので、その責任、プレッシャーは計り知れないものでした。
 あの指導についてきてくれたことに感謝。
 他の先生方と違い、肩書が全くない私の指導なのに、文句ひとつ言わずに、信じて下さったお母様にも感謝です。
 もっとも、一番最初のレッスンの時には、「あなたが先生なの?」と驚かれましたが。
 いまだに、ヨーロッパの人たちには私の年齢は外見と釣り合わないらしいので。

 
リピーター率も高く、嬉しい再会もたくさん。
中でも、9年ぶりに、モスクワから毎年いらしているヴァイオリンの先生のお嬢さんと再会できたことが大きな喜びでした。
彼女とは、お互いに生徒としてこの講習会で出会い、今回は、お互いに教授アシスタントとしての参加。
彼女はモスクワでヴァイオリンの指導をしている為、彼女も生徒さんをモスクワから連れてきていました。

私は、今回はイスラエルとモスクワのイリーナ先生(二人とも同じお名前)、そして師匠のレッスンを受けてきましたが、毎回が真剣勝負。 レッスン後に練習をすぐにして定着させる時間がない分、レッスン内で全て直していきます。
なので、レッスン後には周りの方々から心配されるほど、腑抜け、放心状態。
まだまだ先生方から教わりたいことがたくさんです。
すぐにでも、今年こそイスラエルへ勉強に行きたい気持ちですが、今の状態だと・・・
先生には心配ない、と言われましたが、さすがの私も今の状態のイスラエルに飛んでいく勇気はありません。

23日の日は、6時過ぎに全てが終わり、荷造りをして、結局のところ9時ごろまでその日も泊まる人たちとおしゃべりをして、帰宅したのは夜10時半過ぎ。
昨日は、一日何もできませんでした。 ベッドの上にいた時間の方がはるかに長い。
荷物を片付ける気にもならず、洗濯機に洗濯物を入れることすらできず、こうなることを予想して、あらかじめ、ご飯とおかずをタッパーに詰めて冷凍しておいたものを、電子レンジに入れて食べる。 これだけしかしませんでした。
さすがに今日は雨の中買い物へ行き、洗濯もしましたが。

来年からは、指導に専念になってしまうのかな?と思いつつ、あの厳しい師匠が私をアシスタントとして雇ってくださって、ご自身の生徒のレッスンも任せて下さって、ありがたく、嬉しいばかりです。

私は日本のパスポートを所有し、日本人の外見で、日本で生まれた、という事実を変えることはできない。
生活している国はイギリス。 イギリスの教育機関で勉強して、日本よりもイギリスを理解する人間。
でも、ピアノに関しては、根っからのロシア人。
ロシア人の先生方の指導が心地良く、彼らの求める指導を理解し、私自身の指導も、イギリス人でも日本人でもなく、ロシア人。
そりゃあ、導入から指を1本1本持ちながら私に指導をして下さったのは、あの師匠。

現代社会はボーダーレス、と言われるかもしれない。
でも、こういうマルチの中で生きているからこそ、ボーダーレスでは決してない世界を実感し、日本対ヨーロッパのはざまで生き、難しく感じることも多々ある。
私は、よほどのことがない限り、日本に住んで日本のピアノを変えなくてはいけない、なんて全く思いません。
根本的に違う国だから。
今回も多くのことを思い知りました。
私は日本のピアノ界で生きていくことは不可能。
自分の人生を犠牲にしてまでそうしようとは全く思わない。
これが明らかになったのが、今回の講習会でした。

お世話になった方々、ありがとうございました。
今日はまだダラダラしていましたが、明日からはまた真摯にピアノに向かいたいと思います。

少しずつ、回想記録を書いていきたいな、と思います。

Posted on 2014/08/25 Mon. 21:53 [edit]

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25

明日から恵まれた牢獄へ 

 暑い日本が羨ましくなるほど、まだ8月中旬なのに、すっかりと今週に入ってから秋の風になっているロンドンです。
先週までは、家の中ではノースリーブだったのに、今はカーディガンを羽織り、昨晩は、掛布団だけでは、少々肌寒く、毛布が必要かな?という気候になってきました。
 
 前回の続きを書きたいですが、再来週に。
 明日から、サマーコースです。
 自宅から車があれば、30分ほどの場所ですが、生憎運転ができないので、現地に泊まり込みます。
 今回は、3.5、いや、4足のわらじをはくことになるであろう、サマーコース。
 受講者、指導者、伴奏者、雑用・お世話係と受講者の苦情承り係。 これに場合によっては通訳。
今回は、英語を話せる日本人も多いのがわかっているので、例年よりも楽なはず。

 気候の変化で体調を崩すことを心配はしていましたが、ハニー&レモン、気合でどうにか乗り切りました。
 
 1週間、食事の心配もせず(寮なので、3食付)、ピアノに打ち込んできます。
 毎年のように、女の先生方とは、コース終盤になると、「もうそろそろ、家事に戻るのよね・・・」という会話が行われます。
 私は独り身なのでまだ良いですが、ご家庭がある先生方はもっと大変でしょうから。

 ピアノも荷物も準備が終わりませんが、どうにかなるでしょう。 いや、しなくてはいけません。
 人里離れて、周りには自然しかない(徒歩圏内に、コストコはありますが)中で、朝9時から夜まで決められたスケジュール。 常連たちは、『恵まれた牢獄』という言い方で、頑張ります。
 2001年に初参加してから、今回が11回目の参加。
 師匠の長男を除くと、一般参加では一番の古株の1人。 
 8日後、無事生還できることを願って、勉強してきたいと思います。
 
 1週間後の天候が読めない為、北半球の8月だというのに、セーター、ヒートテックを念の為持参します。
 日本の暑さを理解した上で、夏なのに汗をかけない不健康な気候に悲しくなる、私の8月です。
 

Posted on 2014/08/15 Fri. 13:13 [edit]

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